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   Ian McEwan の売れ筋最新ランキング   [2008年09月06日 10時35分]
25ページ中 1ページ目を表示しています (110件)


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カスタマーレビュー数:18

Amazon.co.jp
イアン・マキューアンの『Atonement』はブッカー賞ノミネート作品。1998年ブッカー賞受賞の処女作『Amsterdam』(邦題『アムステルダム』)に続く待望の新作だ。だが短く優美にまとめられた前作に比べ、『Atonement』は壮大なスケールの長篇小説。その随所にマキューアンの遊び、こだわり、実験が感じられる野心作である。

時は1935年の夏、物語は13歳の少女ブライオン・タリスがロマンス劇「アラベラの試練」を書き上げた場面から始まる。それは愛する兄レオンの帰郷を祝して書いた特別な作品だった。だが美人のローラ、双子のジャクソンとピエロら従弟たちは、この劇の上演にあまり乗り気ではなく、ブライオンの創作意欲も薄れていく一方だ。彼女がセンセーショナルな事件に遭遇したのはそんなある暑い日のことだった。裸で庭の噴水に飛び込む姉セシリアの姿を見たのだ。どうやらタリス家に仕える掃除婦の息子ロビー・ターナーが、姉の服をむりやり脱がせたらしい。おまけに彼は姉にみだらな手紙を送りつけてきたのである。

一方兄レオンは、見栄えはしないが金持ちの男をタリス家に連れてくる。チョコレート会社を経営するその男は、新たな戦争を機に新商品「弾丸チョコレート・バー」を売り込もうと画策していた。さらにタリス家の2階寝室では、いつも偏頭痛に悩まされている母エミリーがあらゆる動きに目を光らせていた。やがてタリス家に集まった彼らの秘密が明らかになり、全員の運命を変えていくことになる。

両大戦にはさまれた時代の、比較的裕福な中流家庭を舞台にした第1部の巧みな筆致は、ヴァージニア・ウルフやヘンリー・グリーンを彷彿とさせる。だが物語が21世紀直前まで進み、メインテーマがしだいに明らかになるにつれ、そこにはほとんど独壇場ともいえるマキューアンの世界が織り成されていく。『Atonement』は文芸作品創作にともなう喜びや痛み、危うさを主眼とした小説だが、作品に対する読者の理解を意のままに操ろうとした実験作ともいえる。少なくとも本書でマキューアンが苦もなく読者の気持ちを掌握したことは間違いない。本書は実に意義深く刺激的であると同時に感動的な1冊。読者の賞賛が約束された傑作である。(Alan Stewart, Amazon.co.uk)


