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【くちコミ情報】
池尾氏の筆がうなる
金融論では有名な著者の作品です。この本を読めば現代日本の金融システムをサーヴェイすることが出来ます。これまでの金融システムの問題を考えることが出来ますし、これを結びつけるものとして失われた10年をも考察することが出来て非常にバランスのとれた内容でお値段も手頃ですので是非とも読んでもらいたい本です。
現代金融史の本です
明治以降、寺西重郎氏のいうところの「明治大正経済システム」が1900年ごろ成立する。1925年ごろそのシステムは不安定化し、1955年ごろ「高度成長期経済システム」が成立する。寺西氏はそれが1980年ごろまで続いたとしているが、池尾氏は1990年代半ばだとしています。 本書では、人為的低金利政策(ないしは護送船団方式)を組み込み、開発主義のエンジンとしての役割を果たしてきた戦後日本の金融システムの姿を「開発主義金融」と命名し、その破綻を論じています。そして、銀行中心の金融システム(日本、大陸欧州)と資本市場に基礎を置く金融システム(米英)に分かれており、金融ビッグバン以降、「市場型間接金融」の拡大が当面の課題としています。金融ビッグバンの当事者である池尾氏によるバブル崩壊後の金融史。読み応えがあります。
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【くちコミ情報】
無駄の無い語り口
文庫本という限られた紙幅の中で金融の基本的なことが書かれています。 著者の思想が滔々と語られている訳ではなく、簡単な金融理論が見事な筆致で著わされています。 これは岩田氏の金融入門(岩波新書)と通ずる所があるような気がします。 本来金融理論は数学的色彩が強いのですが、それは専門書に譲るとして考え方を掴むきっかけとしてはとてもよい書籍です。
池尾氏の鮮明な姿勢に拍手
日本版ビッグバンが世間で騒がれた頃から、池尾氏の発言は常に日本の状況をリードしてきたと思う。その点で、この本は手軽に氏の鮮明な姿勢を理解すると同時に、日本の金融が置かれた立場をくっきりと描き出している。私たちはバブルが崩壊するまで金融そして信用というものを、あまりにも甘く見ていた。そのツケにいま苦しんでいるわけで、根本的な解決は未だになされていないのである。
素晴らしい一冊
96年に書かれた本であるが、切り口の斬新さは全く色褪せない。「情報」の概念を経済学に持ち込んだ第一人者の渾身の一冊といえる。
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【くちコミ情報】
ゼミで金融の基礎知識を付けるために読みましたが
金融論の基礎として勉強すべき内容をすべて網羅した本になっています。そういう意味で「入門書」なのかもしれませんが、あまりに浅く広く書かれていて、極論すれば「目次を少し詳しくした」程度の内容でした。掘り下げた話が少なく、正直、読み終えても何かを学べた気にはなりませんでした。この本を読み終えた後に、金融論等の授業を受けたり、他の本を読んだりして初めて「ああ、入門金融論のあの部分はそういうことだったのか」と分かることが多かったです。この本の後にも金融の勉強をきちんとする気があるなら良いかもしれませんが、金融を少しかじってみたい程度の気持ちで読むには適当ではないと思います。
金融論+ファイナンス
入門金融論という書名からはカタいテキストのイメージを受けますが、 内容は理論ずくめではなく、より現実に近い、リアルなテキストになっています。 たとえば、証券化やプロジェクトファイナンス、IPOといった内容に触れられています。ただ、理論や分析を学びたい人にとっては少し優しすぎるかもしれないです。 著者も冒頭に書いてありますが、ビジネスマンや金融論をはじめて勉強するのにお勧めだと思います。
初心者には最適の一冊です
タイトルに「入門」とあるが、内容は非常に充実している。入門書といえば、内容が薄く簡単にまとめられているだけだが、この本は内容が充実し、しかも1テーマにつき数ページとうまくまとめられている。ただ、金融論として高度なものを求める人にとっては、少し簡単すぎるかもしれない。金融論を学ぶことが初めての人や、学生のハンドブックとして良いものだと思われる。参考書として十分に機能する本であると思われる。
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【くちコミ情報】
市場型間接金融とは
本書は「市場型間接金融」に関して,その機能と日本や欧米諸国における現状,今後の方向性について検討した論文集である. そもそも「市場型間接金融」という概念は,それを使用する論者によって様々な意味合いに用いられている現状にある.それを反映してか,本書第1章で「市場型間接金融」のイメージが示され,それを受けて第3章において「市場型間接金融」の厳密な定義付けがなされているにもかかわらず,他の章において,担当執筆者が独自の「市場型間接金融」の定義を改めて行った上で議論を進めているものが見られる.もちろん,それぞれの「市場型間接金融」の定義が大きく乖離しているわけではなく実害がないこと,また,本書が論文集であって,「市場型間接金融」に関し「統一的な見解を共有しているという前提に立ったものではな」いことを考慮したとしても,一冊の本として上梓する以上,その本における論考の対象に関する定義が統一されていない点に関してはやや奇異な印象を拭い去ることができない. この点を除けば,データ整備の遅れているこの分野において,実務家からのヒアリングの成果を加え,日本における「市場型間接金融」の実像に可能な限り迫ろうとする努力が滲み出ており,意欲的な論文が多い.なお,「市場型間接金融」の個別スキームに関する議論においては,証券化と投資信託が主たる論考の対象となっているが,これは全体の量的制約からみてやむを得ないところであろう.それでも,シンジケートローン等その他のスキームに関する論考も含まれており,このあたりは,執筆者の好みが反映されたものか,あるいは編者の苦心の賜物かよく分からないが,本書が「市場型間接金融の経済分析」と銘打つ所以であろう. 評価としては,定義に関する部分で星1つをマイナスして星4つとした.
