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| 検屍裁判―インクェスト (1956年) (世界推理小説全集〈第27〉)
パーシヴァル・ワイルド
黒沼 健
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【くちコミ情報】
ホットな話題「心の理論」
最近の発達心理学のホットな話題、「心の理論」がとってもよくわかります。入門書として最適。わかりやすいけど、専門的にちゃんと記述してあります。「心の理論―心を読む心の科学岩波科学ライブラリー」も入門書ですが、これよりは詳しく専門的です。発達心理学の卒論を書いているとき、指導教官がぜひ読むようにと推薦してくれた本です。
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【くちコミ情報】
見事なリトールド版
オスカー・ワイルドの作品の中でも簡潔にして麗しい文体で鳴る本作品をここまで、原作の味わいを残して etellできたことは敬服に値する。
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【くちコミ情報】
「若さ」の持つ価値
私がこの本と出会ったのは17歳の時でした。この本はワイルドの人生観・道徳観・芸術観などが盛り込まれたファンタジー小説というべきでしょうか。主人公のドリアン・グレイは若さに対するワイルド自身の憧れの象徴であり、人間はただ若いということだけで十分に価値がある、ということを私に感じさせてくれました。実際にストレートにそういったことが書かれているわけではなく、かなり難しい観念論として遠まわしに書かれているのですが、ストーリーよりもそういったことに注目して何度も読み返すことでこの本の価値がわかってくるはずです。若いことがなぜかくも素晴らしいことかを知らずに青春を生きている若者や、若者をただ若いからという理由だけで見下している年配の方に読んでもらいたいです。
very attractive and interesting book
オスカー・ワイルドの代表作、いわゆる「世紀末唯美主義文学」の名作です。 文学作品としての破綻を来そうとも、宝石や美青年好みの人々のリストを掲ている辺りが本書の醍醐味と申せましょう。 とくに十代の若い方々にオススメいたします。
ワイルドを代表する小説にござります
オスカー・ワイルドの長編小説と言えば、まさにこの『ドリアン・グレイの肖像』に尽きることでありましょう。 19世紀末の耽美主義を代表する本書は、ワイルド特有の警句やパラドックスが鏤められて居るばかりか、西洋史上名高い男色家や宝石類のリストが縷々記されてもいるナカナカ上質の娯楽作品に仕上がっています。 p 中学生のとき、退屈な授業中に耽読したことを昨日のことの如くによく憶えております。 どなた様も一度は目を通しておいて頂きたい英語小説の一冊です。
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【くちコミ情報】
「悲しみは見せかけ、心と顔は別物」
友人バジルによって仕立てられた一枚の肖像画、そこに湛えられた限りなき美によって 己に潜む果てなき崇高を知るところとなった主人公ドリアン。 かぐわしき青年と肖像画の間に取り結ばれた奇妙な契約関係、いかなる罪を重ねども、 年月を経れども、彼の穢れと老いはすべて絵画によって引き受けられ、男は不滅の美貌を 表現し続けることとなる。この関係、すべて世に産み落とされた罪人と無辜の神の子イエスの それに似る。 しかし、人間にとって美はあまりに過酷なもの、その重みを前にしてついにドリアンは… 芸術の気品に比して人間存在の耐えがたき軽さを諭すかのように、登場人物が過剰に淡白に 命を失する物語の展開もさることながら、この小説においてあまりに圧倒的なのは、序文に はじまり細部に至るまで、これでもか、と繰り出されるアフォリズムの数々。プロットなど はるか後景に追いやられ、ワイルドのモノローグが濃密に畳みかけてくるそのさまには、 もはや述べるべきことばを失う。 この小説に見出されるべき壮絶なる文学史の系譜、例えばダンテ、ヘルダーリン、ゲーテ、 ノヴァーリス、無論文中に組み込まれたシェイクスピアも。あるいは、三島の『金閣寺』や ドストエフスキーなどが連想されることもあろうか。 翻訳はややもすると生硬、しかしそのような点をはるかに凌駕して、偉大なるロマン主義の 王道を邁進する疾風怒濤の傑作。
あなたも堕ちてみませんか?
音楽・映画・文学などあらゆるジャンル、新旧を問わず、最も影響を受けた作品の一つだと思います。この小説はなんといってもヘンリー卿(オスカー・ワイルドそのもの)の存在感が強烈です(登場していないシーンでも存在感を放っているほど・・・)。彼は現代に生まれていたらほぼニート扱いで、まったく相手にされないような口達者なだけの男かもしれないですが、作中では歩く金言集といえるほど、不道徳でブラック・ユーモアたっぷりの名言を連発し、やがては絶世の美男子ドリアンを破滅させます。『「美」は「天才」の一形式である・・むしろ「天才」より説明を必要としないのだからより高次なものである』とかドリアンにのたまうわけです。実際的で合理的なことを嫌い、道徳心などかけらもなく、さらにはニヒリストで、ただただ頽廃的美学に身を任せることを愛する人に最適の本。
デカダンス
唯美主義とヒューマニズムの葛藤を軸に、誘惑的に描かれている。 読んでみて率直に感じたのは、快楽主義やデカダンス自体が罪なのではなく、その行為によって誰かを傷つけることが罪なのだということ。 そういう意味でも、シビル・ヴェインの場面が切なかった。芸術か?恋か? 読みやすく、それでも深く、様々な要素が入っていて面白い。
唯美主義のように見えて社会派?
逆説的な警句で上流の人たち(階級的な意味だけでなく、美青年ドリアンや芸術家バジルなどの才能の上流人も含む)の歓心を買うヘンリーは、なんとなく「資本」という感じがした。常識を反転させた悪の論理で人を魅了しながら蔓延っていくからだ。 解説の佐伯彰一や、「千夜千冊」の松岡正剛などが言うように、ゲイであった唯美主義者ワイルドが美青年の悪徳を描いた作品であるのにかかわらず、この作品にはそういう意味での官能性は薄い。そして、それは、欠点じゃなく美点なのだろう。これは社会派小説なのではないか。
がっちりと構築された幻想、背徳の影から突きつけられるモラル
背徳と芸術至上主義の物語として、あまりにも有名な作品。 肖像画が自分の代わりに悪事の罰を受けて醜く年老いて行き、 最後に主人公がその肖像画と対決するという発想は発表後100年以上を経た今も斬新だ。 「近頃の人間ときたら、ものの値段はなんでも知っているが、 ものの値打ちはなにも知らないときている」等の警句にも作者ワイルドの諧謔精神が光る。 だが、本作がそういった警句や唯美主義だけがとりえの作品だったら 現在も読むに足るだけの魅力を持つことが出来ただろうか? 最後に肖像画と対決した主人公・ドリアンのモノローグ 「『われらの罪を赦し給え』の代わりに、『罪ゆえにわれを打ち給え』という言葉こそ、 もっとも正しき神に対する人間の祈りであるべきだ」─この厳しいモラル。 背徳と芸術至上主義の後ろから、厳しい倫理性がナイフのようにちらついている。 この二重構造があればこそ、本作品は永遠の生命を持つことが出来たのだろう。 美青年ドリアン・グレイの顔と肉体の美しさの代わりに。
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