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【くちコミ情報】
「失われた」のではなくて,もともとなかった景観をもとめている
著者が破壊された景観としてまずヤリ玉にあげるのは国道 16 号によって代表される郊外の道路景観である.行政による失敗例として神戸の震災復興,(ある程度の) 成功例として真鶴町の「美の条例」がとりあげられている.また,電線地中化にもひとつの章があてられている. 著者がもとめている,空中電線や派手な看板がない規制されて整然としたまちなみを批判するひともすくなくない.一歩ゆずって景観の整備が必要であるとしても,もともとめだった建築がほとんどなかった国道 16 号のような地域においては景観は「まもるべき」ものではなくて,創造するべきものだろう.そこで著者がもとめるヨーロッパ的な景観がモデルになるとはかぎらない.「失われた景観」は「失われた」のではなくて,日本にはもともとなかったし,いまもいくつかの例外をのぞいて基本的にはないのだとおもう.
都市景観について啓蒙する書
本書は現在の日本の都市景観に関して憂慮の念を示した書。著者は全国均質な郊外景観等にみられるように、我が国ほど都市景観が貧しく醜い国はなく、「荒廃している」のだという。都市の景観は、外国から見た我が国の魅力というものに大きく影響を与えるものである。従って、従来からもっと関心を払われるべき問題であった。しかし、「荒廃している」というのは言い過ぎではないかと思う。確かに各地方ごとの特徴ある景観が失われるのは問題だが、経済活動の活発さが生み出した結果であり、全く否定すべきものでもないだろう。ただ、本書の指摘とは論点が違うが、大規模店舗の郊外への無秩序な展開は、特に地方都市で中心市街地の空洞化により、車交通への依存を強め、公共交通機関の経営の悪化を招いており、懸念すべき事態であると思っている。このことは景観上の問題のみで論ずるべきではない。今後、本格的な高齢化社会を迎えるに当たり、徒歩圏内から生活関連施設が次々に郊外に移転することは、高齢者の行動圏に制約を与えるという観点から、憂慮すべきであると考えられるのである。また、電線の地中化については、国道などで電線共同溝などの建設が推進されつつあり、景観の改善に寄与している。しかし、市町村道まで全国津々浦々すべて電線を地中化するのは財政的な限界もあり、難しいだろう。
景観を守るには?
裏づけのある論理的な文章の端々に見え隠れする、身近な景観の醜さに対する怒り。私は、著者とその怒りを共有する者である。うっとうしい電線、ド派手は量販店の看板、欧米と比してあまりに絵にならない街並…。なぜ、日本はこうなってしまったのか?経済優先の土地利用に抗して景観を守る理論的根拠は?実際に景観をよくする上で何が問題か?この本は、具体例を通じ、それらの疑問に答えようとする。 p なぜ戦後日本の景観がひどいものになったかについての典型例として神戸市を例に挙げ、そこに、山を切り崩し埋立地を作るという作業の恒常化による雇用の創出・維持、本来そのの是非を問うべき議会や専門委員会、裁判所の機能不全、というパタンを見て取っている。一方、景観を守る理論的根拠としてロッ㡊??の所有権を挙げ、景観とはそこに住む人の人格の一部なのであるからその時間的空間的不連続は許されないという論理を、真鶴町の「美の条例」を題材に展開している。電柱地中化問題では、近年、政府・自治体や事業者(電力会社など)の意識が変わりつつあり、非常にゆっくりではあるが地中化は進んでいる。しかしながら、住民の意識の向上や理解・協力が不可欠であると論じている。 p 最後の電柱地中化問題でも見え隠れするが、景観問題は、結局は、日本人自身の意識の問題だと思う。しかしながら、悲しいかな多くの日本人は、自分の住んでいる社会を自分とは無関係なものと捉え、その結果、ごくごく狭い時空間範囲でしか利害を考えることはできない。日本の景観とは、そのような日本人の意識の狭さの産物だと私は考える。しかし、だからこそ、景観についての研究はより重要であろう。「美の条例」で謳われるような広い時空間利害を、建造物を建てる主体の直接の利害へと変換する理論・公式の構築こそ急がれねばならず、本書は、その端緒となった啓蒙書という評価を将来得るかもしれない。
「戦後日本の景観」を掘り下げた景観論
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共感と信頼
終章(「復活した情念論」の項)で紹介されているA・ラヴジョイの『人間本性考』が面白い。ラヴジョイによると、人間が秩序ある社会を作りうる一つの理屈は制度(民主制)だが、いまひとつはそうした制度の枠組みによらず、承認願望・自己称賛・競争心の三つの心理(情念)の絡み合いによって人々が自生的に社会秩序を築く場合である。著者は、この三つの情念は「まさに現代の若者たちの心理そのものではないか」と言う。それは若者だけではない。日本経団連の初代会長に就任した奥田碩は、所信講演で「共感と信頼」という言葉を使った。《「共感と信頼」は、内輪の似た者に対して向けるのでは、自分を信じるということでしかない。「他者が自分と異なるものを求め、生きていること」へ向けるとき、共感や信頼が本来の意義を持つ。そして各人の相違は、社会背景から生まれるだろう。したがってそれは、景観も含む地域の伝統や各国に異質なルール、生産と消費の多様な慣行に対する共感や信頼でもある。》
