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【くちコミ情報】
「古典」であり「限界」も明白だが、敗戦に至る歩みを簡潔に描いた名著
刊行年から察せられるように、戦後体制の確立までを記述した「昭和前半史」である。 ポイントは2つある。 まず、コンパクトでありながら日本が第二次大戦で壊滅的敗北に至る過程が、第一次大戦にまで起源を遡り見事に描かれているという意味で、非常に優れた史書である。後述の問題はあるが再びあの悲劇を繰り返さないためという明確な視点の下に、「歴史」を「社会科学」にまで高めようとの意識を基礎に、この半世紀に近い日本社会の動きを記述しようとしており、その目標はかなりの程度「成功」していると愚生には感じられる。 まさに未来を見据えた新たな国つくりの時代にあって、過去をきちんと受けとめている。半世紀前の書であり、もはや歴史書としては「古典」に属すが、読み返すたびに学ぶところのある名著である。「岩波新書」も膨大な作品を抱えるが、今後とも常時入手可能であってほしい1冊である。 2点目は、この本の出現が亀井勝一郎などの批判を受け「昭和史論争」を引き起こした問題の書であること。なお、亀井の反論は『現代史の課題』で読める。論争自体はさる方の表現を借りると「『文学』からの反論」ということでこれから本書を手に取られる方にはあまり気にされる必要はないと思う。 が、現在の日本で行われているこの時代の「歴史」に関する論争に比べれば雲泥の差がある。 ただ、「講座派マルクス主義」に属す本書の著者らの「解放の夢」が現在に至る50年で完全に潰えたのは事実。というより、改訂中の「ハンガリー動乱」や直後の「スターリン批判」が「夢」の「夢」たるを教えていたはずである。 にもかかわらず愚生が「名著」というのは、経済の成長が思うように行かなくなる中、国際的に孤立し、無理な解釈で自国をひたすら美化する一方で、あらゆる手段を尽くして人々の批判的精神(これこそが「理性」の基礎だろう)を刈り取ろうとした「敗戦への道」の愚かさを明らかにしているからだ。
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【くちコミ情報】
皇軍はどのような軍隊だったのか 陸軍の資料からそれが浮き彫りにされて・・・
非常によくわかりました。なぜ南京事件が起こったのか。日本軍が作った資料が多く説得力がありました。当時の日本軍がどういう軍隊かよくわかります。現代においてその軍隊が行った行為を正当化する人が自衛隊の幹部で命令を下されては困ると思います。
とりあえず論点の提示を。
1922年生まれの日本近代史研究者が1997年に刊行した130頁程の小著。もともと南京攻略が任務ではなかった上海派遣軍の第十軍の独断に中央が引きずられる形で、上海戦から南京戦へのなし崩し的な移行が起こる。そのため、補給のための編成が不十分であった日本軍は、給養の徴発という名目の略奪を断続的に行い、その過程で婦女への強姦殺人等、現地の住民への残虐行為が頻発する。1937年12月1日正式の南京攻略命令が出ると、まもなく日本軍は南京市を包囲し、17日には入場式を挙行する。その際にも、敗残兵の掃討、投降兵・捕虜・「便衣兵」の組織的虐殺、非戦闘員への残虐行為が頻発する。それらは、その後の占領下でも継続するのである。 p 本書の特徴をいくつか挙げる。第一に、南京事件の定義について。期間は1937年12月初めから1938年3月まで、地域は南京市街と南京行政区の6県における、国際法違反行為の総体を指す。要は南京戦とその後の占領に関わる範囲と期間であり、これは上記のような経緯を考えれば妥当である。占領直後の一時期の国際法違反行為をその前後のそれらとあえて区別する必要は無いし、仮に東京裁判での定義と異なるとしても、それは東京裁判の方が問題があると考えるべきであろう。第二に、被虐殺者数について。著者は20万人は超えているだろうと見ているが、笠原氏は10数万から20万人くらいと言っていた気がする。いずれにせよ、この手の数がはっきりしないのは当然であり、したがって数の多寡は本質的な問題ではないが、著者たちは多様な史料を通じてできるだけ実証的にその問題に迫っている。少なくとも勝手な想定で最小限の確実な数を出すより、状況に合致した大まかな数を呈示する著者たちの考察の方が妥当に思える。第三に、事件の背景の分析は、数に関する議論より、よほど興味深い。
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【くちコミ情報】
沖縄という存在と日本人
一次、二次資料により描き出した沖縄論とでも言うべき本。日本は、その植民地とした 朝鮮で日本がおこなった創氏改名のように、方言札に端緒にわかるように沖縄を異質性を もった殖民地として扱ってきたのだ。沖縄戦もその軸の延長上にある。皇土防衛の捨石と して住民が住んでいる場所で戦闘を行い、かつ持久戦を遂行し、できるだけ本土への米軍 上陸を避けようとした。沖縄人を日本国民として扱わず、方言しか話せでない者をスパイ 容疑で殺し、投降しようとするものを背後から撃ち、壕から追い出して砲火の只中に晒し、 食料を簒奪した。戦後には米軍基地が置かれ、米軍人の犯罪は膨大な件数に上るにもか かわらずこれをほぼ放置。今も米軍の空軍機は市街地を低空で飛ぶ。こういうことをして きたのは、沖縄人を差別しているから、としか言いようがない。沖縄戦に至る道筋、その 遂行過程、戦闘終了までの記述が多いが、過去から見つめて現代に至る沖縄でおきた事実 が載っており、考えさせられることが多い本。コンパクトなのに濃い。なお、ハワイでは アリゾナ記念館の横にある潜水艦を見られたい。沖縄から学童を乗せた輸送船、対馬丸を 撃沈し、600人もの子供が死んだ。そんなものを飾るアメリカは早く崩壊してほしい。
