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   村上 春樹 の売れ筋最新ランキング   [2008年10月11日 23時57分]
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カスタマーレビュー数:77

くちコミ情報
極めて内省的に
 村上春樹が実質的に日本に紹介した米国の作家、レイモンド・カーヴァーの小説にして村上氏本人の手になる翻訳作品「愛について語るときに我々の語ること」が下敷きになっている書名である。が、中身はまるで無関係な村上氏のエッセイ。  村上氏の趣味を超えたライフワークとも言ってよい、マラソンやトライアスロンなど「走ること」を軸に、ランナーとしての足跡(といってもレースの実績ではなく内面的な)と小説家村上春樹の内面を、行きつ戻りつしながら極めて内省的に記したエッセイである。  「極めて」という言葉を使ったのは、これまでの村上氏のエッセイ、旅行記や音楽に関するものに比べて、という意味である。  これらを扱ったエッセイでは、村上氏は客体(旅する地の風物や音楽、音楽家など)の描写や論評を通して自らを語っているが、本書では「走る」というある意味極めて自己完結的で内省的な行為を語ることで、自らそのものを語っている。というか語らざるを得ない題材なのである。「走る」ということは。  もし、読者としてのあなたが、村上氏のこれまでのエッセイようなノリを本書に期待しているとすれば、いささか「重たく」感じることだろう。 一方、本書の中でも村上氏自らが語っている通り、自らについてここまで向き合ったエッセイはこれまでなかった。そうした部分を新鮮に感じられる方は、村上氏への「肉薄感」を得られるだろう。 さて、あなたはどちらを期待するだろうか
身体を通して考えることの大切さ
この本は作者村上さん曰く、エッセイではなくまた個人史と言うものでもなく 『メモワール』と言うものだと考えているという。この本を読んで思ったことは 『あぁ、私は何年、身体を使って(通して)ものを感じたり考えたりしてこなかったのだろう』と、 途方に暮れたことでした。それだけ、村上さんは走ること身体を使って感じたことを 言葉では説明のつかないものを言葉に描いて来た偉大な作家なんだなぁと思いました。 私にはこの本は良質な哲学書の様に思えました。 この本には走ることについての成功例や楽しいことばかりが書いてあるのではなく、 村上さん命名の『ランナーズ・ブルー』(走ることが嫌になってしまったこと)も書いてあり その苦しみや深い悲しみ出来事から出発することが書いてあるのでその、 優しさや偽善的でないところや公平なところがとても見ていて好きでした。 苦しいのはあなただけじゃないと問いかけられている気がして。 私も身体を通して感じることをもう一度見つめなおしたいそう思う本でした。オススメします。
村上春樹嫌いの人も、彼のことを見直すかも
村上春樹が走る作家であり、毎年1回はフルマラソンを走り、 トライアスロンにまで挑戦しているというのは僕にとって相当意外でした。 「走る」ことを通して「書く」ことを語ったのがこの作品です。 走ることは、作家として必要な体力・持続力・集中力を 鍛えることができるそうです。 本書には村上春樹が走っている写真がいくつか収められているのですが、 確かに50代とは思えないほど引き締まったしなやかな体つきをしています。 ハングリーな精神と肉体を持つことは作家には不可欠だと僕は考えます。 村上春樹のこと、少し見直しました。 そして、僕も無性に走りたくなりました。
恐ろしく若々しい50代の文書
小説家、村上春樹の自分の事を書いた本 この本を読むまで意識しなかったのですが、村上春樹ってもうすぐ 60歳なのですね。先入観が無く読んでいるととても若々しい文書で 驚きました。  内容は走ることを通じて感じる事を9章にわたって書いてあります。 彼の人生の重要な位置に走ることがあることがよくわかります。    小説に、そして走ることに取り組む姿勢に対してこんなに真摯に 考えていることにとても共感を覚えました。
小説、自身の価値観への真摯な独白のメモワール(個人史)
村上さんが走ることの第一目的は小説を書く為に必要な体力を保つこと。やがて、努力してもタイムが限界を向かえ、失望感や閉塞感に苛まれます。しかし、そのランナーブルーを乗り越えて、完走する為の努力や過程を大切に思える境地に至ります。 本書では、33歳から走り始めた村上さんが走ることを軸に、小説、自身の価値観等についてとても真摯に語っており、まえがきで「(僕が走ることによって学んだ)哲学とまではいかないにせよ、ある種の経験則のようなものはいくらか含まれていると思う」と述べられているように、村上さんの人物像が如実に独白されたメモワール(個人史)になっています。 村上さんの作品が好きな人・氏自身に興味がある方は必読の書ではいでしょうか。きっと心や自分の人生観に呼応する一文に出会えると思います。 以下本文より抜粋。 与えられた個々人の限界の中で、少しでも有効に自分を燃焼させていくこと、それがランニングというものの本質だし、それはまた生きることの(そして僕にとっては書くことの)メタファーでもあるのだ。


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くちコミ情報
村上春樹ですね分かります…
あの村上春樹とは別人の村上春樹が書いた物(怒)。 村上春樹を読むために村上春樹を検索し、同名の村上春樹を村上春樹と勘違いして購入。 この村上春樹があの村上春樹ではなくてしばらく放心… まぁ内容は詳しくて良かったよ…ええ読みましたとも。 やれやれ…
「あわせて買いたい」は意図的?
