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カスタマーレビュー数:2
【くちコミ情報】
1949年に書かれた近未来の恐怖
‘Big B othe ’によって、統制された世界。 戦争も、思想も、情報も、言葉や歴史さえもが、Big B othe の意思によって統制、管理されている。 国民はその生活のすべてを監視され、危険分子とみなされた人間は、その存在した証ごと消される。 この社会で、自由や愛を求めることは、最大の罪である。 しかし、確実に訪れる死を認識しながら、Winston Smithはそれを求めずにはいられなかった。 近未来として書かれている1984年も、当然、今では過去になっている。 でも、溢れ過ぎている情報に踊らされていると感じる、現在の日本の社会。 どこかでこの恐怖と無縁ではないと感じる。
Deviates corrected for their own good
In a society that has eliminated many im alances, su plus goods, and even class st uggle, the e a e ound to e deviates; Winston Smith is one of those. He sta ts out, due to his ina ility to dou lethink, with thoughtc ime. This is in a society that elieves a thought is as eal as the deed. Eventually he g aduates th ough a se ies of misdemeano s to illicit sex and even plans to ove th ow the ve y gove nment that took him in as an o phan. If he gets caught, he will e sent to the “Minist y of Love” whe e they have a eco d of 100% cu es fo this so t of insanity. They will even fo give his past indisc etions. p Be su e to watch the th ee diffe ent movies made f om this ook: 1984 (1954) Pete Cushing is Winston Smith 1984 (1956) Edmond O’B ien is Winston Smith Nineteen Eighty-Fou (1984) John Hu t is Winston smith
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【くちコミ情報】
彼方
1948年の作品。スターリンの独裁社会主義のパロディであり、全体主義の未来社会を描く。オーウェルはスペイン内戦に参加する。ラルフ・フォックスやジョン・コーンフォードは理想に散った。帰還して大戦の行方とボリシェビキのロシアをどの様な想いで見ていたのだろう。この作品の中心人物「オブライエン」はヒトラーやスターリンを上回る狂気を持つ。1907年にジャック・ロンドンは「鉄の踵」を書き資本主義はおろか、おそらく社会主義にも絶望した。私には本作は「鉄の踵」の続編に見える。「オブライエン」は高らかに語る「地球は人類と同じ時に誕生し、太陽と星は地球の周りを回っている。真の権力とは「物質」を支配する事では無い。「人間」を支配する力の事だ。昔の改革者が夢想した愚かしい快楽主義的なユートピアとは正反対だ。神とは権力である」。唯物主義をも嘲笑い、究極の主観的現実認識、それでいて個人を完全否定する絶対支配。これに対して主人公は弱々しく反論する「しかし、人間精神がそれを打ち崩します。わたしの方が道徳的に優れています」と。しかし主人公が何とも小さく見えるではないか。最後には主人公はその頼りの人間性も卑怯で愚かしい自分中心主義である事を悟り敗北する。結局ルソーに回帰する。猿に戻るか権力を認めるかだ。「1985」でアントニイ・バージェスはアナーキスト風に本作とはパラレルな世界観を自分なりに呈した。バージェスは反面的な希望を書いている。自分の事しか考えないという事こそ全体に対する個人主義の純粋な姿であり、誰もが人間友愛と個人の尊厳が確保された美しい道徳社会を謳いたいであろう、しかしそれは究極的には相反する物を含むのである。オブライエンの狂気がなぜか美しく見えるではないか。オーウェルは絶望を書いたのである。半世紀前のロンドンは自ら命を絶った。オーウェルは病により本書を書き上げてまもなくこの世を去る。空想博愛者のウェルズや「希望」を書いたマルローの生涯とはなんとも対照的ではないか。やっぱり絶望のファンタジーよりも私はテグジュペリの「人間の土地」の方が好きだ。
べき思考。
現実の1984年は4半世紀前だが、人間の本質が 変わらない事を示し続ける一冊。 タイトルの「べき思考」とは、「欝の予防」の文脈の中で 語られる言葉。 詰まり、 「『〜すべきだ』と考えるべきでは無い。」 と言う事。 丸で、二重思考だ。 このニュー・スピーキングな「物言い」自体が、 「ダブル・バインド」。 此れでは、「欝の予防」を一生懸命遣った挙句、 スキゾフレニアって事に、為るかも知れん。 場合によっては、個人単位ではなく、 社会全体が。 「べき思考はすべきでは無い!」と言うのが 2010年代と言う近未来の「時代の狂気」を表す スローガンの様だ。 字面のレヴェルは打っ飛ばして考えると、 此れ自体は、言わんとする事は、本質的には 「法性」の問題に過ぎないのだが。 いや、日本語の場合、それより重要なのは、 「主語が存在しない」と言う事。 英語だと、ジェネリック・パースン「一般人称」だから こんな風か。 we should not use "should" when thinking. (大文字が存在しないのは、CAPITALIST では無い 事を示す。) 人も社会も、先ず「言葉」から狂っていくのかも。 『動物農場』にも、似た様なのが有った。 「全ての動物は平等である。 だが、ある種の動物は、他の動物達よりも 『もっと平等』である。」とかね。
私はすでに死んでいる?