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| 世界の中の日本 (大系 日本の歴史)
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【くちコミ情報】
歴史から再発見する現在
高校の日本史やりました? ひととおり。じゃあ近現代史は?? ・・・・どうも中学高校と、現代史、とくに戦後史を体系的に勉強したり考えたりする機会は、最後にまわされて時間がなかったり、受験で頻繁にでないから、という理由で軽視されがちな気がします。 p というわけで、もう一度日本の戦後史を通史でみてみると、意外な発見がいっぱいあって、すごくおもしろい。とくに近い現代史を見ていると、歴史ってもう確定した記録ではなく、現代とのつながりからなっているんだってことが実感できる。 p まだまだなぞも多いことも多い。現代社会での問題はこんな根っこからきてるんだ、って問題の根の深さ、歴史的過程を考えることができる。 p とくに高校の教科書とは違うので、筆者の主観もはいってて、たまにおもしろい記述がある。 政治家評価とか。吉田茂はあまり評価されてないような。 p 最後の「賞賛はされるけど尊敬はされない日本」というようなくだりに、中国人の友人の言葉がよみがえります。何か、物質的な発展とは違う(もちろん日本の発展の成果を否定するわけではなく、正当に評価するとしても)価値を掲げることが、これからもっと必要になってくるんでしょう。
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【くちコミ情報】
靖国を奉りつつも、考える。
何ゆえに彼らは死んでいったのか?作戦部の無能、それ以上に罪悪な人権無視。兵を人間と見ず、補給の確保をせず、精神主義で乗り越えさせようとしていた。精神も根源たる”生”が枯れてしまえば、萎靡するばかりであり、凄惨を極めた状況で、見知らぬ南国に、兵を物量として、たいした兵器を携えさせずに、突入させ、敵との交戦よりも、栄養不足により、死に至らしめたらしい。作戦部のなんと愚かなことであろうか?しかも、彼らは戦犯として裁かれることは無い、なぜなら英米の利益に供した結果をもたらしたのみだから、作戦部はむやみな、現場、前線無視の断行により、ただ兵力、戦力を一層細らしたに貢献したのにすぎない。 たいした兵器を携行させずに、戦地に赴かせる。どこかイラクの自衛隊派遣に似ては居ないか?
事実を受け止めるということ
著者の藤原氏は、元陸軍軍人であった。戦後、岩波新書『昭和史』の共著者の一人となり、日本現代史研究の第一人者となった。『軍事史』・『天皇制と軍隊』・『昭和天皇の十五年戦争』などの著書がある。その藤原氏が晩年に著したのが、本書である。 藤原氏の晩年は、彼にとって決して快いものではなかっただろう。「教科書が教えない歴史」から、これまでの戦後歴史学の成果を「自虐史観」と批判する人々が登場し、政治的影響力を振りかざす中で、藤原氏は本書を世に問うた。「英霊」として、靖国神社に祀られた死者の多くは、戦闘行為そのものによる死者ではなく、戦病死や餓死であったのだ、と。そのような死者を累々とさせたのは、他ならぬ日本軍である、と。 藤原氏は「そのことを死者に代わって告発したい」と、明言している。なぜ、そんなことになったのか。藤原氏は戦場の実態から日本軍の精神性にまで言及して、そのことを平易な形で解き明かしている。 私は、歴史の善悪を云々するつもりはない。ただし、事実は事実として受け止める必要があると考える。日本の戦死者の過半数が餓死者であった。この事実に、日本の近代の末路が凝縮されている。
裁かれなかった戦争犯罪人
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後ろから見た『独白録』として一読の価値あり
昭和天皇の『独白録』を、主に左派の専門家が読み解く、という趣向の対談集。 そこまでこじつけて昭和天皇を悪者にしなくても・・・という「理屈」も多いが、 重要なものを含めて史料をもとに話は進むので、『独白録』を何の疑問も抱かずに 読んでしまった人は、読んでみて損はない。 そもそもキチンとした学者の左右の差など、巷に出回っているいい加減な本の 著者たちに比べればわずかである(ご本人たちは認めたくないだろうけど)。 この本に書いてあることを無批判に額面通り信じるのは止めた方がいいと思うが、 そもそもどんな本であっても、にわかに全面的に信じてはいけないモノである。
イデオロギーありき
吉田裕や藤原彰といった一ツ橋大学の左翼イデオローグ達による著作。 実証的に歴史を明らかにしようという姿勢は皆無で、 まずマルクス主義史観ありきで全てを決め付けてかかっている。 別に私は昭和天皇は素晴らしかったとか言うつもりはないが 著者らのとにかく天皇を悪者に仕立て上げようとするやり方にはうんざりである。
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旧軍の制度面と用兵思想
本書の特徴は、旧軍の制度面と用兵思想の双方に重点を置いた点である。徴兵制や大日本帝国憲法と旧軍、そして士官学校や陸大の制度に由来する軍閥抗争、対ソ対米という二面作戦を採用した謎の戦略思想、政略の軽視などを大まかな時系列とともに説明してゆく。 p 時系列に沿いながらも、いわゆる「昭和史」の類書には見られない思い切ったテーマごとの編集が、この小学館の「昭和の歴史」シリーズの特色だろうが、なかでも本書はその長所がよく発揮されており、旧軍を様々な側面から把握するにはよい入門書である。
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