くちコミ情報
作家とは何者ぞ−「贖罪」とは「つぐない」か?何をもって「贖って」いるのか?
思い込み、作家気取りの思い上がりから少女ブライオニーのついた嘘で姉セシーリアと将来有望な使用人の息子ロビーは互いの気持ちと欲情に気付いた日に引き裂かれる−所詮身分違いの恋、数年経てば第二次世界大戦が始まるのだから、と思うが、彼らには「あったはず」の3年半が「なかった」ロビーは性犯罪者として刑務所にいたので、面会はできず、手紙も厳しく管理されていた為、手紙で愛や将来を語ることもでき「なかった」。戦時中、姉に続いて看護婦になったブライオニーがセシーリアを訪ね、つかの間のひと時を過ごすロビーとの三者の緊迫したやり取り、それすら「なかった」。そのシーンからほのめかされる海辺のコテージでの日々も、もちろん「なかった」。セシーリアとロビーの二人には図書室での一件と出征前の短くぎこちない再会しか「なかった」。この「なかった」の連鎖によってセシーリアとロビーは実在の人物よりも鮮やかな存在となり、小説は現実を超える−そして、疑念。ブライオニーの「贖罪」とは本当に贖罪なのか?単に作家のエゴなのではないか?ロビーが死にセシーリアが死に、ブライオニーが死んでもブライオニーがいくら小説を書き直しても「罪」は変わらないのではないのか?読み終わってからも何回も咀嚼するように考えは広がり、乱れる。それにしても「かくも作家とは何者ぞ」 小説を忠実に映像化した「つぐない」が公開されている。小説→映画→小説の順に読んで、小説の中に見たものを、映像の中に観て(特に噴水のシーン)、映像で観たものを小説に丹念に色づけをして(ダンケルクのシーン)何回も何回も観て読んでいたい作品である。
彼らにキスを
「神が贖罪することがありえないのと同様、小説家にも贖罪はありえない」(本文より) 物語をつむぐ作家の罪と、つぐないの話。 作家には、のがれられない習性のようなものがある。 物語を探して語ること。 筋と整合性を求めて作り出した物語のせいで、主人公ブライオニーは姉とその恋人の人生を狂わせてしまう。 物語によって壊してしまった恋人たちのために、作家となったブライオニーがした「つぐない」。 それが本編の物語になる。 非常によく作りこまれている。構想と構成がばつぐんにいい。 1,2章は、ものすごく客観的に、かつ丁寧に描かれている。(読むのに苦労するくらい) そのぶん3章は、物語の流れに一瞬「?」と違和感を覚える部分がある。 しかしそれも構成のひとつで、その違和感、あえていうなら「都合のよさ」が、作家が望んだ願いとなっている。 作家は、物語では罪をつぐなえない。 だけど自分のしたことを思い返して、「こうならなかったら」と願わずにはいられない。 二人の恋人の最後の場面が、ブライオニーの望んだ姿で、架空だとわかっているからこそ、そのシーンは本当にせつない。 フィクションと、作家にまつわる物語。 本が好きだ、物語が好きだという人は、ぜひぜひ読むべき。
Fine picture of tense atmosphere before the Blitz together with one girl's struggle to atone her disastrous mistake.
This sto y is a out a woman who took esponsi ility fo the accident that caused tu moil to he p ospe ous family on one night in 1934 and had spent all he emaining lifetime to t y to atone. She, late ecame a novelist, somewhat accomplished he atonement that can e only done y someone who elongs to he jo , which eally su p ised me. The sto y unveils not y a viewpoint of a single na ato ut y va ious pe spectives of diffe ent cha acte s so that you can enjoy the diffe ences of each cha acte 's way of thinking. You can also get a clea image of te ified London just efo e and du ing WWII, which will int igue a histo y-love .
苦戦・・・。
読書のジャンルと作者の幅を広げようと手にしました。 英人だからでしょうか、或いは単に小生の語学力不足でしょうか、日頃親しんでいる米人流行作家のペーパーバックに比べて分らない単語が結構多く、苦戦しました。 そのせいもあってか、なかなか作中の人物に感情移入出来ず、また細かい話ですが時々妙な時間の飛び方をするのが気になって他のレビューを書かれている方のように「文学作品」として味わうことは到底かないませんでした・・・。 唯一驚かされたのは、最後に本作全体の種明かしが為された場面で、なかなか考えたものだと思いました。つい先日映画化され、映画も好評、原作もベストセラー入りしています。
「贖罪」の難しさを表現した名作
 作中においてそれぞれの人物の特徴や性格を緻密かつ明確に描かれており、 かつそれが物語全体を引き立てていると思う。あらすじが書かれた文章だけを 見てもドラマティックな展開だと思うが、本作を読むと魅力的な登場人物たち が歩む人生や運命の物語にぐいと引き込まれる。  特にセシーリアとロビーには、まるで仲の良い友人や家族、自分のことのよ うに感情移入してしまい、彼らの深く、複雑な憤りや悲しみが痛いくらいに伝 わってきた。(個人的な話だが、実を言うと、本作を読み終わった後、半日は 立ち直れなかった。)「せつなさ」という甘い響きを残さない、悲劇的なこの 二人の人生は、「贖罪」というものの難しさを如実に物語っていると思う。  それから、作者のブライオニーを描く筆致にはその子ども時代においてです ら全くもって容赦なく、ともすれば穿った見方だと思えるくらい、良い部分も 嫌な部分も分け隔てなく描かれている。物語の中で登場人物を現実的に、正確 に描こうとする作者の姿勢には脱帽した。ふつうの作家なら、無意識に主人公 を擁護するような書き方をするか、妙におどろおどろしい最後を用意しておく であろう。まぁ、この作品の主人公の最後も残酷と言えばそうかもしれないが。  また、この作品を読んでいると、作者が人生の中で何度となく自分や自分の 作品を観察し、その欠点を見極め、克服しようとしてきた努力が垣間見える気 がした。小説家として「贖罪」というテーマと誠実に向き合おうとする姿勢が 本作というすばらしい帰結を生み出したのは、作者のこれまでの人生を反映し た結果だと言えよう。  誰にでもお勧めできる、時間を推してでも読んでほしい作品である。