本書を読んで身の回りを再考してみよう。北朝鮮を熱狂的に罵倒し、よりよい思考や身振りで世間体に迎合することが心の安らぎをもたらすことを自覚できますか? よりよい思考や身振りは方向づけされているのか。この事実に気づいた人は人生を楽しめず、生きる屍と化すような気がします。
全体主義から現代へ
「1984年」と題されたこの作品は、1948年に書かれたものであり、オーウェルの頭にあった のは戦前の全体主義・ファシズムであり、戦後の共産主義思想であったであろう。 しかしそれは決して過去のものではない。現代の我々が抱える問題だ。当初はユートピアを 目指した社会が、社会権力の維持だけを目的として構成され、いつの間にか人間そのものを 支配する社会へと変貌を遂げる、そんなソビエト共産主義に代表される社会システムはもは や崩壊したといえる。 しかし、その後に到来したグローバリズムに基づく、市場原理主義という企業を中心とした 社会は、オーウェルが描写したのと同様ではないだろうか。 ただ一党独裁からマネーや会社内での評価中心、自身の市場価値といった物への崇拝に置き 換えられたに過ぎない。流行に乗り遅れまい、皆と異なるのはいやだから、とりあえず皆に 合せておく等、現代の我々に取り付いている先入観も1984年の社会システムであり、その 意味では、我々は今なお、オーウェルが書いた1984年から時を進めていないのではない だろうか。人間が個人から集団へと姿を変えたときの常に突きつけられる問題であろう。 大切なのは、常に疑問を持ち、社会の存在に疑問を持つ事、そしてそれを許容する多様性を 認める社会なのだろう。
現代こそ読む価値のある小説
1984年といえば20年以上前、そしてこの小説の書かれたのは1948年。 古い小説と思われるかもしれませんが、実は現在こそ読まれるべき小説です。 何故ならば最近話題の社会保障番号。社会保険庁のミスをこの番号に国民全員を 登録させる事によって国民の個人情報を管理できるわけです。 個人情報漏れした場合はどうなのか?など様々な問題点を指摘されますが、 この議論をされる事自体やはり注目されるべきです。 私はオーウェルのこの作品を読んだ頃はこの内容を空想小説にしてはよく できていると考える程度でした。 しかし昨今の国民総背番号制度を国会で討議される事からも決して 古いネタではなくて、現在こそ読まれるべき小説だと確信しています。 国民の個人情報に焦点を当てましたが、この小説は起こって欲しくない事を 見事にディストピアの世界として描いています。 読んでいると「ここまで思いつくか?」と思わせるほど暗黒世界を描写しています。 単に小説を読むだけではなくて、筆者の哲学までを思い知らされる、そういう作品です。 読み応え十二分。よく再読します。
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No animal may drink alcohol "to excess"
A fai y tale o a nightma e? It all egan with a d eam y Majo , a Middle White oa , of equality, and f eedom f om opp ession. May e not in ou life com ade, ut eventually. p The d eam ings a song. Intole a le conditions lead to evolution. As time passes things change; not exactly as planned. p The e a e two st iking pa ts to this tale that stand out. Fi st when Boxe is sent to the hospital and Benjamin eads the side of the van “Ho se Slaughte e .” Secondly the e was a pa ty in the fa m house as the pigs we e playing ca ds with the men, two aces of spades showed up. An a gument ensues. Then a ealization was d awn y the c eatu es outside looking in as they “…looked f om pig to man, and man to pig, and f om pig to man again…”
