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カスタマーレビュー数:3
【くちコミ情報】
原作と映画で3度楽しめる
この原作を映画的に面白くするには、こうゆう変更の仕方があったのか。さすがヒッチコック(と脚本家のお二人)。ハイスミスにとっては面白くない改作でしょうが、私としては映画の方が好きです。アメリカ向け版と欧州向け版がDVDには収録されていますので、原作と合わせて3回楽しめます。映画はあまりに有名ですので、原作はまた別物として新鮮に感じられました。
何と言う偶然 !
P.ハイスミスのデビュー作で、ヒッチコックによって映画化もされた。驚くべきは基本アイデアがF.ブラウン「交換殺人」、N.ブレイク「血ぬられた報酬」と同じ事で、しかも同時期に発表された点だ。即ち、3人の作家が当時としては斬新なアイデアを同じタイミングで思い付いたのである。そのアイデアはF.ブラウンがそのまま題名にしている。 溢れる才気のF.ブラウンもの、文学的香気高いN.ブレイクものも捨て難いが、ここはP.ハイスミスの心理描写の巧みさに軍配を上げよう。主人公二人が列車で出会ってから(これが題名の由来)、事件の過程におけるサスペンス溢れる人間模様を描いている点で本書は一頭地抜けている。 作者は普通の文学小説を目指していたのだが、本作のヒットによってサスペンス路線に入ってしまい、不本意だったと述懐していたそうである。斬新なアイデアと巧みな心理描写で読者を魅了するサスペンス小説の傑作。
見知らぬ乗客
ハイスミスはこの作品を純文学として書いたと言っているだけあって、さすがに心理描写は文芸作品並みのできばえである。 p 主人公のガイが偶然ブルーノーという男と知り合ったことから不幸が始まる。ガイは真面目だが弱い性格。ブルーノーは挫折を繰り返した金持ちの息子で同性愛の傾向がある。このふたりの対照的な人間をつかって人間の裏表を描いたところがこの作品の面白いところである。
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【くちコミ情報】
名作ぞろい
パトリシア・ハイスミスの小説は、翻訳されたものは長編・短編集を問わず、ほとんどすべて読んでいますが、中でもいちばん人に薦めたいと思うのがこの「11の物語」です。 p ここに収められている短編は、ミステリーの範疇に入る内容ではあるけれど、ミステリー好きだけに読ませておくのはもったいないクオリティーの高さを誇っています。かたつむりが出てくる2作品、「かたつむり観察者」と「クレイヴァリング教授の新発見」の不気味さは、一流の描写テクニックによるものですし、「すっぽん」では子どもの心理、「モビールに艦隊が入港したとき」では大人の女性の心理が見事にとらえられています。 p 反対に、ハイスミスは文学寄りだから好みじゃないと決めつけているミステリー・ファンには、「ヒロイン」や「アフトン夫人の優雅な生活」を読んでほしいです。ミステリーを読み慣れた読者でも、この結末にはびっくりするでしょう。 p 本書にはグレアム・グリーンによる序文がついていて、これがまた見事です。ハイスミスを紹介するとき必ずといっていいほど引用されるのも当然の名解説です。
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【くちコミ情報】
リプリー最後の作品
『太陽がいっぱい』で登場したトム・リプリーのシリーズの最終作。内容的には『贋作』の続編に当たる。 さまざまな犯罪を犯してきたが、いまはフランスで優雅な生活を送るリプリー。しかし、近所に越してきたアメリカ人夫婦がリプリーの過去をほじくり返し始めたことによって、次第に不安が高まっていく。 p リプリーの自己正当化、逡巡、他者を切り捨てる独特の性格は相変わらずで、淡々としたハイスミスの筆致と良くマッチしている。他にはシリーズものをまったく手がけなかったハイスミスがリプリーものだけは5作も執筆した理由がよくわかる。 p ただ、不満の残る作品でもある。結末のカタルシスがあまりに不完全なのである。しかし、むしろ、そこをを味わうべきなのか。
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カスタマーレビュー数:2
【Amazon.co.jp】