「制度破壊による信頼の崩壊」と「消費不況」
お金の量が増えてもそれが投資や消費に向かいにくいという現状のもと、実体経済では実際にどのようなことが起こっているのかを考えてみたいとか、経済学では当然とされていることと現実との間になんとなくギャップを感じるとか、こういう点に関心がある人にはおもしろいと思いますよ。「制度破壊による信頼の崩壊」と「消費不況」がキーワードです。「問題は金融面ではなく実体面にある」との認識から書かれていますから、逆の立場からの反論も当然予想されるところではあります。
期待もしていなかった良書
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グローバライゼーション
金融・経済界と異なる業界で働いている人が読んでも、ためになる一冊と思われます。時代時代で語られたさまざまな異なる経済思想を振り返りつつ、現代経済学の定説を再評価する試みは初心者でも面白いはず。もちろん知らない用語や歴史的背景も出てきますが、さらっと内容がつかめる本書は必読の価値ありです。スミスとグローバライゼーションの項は、現代のグローバル化について知る上で役に立つのではないでしょうか。
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フォント
フォントが大きすぎて読みにくいデス。 内容はまあこの3人で面白くないわけは無いので、それだけが残念。 最近こういう無駄にデカいフォントの本が増えてる気がしますが、 水増しされてるような気になります。
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全ての武道愛好家に。
「生涯武道」の実践者である松原氏による、自身が師範代をつとめる空道や、現在も町道場で稽古を続ける柔道を中心とした武道論。 著者は、「信頼」が崩壊しつつある現代社会において、魅力的な社交空間を提供し得る「社会資本」としての武道を高く評価する。 講道館が、如何にして大日本武徳会や高専柔道などの対抗勢力との対立を経て近代柔道の確立に至ったのか(第1章)、現代化・国際化に伴う課題(第2章)など、柔道経験者としては興味深い。 一対多の路上の現実を想定し、試合においても常に「真剣勝負」を意識する必要があるとして、嘉納治五郎が重視していた柔道の武術性や実戦性が、大日本武徳会や高専柔道などの対抗勢力が消滅する中で忘れ去られていった、という指摘はとても興味深い。 柔道(講道館?)関係者には耳が痛い部分もあるだろうが、「講道館の家元意識」の問題、「勝利至上主義」の弊害や老若男女が楽しめるための環境整備の必要性などは重要な指摘だろう。 第3章では、地域に根ざしたスポーツクラブとは何か、企業とスポーツとの関わりなど、スポーツビジネス論を踏まえて、町道場の経営の難しさなど生涯武道の普及における課題が論じられており、興味深い。 第5章は著者の武道体験談、第6章は稽古仲間等の武道との関わり方が紹介され、気軽に楽しめる。 全体として、著者の「生涯武道」への情熱が感じられる好著。自分も武道の稽古を再開したくなった。
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「新しい市場社会」の構想―信頼と公正の経済社会像?
保守派の経済学者と、同じく保守派の社会学者が書いた本である。市場社会という使い古された言葉を今更ながら使うとは恐れ入りました。確かに戦後の経済学はマルクス経済学が幅を効かせいたので、近代経済学の学者の多くは、時の体制に迎合するような言論を展開してのは事実である。マル経が衰退の途をたどるのと同時に彼らみたいな無責任な経済学者や、社会学者が、しゃしゃり出てきて時の権力者と同じ事を巧みなレトリックを用いて一般読者をうなづかせるやり方は、これまで多くの経済関係の書物に見られてきたことであるが、この本もまさにそれと同程度の書物である。読んでみてこれだけくだらないことを延々書いていると疲れはしないかと思うほどである。佐伯の本を読むのであれば、師匠にあたる宇!沢!弘文か、同門の間宮陽介の本を読んだほうが、為になる。このままでは日本にまともな経済学者はいなくなるのもそう遠くない日が近いだろう。もちろんノーベル経済学賞なんてまず無理な話だ。
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エッセイ集ですね
トンデモ本として名高いウィルソン・ブライアン・キィの『メディア・ セックス』を自説の論拠として参照してる箇所があり、これだけで学問 的著作として評価する気になれません。松原氏は今もキィの本を評価し てるんでしょうか。消費文化という得体の知れないものを学問っぽく論 じたエッセイ集としては読ませる文章だと思います。
散漫な印象