「あわせて買いたい」でいわゆる村上春樹の本と抱き合わせで表示されていたら、歴史学者のこの本と間違いますよね。意図的な間違いを誘導しているとしか思えない。悪意を感じます。
「AMAZONへの苦情」と「本の評価」は別のもの
この本は村上春樹さんではない村上春樹さんが執筆されています(ややこしいな).私もはじめ???と思い,書店でチェックしました.そういう人,ほかにもけっこういるのではないでしょうか.いわゆる春樹さんの新刊と勘違いして購入されてしまう可能性は十分予測できたはずです. しかし一方で,本の評価は,あくまで内容でつけるべきだと思います. 言うまでもなく,純粋に歴史や将門に興味があって検索し,この本にたどり着いた方もいらっしゃるのです(たぶん).そして,そういう利用者もいることを鑑みたとき,入魂の「星一つ」を,この本の評価としてしまうことはフェアでないと私は考えます. この本が出版されてしばらく経ちますが,「村上春樹」で検索していまだに二番目に表示されてきます あ,で肝心の評価ですが,私は将門にとくに興味があるわけでもなく,可もなく不可もなく,ということで星三つにさせていただきました (^^;)
騙されました
村上春樹さんが変わった趣向の本を出したと思い、早速注文し届いた本を見てみてびっくり。同姓同名の別人でした。勘違いさせないでください。1800円もするのに。別人だとはっきり明示してください。購入する側に誤解させる検索システムは改めていただきたい。


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くちコミ情報
2008年時点での僕の理解。
何か困難にあたるといつもこの本を読んだ。 おかげでもうすでに50回は読んでいると思う。 何のために書かれたのか分からない、 でもすごく深いものがあるように感じられる。 時々そんなはずはあるわけないのに 「これは将来の僕が書いたのではないか?」 などと思わせるような感覚も覚える不思議な本。 ただ、何度読んでも自分に引っかかってくることからなんとなく分かったことがある。 何かを学び取ろうとすれる姿勢を持ち続ければ年老いることは苦痛ではない。という冒頭の言葉。 いろんなことを考えながら50年生きるのは、はっきり言って何も考えずに5千年生きるよりもずっと疲れる。そうだろ?という台詞。 君は何を学んだ?そして絶望に自殺をする青年。 そして最後に僕が一番好きな太文字の言葉にぶつかる。 僕達は今の自分達よりも成長するためにみんな歯を食いしばって生きているし、 これからも同じことを続けて行くのだろう。
「風の歌を聴け」を主題とせるヴァリエイション
 風そのものは、しゃべりはしないよ、言葉を喚起するんだ。――村上春樹さんは、この作品の中で、そんなことを書いていた、と私のおぼろな記憶は語っている。  ある雑誌で、町田康さんの文章を読んでいたら、文学風をふかした文学チックな文章は、実は、にせものである。みたいな文章と出会った。そういえば、太宰も、いかにも詩人然とした、気取った青年は実はにせものだ、と言ったり、ヤソのヤソくさきは、真のヤソにあらず、などと書いていた。そこで私は、このレヴューを、レヴューらしからぬ、真のレヴューにしたいもんであると思い、これを実行に移そうと思う。  プニューマ(風)は心のままに吹く。プニューマ(霊魂)もまた、同じである。  換気は、換気。ドスト氏の作品で、大事なのは、空気を入れ替えることだ、というのがあった。窓開ける。空気が、風が吹き込む。新鮮な風が。風は人にインスパイア(霊感)を与えるのだろうか。  梶井基次郎のある短編には、チェホフの短編が登場している。男の子が、女の子を乗せたそりを押しながら、下り坂を下っていく。女の子は、下っていく途中、男の子に何かささやかれたような気がする、何か、甘い言葉を。けれど、それは風の音であるようにも思われ、判然しない。そこで、女の子は、もう一度、男の子にそりを押すようせがむ、もう一度、もう一度、と、女の子はせがみ続けるが、結局、女の子は明確な答えを出せない。  結論、作品とは風である。作品そのものは、けっして、何も語ってはいない。私たちは、作品が喚起する言葉に耳を傾ける。自分のうちにあって、しかし、普段は姿を見せない、言葉たちに。それが、文学を読む、ということなのかもしれない。  自分ながらわけの分からないこと書いた。なんのことはない。私の文章能力が、つたないだけの話である。なにが真のレヴューか。真のレヴュー風のまがい物になっちゃった。失礼しました。
