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[2008年12月05日 11時11分]


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五十嵐 太郎  
¥ 798(税込)
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ジャンル内ランキング:30,084位  
カスタマーレビュー数:10

くちコミ情報
なぜピョンヤンの写真が ?!
建築や景観はカラー写真をみないとわかりにくいが,冒頭に 4 ページにわたってそれがあるのは,新書としては気がきいている.本をよみすすむまで,そのかぎられた写真のなかに北朝鮮のピョンヤンの写真が数枚ある意味がわからなかった. いろいろな話題がとりあげられているが,そのなかでも著者が力説しているのは日本橋をふさいでいる首都高を地下に移設するカネがあるなら,もっと有益なことがたくさんできるということである.この首都高移設に代表される「景観論」の極致として,整然としていて美しいピョンヤンの景観があるという.著者が最後に書いているのは,こういう「景観論」のいきつく果ては「何ごとも起こらない,変化なき永遠の定常状態.それは歴史の終わりかもしれない」ということばである. 逆説的な書き方だが,著者が生き生きとした都市をもとめていることがつたわってくる.
景観論に止まらない視点
「美しい街づくり」「美しい景観の保護」が叫ばれ、「醜いもの」狩りが行われている。だが、「美しい街」とは何なのか? 「美しい街づくり」に関する話から、現実・虚構の街までを含めてそれを探る。 本書は2部構成になっており、第1部で日本橋と首都高についての議論を中心として「美しい街づくり」を巡る「美」に関する基準の問題について語り、第2部で香港、上海からアニメ内の風景、幕張、平壌まで含めて実際の街の様子を描く。 2部構成の中で、私が面白いと思ったのは、その「美」について語る第1部である。街づくりについて、「あれは醜いから排除しろ!」と言った文言ばかりが先に立ち、実際に「美」について議論されることは無いままに話が進む現在の日本。曰く「日本橋の上に首都高は醜いから排除すべき」「電柱・電線だらけの街は醜いから地中に埋めろ」…などなど…。しかし、それらは本当に醜いのだろうか? そもそも、現在の日本橋は、それほど価値があるのか? については鑑みられない。しかし、本来は、それこそが重要なのではないか? と著者は語る。同感である。 さらに、本書の中で印象的であったのは、景観を語る際のパターン。「あれを排除すれば美しくなるはずだ!」と、わかりやすい敵を作り、それを攻撃することで景観をコントロールするのは、「ゲームやアニメを排除すれば、子供が良くなる!」みたいな、私が批判的に捉えている言説と同じ構図である点。実際、建築も芸術と捉えれば、同じ構図があって当然なのだが、ここまで類似しているとは思わなかった。また、そういった話を受けての第2部。「景観論者のユートピアは平壌では?」には大笑い。芸術や文化についても徹底的に管理されている、という意味でも、全く同じになる。 本書に書かれているのは、あくまでも建築・街づくりについてであり、途中、(特に幕張の街づくりなどは)やや素人からするとわかりづらいかな? と感じる点はあった。しかし、実に刺激的で面白い書として仕上がっている。
やさしくはないが、優れたストリーテーラーである。
日本橋上の首都高速移転の論争を中心に建築雑誌で発表した物を一冊の新書にまとめあげた物であるが 非常に挑発的な一冊に仕上がっている。 でてくる論客を保守(?)革新(?)にバッタバッタと切り分け、非常に面白いストーリーを作り上げた。 各論客個人については、もう少し複雑な側面もあると思うが、物語をよりわかり易くかつ面白くするには、これもありだろう。 最終章に「ユートピアとしての平壌」持ってこなかったのは、物語が出来過ぎるのをあえて避けたのだろうか?
建築の専門知識が必要
本書を読むためには専門知識が必要だと思いました。 建築家の名前はたくさん出てくるし、建築家的な視点もたくさん出てきます。 新書としてはあまりに専門的で、素人の私にはつらかったです。 写真がもっと載っていたら多少は読みやすいかもと思いました。 ただ、筆者のいいたいことというのは伝わってきます。 今後の景観というものを考える上では非常に参考となる意見が多かったです。
美しさの定義
都市の美観といっても、その美醜の判断の難しさを教えてくれる本です。 杓子定規な「美しさ」の定義を用いたら、北朝鮮の平壌がシンメトリーで安全で整然とした「美しい都市」となるという逆説は秀逸です。 ただ建築家の固有名詞や建築物の名前がでてきても写真がないものも多く、また見たことのない映画についての解説もなんのことか分からず戸惑う部分もありますが、「美しい日本」という時の美しさの定義の難しさ・法律的な規制の危うさがよく理解できました。

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