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カスタマーレビュー数:27
【くちコミ情報】
彼方
1948年の作品。スターリンの独裁社会主義のパロディであり、全体主義の未来社会を描く。オーウェルはスペイン内戦に参加する。ラルフ・フォックスやジョン・コーンフォードは理想に散った。帰還して大戦の行方とボリシェビキのロシアをどの様な想いで見ていたのだろう。この作品の中心人物「オブライエン」はヒトラーやスターリンを上回る狂気を持つ。1907年にジャック・ロンドンは「鉄の踵」を書き資本主義はおろか、おそらく社会主義にも絶望した。私には本作は「鉄の踵」の続編に見える。「オブライエン」は高らかに語る「地球は人類と同じ時に誕生し、太陽と星は地球の周りを回っている。真の権力とは「物質」を支配する事では無い。「人間」を支配する力の事だ。昔の改革者が夢想した愚かしい快楽主義的なユートピアとは正反対だ。神とは権力である」。唯物主義をも嘲笑い、究極の主観的現実認識、それでいて個人を完全否定する絶対支配。これに対して主人公は弱々しく反論する「しかし、人間精神がそれを打ち崩します。わたしの方が道徳的に優れています」と。しかし主人公が何とも小さく見えるではないか。最後には主人公はその頼りの人間性も卑怯で愚かしい自分中心主義である事を悟り敗北する。結局ルソーに回帰する。猿に戻るか権力を認めるかだ。「1985」でアントニイ・バージェスはアナーキスト風に本作とはパラレルな世界観を自分なりに呈した。バージェスは反面的な希望を書いている。自分の事しか考えないという事こそ全体に対する個人主義の純粋な姿であり、誰もが人間友愛と個人の尊厳が確保された美しい道徳社会を謳いたいであろう、しかしそれは究極的には相反する物を含むのである。オブライエンの狂気がなぜか美しく見えるではないか。オーウェルは絶望を書いたのである。半世紀前のロンドンは自ら命を絶った。オーウェルは病により本書を書き上げてまもなくこの世を去る。空想博愛者のウェルズや「希望」を書いたマルローの生涯とはなんとも対照的ではないか。やっぱり絶望のファンタジーよりも私はテグジュペリの「人間の土地」の方が好きだ。
べき思考。
現実の1984年は4半世紀前だが、人間の本質が 変わらない事を示し続ける一冊。 タイトルの「べき思考」とは、「欝の予防」の文脈の中で 語られる言葉。 詰まり、 「『〜すべきだ』と考えるべきでは無い。」 と言う事。 丸で、二重思考だ。 このニュー・スピーキングな「物言い」自体が、 「ダブル・バインド」。 此れでは、「欝の予防」を一生懸命遣った挙句、 スキゾフレニアって事に、為るかも知れん。 場合によっては、個人単位ではなく、 社会全体が。 「べき思考はすべきでは無い!」と言うのが 2010年代と言う近未来の「時代の狂気」を表す スローガンの様だ。 字面のレヴェルは打っ飛ばして考えると、 此れ自体は、言わんとする事は、本質的には 「法性」の問題に過ぎないのだが。 いや、日本語の場合、それより重要なのは、 「主語が存在しない」と言う事。 英語だと、ジェネリック・パースン「一般人称」だから こんな風か。 we should not use "should" when thinking. (大文字が存在しないのは、CAPITALIST では無い 事を示す。) 人も社会も、先ず「言葉」から狂っていくのかも。 『動物農場』にも、似た様なのが有った。 「全ての動物は平等である。 だが、ある種の動物は、他の動物達よりも 『もっと平等』である。」とかね。
私はすでに死んでいる?