深夜の静まりきったキッチンのテーブルの上で
どうも村上氏の作品は評そうとすると、つまり言葉にすると嘘になってしまうようなところがあって、こうして書くのはなかなか難しいところがあると思います。いわく言葉にし難い魅力と、特に古い作品になると個人の思い入れが重なり、普通の人にはこの感性を客観化し辛いせいなのでしょう(自分がそうです)。この後に続く「1973年のピンボール」や「ノルウェーの森」などそっと心にしまっておきたい、そんな作品の多い作家のような気がします。 1979年刊行の表記作ですが、デビュー作として歴史もあるだけに(といっても30年くらいですが)、同時代で作品に触れた世代にとっては「心にしまっておきたい」感が一段と強いものなのではないでしょうか(私はもう少しあとの世代)。村上氏自身は、ジャズ喫茶を経営するかたわらの日々、ある日ヤクルトの試合を見ていた神宮球場で突然、神の啓示を受けこの作品に着手したと述べており、この次の「1973年のピンボール」まではどことなく腰の定まらない執筆だった、と述懐していたのをどこかで読んだことがあります。まあ腰の定まらないまま、これほどのものが書けるのも凄いと思いますが、高校時代から恐ろしく文章の上手い奴がいる、と評判だった才能のなせる業なのでしょう。 仕事で疲れた後、深夜の静まりきったキッチンのテーブルの上で、ことことと筆を動かす若き氏の姿が浮かびます。
空の宝石箱
キラキラと輝く宝石箱のような作品です。 こんなにも素敵な文章って読んだこと無いと思わせるような。 とにかくその眩しさに触れるだけでも読む価値はあると思います。 でも中には何も入っていない宝石箱だと思います。
独自のワールド
10代後半の夏にある雑誌で取り上げられていて、読んだのがきっかけかな。だからもう20年近くも前のこと。缶ビールとピンボールとビーチボーイズ。当時高校生だった僕には、ちょっと背伸びした感じの刺激的なその雑誌の紹介文が印象に残った。 その後、深くその小説が掘り下げられて別の角度からの評論などを読んだりするとそうだったのかと妙に納得させられた感じだった。 小説の内容は主人公のひと夏の思い出を語ったものであったが、しゃれた言い回しや感覚などとても身近でありながら、よく練りこまれた小説であったなと思う。


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くちコミ情報
音楽を聴いている様な感じ。
この小説は感覚で理解するものです。この切なさは何!?私は読んでいると息が詰まる程に切なくなりました。話の内容を理解するというより、主人公になった気持ちで読んでみると、青春時代のあの胸苦しさが蘇ってきます。大人になった今だからこそ読みたい作品です。
自分を読書好きにしてくれた作品です
今までほとんどといっていいほど読書をする習慣はありませんでしたが(職業に必要な本を除き)、たまたま村上作品に出会いこの本を読んでから読書の習慣がつきました。 いろいろな作家の作品にも手を出そうとしていますが、なかなかいい作家が見つからないしだいです。 今度映画化されるとあって再度読み返している最中です。
映画化。2009年2月、クランク・イン
村上春樹の名を知らしめた1987年のベストセラーです。出版当時、世の中がどうしてこんなに騒いでいるのか、実は不思議に思った記憶があります。村上氏はそれまでも「風の歌を聴け」や「羊をめぐる冒険」、「世界の終わり・・」など力のある長編、それに短編小説集もいくつか発表しており、その才能は充分に評価されていると(勝手に)認識しており、その延長線上にある「ノルウェーの森」ばかりがどうしてこんなに取り上げられるのだろうか、と思ったものでした。 今、読み返すとそれまでの作品に比べてリアリティーが増しており、その分かり易さと装丁の良さが当時売れた理由なのかなと思います。本質的には青春小説。20才前後の大人になりかけた主人公の感受性の高さと危うさ、多くの人がシンパシーを感じるこの時期を上手く描きました。読んで不思議に涙する自分は結局、自分自身に涙しているようなものなのだと思います。 フランスのトラン・アン・ユン監督によって、映画化が予定されることになりました。2009年2月のクランク・インのようです。海外でも評価の高い村上氏の作品。英語など他言語になった村上作品をどう海外は受け止めているのか、気になっていた感じ方の一端が伺えるのではないかと楽しみにしています。
