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【くちコミ情報】
叙情的な佳作
邦題では「杉の柩」と訳されている。 ポアロものだが、彼はなかなか登場しないし、 ポアロの大活躍というよりは、 いたって叙情的な、文学の匂いのする作品である。 英語原文はさほど難しいわけではないので、 物語を楽しみながら読み解くことができるだろう。
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【くちコミ情報】
決め手は”灰色の脳細胞”
エルキュール・ポワロを知っている人はこの本を読めば、一歩進んだポワロ通になれること間違いなしです。また、初めてポワロシリーズに挑戦する人には、一冊でポワロの50もの作品を楽しめるのもうれしいですね。ポワロとキャプテン・へースティングスとの間で交わされる会話も毎回楽しみであり、ハートをつかまれる事間違いなしです。
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【くちコミ情報】
女性から見た女性アガサ・クリスティ
有名アガサ・クリスティ像を、彼女の伝記と執筆作品とを交えながら論じた一品。やや、フェミニズム感濃いかも・・・と思える節もなきしもあらず、ですが、逆に言えば、同じ女性Gillian Gillから見たリアルな女性、アガサ・クリスティが浮き彫りになってくるのではないでしょうか。英語のレベルは読みやすい方だと思います。また、構成がアガサの年齢毎に区切られているのも、年表を見ているようで面白いです。
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中期傑作群の中の傑作!
本書は、中期傑作群のど真ん中の1936年に執筆された作品で、翌年の『ナイルに死す』や翌々年『ポアロのクリスマス』というクリスティーらしからぬ大仕掛けのトリック作品の先駆けだけあって、単純でいて実に見事なトリックを用いた、作者のベスト10に数え上げられるべき作品である。 作者のそれまでの作品には、心理的トリックやプロットの妙により読者を錯誤に陥らせるものである物が多く、たとえば本書の2年前に執筆された『オリエント急行の殺人』は、その構想は独特で秀れてはいるものの、犯人は何もトリックを仕掛けておらず、だから私はこの作品について、本格推理作品としてはあまり高く評価していない。 その点本書では、犯人が真っ向からトリック勝負を仕掛けており、まさに本格推理作品であるという点が、従来作品と異なる。 なお本書は、読み比べてみればわかるが、2年後の『ポアロのクリスマス』と相似点が多い。 どちらも「密室的」状況であり(『ポアロのクリスマス』は実際に密室である)、またどちらもポアロが被害者そのものに事件の本質を求め、各容疑者たちの「犯行シミュレーション」を行っており、その上さらに決定的に似ていることがある...。 それはまるで本書が、実はさらなる傑作『ポアロのクリスマス』のための習作ではなかったのか、とさえ思わせる内容である。
トラベル・ミステリーはお好き?
まず設定に無理がある。 いくら二十年?だっけ経ったからといって、忘れるのはおかしい。 まあ、それは無しにしても、イマイチ引き込まれるものがなかったなあ、本作は。 魅力はメソポタミヤの描写だろうか。それで大分救われている。 クリスティお得意の今で言うトラベル・ミステリー(ナイルに死すより落ちるが)。 旅行気分が味わえます。
ミステリーの古典
ミステリーの女王クリスティーの作品の中でもトップレベルの作品。 タイトルどおり、メソポタミヤの遺跡で起こった殺人をポアロが解決するというものです。 トリックや推理など、ミステリーの王道中の王道をいった感じですが、それがまたいいです。 また、さすが考古学者の妻!!ということで、遺跡や中東をとても魅力的に描いています。
楽しめますが不満もあります
イラクのチグリス河畔で遺跡の発掘をしている欧米人チームの宿泊場所で事件は起き、近くを旅行中だったポワロが事件解決のために呼び寄せられます。(ヘイスティングスは登場しません。)ストーリーは事件に関係したイギリス人女性看護師によって語られます。ある程度は満足できる作品ですが、不満があります。まず、テンポがよくないと思います。事件発生(とポワロ登場)までの前置きが長いですし、その後も最後のポワロの謎解きセッションまでだらだらと進みます。それに理解し難い点が幾つかあります。例を2つ挙げます。1.設定のひとつですが、結婚して数ヶ月一緒に暮らした相手を、容姿が変わったから、20年近く会っていないからといって、判別できないのは不思議です。2.メインの殺人ですが、緡?密に計画した犯行であるはずなのに、なぜもっと確実な方法を考えなかったのか理解できません。(本の中で犯人はまずまずの結果を出しましたが、失敗する可能性が高かったと思います。あの状況であの方法なら、誰かに犯行を目撃されてしまうことも、被害者が死亡しないことも充分に有り得ます。あの人物らしくないずさんな犯行です。)不満を言いましたが、楽しめるのは確かです。現地の様子がそれほど細かく描写されているわけでもないのに、シーンが目に浮かぶように感じるのは著者の筆の力でしょう。
