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   沢木 耕太郎 の売れ筋最新ランキング   [2008年11月22日 22時00分]
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沢木 耕太郎  
¥ 600(税込)
通常24時間以内に発送
ジャンル内ランキング:32,989位  
カスタマーレビュー数:2

くちコミ情報
沢木耕太郎独自のアプローチによる映画論集。
 他のレビュアーの方と同じ書き出しになってしまうが、映画が好きである、当然、映画について書かれた文章を読むのも好きになる。映画と言うのは、あらゆる芸術表現の中で、それに触れる者が最も受動的に感受出来るエモーショナルな総合エンタテインメントであるから、映画について何か書くと言う行為は、評論家、ジャーナリストに止まらず、イラストレーター、エッセイスト、タレント、デザイナーから我々一般人まで昔からあらゆる分野の人々で行われてきた。ところが、その中で、作家が映画について言及している事は、映画好きが多いにも拘らず、同じ創作活動に携わっている事からくる配慮なのか、意外なほど少ない。そんな中、沢木耕太郎は、新聞や雑誌紙上で、映画について積極的に語っている希有な作家である。しかも、そのどれもが納得させられるのだ。映画の登場人物の内面を掘り下げ、洞察する力は、ルポルタージュ作家として、絶えず“生身の人間”と“人生”を凝視してきた沢木の真骨頂だ。映画と言うフィルターを通しながら、「ありえたかも知れない」あるいは「使われなかった」人生を解析しながら、読み手にも、自身のケースを夢想させたり、思いを馳せたりする事を喚起させる魅力を持った1冊。論じられている映画はマイナーな作品が殆どだが、DVDやヴィデオ化されているモノは多い。
沢木独特の映画評論。いつも感心させられる。
映画好きで映画評論もよく読む。しかし、映画評論を生業にしている人たちの映画評論はたいてい面白くない。読み手としては、その映画が面白いのか、面白くないのかを知りたい。しかし、その欲求に答えてくれる映画評論は少ない。映画評論家の宿命かもしれないが、あまりハッキリ書くと制作会社や配給会社との関係がまずくなるから評論の中身が曖昧になってしまうのかと勘ぐりたくなってしまう。その点、沢木耕太郎は自分が好きな作品しか書いていない。ノンフィクション・ライターである沢木にとって、映画評論は趣味的な要素がかなりあると思われる。そうしたスタンスで書かれた沢木の映画評論は独特で、いつも読むのを楽しみにしている。とくに、その分析的記述は極めて個性的だ。観る前に読んでも参考になるし、観た後読んでも面白い。月に一回、新聞と雑誌に掲載される映画評論をいつも楽しみにしている。こんな映画評論を書く人は沢木以外にいない、と思う。


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沢木 耕太郎  
¥ 420(税込)
通常24時間以内に発送
ジャンル内ランキング:2,468位  
カスタマーレビュー数:60

くちコミ情報
沢木作品の中で唯一手元に残した本です
1年掛けて、大陸を貧乏旅行する経験自体は、良いことだと思うのですが、沢木節よろしく「だから俺は、他の若い奴より偉いんだ」的な態度には苦笑してしまいました。 でも、読み物としては面白いです。入社試験時の敵前逃亡に対し、もっともらしい言い訳をする所は「自分には優しい人なんだなぁ」と人間、沢木耕太郎さんを見た思いがして、良かったですね。バックパッカーやった奴が偉らいなら、日本で義務化すれば良い。とおもわせる逸品です。 読み物としては、面白いのでオススメです。
これから旅に出ようとする若い人にも良し、またかつてバックパッカーを気取ったおじさんやおばさんには、なおさら良し
その昔、1ドルが360円だった。それがバブル期に80円になったこともあった。円高はバックパッカーに都合が良く、またアジアへの旅はもともと物価が安く過ごすことができるメリットがあって私のような貧乏学生にも海外旅行ができた。この小説を読むと、今すぐにでも旅立ちたくなるが、現実的には、家庭を守り、子どもを進学させねばならず、家のローンも残っているし、仕事をやめる勇気はない。ということで、再び合流する楽しみは20年先の退職後にとっておく。 小説中にとても共感できる部分が、2つある。その1つは、道を聞かれるくらいに現地に溶け込むと、旅人側は好奇心に満ち溢れていても、現地の人から外国人とは思われず、透明人間になっていくような快感があるということ。 もう1つはマカオのカジノで大金をスッてドロップアウトするのか、しないのか心理的な境界線上の揺らぎを主人公は一種の快感だという。 この2点に共感できる理由をうまく説明できないのだが、いずれにせよ、知人友人肉親、学校、会社、地域社会などから完全に切り離された一人の人間として、誰からも関与されていない心地よさがあることは確かだ。他にリンクして考える必要が無い。決めるのは自分だ。 これから旅に出ようとする若い人にも良し、またかつてバックパッカーを気取ったおじさんやおばさんにもお薦めできる本である。また、深夜特急の世界が好きな人には狩撫麻礼原作、たなか亜希夫画のコミック「ボーダー」もお薦めする。
熱い!熱い!熱い!