現役大学生の心にも何かグッとくるものがありました・・・・
当方19才、私も結構マジに物事を考えすぎる古風なタイプなので、主人公には結構感情移入できました。村上さんはハード・ボイルド文学に耽溺してるだけあって、相当クールでドライな会話を主人公にさせますね・・・この無機的・無感情っぽい会話がこの作品の喪失感を醸し出しているのでしょうか? 本作は大好きなのですが「羊をめぐる冒険」のようなユーモアに富んだ作品のほうが個人的には「村上的」で好きです。読後感は最高によいですが、いまいち読み進める面白さに欠ける、ってかんじです。 この作品はぜひ自分とおなじハイティーンの人達に読んでほしいと思いました。 このドライな文体が、あなたの今まで触れられたことのない心の琴線をびんびん鳴らしてくれること請け合いです。
目に見えないもの
10代だった発売当初に友人にすすめらたけれど読まなかった本。何年も経って読んでみて、あぁ友人はこうゆう内容を読んでいてたぶんこう感じとっていたのかなぁと思いを巡らせながら、しみじみ自身もいろいろ感じとりました。そして、もう一度読んでみようかなと思っていたところ。レビューをみていたら、めちゃくちゃ批判している方がいて非常にビックリしてしまいました。文章そのもの自体からしか読み取れなかったり表面でしか物事をみれなかったりする性質の方にはつまらない本なのかなと思います。目に見えない大切なものを、読者自身で感じとることを楽しむ本または感じとる感性を育てたり磨くのを楽しむ本だと思います。この本の意味がわからない方は感性がまだ低いか乏しいか、自分中心にしか物事をみれない方だと思いました。心豊かに成長したい方または他人の心を理解できるように成長したい方におすすめで、人の心理の勉強の1つになるのではと思います。人それぞれ読む時期それぞれで感じとるものは違うと思います。今現在の世の中の悲しさの原因の一つを理解するのにも役立つかもしれません。


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くちコミ情報
「閉塞感 を伴った 開放感」 若しくは「アンダーグラウンドの12年前の村上の夢」
 反論もいくらでもあろうが 僕は本作が 現時点での村上の長編小説での最高傑作だと思う。その意味では本書を書きあげてから20年以上 村上は本書を超える作品を出せていないということだ。  まず第一に圧倒的な物語がある。近未来的な「現在」を舞台とした筋と、「世界の終り」の国で語られる物語を同時並行して進めていく腕力が素晴らしい。その二つの世界を巧みに文体を変えながら リアリティーを持たせて書いていくことは紛れもなく今までの日本にもなかったような「豪腕」である。  そうして その二つの物語が 最後に交差する瞬間は 一種の謎解き以上の美しさがあり それまで 手探りで読まされてきた読者に 「大きな閉塞感を伴った解放感」を与える。  「大きな閉塞感を伴った開放感」とは 幾分トリッキーな表現かもしれない。但し この作品の底に流れる「閉塞感」が 本作の第二の持ち味だ。  村上は その早い段階から「閉塞感」をテーマにした作品を書いてきたと思う。初めは 洒落た都会小説の底に「閉塞感」を忍び込ませて隠し味とする向きが強かったが 本作に来て 村上は 正面から「閉塞感」を書いたと僕は思う。「世界の終り」はまさしく「閉塞された」世界であり そこで どう僕は生きるのか というテーマを正面から掲げたのが本作であるからだ。  本作の最後は 明るさを持っている。それが本作の読後感のすがすがしさにもなっている。但し 時代は そうはならなかったのかもしれない。  この12年後 村上は「アンダーグラウンド」を書かなくてはならなくなった。
