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【くちコミ情報】
ダークファンタジー登場
十年以上前になんの予備知識もなしにこの作家のデビュー作にぶつかった時にもあまりに衝撃的過ぎてただただ圧倒されましたが、今回も同じでした。何回読み返してみても、ストーリー展開もさることながら、プロットに、描写力に、巧みな言葉遣いに、そして独特のタッチに、やっぱりただただ凄い、才能ってこういうことをいうのだなと絶賛の言葉以外に送る言葉が思いつきませんでした。完璧すぎます。 ストーリーは、ダークファンタジーの名にふさわしい不思議な物語。有名な映画スターの息子トーマス・アビィは、有名人の息子ということにうんざりし続けていたが、彼にとっての永遠の文学的アイドルにして謎の多い童話作家のマーシャル・フランスの伝記を書くべく、同じくフランスの熱狂的なファンの女性と一緒に彼が終世住み続けたゲレインの町に赴く。町へと行く前にフランスのエージェントだった男からいろいろと情報を仕入れたいた二人は用心深く町へとついたが、いきなりフランスの娘に正体がばれ、状況は思いがけない方向に転がっていく。村人の態度にいぶかしいものを覚えながら、伝記に着手するトーマスはだんだんと何かがおかしい事に気がつき始める。アメリカの田舎町を舞台に展開される不思議な物語。 前半はスロースタートですが、中盤からはページを繰る手をとめさせてくれません。 海外小説を読む愉しみをとことん味あわせてくれる一冊です。最大級のお勧め作品です。
誇大妄想小説
原題は主人公が崇拝する童話作家フランスの代表作「The Land Of Laughs(笑いの郷)」。主人公は恋人と一緒にフランスの住んでいた町に行き、伝記を書こうとするのだが...。文体はサリンジャーを意識したものか軽口体。有名な俳優を父に持つ主人公が、そのコンプレックスを振り払うための自立の物語かと思いきや、町の様子がおかしい事に気付き始める...。 ここから先は詳しく書けないが、作者が物を書く者に特有な「ペンの力への過信」を持っている事が分かる。私は途中で仕掛けに気付いたが、この作品の構想は妄想の中から産まれたと言って良いだろう。恐怖感を感じるどころか、バカバカしくて最後まで読むのに苦労した。運命論に対する深い考察もなければ、風刺性も感じられない。 本作の発想は小学生レベルのもので、それを何となく当たりの柔らかい文章にしただけである。作者の未熟が産んだ、誇大妄想小説。
ジョナサン・キャロル入門書
途上で明かされる世界観をどう受け止めるかで評価は極端に別れてしまう作品でしょう。 自分としてはそれをオチ的な扱いにはせず、主人公のドラマや表現へ至るプロットとして活用しているので高評価。 延々と付きまとう不安感は他に類をみない程。 ただ、展開に対するキャラクターのリアクションがどうにも不自然なため感情移入に繋がりにくかった。 心理としてはもっと疑問を持つだろうとか、責めるだろうとか、諦めるでしょうとか、諸々。 ジョナサン・キャロル入門書としては最適(個人的にはキャロル唯一の傑作)。 読者各々の評価は別にしても有意義な読書体験が出来ると思います(映画なんて媒体だとこの内容は難しそう)。
惹句にひかれたが・・・
前評判がとても良い作家。 ホラーだと覚悟して読んだ。表紙の絵も怖いし。 (表紙の絵が一番こわかったかも) 読了後・・・ファンタジーのように感じた。 けれど、文章は物凄くうまい。 伏線の使い方が すばらしい。文章に無駄が無い。 最後の数ページで ビックリさせられたが、 結末の予測はできた。けれど、まさかね、と理性が 否定しているところへ この筆力で ねじこまれた感じだ。 しつこいようだが 近代作家、現代作家の中で この文章力はピカイチだろう・・・感嘆。
思い出すだけで、戦慄が走ります
最初は、あまりにゆっくりした展開に、う〜ん・・・と思いながら読み進めるのだが、後半はもう、ページをめくる指が止まらなくなり、瞬きするのも惜しいくらいだ。 ラストの衝撃的なシーンは、自分のなかで映像化され、その恐怖に戦慄が走る。 映画化のオファーがありそう・・・(でも映画化したら、すこし違うラストになりそうで、それはイヤかも)。 若干、ジャパニーズホラーに通ずる感がある。 視覚的とかじゃなくて、感覚的に追い詰められていくようで・・・。 これは、サスペンスが好きな方には、ぜひ一読して頂きたい作品。 心から、オススメします。
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輪廻転生と因果応報の物語
推理小説的な " Kissing the Beehive" とは異なり、この物語は、三分の一ぐらいから超自然的な出来事が立て続けに起こり、予想もしないような展開を重ねて意外な結末で幕を閉じる、いかにもキャロル風なストーリーです。 p キャロルの作品にはよく犬が登場しますが、この話も例外ではありません。あの世とこの世の橋渡しをする存在として様々な犬が登場し、地獄の番犬ケルベロスを連想させます。犬同様、キャロルの作品では炎やこの世に生を受ける前の子供があの世とこの世の間の重要な鍵となっているように思います。 p 主人公ミランダの過去が今に影を落としていると言う運びは、"Beehive"に似ていますが、話は老境に至ったミランダの回想と現在を織り交ぜて進んで行きます。最後の一章が話の始まりに繋がる話(=shaggy dog sto y)で、輪廻転生や因果応報が重要なテーマとなっています。(手塚治虫の『火の鳥』の『八百比丘尼』を連想させます。) p 物語の後半は、"Beehive"で既にお馴染みのクレインズ・ビューが舞台です。警察署長フラニー(F ancis)・マッケイブや、彼や"Beehive"の主人公サムが子供のころ遊んだ空き家ティンドール・ハウスも再び登場します。 p フラニーは今こそ警察署長ですが、十代の頃は悪ガキで鳴らしていた人物です。非常に魅力的なキャラクターで、彼はキャロル自身がモデルなんじゃないかと言う気がします。 p フランシス(F ances)・ハッチと言う大変高齢なおばあさんも登場しますが、彼女も死者と生者の世界を結ぶ重要な存在です。なぜフラニーの本名が彼女の名前と同じなのか、なぜフラニーが彼女の持ち家だったティンドール・ハウスを管理しているのか。私にはそれがミランダの身に降りかかる様々な出来事と同じぐらい気になりましたが…。
