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| 温対法と省エネ法の原単位問題―「全電源平均」と「火力平均」
田中 俊六
¥ 1,680(税込)
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ジャンル内ランキング:167,422位
カスタマーレビュー数:4
【くちコミ情報】
ちょっとアンフェア
サブタイトルが「「全電源平均」と「火力平均」」というもの。それだけに、コージェネレーション関連事業者などはとても気になるのではないだろうか。本書は「全電源平均」を採用する「地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)」と「火力平均」を採用する「エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)」を中心に、どちらが「地球温暖化対策」のための数値として適当なのかを論考したもの。この「神学論争」にどのような結論を下すのか、その点が注目される。 結論を言えば、田中は「全電源平均」が正当だという。これは次のようなアナロジーにより説明される。年間の発電量が火力など調整できるものと、原子力や水力のように硬直性を持ったものに分けられた場合、省エネによって離脱する需要は一見、火力平均でCO2を換算した方が適当に見えるが、同様に新規需要が入ったとき、火力平均のCO2を適用すると、結果として全電源平均を用いるしかなくなることになる。さらに長期的な視点に立つと、新規需要に対する電源の拡大は火力のみではないため、やはり全電源平均が適当ということになるということだ。こうした説明は、一定の合理性がある。 とはいえ、やはり本書は神学論争に終止符を打つものにはなりえない。田中は「原単位」の問題は国家のエネルギー戦略を考える問題であり、原子力を増やしていくためには「全電源平均」を支持すると主張する。だが、気候変動問題やエネルギーセキュリティ問題を考えた場合、原子力の増強が正しいのかどうか。むしろそれは次善の手段であり、まずエネルギー消費の抑制が求められるのではないか。そうしたとき、一次エネルギーをどのように抑制していくのか、といったデザインを考えた場合、「火力平均」を利用する部分も必要ではないだろうか。とりわけ、電力会社が太陽光発電や風力発電に対し「石油の焚き減らし程度の価値」しか認めないのであれば、相応のCO2削減効果も同時に認められるべきだろう。 結局のところ、「神学論争」は不毛であり、問われるのはこの国がどのようなエネルギーシステムをデザインしていくのか、ということである。そして、どのような政策が現実にCO2排出削減していくのか、という視点こそ、もっとも重要だ。
正しい温暖化防止策検討のため必見
地球温暖化を食い止めるため、全世界で協力し、もっとも少ない コストでもっとも効果的な対策を早急に講じなくてはいけません。 各企業とも、「エコ」をキーワードに、自社の製品、サービスが一番 地球にやさしい、とのアピールに躍起になっています。 「エコ」「省CO2」を合言葉に、人類が一丸になって問題に取り 組むのであれば、それに越したことはありません。しかし、そこに 国や企業の思惑が入りこみ、「エコ」の名の下で「エゴ」が横行する ことは避けなければなりません。 本書は、電力会社からの電気の購入を控えた場合、どれだけCO2 の排出量が削減されるか、という温暖化対策のごく基本的な計算方法 すら法律では明確な基準が定められていなかった「不都合な真実」が 明らかにされています。 自家発電やコージェネレーションの普及をはかる立場にとって、電力 会社からの電力購入を控えた場合のCO2削減効果は大きく算出され た方が、環境性を重視する顧客を満足させることはできるでしょう。 しかし、それが電力系統の運営実態とは異なる過大な削減効果である とすると、温暖化対策には実効があがらないことになります。 石油危機以降進められてきた「脱石油」のための「省エネ」から脱皮 し、「脱温暖化」のための「省CO2」に政策の軸足を移すのであれば、 エネルギーやCO2の尺度(原単位)も時代要請に則した客観的な尺度 に統一が必要である、との筆者の明解な主張に、行政担当はいかなる 対応で応えるのであろうか…
初めての解説本ではないでしょうか
社内で省エネ対策効果などを算定する際に問題となっていた、 原単位問題についての解説本は初めてではないでしょうか。 省エネ法はよく把握していたつもりでしたが、その中に原単位 問題が内包されていたとは知りませんでした。 また、温対法については恥ずかしながら良く理解していなかった ので、その点でも勉強になりました。 原単位問題が単純ではなく、根が深く、大きな問題であることが よく理解できました。こういった問題を内包することは、定量的 評価結果に疑念をもたらすため、公正な比較評価のために、論理 的に正しい形で収束することを期待します。 中身が濃いので、通勤途中で軽く読むのではなく、じっくり時間 を取って読むのが良いと思います。 私の会社では、海外事業場も統括しているため、国内的な扱い だけではなく、海外での扱いや国際的な扱いも重要です。そのよ うなケースも多くあると思います。本書で指摘している原単位問 題は国内に限った問題ではないような気がしますので、国際的な 扱いについても、もっと解説されていれば良いと感じました。
原単位問題って何?
地球温暖化対策について、テレビ、新聞、ネットその他マスコミなどで毎日どこかで報道されています。そのことと、本書で書かれていることとが、密接な関係があることを読んでわかりました。一部専門的用語が出てきますが、読みながら理解がすすみ、さほど気にならなくなりました。 本書を読んでみて、われわれ工場などで電力削減をしたとしても、CO2排出削減量の算定に、全電源平均の係数を使うか、火力平均の係数を使うかで全体としてのCO2削減が今後どうなるのかが良くわかりました。省エネ法は工場関係者にとって需要な法律ですが、いまのままだと、ちょっと不備な感じがします。最終的にCO2の総量を削減しなければならず、そのためには係数に全電源平均を使うべきなのでしょう。 この前出された、第4次IPCC報告でも、人為起源の温室効果ガスの増加が温暖化の原因だと断定していました。このままいくと、大気の温暖化問題だけでなく、海洋の酸性化も進み、地球そのものがあやうい状況になりますね。 この本はすごく重要なことを指摘しているとおもいました。工場関係者にとって必読書ですね。
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