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【くちコミ情報】
迷路だらけの宝島
ファウストとメフィストの賭けは続く。といっても、舞台も時代も転々と移り、果ては神話の世界にまで至るから、筋を追うだけでは辛い上に勿体無い。 かつてゲーテが宮廷の要職を放り出してイタリア旅行に出てしまったように、筋は投げ出して、しばし古代のエーゲ海で、豪華キャストによるきらびやかな舞台を楽しまれたい。 中盤を楽しむほど、終盤の「灰色の女」と契約の「時」は際立つ。 p さて、虚構を常識で裁くのは野暮だが、第一部で直接1人、間接的に2人を殺し、第二部でも・・・。となれば、最終的な志の如何にかかわらず、地獄行きだろう。賭けは当然、メフィストの勝ち、か? p 池内訳の結末は、死を間近にした一老人ゲーテの願望の投影かもしれない、と読者に思わせる。ファウストは人格者というより普通の人だ。訳語、訳文と最小限に絞られた注、という目立たない方法で、新たに大胆な解釈を加えたように私には見えた。 迷路だらけの宝島が、多くの研究者を惹きつけ、研究書で図書館が建つ。そういう豊かな作品である。
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【くちコミ情報】
書簡で伝えるローマ
下巻は、もともとの『イタリア紀行』出版の12年後、イタリアを旅してから40年後の1829年に出された「第二次ローマ滞在」の翻訳。書簡形式を取っており、ローマで見たもの聞いたもののほかに、ゲーテの思考を直接的に伝えてくれる。ただ、40年以上前の体験であり、文中のゲーテが意図的に演じられた姿であることは確か。 ローマにおける謝肉祭、美術品取引の現場などが描かれており、歴史的資料としても一級品。 18-19世紀のイタリア旅行記は英・仏・独とかなりの数を読んでいるが、やはりゲーテの『イタリア紀行』が最高の作品だと思う。退屈な旅行記が多いなか、ゲーテのは読者を飽きさせない。社会描写にも深みがあるし、ユーモアも効いている。イタリア(それから、故国ドイツ)を皮肉な調子で眺めているようなところも面白い。旅行記は第一に人間性、そして文章力、最後に扱っている内容ということか。
イタリアの南
中巻はナポリとシチリア。ちなみに本来の『イタリア紀行』は、この巻で終わり。 ローマを発ったゲーテがナポリ、シチリアとイタリアの南部地方をまわった記録。イタリアの中でも特に暖かく暮らしやすい地方であり、ローマやヴェネツィアとは全く違った風景、生活習慣が描き出されている。なかでもベスビオ火山の描写は圧巻。 しかし、ナポリやシチリアは貧困の甚だしい地域でもある。ゲーテの視線は一般の民衆へも注がれ、貧しいながらもたくましく生きる姿が浮かび上がってくる。 シチリアではパラゴニア庭園、カリオストロ伯爵の実家も訪れている。
3巻の中では一番おもしろい
ゲ-テが再びロ-マに帰って来た。 この下巻は、ゲ-テの第2次ロ-マ滞在(6月~4月)の出来事を記した ものである。 「ロ-マの謝肉祭」の騒ぎなどは本当に臨場感にあふれている。 挿話として「諧謔聖人フィリッポ・ネリ」などがあり相当におもしろい。 ミラノの女性との邂逅などはやや気取りすぎのような気もするが、ゲ-テ p の人柄がよく現れているとも言えるだろう。 最後にロ-マを去るに当たり、1人の詩人の詩でもって締めくくっている のは圧巻だ。
シチリア・ナポリ編
ゲ-テのイタリア紀行の中のシチリア・ナポリ編である。 p 「シチリアなしのイタリアというものは、われわれの心中に何らの表象をも 作らない。シチリアにこそすべてに対する鍵があるのだ。」 「ヴェズヴィオ山が真正面に見えている。流下する溶岩は太陽が疾っくに沈 んでいるので、真紅の焔を上げ、そこから立ち昇る煙はすでに金色になり p 始めていた」 など美しい描写が続く本書の一読をぜひ薦めたい。
ゲーテを読んで・・・
読書家を自認する私も、少々おっくうさも手伝ってか、ゲーテとはここしばらく遠ざかっていたが、ふとしたことからゲーテの「イタリア紀行」を読むことになった。宗教、美術はもとより、植物学はては地質学にも通暁するゲーテのことゆえ、想像通りそれらについてかなりのページをさいてはいるものの、彼の“一生を賭けた”このイタリア旅行記、やはりなかなか素晴らしい。ローマへの途中、遺跡を無断写生していて土地の警官に他国の間諜と間違えられたり(上巻)読みながら思わず吹き出したくなる場面も多々あるし、ナポリからシチリア・パレルモへの船酔いに苦しみながらの4日間の船旅。そして着港地パレルモの美観等々。ぜひ一読を勧めたい書物である。
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イタリアの南
中巻はナポリとシチリア。ちなみに本来の『イタリア紀行』は、この巻で終わり。 ローマを発ったゲーテがナポリ、シチリアとイタリアの南部地方をまわった記録。イタリアの中でも特に暖かく暮らしやすい地方であり、ローマやヴェネツィアとは全く違った風景、生活習慣が描き出されている。なかでもベスビオ火山の描写は圧巻。 しかし、ナポリやシチリアは貧困の甚だしい地域でもある。ゲーテの視線は一般の民衆へも注がれ、貧しいながらもたくましく生きる姿が浮かび上がってくる。 シチリアではパラゴニア庭園、カリオストロ伯爵の実家も訪れている。
3巻の中では一番おもしろい
ゲ-テが再びロ-マに帰って来た。 この下巻は、ゲ-テの第2次ロ-マ滞在(6月~4月)の出来事を記した ものである。 「ロ-マの謝肉祭」の騒ぎなどは本当に臨場感にあふれている。 挿話として「諧謔聖人フィリッポ・ネリ」などがあり相当におもしろい。 ミラノの女性との邂逅などはやや気取りすぎのような気もするが、ゲ-テ p の人柄がよく現れているとも言えるだろう。 最後にロ-マを去るに当たり、1人の詩人の詩でもって締めくくっている のは圧巻だ。
シチリア・ナポリ編
ゲ-テのイタリア紀行の中のシチリア・ナポリ編である。 p 「シチリアなしのイタリアというものは、われわれの心中に何らの表象をも 作らない。シチリアにこそすべてに対する鍵があるのだ。」 「ヴェズヴィオ山が真正面に見えている。流下する溶岩は太陽が疾っくに沈 んでいるので、真紅の焔を上げ、そこから立ち昇る煙はすでに金色になり p 始めていた」 など美しい描写が続く本書の一読をぜひ薦めたい。
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読書家を自認する私も、少々おっくうさも手伝ってか、ゲーテとはここしばらく遠ざかっていたが、ふとしたことからゲーテの「イタリア紀行」を読むことになった。宗教、美術はもとより、植物学はては地質学にも通暁するゲーテのことゆえ、想像通りそれらについてかなりのページをさいてはいるものの、彼の“一生を賭けた”このイタリア旅行記、やはりなかなか素晴らしい。ローマへの途中、遺跡を無断写生していて土地の警官に他国の間諜と間違えられたり(上巻)読みながら思わず吹き出したくなる場面も多々あるし、ナポリからシチリア・パレルモへの船酔いに苦しみながらの4日間の船旅。そして着港地パレルモの美観等々。ぜひ一読を勧めたい書物である。
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