文化という曖昧な概念を巡るミクロ経済学的な議論を試みた新書。 著者は東大教養学部助教授(当時)。 p レイモンド・ウィリアムスの『文化とは』などを参照しつつ、日本においての文化なるものを巡る財の動きとその背後にあるエートスについて論じている。しかし書かれた時期がバブル経済の末期であることで、現在の実感とは合わないような事例が多く、読み手は若干戸惑うことになるだろう。また文化という概念に対して著者独自の定義を与えずに様々な思想家の言葉を引用して論じているだけなので、論の展開に芯が通っていない印象を受ける。さらに言えば経済学といいつつミクロならミクロの考察としての手順を踏まえず、経済学用語を各所に散りばめたエッセイ風の文章が並ぶだけなので、結局はさ!まざまな論点のアラカルト以上のものには仕上がっていない。 p 全体的に見て、ビジネスマン向けの雑誌の特集記事の大長編のようなものと思う。
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消費の今と未来
この本は2部からなっていて、第1部は、おおむね著者の前著「消費資本主義のゆくえ」と同様の議論が展開される。現在の日本経済を「消費」の観点からとらえると、それは「消費不況」という「未知の領域」にあるという。その原因は、消費者である国民が、将来不安(その原因は雇用制度の急激な変更や年金制度の行き詰まりなど)のために消費を手控えることから来る総需要の不足であるという。であれば、将来不安を高める急進的な「構造改革」は不況を深刻化させるだけであり、「漸進的・漢方薬的な」構造改革こそが必要であるということになる。雇用制度に関して言えば、長期雇用を維持するための賃金カットである。これは企業の労務担当者の実務実感にまことによく一致しており、非常に説得力に富んでいる。 p また、著者はこれまでのわが国における「消費」の変遷を述べ、「コンビニと携帯電話が現在の到達点」であるとした上で、そこにはない「文化」が、これからの消費の希望であると言っている。 p これが、第2部の「文化の経済学」につながる。「生活起点」誌に掲載されたエッセイをまとめているが、それぞれ読みやすく面白く、著者の食や景観などへのこだわりも感じさせて楽しい。そして、読み進めると、著者の考える消費の「文化」がどういうものかが皮膚感覚で伝わってくる。そして、本のいちばん最後の方に、「自分の生活が社会のあるべき方向だと考え、社会をその方向で変形させようというのは、傲慢な社会設計家たちがやってきたことだ」という一文が出てくる。「構造改革」の美名のもとに利益誘導もくろむ証券アナリストや、そのちょうちんを持つマスコミ、評論家などに何度でも聞かせたいセリフである。 p この本は、研究書や論文を書くような意気込みで書かれた本ではないかも知れない。しかし、その分リラックスした雰囲気がある。力みや誇張がなく、常識豊か(常識的というわけではない)で明快なので、読んでいて非常に気分がいい。これもまた筆者の力量ゆえだろう。価格も手ごろで、広くおすすめしたい本である。
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本当に分かっているのか
他の読者が5つ星なのが気になって投稿します。 周りに起こっていることを、ただ書いているだけで、私の場合仕事に役に立ちませんでした。
”深読み”してみましょう
軽快なタッチで、消費にまつわる様々な事象を読み解いている。これは少し斜めの読み方になるが、背景にある経済学の理論を思い浮かべ、その限界点、あるいは筆者たちへの反論を考えながら読み進めると、より深い理解に達することが出来ると思われる。逆に言うと、情報財・経験財といった、これまで経済学が主眼としてこなかった財に対し、果敢に取り組んでいる一冊であるとも言えるだろう。
消費ニューウェーブ漫才、オチはどうなる?
「消費資本主義のゆくえ」の松原と「捨てる技術」の辰巳の、消費をめぐるニューウェーブ漫才である。役割的には、辰巳がツッコミ、松原がボケだ。辰巳は、マーケターの顔を表に出さず、イキの良い消費者役としてツッコミまくる。松原は消費経済学者の立場に立っているという顔を出しながらも、消費が見えない売り手の立場を代弁してボケまくる。この二人のズレ具合がたまらなく面白い。かといって話が平行線になってかみ合わないわけではない。ズレが演出されていて、このズレの中に「消費の正解」が込められているようだ。単純なズレではない、双方が役割を演じつつも、時折辰巳の中にマーケッターの顔がのぞき、松原の中に一消費者の顔がのぞくのもまた一興。ズレは一瞬交叉し、絡んだかと思うとまたズレていく。ときおり顔を出す編集者が、また絶妙のタイミングでズレを新たな次元に連れていく。題名といい装丁といい、この漫才を仕組んだ編集者に★★★★★である。 p しかし、この漫才面白いだけではない、実際売り手と買い手はここまでズレてきているのだろうか。あるいはズレていると思っているのは、したり顔で消費不況を論じる我々だけなのかも知れない。消費不況というものがあるならば、それはこのしたり顔で論じることが作り出したのかも知れない。論じてないで、漫才に飛び込んで、売り手と買い手を一心に演じることでオチが見えてくるかもしれない。
100円ショップだから恥ずかしくないんだよね。
買うことって恥ずかしくない。今の時代、とかく節約って話題になりますが、「じゃぁ、売ることは正しくて、買うことはいけないこと?」ってことになる。それだけじゃない!「買うこと」「消費」の役割を教えてくれる1冊です。
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