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【くちコミ情報】
注意深く、地に足のついた内容だと思います
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「駄目な識者」の典型
著者は現在の日本経済の停滞について、「現在の日本の経済システムが、歴史的転換期の過渡期にある」という立場に寄っている、と表明している。ただし「システム転換の過程にあることの蓋然性がいくら高くても、システム転換の途上にあることの同時代的に確認することは本質的に困難」で「明白な証拠を突きつけて納得させると言うわけには行かない」と正直に告白している。 p このような立場に立てば、構造改革を巡る論議はいくらでも「言い逃れ」が出来るだろう。例えば「金融政策の効果が乏しいのは、不良債権問題を抱えた銀行に資金が底流しているからだ」とし「不良債権処理問題を解決する事が第一である」という主張がある。こういう人に「では不良債権処理が進めば、金融政策にも効果が出てくるようになるのですね」と問えば、今度は「たとえ不良債権問題が片付いたとしても、現在の産業構造の転換がなされない限り日本経済の復活はありえない」と答えるだろう。著者が本書で展開している議論も、ほぼこれに近い。 p 著者は「はじめに」で「経済は、いうまでも無く複雑系」だ、と述べる。しかし「現実の経済事象は複雑だ」という事と「経済は複雑系ででる」という事は全く別次元であろう。著者は複雑系の専門家ではないのに、このような物言いをすることに違和感を覚える。著者の立場に対しては「政策の失敗」(財政・金融の「正しいありかた」を専ら論じる)側から反芻が寄せられている。著者が「複雑系」を持ち出すのは、まともに反論が出来ないからだろう。何しろ「システムの転換点であることを同時代的に認識するのは困難だ」と言っているのだから。 p 逆接めいているが「複雑系」を持ち出す事自体が、安易な姿勢ではないのか。そのあたり著者のホンネが出ているのは第七章の金融政策を巡る論議である。金融政策を語る人は「断定的に語る人」らしい。著者の反論というのが、「常々覚える違和感」を持ち出すのみである。「違和感」を「専門的知見」で説明してこそ「識者」ではないのか。その作業を「複雑系」という言葉を用いる事で放棄している。
診断書としては説得力がある
金融問題をはじめとして、日本経済が抱える諸問題のについて、説得力ある診断が展開されている。著者が委員を務める産構審産業金融部会の議論も、この本を一読すればよく分かるようになる。 p ただし、処方箋の部分は物足りない。例えば、金融問題の解決策として市場型間接金融を挙げているが、「ノンバンク」と「投資信託」の組み合わせでうまくいくなら、現状はここまで悪化していないだろう。 ともあれ、金融に興味を持つ者なら必読。
金融問題のプロの待望の本
昨今の日本経済をめぐる議論には、金融の専門家のまともな意見がなかなか取り上げられませんが、本書は、問題の本質をよくついた良書だと思います。 新聞などのメスメディアの報道がいかに偏り、いい加減かということがよくわかりますし、金融庁、柳沢前大臣や銀行の本音の部分が読み取れます。 p この本は、雑誌に出た記事をまとめたものだそうですが、全体にバラバラな印象はなく、むしろ銀行を中心に日本の金融・経済問題を体系的に考えることができると思います。
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