傑作です
ルイズは最初の結婚の思い出から逃れようと,考古学者のレイドナーと結婚した。その彼女のもとに,死んだ前の夫からとしか思えない脅迫状が舞い込んだ。ポワロがその謎に挑む。中東を舞台にした作品中の最高傑作。
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【くちコミ情報】
可能性にあふれた贅沢な味わい
たくさんの登場人物に加えていっそう目をひくのは、ぜいたくともいえるほどに豊かな「可能性」の数々です。本来は家族の幸せに満ちあふれるはずのクリスマスの時期に、いくつもの「可能性」が惨劇に通じています。逆説的なようで、きわめて皮肉であり、また辛辣なユーモアにも富んでいます。 これらの「可能性」をつぶさに観察してゆけば、一見唐突にみえる大どんでん返しも、感嘆のためいきとともに収束することでしょう。 「わたしは今、あなたがたにいくつかの可能性を示したのです! これらのことは、いずれも起こったかもしれないことなのです! これらのうち、どれが実際に起こったかは、われわれは外観から内面的真実性(リアリティー)に眼を移すことによって、初めて説明することができるでしょう......」(本文より)
ディクスン・カー顔負け、聖夜の密室殺人!
この作品は一般的にはあまり高く評価されていないようであるが、私は『ABC殺人事件』や『オリエント急行の殺人』など、一般的に名作とされている作品をも凌ぐ、クリスティーのベスト5に入る作品だと思う。 クリスティーは本書の前々年に『メソポタミヤの殺人』、前年に『ナイルに死す』、そして1938年に本書と、作者の全作品の中でも最もトリッキーな作品を立て続けに発表しているが、とくに本書では作者の長編作品で唯一の完全な密室殺人を扱っている。それもディクスン・カー顔負けの、クリスティーとは思えない程のとびっきり大胆かつ大掛かりなトリックを用いているのである。 もしも本書の作者がカーならば、おそらくそのメイン・トリックを最初から前面に押し出して、読者に不可能犯罪の興味をかきたてたことだろう。 これほど見事な作品であるにも関わらず、本書の評価が思いのほか低いのは、メイン・トリックに用いられたある小道具が日本人には馴染みがないため、イマイチしっくり納得できないためではないかと思う。 また、そのトリックの現実性について疑問を呈する意見もある。 しかし、もしもこのトリックがダメというのなら、ディクスン・カーの大半の作品や横溝正史の『本陣殺人事件』など、多くの秀れた作品が否定されることになるだろう。(『本陣殺人事件』のトリックが、本書のメイン・トリックにどことなく近いものを感じるのは私だけだろうか?) なお、本書はディケンズの名作『クリスマス・キャロル』のパロディであるともいえる。 本書で殺害されるシメオン・リーは強欲なスクルージ老人、そのシメオン・リーを訪れる登場人物たちがスクルージ老人を訪れる三人のクリスマスの精霊に見立てられる。 そういう点でも、本書は「クリスマスにはクリスティーを」のキャッチ・フレーズにふさわしい作品である。
結末がやや唐突すぎるかな?
タイトルからは華やかそうな印象を受けますが、内容は、とある大富豪の屋敷に、クリスマスのために遺産相続権を持つ親族たちが帰郷してきたと同時に主人である富豪が殺害される、というオーソドックスな、そして重苦しい空気のするミステリです。華やかなイメージを与えるようなタイトルと、陰鬱な雰囲気の漂う内容の、対比による意外性を狙ったのかもしれませんが… トリックにちょっと無理がありますし(ドラマで映像で見て少し納得しましたが)結末についても、犯人指摘にいたるまでに読者に与えられる情報が少なく、推理のしようが無いのでちょっと唐突すぎる気がしました。 本書とは全く関連が無いのですが、ポワロシリーズの短編に「クリスマスプティングの冒険」という作品があります。こちらは実にクリスマスらしい趣向にあふれ、ミステリとしても面白いのでオススメです。
血みどろのクリスマス。
クリスティーにしては、平均レベルの作ではないでしょうか。 設定の面白さ、話の進め方(これが、ちょっとだるい)、トリック(う〜ん、これもちょっと無理あるんちゃう(苦笑)。 タイトルに“クリスマス”とありますが、別にクリスマスに関係なく読めます。 逆に読まない方がいいんじゃないでしょうか。血みどろのクリスマスですから。
クリスマス色は強くないけれど...
