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[2008年12月05日 11時28分]


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小和田 哲男  
¥ 460(税込)
通常24時間以内に発送
ジャンル内ランキング:120,315位  
カスタマーレビュー数:6

くちコミ情報
面白いけどがっかり。
信長は日本史上一番の英雄扱いされてはいるが、必要以上に悪く言われている人だとも思う。 この本も、冷静に信長を語っている反面、どうしても著者の偏見や価値観といったようなものがにじみでているように思う。 信長のやったリストラを捨て殺し、普段を恐怖政治と、わざとキャッチーで極端な言葉でよんでいるが、例を見てもそうは思えない。ただの煽りすぎに見える。 海外と比べても、中世の封建社会では、こんなの甘すぎるほどではなかろうか。よくぞこんなので成功できたと思えるほどだ。 本当の恐怖政治というのは、こんな甘っちょろいものではないし、フランス革命時やスターリンなど、ただの専制君主とは別のベクトルのものだと思っていたのだが、違うのだろうか。 信長のは理由が納得できるうえ、規制緩和もし、身分ではなく、実力で多くの人に門戸を開けているので、全然自由で公平に見える。 実際には、日本にだって、もっとひどい話はいくらでもあるし、それを専門家が知らないとも思えないのだが・・。 そもそも、著者が捨て殺しされたと言ってる人達は、貰う物ももらえずこき使われているのが普通だった封建制度の庶民とは全く違う。 貰う物だけ貰っておいて、働きのよくない者を、上の者だからというだけでずっと優遇するのであれば、信長には、ここまでの勢いは生まれなかったのではなかろうか。 それを単に「捨て殺し」という言葉を使ってしまうのは、大いに主観が入っているように、私にはどうしても感じられてしまう。 著者には著者の価値観があるのはわかるが、世の中には全く違う価値観もあるわけで、どちらの見方が真実に近いかはわからないのだから、 歴史を語る上では、個人的主観ではなく、もっと自由な視点から、客観的に俯瞰して見る事が大切だと思うのだが・・。 比叡山も本願寺も信長側からはじめたものではないのに、信長の意向だけを問題にしたり、 本能寺などの裏切りも、相手が裏切っているのに、相手の資質は無視して、信長だけを問題にしたり、(ドラマのように) 公家への言葉使いが悪いから増長とか(誰目線なのか)、こういうのも偏ってるとは、普通の人は思わないんでしょうか? もちろん、世間も偏っているから、それが普通だと思っているのかもしれないが、それではテレビのバラエティとなんら変わらない。 信長のやった事の意味を正当に評価せず、面白半分の英雄扱いにしかできないようだから、今の日本は、 リーダーが育たない、誰も責任を取らない、何事も遅い遅い国になっているのだと、思います。 400年もの昔に信長のような進歩的な人がいた日本人なのに、残念です。
「功名が辻」の時代考証者の信長観
著者の小和田哲男氏は、NHKの大河ドラマ、「功名が辻」で時代考証をしておられる方です。だから、功名が辻の信長像も、この方の本を読めばもっと理解できると思います。信長の武力だけではなく、政治、政策、商工業政策、戦法あらゆる角度から信長を分析した好著だと思います。そして、単に歴史的事実を述べるだけではなく、「なぜ信長はそういうことをしたのか!」ということを追求しています。信長はただ、感情に流されるだけではなく、ちゃんと時代の流れをつかむ、もしくは、時代の流れを作り出すだめにそうしたのだということがわかります。信長がなぜそうしたのか?について詳しい考察を求めてみたければ、本書を紐解くのがよいでしょう。
信長ってどんな人なんだ?
有名で人気がある人物であるほど、その人物像は一人歩きし一面的になってゆく。 信長についてもしかり。 今の信長の人物像を信長本人が知ったら、ひょっとして怒るのかそれとも、喜ぶのか。。。 本書では、多面的に信長という人物を捉えようと試みていて、説得力もあるためその試みは成功しているといえる。 これは、資料を妄信しすぎず、当時の状況を的確に捉え、きちんと整理されていて初めて成しえる事である。 歴史小説や歴史ドラマでの信長像には、ちょっと飽き飽きしてきた方は、一読を。なにより、作者の信長に対する愛情があふれて、信長ファンも必読の書である。
新たな一面を発見したい方に
嘗て2003年5月にKTC中央出版から『信長 徹底分析十七章』として刊行されたものの文庫版。改題・後書きの追加はされているものの、内容には然して違いは無いようなので、上記の本を既にお持ちの方は購入に際してはご注意下さい。 内容としては一般的な(事実というよりもイメージ優先の)信長像に対し、特に外交・経済・情報収集の「武」以外の面から見た新しく、より史実に近い信長像を示そうとの書のようです。流石に戦国時代の第一人者・小和田先生といった感じで、綿密な下調べが感じられます。 氏の仮説もふんだんに散りばめられ、読者の想像力を喚起させる文章は戦国時代好きとしては堪らなく面白く、一気に読み切ってしまいました。 全部で十六講に分かれている訳ですが、其々の講の結びがやや唐突で、若干の置いてけぼりを食ってしまう文体が少々気になりました。小和田氏は小説家という訳では無いので、それを求めるのはやや酷かもしれませんが… 全体的に信長公に好意的(非情な面もしっかりと叙述されてはいます)な内容なので、その辺りがやや不快に思われる方もいらっしゃるかもしれません。私は信長公の信奉者なのでそれほど気にはなりませんでしたが、「アンチ織田信長」な方や「あくまで公平な視点で」という信念の方はご注意下さい。
史料に即したより身近な信長像
 新しい史料、新しい見方を踏まえ新しい信長の人物像を描き出すというのが筆者のねらいである。私の読後感では、いくつかの点で著者はこれに成功していると思う。  信長の特徴である商業重視は、出身地、尾張で自然に身に着けたものであると指摘している。尾張は当時、穀倉地帯ではなく舟運を基にした商業が発達していた。親である信秀は津島湊を支配しており、地理的な位置、寄付金の額などから経済的な実力が感じ取られる。少年時代「うつけ」とみなされていたことについても、信長は自然に振舞っていただけだとしている。くだけた格好で柿などかぶりつきながら、違和感なく商人たちの生の声を聞き商人達のパワーを実感できていた。そのことが(領主の息子としては)規制の秩序からはみ出してそう見られたにすぎない。またそのことが後に大きく役にたったとしている。信長のバックボーンの捉えとして説得力がある。  史料の解釈だけでなく新たな史料も示されている。 叡山焼き討ち、一向一揆皆殺し等は、彼の残虐性を示すものとされている。しかし、焼き討ちも実は前年に通告しており不意打ちではないこと、浅井・朝倉軍の拠点とした「城」としての峰を焼いたが、どうも「寺」としての根本中堂は焼いていなかったということが発掘調査よりわかってきているとの情報が示された。このほかにも「寺家」や「公家」に対して実際にどのような態度であったか、史料に即した話を知ることは大変興味深い。

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