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プレイガールでならしたモリー・レインが、謎の退行性の病気がもとで40代にして亡くなり、集まった多くの友人や恋人たちは自分もやがて死ぬ運命であることを自覚する。高級紙「ジャッジ」の編集長ヴァーノン・ハリデイは、有名にして放埓(ほうらつ)な作曲家クライヴ・リンリーを説得し、安楽死協定を結ぶ。万が一彼ら2人のうちどちらかがモリーのような病にかかったときには、もう1人が死なせてやる約束である。この先、読者は『Amsterdam』(邦題『アムステルダム』)の結末はどうなるか―― 要するに誰が誰を殺すかという問題―― を考えながら読み進むことになる。

やがてモリーの恋人のなかでも最も有名な男、外務大臣ジュリアン・ガーモニーのスキャンダラスな写真が新聞社の手に渡り、さまざまな憶測のなかでガーモニーには罷免の危機が迫る。しかしこの後がマキューアンらしいところで、どちらかといえば不愉快な印象を与えるキャラクターのガーモニーが勝利を収める展開も不思議ではない。

イアン・マキューアンは卓越した小説の技巧の持ち主で、この作品は賞を総なめにしてもおかしくない。しかも、登場人物は次から次へとめぐらされる策略のなかで、妙に無機的な雰囲気を漂わせ続ける。


くちコミ情報
さてさて、
 マキューアンの作品なのだが、どうも初期の作品と比べたなら魅力がおちるような気がしてならない。死んだ女に対して三人の男ががやがやする小説なのだが、うーんどうだろう。訳者が未熟なのだろうか、首を捻りたくなるような日本語がたた出てきて、どうだろうと思うし、うーん、やっぱりセメントガーデンや最初の恋、などのほうが好みです
大人の渋さ
原文が巧いのか、訳者が巧いのか、とにかく日本語がすっと馴染んでいる上に洗練された文体で大変読みやすい。 p 地位と名誉を手に入れた男たちの、更なる栄光への道はちょっとしたさじ加減で一気に転落の一途を辿る。 p そのリアルで繊細な心理描写はほぼこの小説のすべてを占めていて、筆者の独り善がりにならずかなり読者を楽しませてくれる上に、 簡単なトリックを含ませた構成も効いている。 p 大人の渋い小説としてオススメです。
音楽小説
Atonementについで、McEwanを読むのは2冊目。ブッカー賞を取ったときから興味を持っていたが、当時の評を読むと、ミニマリズム系の小説家と思い敬遠していた。全くそんなことはない。インテリの不安と子供じみた馬鹿さ加減が、巧妙なスタイルで描かれていて一気に読める。主人公の一人が作曲家、それも知識人のGo eckiと書かれていて、このあたりの感覚が分る人には必読の小説と思います。
アムステルダム
イアン・マキューアンの小説を原書で読むという私の挑戦、これが3冊目、一番早く一気に読んでしまいました。次から次へと成長する話の展開に、好奇心を抑え切れず物語から一時も離れる事が出来ませんでした。主人公達は、それぞれ社会的に一応成功している人達、がしかし平凡な一庶民の私でも、各主人公の気持ちになりきりながら読めるのは、マキューアンの心理描写の上手さなのでしょう。これぞ現代社会が生み出した大人の男達のサバイバル物語、そういう男性達に囲まれながら、やはりサバイバルしている女性達を、この物語は大いに楽しませてくれる事間違いなしです。なのに星4つ・・は限りなく星5つに近い4つです。もっと面白い将来の本を期待して・・ファンとしてはまだまだ満足させ続けて欲しいのです。
小説の美食家のための小説
マキューアンの小説は緻密な職人芸で綿密に組み立てられたガラス細工の趣きがある。とにかく理知的で端正な文章、感傷を排したクールな語り口、隙のないプロット。初期のマキューアンは近親相姦やカニバリズムなどグロテスクな題材を好んで扱い、ちょっと昔の筒井康隆を思わせるブラックで残酷な小説の書き手だったが、今やプロットは洗練され、文体は研ぎ澄まされ、ひんやりした残酷味を漂わせつつ展開するストーリーはエレガンスを感じさせる。あからさまでなく、隠し味のように漂うブラックさはアクが強い初期作品よりはるかに上質だと思う。自ら「今では社会のテクスチャーがぼくを魅了します」と語るマキューアンらしく、不思議によじれた人間関係をカタストロフィーにまで突き詰めていく手さばきは的確で狂いがなく、一度入り込んだら目を離すことなどできなくなる。訳者が書いているように表面的には既存のプロットを再利用しながらも、やはりマキューアンにしか書けない小説になっているのは、彼の最良の持ち味が巧妙なプロット以外の部分にあるからだ。だからこそこの小説は何度読んでも面白い。小説の美食家のために書かれた小説だと思う。