Carroll の女性主人公物ホラー。
女性が主人公のCa oll作品では3作目の「Bones of the moon」があるが、本作も「生まれなかった子供」と母性がKEYになっており、父と息子というもう1つの彼の作品のKEYと対をなしている。繊細なCa ollらしい。 p 終盤はかなりホラー的な場面が続出し悪夢と化すが、この辺りのヴィジュアル・イメージは近年のCa oll作品の映画的な感覚が強い。 p この作品では冒頭のエピソードが意外に重要で、ラストでの展開と構成は、David Lynch監督の近年の作品に共通するテイスト。 p 感動は「Bones of the moon」が上だけど、ホラーとしてはこちらか。
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「犬と炎」の気になるモチーフ
“The Wooden Sea”を読み終えた時には、キャロルに対して猛然と腹が立ちました。大変面白かったのですが、これがクレインズ・ビュー三部作の最終作で、しかもあのフラニー・マッケイブが主人公!と来ればあの謎(フラニーとフランシス、そしてティンドール・ハウスとの関係)に今度こそ答えが与えられるはず!と期待しながら読んだため、思いもよらない結末に裏切られたような気がしたのです。しかもファンにとってはあまりなエンディング!でも、フラニーの妻マグダへの愛は、友人としての長い時間が育んだ確かな愛。そんな彼の愛に強く打たれ、泣けました。 p ストーリーは冒頭から謎に次ぐ謎。キャロルがこの話にどう収拾をつけるのかどう考えても想像もつきませんでした。そしてついに謎が明かされた時には、謎の要素がいつもと全然違い、「なるほど、そう来たか!」と、思わず舌を巻きました。 p 前作の "The Ma iage of Sticks" では、犬はあの世とこの世を取り持つ重要な存在でした。自分の持つ不思議な力を他人に与えるために犬を焼き殺す、なんてショッキングな話も出て来ましたが “The Wooden Sea”に登場するヴァーチューは年老いた三本足の醜い犬です。彼は冒頭であっけなく死んでしまいます。フラニー はなぜかヴァーチューを土に返さなくては、という思いにかられ、苦労して彼の埋葬場所を探します。話の中では彼がどうして土葬に拘ったのかの理由は語られませんが、その後のヴァーチューの役割を考えると、それは容易に想像がつきます。「犬を焼く」ことは生から死への通過儀礼だと思います。“The Wooden Sea”の前に発行された”The Heidel e g Cylinde ” には地獄の住人や悪魔が登場しますが、この本のカバーはまさに「燃え盛る人面犬」です。
キャロル作品中最もポジティブな感動作。
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スケールをアップするCarroll世界。
まず冒頭のシークエンスが、絶妙。Ca oll作品の多くはかなり洒落た恋愛小説風に始まるが、本作品はそのディテールとモダンなセンスで秀逸。 p 生と死、というよりもCa ollのテーマは天使・神サイドと悪魔サイドの闘いとでもいうものに変化して、より軽やかにダイナミックになった。ちょっとヴァイオレンス描写がグロテスクな感じがあって(Clive Ba ke っぽい)、より映画的な印象が出てきたけど個人的にはちょっと好きではない。 p この後の展開に期待。
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間もなく入荷します。ご注文はお早めに。商品はご注文いただいた順番にお届けします。
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【くちコミ情報】
高い完成度。愛のファンタジック・ホラーとでも言うか。
Ca ollが一気にメジャーになるきっかけとなった傑作。 p 主人公の女性は幸福な結婚生活を営んでいるが、中絶の経験がありそれが心の奥底で罪悪感となっている。彼女は不思議な連続夢を見るようになる。その夢の世界はファンタジックな別世界で、そこで見知らぬ子供と一緒にその世界を救う冒険に繰り出すようになる。 p 現実の世界のリアルな描写と夢の世界の対比も鮮やかに、終盤でその両者がクロスするのだが、Ca ollの他作品に多い唐突なショックではなく物語の盛り上がりと自然にマッチしている。 p 女性が主人公の場合のCa oll作品には「生まれなかった子供」への一種の母性愛がテーマとなることが多いが、本作は本当に見事にそれが昇華され、ラストは感動的。 p 他の作品に出てきた人物が出てくるのもCa ollのt特徴だけど本作品はこれだけ読んでも全然問題なく楽しめます。
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驚愕のラストととるか荒唐無稽ととるか。
初期のCa oll作品は、ほとんどラストまでずっと通常の恋愛小説風だったりして、一気に終盤に加速的に超常現象が畳み掛けてくるものが多いが、本作品はラストに明らかになるモチーフはほぼ全員の想像を絶するものであろう。 p 今回も主人公と中心人物である女性とのロマンス描写は、各々のユニークなキャラクター造型(特にレゴで家を作るアーティストの女性)はディテールに富み素晴らしい。 p テーマとしては死者の世界からの呼びかけに加えて、輪廻転生が加わり次第に作品世界が豊かになり始めている。 p エンディングは好き嫌いが一番分かれる作品かも。
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