村上春樹の妄想力に感嘆した海外幻想SFの訳本のような作品
灰羽連盟のグリの国のモデルといわれる「世界の終わり」に興味を持ち、読みました。回りくどい比喩や、妙にさめたキザな主人公、ジャズやロック、映画、小説の固有名詞を多用し、知識をひけらかすよう言い回しは鼻につくとはいえ、日本が舞台とは思えないような妄想力にとんだ物語に、知らず知らずのうちに引き込まれました。もし自分の死があと24時間しかないとしたら、この主人公のようにきざに死んでいけたらと思います。
マトリョーシカみたいな
私が考えていることの一つに人間の意識と無意識の関係がある。私たちは無意識の存在に普段そう気付くことはない。たまに夢を見るときにわかるくらいだ。しかし明らかに無意識が「在る」としたらそれは意識と共に動いているのではないか。この作品を読んだとき、私は二つの物語は主人公の意識と無意識を表わしていると感じた。だからこの本は独立した二つの作品として平行に進行しながら、と同時にひとりの人間の心の動きを示した構成でもあると私には思えた。イメージでいうと前者が左右に、後者は上下に進行している。そして合わせて一つ。まるでマトリョーシカのような物語だ!そんな風に思わせてくれるこの本がとても気に入っている。
いつも思うが!
村上さんの小説を読んでいつも思うのが、酒を飲んでるシーンと、女と抱き合ってるシーンがとても素敵に書かれていると思います。 このハードボイルドでも破壊されつくされた自分の部屋で、台所の流しの中に残ったウイスキーを飲みながら小説(ツルゲーネフのルージン)を読んでいるシーンがなんとも味わい深くて好きです。図書館の女の人も何とも魅力的な女性でそんな女性とベッドインしている主人公がうらやましく思ってしまいます。 激しい「ハードボイルドワンダーランド」と、静かな「世界の終り」の関係がだんだんと交わってきて、いいテンポで読むことができました。最初読んだ時はハードボイルドの方が面白かったですが、再読している今回は世界の終りのタンタンとした雰囲気がとても面白く感じられます。
村上春樹作品最高傑作
上下ともに村上春樹作品の中で一番好きです。静かに印象的に全く異なる二つの世界が交互に、しかし、2つで1つの話として進行します。 状況を他人に押し付けないで淡々と見つめる主人公、見事な比喩の情景描写と魅力的な登場人物に美味しそうな食べ物。村上作品のいいところ尽くしです。 静かなのに衝撃的な余韻を残し、読後しばらく物語の世界に浸りました。他の本を読み始めてしまうのが惜しくて、本を読まなかったほど。私は再読を殆どしないのですが、これはします。


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余韻。
村上春樹氏の本を初めて読みました。 なんとも不思議。 確かに性描写が非常に多いです、私は過激すぎるものは苦手な部類です。グロテスクな描写もあります。 でも止められない。 読みだとすと次へ次へと進んでしまう。 不思議な力があるみたい。読み終えた後、数時間たっても余韻が抜けません。 物語に入り過ぎてしまうので、出来るだけ家で読むようにしました。 感じ方は人それぞれですので、やはり嫌いな方もいるでしょう。 でも私は友人に勧めたくなりました。そして感想を聞きたくなりましたよ。
おすすめです。
登場人物のキャラクター設定が、とても奇抜。まず、そういう設定を置いて書ききってしまう筆力に脱帽です。 15歳の田村カフカ少年の老成した感じ、大人顔負けの自己規制、行動力、判断力。そうなった背景があるにしろ、60歳を超えてるナカタさんが文字が読めず、会話のしかたも素朴で素直な感じ。この年齢とキャラの対比が面白い。 他の登場人物サイキさんや、大島さんの設定もかなり超個性的。 しかも、これらの主要な登場人物は皆、なんらかの問題や弱点を抱え、社会的には弱者の部類に入る。子供、老人、50過ぎの複雑な過去のある女性、ネタバレになるので書かないが、大島さんもそう。 しかもカーネル サンダース やジョニー ウオーカーまで出て来るので笑ってしまった。 これらはトリックスターとして書かれてる。 神話をベースにして、様々な古典を読み込みながら、宮崎駿の物の怪の世界じみたエンターテイメント性を付加してる。よーく、読むと、つじつまの会わないところや無理のあるところもあるけど、そこはそれ、読んで楽しむものですから。 身体感覚の扱い方、性への態度、音楽への視点、善悪の基準については、かなりはっきりした作者の視点が出てる。 そこに、はっきりとした「現代性」を感じる。 もりだくさんながら、優れたエンターテイメントなのですっと読める。 哲学や、神話学、心理学、音楽の知識の背景を持って深読みしようと思えばできるようにも構成されてるのは、さすが。
