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| 死んだ男・てんたう虫 (1957年) (新潮文庫)
ローレンス
福田 恒存
(翻訳)
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¥ 380(税込)
通常24時間以内に発送
ジャンル内ランキング:99,391位
カスタマーレビュー数:6
【くちコミ情報】
シャイロックの悲運をどうとらえるか
この本の中では高利貸しのユダヤ人、シャイロックをどう捉えるかによって評価が二分すると思う。普通に話の筋を読んで行けば、どん欲で意地汚い高利貸しを徹底的に懲らしめる勧善懲悪の喜劇として楽しめる。債務者アントーニオーの友人により借金返済のめどが立ったにも拘わらず、シャイロックは執拗なまでに債権者の処罰を訴える。それが仇となり、自ら裁判で裁かれることとなってしまう様子は痛快だ。一方、別の評価として、シャイロックの悲運を描いた悲劇とみることができる。なぜなら、シャイロックはユダヤ人であるためにキリスト教徒に野良犬扱いされ、口汚くののしられ、ほとんどの財産を没収されて、挙句の果てにキリスト教に改宗させられてしまうからだ。 歴史的に見れば、本書は喜劇として捉えられる。だが、現代の文脈にそって物語を捉えてみるとシャイロックの悲劇として評価できるのではないだろうか。シェイクスピアが本作品をいずれに位置づけたにせよ、個々の読者により捉え方は多種多様になると予想される。これから「ヴェニスの商人」を読もうとお考えの方は、ぜひシャイロックの悲運にも着目した上で、評価していただきたい。 最後に、債務者アントーニオーを裁く裁判官がユダヤ人であったら判決はどうなっていたのか。高利貸しシャイロックに圧倒的有利な判決がくだっていただろうか。そして、本作品が悲劇として語り継がれていただろうか、私には非常に興味深い。
商人道とは何か
いわゆる勧善懲悪ものの典型といってよいだろう。商人シャイロックはお金を貸したにもかかわらず悪者扱いされてポーシャ(だったか)との弁論に負けたいへんな悪者扱いをされる役回りである。ここがクライマックスなのだが、それではなぜタイトルは商人なのか。主役は商人なのか。思うに、そこからはシャイロックが肉一ポンドの取立てに固執したために結局大変損な役回りをするという教訓を見ることができる。わたしはお客様の顔がお金に見えてこそ商人であると思う。しかし本当に商人として長生きするためには、柔軟なものの考え方がなければ難しい。侍のように片意地を張っていると、いつお家がおとりつぶしになるかもしれないからである。一見悪徳商人を描いているようであるが、シャイロックがもう少し要領がよかったら、彼はもっと儲けを出せたのではないかと思う。ジェフリー・アーチャーの「ケインとアベル」「ロスノフスキ家の娘」も好きな小説であるが、いわゆる古典的なひとつのビジネス小説であるように思う。シェイクスピアの作品の中でも、「ロミオとジュリエット」に、ある決まりというものが主人公の運命を変えてしまうという視点に気づくことができる。ルールは本来人のためにあるわけで、それに左右されてしまう悲喜劇をシェイクスピアはうまく作品化している。
悲惨なシャイロック
この作品におけるシャイロックの描き方はユダヤ人差別ではなかろうか? シャイロックは、汚いユダヤ人、犬よばわりされ、財産を没収され、娘に逃げられ、挙句の果てに最後はキリスト教に改宗させられる。 あまりに悲惨である。 それに比べれば「ちびくろサンボ」など可愛いもので、どこが黒人差別だと言いたくなる。 p 僕は言葉狩りをするつもりは毛頭ない。 むしろこういう作品が残っていく事で、当時の時代背景がわかるので、そのまま残して欲しいと思っている。 16世紀のヨーロッパにおけるユダヤ人に対する偏見がいかにひどかったかという貴重な資料になる。 欲の塊、悪の権化として人々にもっとも伝わりやすいのがユダヤ人だったのだろう。 現代の価値観からすればひどい話だが、歴史的資料として是非残して欲しい。 「ちびくろサンボ」のように、くさい物にふた的発想では差別はなくならない。 現代の価値観で過去の作品を断罪し、抹殺するなどあってはならない。 p しかし、ここまで徹底して悪の象徴として描かれると、むしろ滑稽で笑える。 勧善懲悪の物語として純粋に楽しめた。
智恵くらべ
友人のために、自分の体の肉を担保に悪徳高利貸しからお金を借りる。 最初は返済できると踏んで借りたが、不幸なことが起こり、返済できなくなってしまう。 悪徳高利貸しは、体の肉を頂戴するために裁判を起こす。 裁判の結果は… p テンポよく話がすすむ喜劇。 悪徳高利貸しと裁判官の応酬がおもしろい。 ただ、どこかで聞いたことがあるような話しだと思った。
絵に描いたような喜劇
シェイクスピアの喜劇作品。 悪徳高利貸しから、友人のため金を借りる主人公。担保は「胸の肉1ポンド」。 金を返せなくなれば胸をえぐられる! 命の危機! 読んでいる間はどうなるのかハラハラです。 内容紹介に既に喜劇と書いてあるので結末が途中で見え隠れしやすいのですが、見せ場のどんでん返しには思わず拍手を送ります。なるほどこれは喜劇です。 台本で書かれているため、状況説明や描写は台詞の間にちょこちょこっと現れるだけです。慣れるまでは読みづらいかも。 でも、古くて堅そうなイメージは払拭。喜劇の基本という感じの作品。 シェイクスピアで何を読もうか迷っている人、迷っていて「明るい話が好き」な人には一押しです。
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【くちコミ情報】
訳者は福田恒存と中村保男
◆「大法律家の鏡」 長年、反逆陰謀の告発を行ってきたグィン判事が、自宅の庭で殺された。 死体の状況と玄関のホールの突き当たりにあった粉みじんの鏡とから、乱闘が はじまって手許の狂ったピストルが鏡を粉砕し、犯人に追われた被害者が庭で 射殺された、という推定が立てられ、現場にいた挙動不審な詩人が、容疑者として 拘束されるのだが……。 「詩人」特有の思考法を開陳することで、彼の容疑を晴らす神父。 そして、事件において鏡の果たした役割を説明し、意外な犯人を指摘します。 ところで、日本語の「かがみ」には、見る者の姿を映し出す「鏡」 という意味以外に、手本や模範を表す「鑑」の意味もあります。 このダブルミーニングによって本作は、日本語訳でしか 味わえない、より深い含蓄を獲得したといえます。
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