香港・マカオ編は、とにかく熱い!毎日が祭りのような香港の庶民街の熱気に、常に頭に 血が昇ってるぐらい白熱してる大小という博打。とにかく読み出したら、止められなくて あっとゆうまに最後まで読んでしまった。ユーモアもあり、うら寂しさもあり、勉強にも なるので誰が読んでも楽しめるんだろうなぁコレは。黄金宮殿などという贅沢な?(笑)宿 の件も何か微笑ましい。やっぱり沢木さんの人柄も大きいのかもなー、変に繕う事もないし だからって品がない訳でもないから、もの凄く読みやすいし、なんかどんな状況におちいって も後腐れなく気持ちがいい感じを受けるな。 それに明暗も両方ともしっかり描いていて、賑やかな祭りの裏での浮浪者の件や、日本に 強い憧れを抱く青年の件も何か感慨深い。 それにしても大小は面白そうだなー、僕は普段、麻雀しかしないんだけど、大小・・・いつか やりにいってみたいぜ! 後、巻末に付いてる「出発の年齢」って対談も、色々背景を知れて良いです。
溢れかえる物乞いに対してあなたはどう対処しますか?
この本が書かれたのがたしか1980年代。 私は海外に行った事が無いので、この本を読んでまるで自分が体験しているような錯覚に陥っている。 単なる仕事からの言い逃れの為に、香港からロンドンへ陸路をつなぐ旅へ旅立つ著者は、様々なカルチャーショックを体験しながら、いつか自分自身を見つめなおし、またその呪縛から解放されてゆく。 シルクロード編を読んで思った事は、私は溢れかえる物乞いに対してどういう行動を取れるのかということ。その一つの答えがあった気がします。 海外に旅立つあなたは、本当の旅人になれるのか? 行く前に是非読んで欲しい!全巻読み応えがあります。
非常に危ない本
何でこんなに共感を呼ぶのだろう。私は既に中年とも言えるサラリーマンだが、確かに全てを放り捨てて旅に出たくなった。仕事柄、年中海外には行っているのに、である。 著者は26歳までに旅を出るのが良いと言われ、旅に出た。であるなら、この本は26歳までに読むのが良いのかも知れない。が、若くしてはまると永遠の旅人になる恐れが確かにある。それはそれで幸せかも知れないが・・・ この本はバックパッカーのバイブルかも知れない。だが、僕が思うに、この本の通りにその土地に行くという使い方ではなく、著者の旅の仕方なり考え方を自分の旅に取り入れるのが良いと思う。それは著者の好奇心であり、謙虚さであり、だが一方自分を主とした考え方などなどである。『ちょっと冷やかしに行ってみる』、とか『不思議なまでに言っていることが完璧に分かる』などは自分を主として考えなければ思いつかない。自分が分からない言語の会話を聞いて、言っていることが分かる訳はないのである。ただ、自分の中で想像しそれが合っていると100%分かったと思い込んでいるだけなのである。 だが、それで良いのだ。だれが点数を付ける訳でもない。自分が、自分のために旅行しているのだから。それが、しがらみの多い世の中で、常に他人を気にしている私たちがこの本に、この生き方に強烈に魅かれる理由なのかも知れない。


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沢木 耕太郎  
¥ 1,680(税込)
通常24時間以内に発送
ジャンル内ランキング:38,300位  
カスタマーレビュー数:23

くちコミ情報
想像を絶する
私は低山ハイカーなので高い山はもっぱら本や映像で楽しむだけなのですが、山野井夫妻のギャチュンカンの経験は凄まじいとしかいいようがないです。 渡したロープにブランコのように座って一晩ビバークとか(もちろん極寒のなか)目が見えなくなって素手で岩壁を探るとか、もうこれで今生の別れと思い立ち上がれない奥さんの写真を撮るところは泣けて泣けて・・・。 フィクションより凄いノンフィクションです。
湘南ダディは読みました。