「大人になること」よりも、「大人になった後」が読みたいんだよ。
 「15歳」の少年が大人になることをテーマにした小説。文字を無くした男、エディプス・コンプレックス(=「父殺し」)、夏目漱石論(「三四郎」と「坑夫」の比較論)など、その他色々な文学的モチーフが重ねられるつつも、メイン・モチーフとしては、残酷な「世界」「他者」と少年がいかに向き合うようになるかが、いつも通り内向的で非現実的なストーリーで語られる。  明らかに、発表当時に不可解で血みどろな事件を色々と起こしていた「壊れる10代」をターゲットにして「大人になること」を一生懸命に語ろうとした作品なのだが、不幸なことにこの作品は実際に壊れている10代よりも、「大人になりきれない自分」に若干ナルシスティックな魅力を感じる20代〜40代の読み手に熱狂的に支持されたのだった。もちろん、そんな読み手達を相手にして「大人になること」を語る意義は十分にあるが、一番読んでほしい読者層に届かなかったことは、作者とこの作品の不幸な点だろうと思う。  この「ブンガク的」で居心地の良い内向的世界が、本来「大人」であるべき年齢層の日本人に受ける状況は決して健康的ではない。(村上作品の効用の1つには、「大人であること」に疲れた大人達の癒し本としての効果がある。)そろそろ、僕らには「こんな時代に大人であること」を愚直に考えた文学作品が必要なのではないか。だって、村上春樹がトップランナーになってからこっち、僕らはもう20年くらい同じトラックの上をグルグル回ってるんだぜ。
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村上作品の「世界の終わり…」のように、登場人物の話が平行して進んでいき結果的に交わるところが楽しめます。 万人受けではないと思いますが、小説に現実やリアリティを求めるよりも、その世界観そのものを味わうことに意味があると感じます。例えば、図書館の縁側から見える庭、森の中の静けさ、『海辺のカフカ』のメロディーや、絵の中から向けられたまなざし…。 想像するそれらは想像でしかないけれど、確かなリアリティを持って物語の世界を静かに語りはじめます。そこに耳を澄ますと色々なものが見えてきます。 ちょうど風の音を聞くように。
面白かった
皆さんのレビューが奥深過ぎて気が引けますが、一読者から一言 すごく面白かった 村上春樹さんの書く食べモノや洗濯や掃除するシーンはリアルで、何故か読んでいると癒やされます


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贅沢な4点セット
収められている1曲々々について、ムラカミさんによる訳詞とオリジナルテキスト、ムラカミさんのエッセイと和田さんのイラストという贅沢な4点セットである。 1曲が1つのチャプター(章)になっているわけだが、チャプターごとにその4点セットから得られるフィット感が異なるところが面白い。 ある曲では、ムラカミさんの見事な訳詞に感嘆するかと思えば、ある曲ではオリジナルテキストのほうがすんなりアタマに(というか心に)入ってくる(どちらかといえば後者の方が多い)。 またある曲では、和田さんのイラストがなんともいえぬゴキゲンな出来栄えだったり。例えば、イングリッド・バーグマンのポートレイトははっとするほどキュートでセクシーだ。 そしてもちろん、ムラカミさんのエッセイ。音楽評論はムラカミさんの持ちネタの一つだが、旅モノのエッセイと並んでうっかりすると小説以上に僕のお気に入りである。 なかには僕の手持ちのCDに収録されている曲もあり、そいつを引っ張り出して改めて聴いてみるのも楽しい。 そして、「あ、コレ買ってみよう」てな感じでチェックを入れたアルバムが何枚かあったりもします。 僕はムラカミさんは現代米国文学のゲートウェイ(ムラカミさんを通して例えば、レイ・カーヴァーを知りましたとか)の役割を少なからず果たしていると思うのですが、ある種の音楽についても同様ですな。