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イアン・マキューアンの『Atonement』はブッカー賞ノミネート作品。1998年ブッカー賞受賞の処女作『Amsterdam』(邦題『アムステルダム』)に続く待望の新作だ。だが短く優美にまとめられた前作に比べ、『Atonement』は壮大なスケールの長篇小説。その随所にマキューアンの遊び、こだわり、実験が感じられる野心作である。

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一方兄レオンは、見栄えはしないが金持ちの男をタリス家に連れてくる。チョコレート会社を経営するその男は、新たな戦争を機に新商品「弾丸チョコレート・バー」を売り込もうと画策していた。さらにタリス家の2階寝室では、いつも偏頭痛に悩まされている母エミリーがあらゆる動きに目を光らせていた。やがてタリス家に集まった彼らの秘密が明らかになり、全員の運命を変えていくことになる。

両大戦にはさまれた時代の、比較的裕福な中流家庭を舞台にした第1部の巧みな筆致は、ヴァージニア・ウルフやヘンリー・グリーンを彷彿とさせる。だが物語が21世紀直前まで進み、メインテーマがしだいに明らかになるにつれ、そこにはほとんど独壇場ともいえるマキューアンの世界が織り成されていく。『Atonement』は文芸作品創作にともなう喜びや痛み、危うさを主眼とした小説だが、作品に対する読者の理解を意のままに操ろうとした実験作ともいえる。少なくとも本書でマキューアンが苦もなく読者の気持ちを掌握したことは間違いない。本書は実に意義深く刺激的であると同時に感動的な1冊。読者の賞賛が約束された傑作である。(Alan Stewart, Amazon.co.uk)


