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【くちコミ情報】
これは事実ではない、仮説のお話
これは一研究者の「眼の出現がカンブリア爆発を引き起こした」という仮説のお話に過ぎない。 そう認識して読まないと間違った知識を教え込まれそうで危ないと思う。 自説が正しいことを何度も主張してるようでちょっとうんざりもします。 また、他の研究者の仮説を否定している文章が多い点や、説明がくどい点もマイナス。 反面、化石の話やレンズの話は知らないことだらけで面白いです。
結論の根拠が弱すぎる
この本の結論で最も重要な結論である 「目の誕生がカンブリア大爆発の根本的な原因である」 の主な根拠が「目の誕生と爆発の時期が一致している」. これでは根拠が弱すぎて,他の仮説と信憑性は何も変わらないと思う.
結局「眼」はどうやって出来たのさ!
皆様と同じ感想ですが、それでも一言言わないと気がすみません。 確かにおもしろい本です。 いろいろ知らないことが学べます。 一気に読めます。 読後感は決して悪い物ではありません。 でもねえ… 肝心の「眼」が、どうして出来たのか、については、全く何の説明も無いに等しいっていうのは如何な物でしょうか。 それで居て、ダーウイン様の大疑問「眼は進化では説明がつかないように思える」 を、いとも簡単に乗り越えた「つもり」の論調。 根拠は、どこぞの「偉い」博士が発表された、「眼が進化するのには50万年しかからない」という、証拠も根拠も全く示されないただの「言っちゃった説」のみ。 おいおいおい、なんだよ、これだけ引っ張ってそれかよ。 それで大ダーウイン様を馬鹿にするの?あんた? なんか不愉快ですよね。こういうすり替え方。 勿論、この本が言いたいことは、「最初の眼が何らかの事で誕生した結果、生物は眼という物に対応していろいろな進化をせざるを得なかったのだ」ということであり、 「眼」そのものの「進化」については扱う気も無かったのかも知れません。 でもねえ… 2300円返せとは言わないけど… 何ともいえないむなしさが残る、そんな本でした。 特に、「眼の進化」について知りたい方、かなり要注意です。
専門的な知識が無くても!
この本は専門的な知識が無くても十分読めます。 若干光学理論で難しいところが有りますが基本的には大丈夫です。 眼の誕生が進化の大爆発を引き起こしたという理論は単純なようで 奥深い理論のようです。 カンブリア紀の動物たちの色彩についての記述も興味深い。 読みやすくて良い本だと思います。
多くの知識を体系的に理解し思考する,推理小説のような面白さを学ぶ書
オーストラリアの生物学者アンドリュー・パーカーの書の邦訳版。現存する生物の多くが視覚的情報によって行動が規制されていることに着目し,外見を進化させてきた原因,特にカンブリア紀に発生した生命のビッグバンが眼を獲得したことによるという説を打ち出している。全10章から構成されるが,前半の多くは生物が持つ光の反射システムや発光現象,擬態や威嚇としての視覚効果,あるいは化石に見るそれらの系譜を紹介し,主論点となる『眼の誕生が爆発的進化の最大の要因である』とする持論展開は最後の数章のみである。著者が述べているように,できるだけ多くの読者に紹介するために専門用語は最小限となっている。ただし,360ページの内容は現代生物学,古生物学にとどまらず物理学や地勢学などの広い情報が含まれるため,高校生以上が数日かけて根気よく読むべき分量。学術書ともとれる一方で,著者自身の自伝的エッセイともとれる部分もあり,教養書に分類されると思う。 学術的結論とは,すでにわかっている事実を丁寧に積み重ね,それら多くの情報を理解した上で結論を述べることによって輝きを増す。この事実を著者は理解していると感じる。本書が取り上げる問題は5億年以上も過去に起こった現象を現在得られるデータで推測することであるから,単なる生物学的推量ではなく,物理学など他の多くの分野の知識が必要なのである。そう言った意味で,一つの証拠から短絡的に結論を導くのではなく,体系的に思考することの重要性とその面白さを学ぶことができる書である。似たようなアプローチは,数学的に進化論を考察した『生き残る生物,絶滅する生物』にもみられる。 決定的な難点は,必須である遺伝子研究についての考察がほとんどないことである。本書では,脊索動物の眼は節足動物よりも遅れて発生しているとしており,その根拠として同時期に存在した脊索生物で眼を持っているものが発見されていない点を挙げているが,『眼のないハエにネズミの眼を発生させる遺伝子を導入すると,眼を(しかも複眼を足に)もつハエが誕生する』という研究結果から,脊索動物と節足動物の眼が共通の遺伝子に起源を持つ可能性が強いことが示されている点を説明できない。また,貝虫の発光や反射システム(回折格子)が進化するためには眼の進化が不可欠であるとしているが,著者が軽んじている光受容器でも十分に対応が可能であり,やや論理に無理があると感じる。一方,構成で自伝のような記述も目立つため,学術書と期待した読者は不満に思うかもしれないが,一般読者に受け入れられるにはこのような構成も許容されるべきと思う(『生物と無生物のあいだ』と同じ戦略である)。 学術的な詰めの甘さはあるが,体系的に結論を導く手法は良質の推理小説のようで,多くの知識を得る喜びにつながるため,科学を学ぶ面白さを紹介する上では必要と思う。上記問題点を考慮して星4つの評価。個人的には非常に参考になった。