私達は「自らの死」というものを日常意識することはあまりありません。近親の死に遭えば、その者を亡くした悲しみにひしがれますが、それにしても自らの死ではないわけです。だれにも一時間の後に交通事故で死亡する可能性がありながら、死はいつでもそこにあるものとして意識されることはありません。だからこそ「凍」を読んで深く感動するのだと思います。ここに描かれているのは、目前の自己の死と対峙しながら自らの意志と行為で生に帰還するすさまじいばかりの勇気の記録です。  世界には8000メートルを超える高峰が14座あり、名をあげようとするアルピニストはこぞってこれらに挑戦するわけですが、それよりわずか数十メートル足りないだけで注目をされてこなかった中国ネパール国境のギャチュンカンは、それ故にこそまた中国名百雪谷の意味するとおり、ルートも開発されていない難攻の山なのだそうです。ここに山野井泰史、妙子夫妻が登頂を試み、結局体調の悪い妙子は残して泰史が成功はするものの、下降(登るより降るほうが技術的には難しいのだそうです)時に悪天候に遭遇し、繰り返し雪崩にあい、零下40度の中で妙子は宙吊りになり、風雪の中でビバークをするも防寒具を失い、6日間の壮絶な闘いの果てに生還するのです。この間2人は、はなればなれになり酸素不足で視力は落ち、幻影に襲われたりするのですが、常に相手の生存を確信し続け自らの生存のため死力をつくして生還への歩みを続けます。    泰史は両手5指、右足指全部、妙子は両手指全部を凍傷で失なってしまうのですが、それでも山への挑みはつづけられ後日談ですが泰史はその後別の難峰への単独登頂に成功しています。  読み終わって人間はここまで頑張れるのだという勇気が知らずに沸いてくる気がします。私はこの本を手元に置き、かりに私が難局に立ち向かえずくじけそうな時にはこの本を読み返して自らを勇気づけようと思います。
山の厳しさ、恐ろしさと一組の夫婦
本書は山を愛し、山に魅せられ、しかし表舞台に出る事を好まなかった一組の夫婦の物語です。 登山が、命を賭けたものであり、どれだけ過酷なものなのか、は多くの人が語り尽くしていたように思っていましたが、ここに夫婦というキーワードが入る事で新たな奥行きが物語に付加されています。 ギャチュンカン登攀後にこの夫婦を襲う自然の過酷さと、それを飄々と受け入れる人間の太さに圧倒されました。 それにしても、ここまで人生において打ち込めるものがあるというのは、うらやましい事だと思いました。
それをやらないと生きてはいけないというもの
 読みながら何度もため息をついた。  僕は登山家でも何でもないので 命を懸けて山に登るという行為がどうしても理解できない。いや「懸けて」ではなくて「賭けて」という漢字のほうがふさわしい。  「そこに山があるからだ」というのが 有名な人が言った「答え」とも聞くが それにしても この「凍」という本で描かれる夫婦の挑戦は凄まじいものがある。  阿部謹也という中世史家がいた。先日惜しいことに亡くなったが 彼は史学を選ぶに際し「それをやっていなかったら生きていけないというテーマを探しなさい」と教師に言われたという。  それと正しく同じ事を 山野井夫妻は 山に登るということで表現している。彼らは山が無かったら生きてはいけないという点が ひしひしと感じられる。  自分を振りかえる。自分にとっての「山」は何なのか。「それをやっていなかったら生きてはいけないもの」は 果たして自分にあるのか。  そんな厳しい問いかけを迫られる。それが本書だ。
夫婦の愛情のおはなしです。