本書を読んで身の回りを再考してみよう。北朝鮮を熱狂的に罵倒し、よりよい思考や身振りで世間体に迎合することが心の安らぎをもたらすことを自覚できますか? よりよい思考や身振りは方向づけされているのか。この事実に気づいた人は人生を楽しめず、生きる屍と化すような気がします。
全体主義から現代へ
「1984年」と題されたこの作品は、1948年に書かれたものであり、オーウェルの頭にあった のは戦前の全体主義・ファシズムであり、戦後の共産主義思想であったであろう。 しかしそれは決して過去のものではない。現代の我々が抱える問題だ。当初はユートピアを 目指した社会が、社会権力の維持だけを目的として構成され、いつの間にか人間そのものを 支配する社会へと変貌を遂げる、そんなソビエト共産主義に代表される社会システムはもは や崩壊したといえる。 しかし、その後に到来したグローバリズムに基づく、市場原理主義という企業を中心とした 社会は、オーウェルが描写したのと同様ではないだろうか。 ただ一党独裁からマネーや会社内での評価中心、自身の市場価値といった物への崇拝に置き 換えられたに過ぎない。流行に乗り遅れまい、皆と異なるのはいやだから、とりあえず皆に 合せておく等、現代の我々に取り付いている先入観も1984年の社会システムであり、その 意味では、我々は今なお、オーウェルが書いた1984年から時を進めていないのではない だろうか。人間が個人から集団へと姿を変えたときの常に突きつけられる問題であろう。 大切なのは、常に疑問を持ち、社会の存在に疑問を持つ事、そしてそれを許容する多様性を 認める社会なのだろう。
現代こそ読む価値のある小説
1984年といえば20年以上前、そしてこの小説の書かれたのは1948年。 古い小説と思われるかもしれませんが、実は現在こそ読まれるべき小説です。 何故ならば最近話題の社会保障番号。社会保険庁のミスをこの番号に国民全員を 登録させる事によって国民の個人情報を管理できるわけです。 個人情報漏れした場合はどうなのか?など様々な問題点を指摘されますが、 この議論をされる事自体やはり注目されるべきです。 私はオーウェルのこの作品を読んだ頃はこの内容を空想小説にしてはよく できていると考える程度でした。 しかし昨今の国民総背番号制度を国会で討議される事からも決して 古いネタではなくて、現在こそ読まれるべき小説だと確信しています。 国民の個人情報に焦点を当てましたが、この小説は起こって欲しくない事を 見事にディストピアの世界として描いています。 読んでいると「ここまで思いつくか?」と思わせるほど暗黒世界を描写しています。 単に小説を読むだけではなくて、筆者の哲学までを思い知らされる、そういう作品です。 読み応え十二分。よく再読します。
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傑作
本著で独裁者となる豚。豚と言うのは非常に賢い動物である。 東アジアの代表的共産主義者を思い浮かべると 毛沢東・金日成・金正日おお!!見事に皆肥えている!!と馬鹿なコト思いつつ読了。 まず見事に共産主義の勃発とやり方を上手い具合に描いていて驚く。 世に発表されたのは1945年だそうだが、その後の冷戦を予期したかのような内容。 毛沢東が本著を読んでればばもうちょっとはマシな中国になっていたかも知れない。 オーウェルの体験談「象を射つ」は植民地支配における白人の葛藤が臨場感のある 描写で表現され面白い。 作者の人生は波乱で興味深く、ビッシリと書いてあるオーウェル解説がありがたい。
a fairy tale
アメリカの高校で世界史の授業で読みました。 近頃は共産主義もまた意外と自由に信じられはじめているようですが、 私の高校時代はまだまだ赤狩りの名残の時代でしたから こおいった本は共産主義国とはまた違う国の歴史教育で取り上げられるわけです。 ちょうど、ソビエト崩壊から数年後でした。 自由の国で読んだあの不満がつのって爆発していく様子や閉塞感は なんとも薄気味悪いものです。
歴史は繰り返す 今そこにある事実
ストーリーとしては人間に家畜として扱われていた豚などが人間に反抗して 自分たちの社会を結成する。しかし、その社会は機能せず社会風刺した物語。 当時、社会主義を痛烈に風刺した小説として注目されました。 そして現在は中国を痛烈に批判している小説に感じられます。 現在、中国はチベットへの動乱を始め、法輪功を迫害しています。 法輪功とは心身の健康のためにやっている気功をやっている団体。 莫大な人数の人々がこれを行い、中共政府はその団体を脅威に感じて その無実の人々を捕まえて、臓器狩りを行なっています。 摘出された臓器は高額で不法に売買されている模様です。 全く動物農場がまた人間の下に戻り、家畜として扱われ最期に食肉として と殺されるされるように中国国民も同じ扱いを受けています。 過去の名作としてでなく、現在起きている出来事と照らし合わせて読まれると さらに実感が湧き上がるはずです。