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カスタマーレビュー数:1
【Amazon.co.jp】
題名からは想像し難いが、本書は著者が提案する新たな進化論の独創的な解説書である。著者は分子生物学者であり、1980年にイギリスの科学雑誌「ネイチャー」上で展開された「利己的な遺伝子」論争でも知られる。彼はロンドン大学でヘブライ語、アラム語、シリア語を学んだ後にイスラエルへ移住し、農作業に従事しながら綿の育種事業に参加、そして帰国後は一転して植物学と遺伝学を学び、ケンブリッジ大学において分子生物学の研究で博士号を取得している。 この経歴からわかるように、彼は単なる分子生物学者ではなく遺伝学を強固な背骨に持つ分子生物学者である。それが彼を利己的な遺伝子論争に駆り立て、分子生物学の知見をもとにした新たな進化論の構築へ導いた。分子生物学はDNA分子が単なる「鋳型」ではなく、それ自身がダイナミックに変化していることを明らかにしてきた。当然、DNAが変化すればそれに伴い進化が生じる場合がある(DNAは生物の設計図である)。彼はそのようなDNA分子のダイナミックな変化を「分子駆動」と呼び、それがダーウィン的進化に重要な役割を果たしている、と「分子駆動進化論」を提案している。 本書はその「分子駆動進化論」についてダーウィンとの往復書簡の中で解説してゆく。もちろんダーウィンと実際に文通できるわけはなく、すべては著者によるものであるが、進化論の始祖であるダーウィンに近年の分子生物学の成果を解説し、彼と議論を重ねる形式をとることで分子生物学の知見をダーウィンの進化論に結びつけ、双方を統一的に解説することを試みている。 全体を通して感じられるのはダーウィンへの深い尊敬の念である。おそらくダーウィン個人についても相当研究しているのであろう、ダーウィンから著者への「返信」は実に堂に入ったもので、その奥にはっきりとひとりの人間の姿を感じとることができる。まるで本当に2人が対話をしているかのようだ。巻末には用語集も完備されており、分子生物学や遺伝学の基礎知識に自信がなくても興味さえあれば十分に本書を堪能することができる。(別役 匝)
【くちコミ情報】
「進化論の新しい地平を開く」だって?
何やらジャンプするDNA分子とかいうのがあってそれが生物進化に関する新しい説明を提供するらしいのだが、残念ながら素人に理解できるような書き方にはなっていない。あくまでも進化論学者間でしか通じないような説明しか提供していない。冒頭に「眼」というシステムが形成された過程を説明する、とか匂わせてあったのでどこかに説明が登場するのかと期待していたがどこにも登場しなかったのが第一の期待はずれ。眼のシステムが自然淘汰による漸次的進化の結果どうやって今のシステムになったのか、という命題はまたしても私には謎のままになってしまった。 遺伝子が利己的かどうかなどという話題はどうでもいいので、大進化の起こるメカニズムを誰か説明・証明してほしいものだ。
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【くちコミ情報】
四割打者の絶滅という副題は魅力的だが
「断続平衡説」を説き、進化は一定の方向に進んだのではないことを主張するグールドの代表作の一つ。前作「ワンダフル・ライフ」とペアになっているが、本作だけでも独立して読める。著者の好きな野球(ヤンキース・ファンらしい)を引き合いに出している点が面白い。 著者はまず、ある事象(この場合は野球のバッターの打率)に対して限界点を考え、これを右壁と呼ぶ。四割打者はこの右壁に相当する。近年、四割打者が現れないのは、選手の技量が落ちた訳ではなく、逆に選手(投手も含め)の技量が向上したためだと逆説的な事を言う。著者は、四割打者という一事象を見ているだけではダメで全容(=フルハウス)を見る必要があると言う。打者の平均打率は(投手の技量が向上しているにも関らず)過去からほぼ一定しており、全容で見ると平均層と右壁との差が縮まった(標準偏差が小さくなった)と述べる。このため、右裾が左にずれたと説明するが、個人的には、 (1) 標準偏差が小さくなった理由は何か ? (2) 何故全体的に層が右に伸びて行かないのか ? (平均的バッターでさえ進歩するピッチャーに対応しているのに) という点で納得できない想いがした。 進化においても同じ論法で、左壁が原生動物で、右壁が人間の右肩下がりの曲線を例に取る。現在でも圧倒的に数が多いのは左壁に近い生物で、進化の出発点も同様である。そして、右裾にポツンといる人間は、グールドの持論である進化の偶然であって必然ではないと語る。 野球の四割打者を例に取り、読者を惹き付ける手腕はさすがだが、進化に関する考え方には好悪があるだろう。グールド派vsドーキンス派の対立は有名だが、進化に関する興味を持つ方にはお勧めの一作。
複雑な生命