以前から沢木氏のファンで、TVのドキュメンタリー番組で山野井夫妻も見て知っていたので、書店で見てすぐに買い、一気に読んでしまいました。 山野井夫妻のギャチュンカン登頂の記録と思って読み始めましたが、泰史氏の妙子夫人に対する愛情が端々から感じられて、あーこれは山野井夫妻の夫婦の物語だと思いました。極限の状態でも相手のことを考え、それでいてそれのみになることもなく(プロの登山家なら当然なのかもしれませんが)、最善の方法を考え生還を果たした山野井夫妻はほんとにすごいと思いました。 結婚前に、泰史氏が少年の頃ポケットに虫を入れて、それがガサゴソする音が〜と話し、妙子夫人が聴いてるエピソードなども良かったです。


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沢木 耕太郎  
¥ 500(税込)
通常24時間以内に発送
ジャンル内ランキング:4,296位  
カスタマーレビュー数:9

くちコミ情報
長距離走者の遺書
「長距離走者の遺書」の円谷幸吉。川端康成の心も動かしたあの有名な遺書は28歳のときのものだそうです。 本書を読むと、3位に入った東京五輪のときには、余り期待もされておらずプレッシャーの少ない中での活躍だったようです。しかし、銅メダルを取ったことで環境は一変、プライベートで自分の結婚さえままならず(今では、少なくとも僕には信じられませんが・・現在のスポーツ界でも似たような状況はあるのでしょうか。)メキシコ五輪を控えケガを抱え、様々な悩みがあったことが自ら命を絶った背景にあったことが本書では強く示唆されています。本書を読むと、実に素直で朴訥、心の優しく、たまたま足の速かったひとりの青年像しか浮かんできません。その「たまたま」が短い人生を強い、せめていくばくかの従順さを失ったとしても、遺書など有名にならなくともこの好青年が不幸な結末を迎えなくて済む術はなかったものなのでしょうか。 沢木氏の眼は冷静で、その術は結論的にはなかった、と言っているようであり、それでもこの青年を暖かく見守っているようでもあります。
敗者をして真に敗者たらしめる為の書
 敗れるためには誰かにあるいは何かに倒されなければならない。彼は一体何に倒されたのか。さらに重要なことは、敗れる為にはそこにその場に立たなければならない、恐怖と孤独のただ中に、運命を決する場に。彼はどうやってその場にたどりついたのか。あるいはたどりつけなかったのか。一生「その場」に立たないであろう大多数の男達の一人として沢木耕太郎はその何故、いかにしてを見届けようとしている。  「長距離走者の遺書」のなかでの円谷幸吉と斉藤勲司との「牧歌時代」が、おそらく全ての敗者の出発点なのだ。栄光のためでもなく金のためでもない。ただ走るのが楽しいから走っていた。走り続けた。ところがいつの間にかそれが変質してしまう。「何か」を得るために走るようになってしまう。「何か」のために走らされるようになってしまう。その極点において敗者は2つに分かれる。運命に選ばれてしまった者と運命を選び取った者とにだ。足を故障しても走り続けたアベベ、引退後もハードトレーニングをし続けた榎本喜八。かれらは結局老成しなかった者と言い換えることもできる。それは世間的にみれば敗者なのだ。だがそれは本当に敗者なのか?「あしたのジョー」に憧れた無数の若者達とともに沢木耕太郎は自らにそう問いかけている。
哀れなほどの愚直さが美しい
プロスポーツにおいて努力の末に栄光を勝ち取る者がいる。しかし、その裏側で華々しい舞台から去るものがいる。 その後に第二の人生を見つけ出せた者、死を選ぶ者、見果てぬ栄光に向かって漂う者・・・。 勝者以上にひたむきな努力をし、一度は「いい時期」がありながら、結果として彼らが敗れたのはなぜか。 その理由を各人の生い立ち、家庭環境や性格にまで触れ、深く探ろうとした若きルポライター沢木耕太郎の「汗」や「勢い」が感じられる。 努力が報われずに抜け道の無い失意の淵を漂った者として、私自身、昔の古傷を開いてしまうようで読むことが少し苦しく感じました。 もし私がもっと早くこの本に出会っていたら、敗者の生き様を見て自分の努力のありようを変えられたかもしれない。 敗れざる者たち。私もその一人・・・。 スポーツに限らず、ライバルと戦うと同時に自分と戦う状況(例えば受験とか)に直面している人、これからそうなる人に読んでもらいたい一冊です。