途中はすごく引き込まれるのに、読後感は最悪。
途中はすごく引き込まれるのに、読後感は最悪。 それでも、内容的には星五つをつけざるをえないのが憎いオーウェルのオーウェルの真骨頂。 表現の端々に後の作品である1984を思わせるものがあり、大変興味深かったです。。。 人文学系を研究している方は教養として外せません。 一読をお勧めします。
理想社会とは理想のままの社会のこと。
ジョージ・オーウェルの代表的作品である本作「動物農場」。それまで人間に一方的な支配を受けていた農場の動物たちが一斉蜂起して、人間たちから自らの動物としての尊厳を取り戻すべく反乱を起こすという内容であるが、この作品の凄いところは、単純に虐げられて来た動物の逆襲の物語や、勧善懲悪の物語などでは全く無いというところである。人間を追い出し、自らが農場主となった動物たちだが、農場を効率良く運営していこうとする中で、様々な諸規則が自由に足枷を付け、動物社会はシステム化され合理化されていく。そんな中で行われる血の粛清や、権力の濫用、そして、弱者への迫害。動物たちが描いていた理想社会は、やがて、人間がいた頃と寸分違わぬ支配者と被支配者という構図で成り立つ凄惨な管理社会へと姿を変えていく。現実世界のアンチテーゼである理想社会への渇望は、それを渇望すること自体が目的としてあるべきで、実現してしまった理想社会はもはや「理想」では有り得なくなるのか。オブラートに包まれた甘い嘘を剥ぎ取り、人間社会の本質を暴露する、寓話の形をした類を見ない危険な作品。
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他ではあまりお目にかかれないおもしろさ
かつて居た場所を目指すさえない中年男、と言ってしまえばそれまでですが、そこにあるはずの原風景を探し求めるという点で、そして当然、その記憶は他のものでは交換不能の美しさを持っているという点で、主人公ジョージは多くの人に似ている。彼は具体的に「その場所へ」行きますが、そこで目にするのは……ここでは書かない方がいいのでしょう。オーウェルについてよく言われる預言的イメージで読んでももちろんおもしろいですが、それよりはむしろ、オーウェルがオーウェルを作ったレシピのようなものとして、わたしは読みました。一読すると、ほとんど投げやりともいえる身も蓋もない結末に最初はどんより絶望させらますが、しばらくするとその「抜け方」のあまりの抜けのよさがだんだん気持ちよくなってくる。これは、他ではあまり味わったことのない気持ちよさです。
面白いが不気味でもあり
オーウェルと言えば、「1984年」「動物農場」という二冊の小説であまりに有名だ。 また「カタロニア讃歌」「パリ・ロンドン放浪記」もかなり知られている。 それに比べこの「空気をもとめて」地味な存在だが、もっと読まれて良い作品の一つと言えそうだ。 p 昔読んだときには、中年サラリーマンが子供の頃暮らした場所を尋ねる様子、失われた自然環境に対する郷愁などが、とうてい外国の昔の話とは思われず深く共感した。ただ、爆撃機(戦闘機)の飛行音やら、爆破の音の記述に、第二次大戦の痕跡が感じられて、多少古めかしいように思われた。 p ところが、最近再読してみると、逆に薄気味悪いくらい現代を思わせる雰囲気だ。戦争がもはや我々に無縁なものではなくなった今、ヒトラーと戦うか否かという弁論大会の光景や、議論を読みながら、遙かな暑い地域で延々と続く戦争を連想してしまう。 p 「戦争なんて、君が考えてるようなもんじゃない。...今どきの戦争ときちゃあ、白兵戦なんてありゃしないし、よしんばあったにしたって、君が考えてるようにロマンチックなものじゃない。...問題は戦後の事態さ。」 p 作家のジョン・ウエインは、この小説を彼の主要な作品としているというが、今になるとうなずける気もする。「動物農園」の豚達を思い出す世相を見ていると、「空気をもとめて」と「1984年」の世界の距離は意外と近く、あっという間に移り変わるのだろうと思えてくる。
男の子の心にある想い
田舎での男の子の生活、釣り、冒険、悪い仲間、そして戦争、結婚、全編なつかしくもありどこか寂しさがともなう。ストーリーとしてはある男の一生と、その一生をいくばくかのお金を手に入れて現在の生活の逃避から一週間の故郷への旅をする物語ではさんでいる。やりたいことはやれるうちにやらないと。 p 「どんなことでもいいから考えてみてください。それぞれの時間を集計して、一生の時のうちで、そのことをするのに、さいてきた時間を計算してみなさい。そうした上で、ひげをそったり、バスに乗って動きまわったり、鉄道の乗り換え駅で待ったり、わい談のやりとり、新聞を読む、そんなことに使った時間を計算してごらん」 p 計算するまでもないところがいちだんと寂しい。
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