1998年に出た単行本の文庫化。 生物の進化という問題を統計学的に説明した一冊。人類のような複雑な生命が、なぜ地球上に出現したかという根元的な問いに答えを出そうとする試み。「四割打者の絶滅」は、そのわかりやすいイントロとして使われているのだが、イントロとしての役割を越えた面白さがあった。 肝心の進化の話も興味深い。多分に思考実験的な印象は強いが、面白かった。
進化にトレンドはない! という話
進化論に興味のある人なら、グールド一派とドーキンス一派の対立・抗争(?)について耳にしたことがあるはずだ。ドーキンス派が遺伝子を自然選択の単位と考え、進化が蓄積していくと考えるのに対して、グールド派は原則として自然選択の単位は個体と考え、進化的発展という考えを認めない。現状ではドーキンス派が優勢のようだが、グールド派もまだまだ踏ん張っている。両者が互いに補い合う立場だとする見方もあって、まあその辺が落としどころなんでしょうね。 で、この本だが、蓄積的な進化的発展を認めない進化論が、生命の複雑化というトレンドをどう説明するかを、グールド一流の機知とユーモアを盛り込んで論じたもの。複雑化というトレンドは、統計を解釈する際の誤りに由来する錯覚だ、というのがその主張だ。統計の陥穽を説くに際してグールドが準備する道具は、平均値・中央値(メジアン)・最頻値(モード)の区別。そして取りうる値の限界という意味での「右の壁」「左の壁」。 この本を有名にした4割打者消滅の分析は、右の壁の例として登場する。つまり人間の身体能力の生物学的限界が、打率の分布において右の壁を成す。野球選手全体の技術的向上が起こると右側のスペースが狭くなり、打率の偏差の幅が小さくなる。他方、全体の打率平均が過度に高まらないようなルール変更が行われると、4割打者が生まれる可能性は非常に低くなる、という話だ。とても面白い。ただしこの話題、あくまでも進化に関するグールド流統計解釈を読者に理解させるための例である点に注意。 生命の問題は、左の壁と関連する。それはもっとも単純で、微小な生命体という壁である。生命の歴史が単なる適応の歴史であり、環境の気まぐれに翻弄されての偶然の反復であったとしても、この左の壁がある以上、右方向に分散していくしかない。つまり複雑化の方向である。 しかし注意すべきは、そこには「複雑化」という進化の方向性があるのではなく、単に適応形態の多様化と、その分布があるだけだという点だ。実際、全生命体の分布の中で、最頻値は常にバクテリアという生命形態であり、これは過去から現在、そして将来にわたって動かない。また進化史の中で次々に右端を占めてきた生命体には、系統的一貫性が見られないことからも、複雑化というトレンドの存在は疑わしい。単なる偶然により、値の分散として、右端があるだけであって(実際、ないわけにはいかない!)、進化をもう一度やり直した場合に、再び「人間」が生じる可能性はほとんどないだろう、というのがグールドの議論。 進化論の行方については、まだ決定的なことは言えないけれど、読んで楽しい本であることは確か。
知性の発達は進化の必然ではないという興味深い話(たぶん)
私はグールドの著作としてこの他に「ワンダフルライフ」を読んでいて、その二冊の印象からは、本書の文庫版のための追記に書かれているようにグールドには「…複雑なものを複雑なまま説明する名手…」という形容が当たっているように思う。複雑なものを説明するにはなにかとっかかりを探して、そこから全体を展開していくことが必要で、グールドはたぶんそれがうまい。 p だが、複雑なものはさまざまな要素から作られていて、その一部には特定の人にとっては当然のことが含まれ、また、最初のうちはどんなふうに話が進んでいくのかわかりにくいといった説明上の困難がある。 p 本書もそうした特徴を備えていて、まずは統計値を見る上で陥りやすいまちがい、その実例としてアメリカ大リーグにおいて四割打者が最近生まれない理由、それから本題の進化する生命体系の本流はどこにあるのかという話(もちろん人類ではない)と進む。 p だから読者は、いわゆる統計のウソについて、大リーグの記録について、進化の実相というそれぞれに面白くて深い話に触れることができるのだが、その話題の一部についてすでに知っていたり、興味がなかったりすると本書が少し読みにくいと感じるかもしれない。 p 私の興味の中心は最後に出てくる話題で、特に地球上のバクテリアの多様性については感銘を受け、また進化について一層の認識を深めることができたと考えている。 p 本書の中で”四割打者”は実体ではない、というような言い方がされているが、”四割打者”と呼ばれる人たちはもちろん実体である。ただし、”打率四割以上”というのは統計値であって、それに対応する実体があるわけではない。ここでは”四割打者”というのは”打率四割以上(のひと)”という意味で受け取った方がたぶん議論がよりわかりやすいと思う。
生物集団の中の人類
集団の中のある代表だけを追跡することがいかに誤った解釈を導くかという大変一般性のある話です。生物学の本と思わずにイチローが4割打てるかどうかと思っている人や社会科学に興味のある人など多くの人に読んでもらいたいです。同じ著者のワンダフルライフとあわせて読むと人類が進化上の必然ではなくどれほど幸運の産物であるのか、それだけにいつでも簡単に絶滅してしまえるものなのかと言う社会へのメッセージが理解できます。
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