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作家とは何者ぞ−「贖罪」とは「つぐない」か?何をもって「贖って」いるのか?
思い込み、作家気取りの思い上がりから少女ブライオニーのついた嘘で姉セシーリアと将来有望な使用人の息子ロビーは互いの気持ちと欲情に気付いた日に引き裂かれる−所詮身分違いの恋、数年経てば第二次世界大戦が始まるのだから、と思うが、彼らには「あったはず」の3年半が「なかった」ロビーは性犯罪者として刑務所にいたので、面会はできず、手紙も厳しく管理されていた為、手紙で愛や将来を語ることもでき「なかった」。戦時中、姉に続いて看護婦になったブライオニーがセシーリアを訪ね、つかの間のひと時を過ごすロビーとの三者の緊迫したやり取り、それすら「なかった」。そのシーンからほのめかされる海辺のコテージでの日々も、もちろん「なかった」。セシーリアとロビーの二人には図書室での一件と出征前の短くぎこちない再会しか「なかった」。この「なかった」の連鎖によってセシーリアとロビーは実在の人物よりも鮮やかな存在となり、小説は現実を超える−そして、疑念。ブライオニーの「贖罪」とは本当に贖罪なのか?単に作家のエゴなのではないか?ロビーが死にセシーリアが死に、ブライオニーが死んでもブライオニーがいくら小説を書き直しても「罪」は変わらないのではないのか?読み終わってからも何回も咀嚼するように考えは広がり、乱れる。それにしても「かくも作家とは何者ぞ」 小説を忠実に映像化した「つぐない」が公開されている。小説→映画→小説の順に読んで、小説の中に見たものを、映像の中に観て(特に噴水のシーン)、映像で観たものを小説に丹念に色づけをして(ダンケルクのシーン)何回も何回も観て読んでいたい作品である。
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「神が贖罪することがありえないのと同様、小説家にも贖罪はありえない」(本文より) 物語をつむぐ作家の罪と、つぐないの話。 作家には、のがれられない習性のようなものがある。 物語を探して語ること。 筋と整合性を求めて作り出した物語のせいで、主人公ブライオニーは姉とその恋人の人生を狂わせてしまう。 物語によって壊してしまった恋人たちのために、作家となったブライオニーがした「つぐない」。 それが本編の物語になる。 非常によく作りこまれている。構想と構成がばつぐんにいい。 1,2章は、ものすごく客観的に、かつ丁寧に描かれている。(読むのに苦労するくらい) そのぶん3章は、物語の流れに一瞬「?」と違和感を覚える部分がある。 しかしそれも構成のひとつで、その違和感、あえていうなら「都合のよさ」が、作家が望んだ願いとなっている。 作家は、物語では罪をつぐなえない。 だけど自分のしたことを思い返して、「こうならなかったら」と願わずにはいられない。 二人の恋人の最後の場面が、ブライオニーの望んだ姿で、架空だとわかっているからこそ、そのシーンは本当にせつない。 フィクションと、作家にまつわる物語。 本が好きだ、物語が好きだという人は、ぜひぜひ読むべき。
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苦戦・・・。
読書のジャンルと作者の幅を広げようと手にしました。 英人だからでしょうか、或いは単に小生の語学力不足でしょうか、日頃親しんでいる米人流行作家のペーパーバックに比べて分らない単語が結構多く、苦戦しました。 そのせいもあってか、なかなか作中の人物に感情移入出来ず、また細かい話ですが時々妙な時間の飛び方をするのが気になって他のレビューを書かれている方のように「文学作品」として味わうことは到底かないませんでした・・・。 唯一驚かされたのは、最後に本作全体の種明かしが為された場面で、なかなか考えたものだと思いました。つい先日映画化され、映画も好評、原作もベストセラー入りしています。
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 作中においてそれぞれの人物の特徴や性格を緻密かつ明確に描かれており、 かつそれが物語全体を引き立てていると思う。あらすじが書かれた文章だけを 見てもドラマティックな展開だと思うが、本作を読むと魅力的な登場人物たち が歩む人生や運命の物語にぐいと引き込まれる。  特にセシーリアとロビーには、まるで仲の良い友人や家族、自分のことのよ うに感情移入してしまい、彼らの深く、複雑な憤りや悲しみが痛いくらいに伝 わってきた。(個人的な話だが、実を言うと、本作を読み終わった後、半日は 立ち直れなかった。)「せつなさ」という甘い響きを残さない、悲劇的なこの 二人の人生は、「贖罪」というものの難しさを如実に物語っていると思う。  それから、作者のブライオニーを描く筆致にはその子ども時代においてです ら全くもって容赦なく、ともすれば穿った見方だと思えるくらい、良い部分も 嫌な部分も分け隔てなく描かれている。物語の中で登場人物を現実的に、正確 に描こうとする作者の姿勢には脱帽した。ふつうの作家なら、無意識に主人公 を擁護するような書き方をするか、妙におどろおどろしい最後を用意しておく であろう。まぁ、この作品の主人公の最後も残酷と言えばそうかもしれないが。  また、この作品を読んでいると、作者が人生の中で何度となく自分や自分の 作品を観察し、その欠点を見極め、克服しようとしてきた努力が垣間見える気 がした。小説家として「贖罪」というテーマと誠実に向き合おうとする姿勢が 本作というすばらしい帰結を生み出したのは、作者のこれまでの人生を反映し た結果だと言えよう。  誰にでもお勧めできる、時間を推してでも読んでほしい作品である。