戦後世代を代表するノンフィクションライターの傑作
戦後に生まれた第一世代の私にとって、文学における村上春樹、ノンフィクションにおける沢木耕太郎は皮膚感覚で共感できるもっとも好きな作家だ。沢木耕太郎の作品をはじめて読んだのは「地の漂流者」だったが、たちまち魅せられた。沢木は当時まだ20代半ばだったように記憶している。僕という一人称で書かれた文体は取材対象に深く関わりながら距離感を持ち、それまでのノンフィクションにはない鮮烈な感性を感じさせた。2冊目として出版されたこの本を読んでからは、この作家の作品はすべて読もうと心に決めた。すでに3度読んでいるが、色褪せることはない。いまも若い読者を惹き付けているいると知り、嬉しくなった。未読の若い世代の方には是非読んで欲しい。ノンフィクションの面白さが堪能できる。沢木はいまも卓越した作家だと思うが、20代に書かれた作品が私はいちばん好きだ。
ドランカー(酔いどれ)だけでも★5
小学生の時、輪島功一がKO負けした試合、雪辱したリターンマッチともテレビで見て、 「これが日本魂というものです!」に極限の大感動をし、カッコいい!とガキながらにマジで泣きました。 その後、中学を卒業する時に担任の先生がくれた本が本書でした。 劇的な勝利の裏側の、苛酷な練習と試合への恐怖を勇気と知略にて乗り切る日々を淡々と描かれ、再び例えようのない感動を蘇えらせてくれたものです。 「前回負けたのは確かに反則パンチのせいかもしれない。 だが、奴は汚かった、それを言うためには、今回勝たなくてはならないのだ」 これが日本魂というものです!!


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くちコミ情報
あくまでも読み手を意識した「日記」ではあるが
人の内面というものは、その人が著名人であればなおさら知りたくなるものだ。 その欲求に半ば応えてくれたが、もともと発表されることを前提にした日記だけに、 そこここに作為的な視点、整えた体裁が見えるのが惜しい。 ただ、沢木作品の生まれてゆく過程、生まれぬままになっていく過程を、 作者の生活や趣味、育児と平行して眺めていくのは生々しくてとても興味深い。 娘に聞かせる創作童話は、自分もやってみようかなという気にさせられた。
日記のわりには自省的ではないからノンフィクション作家らしくない、て言うか、ノンフィクション作家って、その程度のもん
著者はルポルタージュ(ノンフィクション)作家という肩書きらしいが、それにしては自分が日記を書くという行為そのものに対しては自省的にルポルタージュ(ノンフィクション)的になっていないのが残念と言えば残念である。むしろ十二分にフィクション的効果を狙った仮構になっていて、ノンフィクションのおもしろさというよりも、話題のおもしろさで勝負している。日記といえども、ルポルタージュ(ノンフィクション)作家が書いたら、もっと違ったものになることを期待していたのだが、これではフィクション作家の書く日記と寸分も変わらない凡庸なものである。ただし日記の話題は十分におもしろいものとなっている。
意外とおもしろい
私はふだん詩歌や小説(虚構作品)と批評と研究書ばかり読んでいるので、本書のようなルポルタージュ(ノンフィクション)作家の日記を読むことは新鮮だった。松浦寿輝や堀なんとかのような芥川小説家のべったりとナルシスティックな小説やエッセイにはうんざりしていたということもある。 ノンフィクション作家という肩書きも概念も全然信用していないが、沢木の誠実さらしきものがメロドラマ風に滲みだす本書の企みは成功している。造本もうまい。 下手な漫画を読むよりも、おもしろい出来に仕上がっている。
現代の断腸亭日乗?
