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[2008年12月05日 06時51分]


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NHK「美の壺」制作班 (編集)  
¥ 998(税込)
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カスタマーレビュー数:1

くちコミ情報
日本人の「魂の器」その気品が伝わってくる
 金粉を「蒔く」と、文様の「絵」に貼り付くので「蒔絵」と言う。唐から伝来したものが、日本独自の発展をみせていく。文化の和様化の流れの中で進化していく。さまざまな技法を駆使して【幽玄なる自然】を創出する。  漆黒に金の響きあり…華やかな金の装飾を引き立てるのは、もうひとつの主役、漆の「黒」とのバランスを大切にする。明と暗、陰と陽。絶妙の対比が、器の品性を決める。   文豪谷崎潤一郎は「陰翳礼讃」の中で、京都で見た蒔絵の魅力を語っている。 「金蒔絵は明るい所で一度にぱっとその全体を見るものではなく…豪華絢爛な模様の大半を闇に隠してしまっているのが、云い知れぬ余情を催すのである…」想像力を駆りたてる漆の黒。漆黒の闇。その効果を思わずにはいられない。  本書にはさまざまな実物写真が紹介されている。代表的なものを一つだけ挙げると「黒呂色群翔蒔絵小隅丸型三段重」である。漆黒に羽ばたく鶴の群れ、それは奥ゆかしい寿ぎの代弁者のようだ。実物のすばらしさが想像される。   花鳥風月の意匠は、芸術の国日本の象徴みたいなものであろう。実体・現実の向こうに気品でとらえ、「心で見た」世界が創られている。蒔絵はその美の化身とも言えるのではないか。日本人の精神形成に深くかかわってきた漆芸術「蒔絵」の魅力が集約されているのが本書である。【魂の器】と呼ぶのに躊躇はいらないだろう。   

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