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知られざる映画化
内容は他の方達が述べてる通りです。私的には「ライ麦畑でつかまえて」「恐るべき子供達」「コレクター」などの小説の香りがするとおもいました。終わらない夏休み、変わらない子供達の感じ。特に「恐るべき・・・」ですね。 そして実は同作品は映画化されています。日本未公開だったため、センセーショナルなタイトルで購入を促そうとしたらしく「ルナティック・ラブ〜禁断の姉弟〜」という愚にもつかない題名が冠されていますが、隠れた佳作だと思います。私も、たまたま購入したフランス版「ザ・セメント・ガーデン」について調べていて気づきました。レンタル屋には結構置いてあるので、ご覧あれ。ただし!アダルト扱いになっています。フランスを代表する女優シャルロット・ゲンスブール主演ですが、言語は英語。
最高
 翻訳物で、久しぶりにめちゃくちゃ面白い作品に出逢えた。子供たちだけの楽園と崩壊までを描く傑作。  文体が精緻でいて、読みやすい。思春期の子供は、どこか狂っていて感情を表に出したくても、出せない。いや、出てしまっているのにひっこめようとする。うーん、深い。近親相姦も、言わば、楽園を強固にする上で一役買い……、もう駄目だ。言葉で説明できるか。  とにかく読め。
読み出したらやめられない
ブッカー賞作家イアン・マキューアンの中編小説。 デビュー作から暴力、近親相姦、妄執など赤裸々な主題を含み物議を かもしてきた彼だが、この作品にも死体遺棄や近親相姦など、スキャン ダラスなテーマが含まれている。 しかしそれがメインとはいえない。中心になるのは、両親を亡くした 4人の子供の世界である。孤児院送りになってバラバラになってしまい たくない。ただそのために、子供たちは死体遺棄を行うのだ。セメント で固めて。 以来、きょうだい各自が好きなように生き始める。自室にこもったり、 彼氏と出歩いてばかりだったり、自慰にふけったり・・・そんな、はた から見ればおかしい家庭に介入しようとする長女の彼氏デレクの存在が、 この閉ざされた世界を崩壊させていく。 一気に読ませる名作。
平易な文章。退廃的な心理劇。
この人の作品は初めて読むが、この作品に限って言えば、まず英語がべらぼうにわかり易い。文章が短く、語彙も決して難しいものを駆使しないのだが、作中人物の心理がよく伝わる。風景や登場人物の行動をくどくど描写するようなところはなく、テンポ良く場面が展開してゆく。これは、結局近親相姦や衣装倒錯などを扱ったものだが、かなり退廃的な雰囲気がしており、ちょっとポーを思い出させる。社会の人為的モラルから隔絶した閉じた空間での話であり、エロス的人間の根源的なあり方を描いたもののようだ。行定勲が監督した映画「閉じる日」は、この作品と幾つかの点で類似したところがある。
マキューアンっぽい?
 全編を貫いて、どこかあやふやな不確かな浮遊感ともいうべきものが漂っている。それは語り手である思春期の少年に拠るところが大きいが、他の登場人物にしてもどこか現実味を欠いた存在として感じられる。日常を描いているようにみえて、その実、束縛あるいは監視するもののいなくなった子ども達だけの世界という、一種の夢物語めいたユートピアが舞台なので、お伽話のような危機感のない世界が構築されているのだ。  読み手としては、そこが肩のこらない感じでスラスラと読めてしまう。思春期の屈折した心理描写がうまく、自分の過去とだぶり、懐かしい思いをした。 p  ラストで、この現実味を欠いた姉弟は結ばれるのだが、そこには近親相姦という罪の意識や、うしろめたさはなく、あまりにもさらっと描かれている。  マキューアンらしさがあるようでないような、曖昧な位置づけの作品である。


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くちコミ情報
突き抜けるような想像力と、苦しみを乗り越えた愛
 ある日主人公の愛娘が連れ去られる。彼が失意のうちに経験する時間を飛び越えるような不可思議な経験にはMcEwanの想像力が最大限に発揮されており、読んでいて常に驚かされ、ページに目がくぎづけになった。ありえそうに無いストーリー展開なのではあるが、そんな読者の常識をいとも簡単に打ち破ってくれるだけの想像力がすばらしい。なによりも、最後のシーンは非常に感動的で美しく、著者の魅力に満ちた小説だと思う。


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Book Description
No.1ベストセラーを輩出し、『アムステルダム』でブッカー賞を受賞した巨匠作家が送る、幸福とそれを脅かす見えないものが紙一重であることを描いた驚くべき新作。読み出したらやめられない優れたスリリングな小説は、読者を夢中にするだろう。

『Saturday』は2003年2月のある日を舞台とした巧みな小説だ。ヘンリー・ペロウンは人生に満足している男だ。神経外科医として成功し、新聞社の弁護士と幸せな結婚生活を送り、子どもたちともいい関係にある。この休みの日、ヘンリーはロンドン中心の大きな家で、心地よく目覚める。彼は自宅でも手術室でも、同様にリラックスしている。病院の外の世界では、予測のつかないことも難しいこともある。対イラク戦争が差し迫っているし、2年前のニューヨークとワシントンDCへの攻撃以来、ペシミズムが暗くふくれあがってきている。