この作品は少なからず永井荷風の「断腸亭日乗」を意識しているような気がします。 体裁やところどころ手書き風のイラストなどなど。。。 図書館で断腸亭日乗を借りて読んだですが、すぐに挫折…。まだ読むには早すぎました。。。 沢木ファン→永井荷風へのステップアップとして日記物の入門編として楽しめます。 ※沢木さんのお父さんも確か断腸亭を持って長い旅路に出たはず(うろおぼえですが) …またこの当時は小学生の自分、どんなこと考えてたのかなあーと考えるのも一興でした。
平々凡々な日常、けど、おもしろい
 沢木耕太郎の30代最後の日々を綴った日記。幼い娘とのやりとりや、広い人脈にも驚かされた。他の作品には無い、作者の意外な一面を知ることが出来るという点で、印象に残る作品である。  


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くちコミ情報
純粋に面白かったです。
映画評を読むと、その人物の『在り方』が鮮明に浮き彫りになるような気がするのは私だけだろうか。 よって、映画評をまとめた本を手に取るとき、評論者の考えや在り方を全く知らないと、ついつい及び腰になってしまう。その点、沢木耕太郎氏のエッセイやルポタージュを全部とまではいかないが丹念に追ってきたため、安心して読み始めることが出来た。 かなり最近の映画まで取り上げられていて(アメリカ在住の私も見ていないものも多々あり)、今後その映画を見るべきかどうかの参考になる。ただ、ある程度はストーリーの解説も含まれているので、その点は考慮して読み始めたほうがいいと思われる。 また映画を特に見るつもりはなくても、読み物としても完成度は高い。それは沢木氏の手腕によるところが大きいのは確かだが、やはり、人生において『愛』という言葉を口に出来ない場面は多い、という『個人の記憶』に寄るところが大きいのかも知れないとも思う・・・



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くちコミ情報
一編『ネクタイの向こう側』
人生は自分が考えている以上に短いし、行きたい場所や会いたい人、手に入れたいモノはその時に行かなければ会っていなければ手に入れなければ多分後で悔やむ事になるだろうと
33篇の「彼ら」の物語
決して特別なわけではない、何気ない日常の一瞬を沢木さんが切り取ると こんなにも特別なものになってしまう。 鞄に忍ばせておいて電車の中やちょっとした空き時間に読むのに最適です。 私が一番好きなのは「胡桃のような」何度読み返してもいいなって思う。
ボブ・グリーンを彷彿させるコラム集
星3.5個 アメリカの名コラムニストであるボブ・グリーン彷彿させるコラム集。 著者本人が言う通りこの本は「発光体は外部にあり書き手はその光を感知するにすぎない」というスタンスによって描かれているためか、 対象となっている有名無名の人々ひとりひとりがとても生き生きとしている。 このコラムに描かれているものは、物語のように始まりと終わりがハッキリしているわけではない。 それはその話が進行形の現実の話だからであり、そしてそれが独特の読後感をもたらしてくれる。 一つ一つは短いコラムだが一人の人間の人生が凝縮された中身の濃いものである。
十人十色−そこにはいろんな人生がある
有名無名も含めて33名(重複含む)の人生が鮮やかに切り取られている。読了後、ある瞬間がその人の半生を象徴することを知る。「私ノンフィクション」を標榜して沢木自身が全面に出てくる作品が多いけれど、本作では基本的に沢木は黒子に徹して、さもその人のモノローグのような形で文章を紡ぎ出していく。「市井の人」「平凡な名もなき人」というカテゴリーでくくられてしまう人々のなんと個性的で豊かな人生だろうか。凡庸にこそドラマがある。村上春樹の「アンダーグラウンド」(講談社)を読んだときに感じたものが蘇ってきた。「下流社会」だとか「ニート」という言葉が巷を賑わしているが、たくさんの人生に思いを馳せることで「見えてくるもの」があるかも知れない。
気取らず、媚びず、だらけず
出てくるキャラクターに対する眼差しが、クールなようでとても熱い。 自分の独善的な判断を出来るだけ抑えて、相手の格好よさだけを真摯に伝えようとした、著者の相手に対する優しさと、自分に対する厳しさがよく伝わってくる。下手に日常の感覚に堕した感覚を表に出さないところもよい。


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くちコミ情報
心揺さぶられる旅路に感動