20世紀を代表する偉大な犯罪小説の1つ、パトリシア・ハイスミスの『The Talented Mr. Ripley』(邦題『リプリー』)には、ヘンリー・ジェイムズの巧緻な語り口と、ウラジーミル・ナボコフの内省的なアイロニーがうまく混じりあっている。現代小説の傑作と呼ぶにふさわしく、本書は2種類の水準を満たしている。1つは、虚無的な性癖からヨーロッパへ殺人の旅に出るトム・リプリーという青年が語る物語として。もう1つは、創作手法に富んだ、説得力のある語り口の小説として。『Lolita』(邦題『ロリータ』)のハンバート教授のように、読者はトム・リプリーに感情移入し、ひきつけられていく。たとえ彼の行動がことごとく道徳的規準を無視していても。 物語の冒頭は、ジェイムズの『The Ambassadors』を彷彿させる。トム・リプリーは、富豪のハーバート・グリーンリーフから、長らくイタリアへ行ったきりの息子ディッキーを呼び戻す使者に選ばれる。ディッキーは地中海の気候と魅力的なパートナーのとりこになっているようだった。だが、グリーンリーフは息子がニューヨークに戻って、家業を手伝うことを望んでいた。報酬と新たな目標を手にしたリプリーは、うっとうしい街のアパートをあとにし、使者としての務めを開始する。しかし、リプリー自身もイタリアに魅せられてしまう。ディッキー・グリーンリーフの生活と見てくれにも心を奪われる。リプリーはディッキーにうまく取り入るうち、ぜいたくかつ自由で洗練された暮らしに強いあこがれを抱く。そして、ディッキー・グリーンリーフになりすまそうと決意する―― あらゆる犠牲を払ってでも。 『The Talented Mr. Ripley』はおもしろさで際立っており、リプリーが自己防衛のために次々と巡らす才略を、手に汗にぎる筆致でつづっている点で、凡百の現代小説とは一線を画している。ハイスミスが本書を執筆したのは、作家としての全盛期を迎えたころである。異常者の心理をとらえ、リプリーの道徳心に欠けた穏やかならざる目を通して描いた世界は、のちにハンニバル・レクターのような連続殺人犯が生まれるモデルとなった。
【くちコミ情報】
The Talented Mr,Ripley
『他人の人生を一度味わってみたい』自分に少しでも劣等感を抱いている人ならなおさらそう思うだろう。トム・リプリーもその一人。この作品を読んでいて痛いほどトム・リプリーの気持ちが解りました。それは私自身も少なからず劣等感を抱いて生活しているから、自分と重ねてしまい物語に強く引き込まれてしまう。 p トム・リプリーのように、満たされない人生・心、自分への劣等感・不満を抱えながら歩む者にとっては、外国・異国の地で、もしかしたら今の自分と決別し、新たな自分へ変身できるのではないかと、胸高まり・期待してしまうことがあるかも知れない。それは誰しもが抱いている気持ちであり、友情が殺意に変ることもありえること。殺害した人物に成りすますと言うことは、トム・リプリーには最高の思いつきだったのかもしれない。 p 読み終えた後、彼はどうしたのだろうと考えてしまいました。 Pat icia・Highsmith=The Talented M .Ripley 本当に見事な、素晴らしい作品であり、自分の今の状況を深く考えさせられる作品でした。
リプリー
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| Deep Water
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悲しき街角の人々
ハイスミス晩年の力作。この作家の作品はいわゆる謎解きの要素は少なく(作家自身はそんなものを求めてはいないだろう)、人間の心理いやそれ以上に生理を描こうとする。ニューヨークに出てきた田舎娘の上昇志向とすでにその喧騒の街で辛酸を嘗め尽くした中年男の過剰な老婆心(それはストーキングに至る)、ブルジョア・アーティスト夫婦の偏見と欺瞞、それらが錯綜しつつ孤立化していく悲しき情景を描いて間然としない。 今年新出の短編集が2点刊行され、90年代以来の早い再ブームの兆しもある。こういう本物の小説が文庫の棚に常備されて欲しいものだ。 復刊された『11の物語』もデビュー作「ヒロイン」をはじめ傑作揃いだ。「アフトン婦人の優雅な生活」など少しフォークナーの「エミリーに薔薇を」を思わせる後味の利いた佳品である。
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