他ならぬこの土曜の朝、ペロウンの一日は普通から異常へと様相を変えていく。早朝の空に異常なものを見た後、同僚の麻酔医とスカッシュをプレイするために家を出ると、何千人もの戦争反対のデモ参加者でいっぱいのロンドンの通りを避けようとする。ところが車のちょっとした事故が原因で、チンピラに直面することになる。医者であるペロウンの目に、この若い男はどこかすごく様子がおかしいように見えるが、男の方は外科医に恥をかかされたと思い込んでいる。これがもとで、ペロウンは全力を尽くして家族を守る事態に陥っていく。

くちコミ情報
揺れ続ける人間の心象を描いた作品
主人公のヘンリーは40代後半の成功した神経外科医だ。愛する妻は弁護士で、二人の子供は芸術的才能に恵まれており、娘は詩人で息子はギタリストとして成功しており、社会的にも私生活においても実に恵まれた生活を過ごしている。 そんな彼がある土曜日の早朝に目が覚めて、エンジンから火を噴いた飛行機がロンドンの上空を飛ぶの目撃するところから物語は始まり、その土曜日の一日の出来事が描かれる。たった一日ではあるが、その中で妻との出会いまで遡る夫婦の歴史、子供や義父との関係、痴呆になった実母と過ごす時間と、ヘンリーの心情がきめ細かく描かれる。そして、終盤ではヘンリーが日中に起こした交通事故を契機に急速なクライマックスを迎えることになる。 本書のテーマは「不安定」ではないだろうか。ヘンリーは現在の生活に満足しているにも拘らず、早朝に目覚めた時から漠然とした居心地の悪さを感じている。それは初老にさしかかろうとしている自分の年齢による部分もあるが、成長して離れて行く子供や、老いていく親達と関わりの中で現在が満ち足りた状況が決して安定的なものではなく、今まさに移ろいつつあることを感じているからだと思う。その不安定さが端的に現れたのが終盤のクライマックスだと思う。
土曜日の朝はもう少しゆっくりした方が・・・・・
相変わらず繊細な情緒描写と深い思索を展開する緊張感みなぎる筆力は脱帽ものです。脳神経外科に関する疾患病理や手術室の日常的雰囲気や患者とのやり取りなど実際的な臨床場面もかなりリアル。同僚とのスカッシュは余分だけどその土曜日の予定に入ってたんだから仕方ないか。 妻はメディア企業付き弁護士というエグゼで未だに夫と濃密に愛し合え、長女、長男たちも多少の問題はあるが立派に成長してる愛すべき若者たちです。 でも、そんな幸せな上中流家庭の日常にはちょっと興味湧かないかも。 家族が侵入者の脅威に立ち向かう後半はスリリングですが単に美しき筆力の為せる技かも。McEwanともなると期待が大きいだけに少し腰砕けといったところでしょうか。 個人的には『The Innocent』の主人公が「ゾーリンゲン、ゾーリンゲン、ゾーリンゲン・・・」とつぶやきながら遺体を切断するシーンが、今でもMcEwan作品の中では、逼迫され歪められた精神状態の描写の最高到達点だと思ってます。20年近くたったあとでも「ゾーリンゲン」が脳裏にこびり着いています。本作ではそのような鬼気迫るような描写はあったでしょうか。やはりこれはキャラクター設定の甘い、技術系の作品だと思います。9 11後の世情の不安が個人の精神状態の歪みに変容されるさまをMcEwanなら描けると期待してたのです。
マキューアンにしては
 相変わらず話運びのテンポがいいし、『贖罪』(Atonement)にはなかったユーモラスなところも散見されて、ぐいぐい読ませるのだけれども、マキューアンとしては平均点の出来ではないか。(物語展開にどことなく既視感があると思ったら、ドラマ『ER』にこんな感じのエピソードがなかったっけ? しかも『ER』のほうが、ぐっと胸に迫る描き方ができていたのでは?) マキューアンには、『愛の続き』(Endu ing Love)みたいな本をまた書いてほしいものです。
Present Tense
Ian McEwan の Atonement 以来の作品。 Atonement は過去を考察するために書いたが、今は現在を見つめることが義務だと思う(特に9 11の恐怖のあとでは)と、著者はある誌上で語っている。そしてこの小説の設定は2003年2月15日・土曜日。この日ロンドンでは迫りくるイラク戦争に反対して200万人規模のデモが繰り広げられた。 p ロンドンに住む有能な神経外科医、Hen y Pe owne の土曜日が描かれる。弁護士の妻、詩人として花開きつつある娘、ミュージシャンの息子。老詩人の義父、介護ホームに暮らす母。小説は土曜日のできごとを現在時制で、折にふれHen yの心に浮かぶ過去のことがらを過去時制で語っている。 p 空前のイラク戦争反対デモはHen yも加わっているのではなく、あくまで背景としてある。(Hen y自身はイラク戦争を支持し、フセインを倒すことが優先だと娘と論争する場面がある) そしてテロへの恐怖、混迷の世界の状況が個々の人間の生活にぬきさしならない不安や脅威を与えているという思想がこの小説の根本にある。 p 土曜日の1日にHen yが遭遇したできごと、触れあった人々、自身の中の葛藤が淡々と印象的に語られ、後半は一段と緊迫した場面へと展開する。同時に全編を通して深い人間への愛が感じられる。 この小説はMcEwanの他の作品と同様、あるいはそれ以上に、語彙もコンセプトも私には難しかった。しかしなんとか読み通した結果、特にその結末の部分には深い余韻が残った。
A moving story
Satu day illiantly depicts life in a post 9 11 envi onment and successfully po t ays a wo ld of dive gent ut unde standa le diffe ences. This novel’s va ied att i utes places it in the line of g eat sto ies like DA VINCI CODE, DISCIPLES OF FORTUNE, THE TRIUMPH OF THE SUN, NEVER LET ME GO. They have at thei co e myste y, love, happiness, hope, suffe ings and unce tainty.