登場人物が多い割には分かりやすいミステリーかと思います。偏屈で嫌われ者の老人の息子達、またその妻達は彼を殺す動機を持ったものも多く最後まで犯人が分からず一転二転、また複雑な血姻関係などで読者を煙にまくはさすがはクリスティー。
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終わりなき世に生まれつく
邦訳のタイトルは確かこうだったと思います。これはクリスティにしては珍しく暗い感じの推理小説。結末も暗い。だからあまり好きではないのですが、読み返してみると味があるというかなんというか。大金持ちの箱入り娘と結婚して逆タマに乗った主人公は、ハンサムで魅力的だが仕事が長続きしない男。二人は田舎で平和に暮らしていたが、結婚後間もなく妻は不慮の事故で亡くなった。果たしてこれは単なる事故だったのかどうか。当然のように相続人である男は疑われる。結果は意外といえば意外、当然といえば当然だが、男の気持ちの変化がおもしろい。
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真実は細部に宿る
冒険ミステリーとありますが、半分くらいまで、はっきりいって地味です。 が、しかし。そこがアガサ=クリスティーのすごいところで、 小さな小さな世界である、村の中、しかも「無憂荘」という宿の中での数名の人物たちの描き方が非常にスリリングなのです。 地味なんだけど、人間描写、人間観察のおもしろさに引き込まれて、 ぐいぐい頁をめくってしまいます。 ミス・マープルものが好きな人なら非常に楽しめると思います。 一体、誰がスパイなのか、そもそもこんな暢気そうな人たちの中にドイツのスパイなどがいるのか。地味だけど手に汗握ります。 後半からは、物語がいよいよ動き、冒険サスペンスものになっていきますが、 個人的には前半の人間観察を描いた部分が好きです。 前半部分の微に入りさいにうがった描写の中に、まさに真実が紛れています。
アガサのエンターテイメントの逸品
知る人ぞ知るトミーとタペンスの冒険ミステリシリーズの第三弾である。アガサのミステリの中で、「読んで楽しい」ものといえば、このトミーとタペンスシリーズにとどめをさす。ミステリを、「読んで楽しい」などと書くと、いぶかる向きもあるかもしれないが、本当なのである。元々、アガサのウイットとユーモアの効いた、センスの良い文章力には、ミステリ作家として抜群のものがあるのだが、深刻な殺人事件が題材になると、ウイットとユーモアもほどほどに、ということになる。しかし、冒険ミステリなら、そんな手加減はいらないわけである。特に、トミーとタペンスとの間で交わされるウイットとユーモアの効いた、テンポのよい絶妙な掛け合いは、それだけで一つの小説に書き上げてほしいくらいである。 p さて、物語だが、時は第二次世界大戦開戦直後。英国情報部の依頼を受けたトミーは、コードネームをNとMという二人の謎のドイツのスパイを探るため、二人が住んでいると思われる海辺保養地の下宿「無憂荘」に、住人として潜り込むことになった。しかし、下宿の女主人に住人を紹介されたトミーは、いきなり、あり得ない出来事に出くわし、息を呑むことになる。誘拐あり、殺人あり、恋愛あり、もちろん、トミーとタペンスの大ピンチありの、冒険活劇の始まりである。 p ちなみに、全ての謎が解き明かされた後に、アガサが用意したエピソードが、何とも粋で、心暖まるものであり、素晴らしい。エンターテイメントのエンディングは、こうでなくっちゃネ!
誰がスパイだ?
クリスティの作品中、トミーとタペンスの夫婦を主人公にした作品の3作目(短編集の「おしどり夫婦」含め全5作)。 最初の作品「秘密機関」で20代だった2人も、40代の中年夫婦になり、かつての自分達と同じくらいの双子の親となっている。 p 時代も、第二次大戦下のイギリス。ナチス・ドイツの電撃作戦で、隣国フランスの情勢は悪化の一途をたどる中、ロンドンも空襲におびえる日々が続く。 そんな中、仕事もなく、暇をもてあますトミーのところへ、情報局から、非業の死を遂げた情報局員がつかみかけていたナチの大物スパイの正体をつかむための極秘指令が届く。 p 「無憂荘」というゲストハウスを舞台に、スパイの正体を暴くための駆け引きが始まる。 p 「秘密機関」同様、純粋に冒険活劇として楽しめる作品。40代になっても、危地へ飛び込んでいく2人の無謀さには脱帽。
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