私がヨーロッパをバス旅行したのは、沢木青年の旅から30年近く後ですが、それでも、旅する者・地元の旅人に対する反応などは、時代に関係なく、普遍的なものなんだと感じました。私自身、自分の旅を思い起こし、「もう一度旅に出ようか」と思わせてくれました。 東南アジア、特にマカオでのカジノに対する熱狂ぶりは読んでいて楽しく、ギャンブルに揺れる人々の心の変化を実に見事に表現していました。 ストーリーとしては、香港からマレーシア、シンガポールとたどり、そこからインドを抜けるところまでは、心理描写も細かく、ちょっとしたできごともありありとイメージできるように表現していましたが、欧州に入ってからは、沢木氏自身の旅に対する慣れもあってか、なんとなく、トーンダウンしてきた感が否めませんでした。 それでも、「長く何の目的もなく、ブラブラとユーラシア大陸を横断する」という、およそ現実世界からかけ離れたことを疑似体験できるこの小説は、ストレスに満ちた生活をしている人にとっては、とても楽しい1冊になることでしょう。 私は、前の会社を退職し、次の会社に転職するちょうどその谷間に読みました。自分の人生を見つめなおす意味でも、心に残る作品となりました。
僕の場合は最初にドラマを見ました。
僕は今20代前半ですが、昔見た深夜特急をDVDで購入したまに見ています。 旅そのものも好きですが、このようなドキュメンタリー形式のDVDが大好きです。 何回もDVDを見た後はじめて本作をみたのですが、 やはりいくらかドラマとはずれているようですね。 ドラマと原作がずれていることは逆に面白くもあります。 ただやはりDVDのほうがくさい部分(汚い部分)にはふたをした形になっている と思いました。原作のほうが旅の厳しさが伝わってきますね。 この本は分厚くて一気に読めていいのですが、少し不便なので本は星4つ。 内容は文句なしの星5つです。
なぜ旅に出るのだろう
20代のころ誰もがやりたいけど、勇気がなかったり時間が無くてできないことがある。わずかのお金と必要最小限のバッグを担いで日本を飛び出し、長い時間をかけて旅をすることだ。著者は就職という大切なものを捨てて旅を選んだ。東アジアから東南アジア、インド、中近東、そしてトルコから欧州へ渡った。その軌跡を一気に読み通す。 p まるで自分が旅をしたように楽しめる。言葉が通じなくても分かり合えること。未知のものに触れる喜び。異国でこそ自分の感性を信じ、勇気を持って行動しなくてはならないこと。そして後悔しないこと。旅は多くのものを得るし学ぶ。しかし著者はそれでも旅の終盤に言う。「わかっていることは、わからないということだけ」。そう、だからまた旅に出たくなる。 p 旅が終わりに近づき、著者とともに一抹の寂しさと不安を感ずることになる。この一冊を切り上げ、また日常生活へ戻らねばならないのだ。そしてふと、自分の20代のころを振り返る読者もいるかもしれない。
宝物のひとつ
沢木さんの深夜特急という本にもう少しだけ早く出会えれば、ほんの少し違った人生になったかもしれない。それくらい影響を受けました。 若い頃 エンジニアとして海外を飛び廻っていましたが、いつも時間というものにとらわれていて、普通に旅をする場合もいつも時間や日程にとらわれていたが、この本の前進である深夜特急を読んで”そうか 居たいだけいればよかったのか”と気がつきました。 現実世界の中で、旅から帰った後の事ばかり考えて時間にとらわれていた自分に 目から鱗が落ちる気がした。 それがきっかけで沢木作品を読むようになった。今回は、深夜特急ノートも目当てのひとつでした。 若い人にお勧めの本です。文句なしの5つ★。
読んだ時期が悪すぎた?
沢木作品の中で、エッセーや小説などを除く、いわゆる「ルポルタージュ」ものの中で、私が唯一読むのを途中で断念してしまった作品、それがこの「深夜特急」なのだ。 p だいぶ昔になるが、私が大学卒業を目の前にした時期に購入したのが「深夜特急」(単行本)。(六冊のうちとりあえず二冊買った。)それまでも「テロルの決算」との出会いをきっかけに沢木作品はほとんど読破し、私も多大なる影響を受けた。また、この「深夜特急」シリーズは、沢木作品を読んだことのない人でも「沢木耕太郎」の名前を口にすると「ああ、深夜特急の人?」と返してくるほど有名で、かつ、実際にこのシリーズを読んで触発され、「貧乏旅行一人旅」に出た若者たちも多いと聞く。 p しかし、私はその「貧乏旅行一人旅」から帰って来た直後にこの本を購入したのだった。沢木氏の「ユーラシア大陸横断」にはとてもかなわない「ヨーロッパ一ヶ月の旅」だったが、バックパッカーとしてヨーロッパ諸国のユースホステルを中心にひとりで回った。 p そして、この本のページを繰り出した。一冊目は何とか読み終えたが、二冊目の途中で断念してしまった。別の時期に読んだら印象も違ったのかもしれないが、やはり「自分自身が実際体験した感動」と比べると、「(正直)つまらなかった」のだ。そして今もこ