Atonement
Ian McEwan(著) Kati Nicholl(編集) Isla Blair(ナレーション)  
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Such is Ian McEwan's genius that, despite rambling nature walks and the naming of birds, his subject matter remains hermetically sealed in the hearts of two people.

It is 1962 when Edward and Florence, 23 and 22 respectively, marry and repair to a hotel on the Dorset coast for their honeymoon. They are both virgins, both apprehensive about what's next and in Florence's case, utterly and blindly terrified and repelled by the little she knows. Through a tense dinner in their room, because Florence has decided that the weather is not fine enough to dine on the terrace, they are attended by two local boys acting as waiters. The cameo appearances of the boys and Edward and Florence's parents and siblings serve only to underline the emotional isolation of the two principals. Florence says of herself: ...she lacked some simple mental trick that everyone else had, a mechanism so ordinary that no one ever mentioned it, an immediate sensual connection to people and events, and to her own needs and desires....

They are on the cusp of a rather ordinary marital undertaking in differing states of readiness, willingness and ardor. McEwan says: Where he merely suffered conventional first-night nerves, she experienced a visceral dread, a helpless disgust as palpable as seasickness. Edward, having denied himself even the release of self-pleasuring for a week, in order to be tip-top for Florence, is mentally pawing the ground. His sensitivity keeps him from being obvious, but he is getting anxious. Florence, on the other hand, knows that she is not capable of the kind of arousal that will make any of this easy. She has held Edward off for a year, and now the reckoning is upon her.

McEwan is the master of the defining moment, that place and time when, once it has taken place, nothing will ever be the same after it. It does not go well and Florence flees the room. As she understood it, there were no words to name what had happened, there existed no shared language in which two sane adults could describe such events to each other. Edward eventually follows her and they have a poignant and painful conversation where accusations are made, ugly things are said and roads are taken from which, in the case of these two, the way back cannot be found. Late in Edward's life he realizes: Love and patience--if only he had them both at once--would surely have seen them both through. This beautifully told sad story could have been conceived and written only by Ian McEwan. --Valerie Ryan

くちコミ情報
Beautifully told
This is an affecting desc iption of misunde standings etween a naive young couple on thei wedding night; told alte nately f om thei pa allel points of view leading the eade to feel sympathy fo oth. The sto y is set just efo e the supposed love evolution and will have esonances fo olde eade s, ut I think most people will empathize with the couple's anxieties. The w iting is wonde fully fluent in evoking feelings and left me wishing that this sho t ook had een longe . In the ha d ack edition the p int is a good size and ve y clea with wide than ave age line-spacing -- a oon fo eading in poo light. I would also ecommend eading The Fates y Tino Geo giou, if you haven't al eady. A t uly supe novel.
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