歌の贈り物
 村上・和田コンビで贈る訳詩ソング・ブック。かつて出した『ポートレイト・イン・ジャズ』同様、村上春樹氏の文章と和田誠氏のイラストをカップリングして、ゼイタクな装丁を施してある。普段何気なく聞き流していたスタンダード曲の歌詞の意味を改めて認識させられると共に、この本で取り上げられなければ恐らく出会うことの無かった隠れた佳曲にめぐり合うことも出来、村上氏の趣味のよさと守備範囲の広さに敬服する。  個人的には、「ミス・オーティスは残念ながら」や「五時のホィッスル」といった、古めの渋い曲が味があって好みだ。  和田氏のイラストもチャーミングで、日曜の午後コーヒーでも啜りながらページをめくって、取り上げられた歌曲を含むレコードに針を落とせば最高だろう。  クリスマス・プレゼントに最適な本だと思うし、版元もそのへんをにらんで発売日を12月10日に設定したのではないだろうか(H20.4.13)。
音楽を聞くのがもっと楽しくなります
結構沢山の音楽を聴いてきたけれど、あんまり歌詞の意味にこだわらなかったような気がしています。こだわって高校の時代から自分で訳してきた村上さんとぼや〜っと聞いてきた僕と、ほぼ同年代でありながらえらい隔たりができてしもうたと今回再認識した次第です(昔から思っておりますが)。特に「Miss Otis Reg ets」の意味にはびっくりした。エラ・フィッツジェラルドの「マダ〜ム」というフレーズだけが心地よく響いていたのですが・・訳詞を読んでびっくりしました。他もただ詳しい解説を通り超えてその時代・背景を取り込んだ実に感慨深い本になっております。「Galveston」とか「Suicide Is Painless」なんかは時代ですね。こういう聞き方をすればひとかどに人間になれるという薀蓄の深さです。ただ驚くばかり。和田さんもすごいですわ。
いろんな発見に満ち満ちている。
好意を寄せる相手から素敵なプレゼントをもらったような気分にさせてくれる本だ。 知る人ぞ知る音楽通である村上春樹が、『人生のイミテーション』(R.E.M.)、『神さましか知らない』(ビーチボーイズ)、『中国行きのスロウ・ボート』(フランク・レッサー)、『生きているうちにしたいこと』(シェリル・クロウ)といったスタンダードやジャズ、ロックなどのさまざまな曲を訳し、解説を行ない、これまたディープな趣味人である和田誠の挿絵が曲ごとに配されている。ライナーノーツ、音楽書、大人の絵本、英文和訳のテキストと、どんなふうにでも読み取れる主旋律に、イラストとアルバムジャケットのビジュアルが副旋律として寄り添う、59歳の俊才と71歳の才人によるカラフルで楽しいデュエットだ。 村上春樹の個人的な思い入れが綴られた平易な文章を読み、和田誠の映画のワンシーンを切り取ったようなレトロかつモダンなイラストを見ていると、知っている曲ならばCDを引っ張り出してすぐにでも聴きたくなるし、知らない曲なら「聴いてみたいな〜」という心持ちになる。実り多き音楽畑へといざなう、念の入った二人のたくらみに、そそのかされるのが実に気持ちいい。全29曲のうち(2曲は「和田ソングズ」)、私は、バート・バカラックが作曲し、エルヴィス・コステロが作詞した『この家は今はからっぽだ』に一番、聴取欲をそそられた。 村上春樹の『ノルウェーの森』(本当は『ノルウェーの家具』だが)には、タイトル以外にもビートルズの曲がたびたび登場するし、『ダンス ダンス ダンス』は半ば80年代ロックのこきおろし小説だ。いっぽう、和田誠は「表紙はうたう」と銘打って週刊文春の表紙イラストを30年以上にわたって描き続けている。音楽が2人の本業に、いかに深くかかわっているか、それをあらためて感じさせてくれる一冊であり、ハードケース入りで宝物のような存在感を漂わせた、ぜひ手元に置いておきたい一冊だ。
村上訳の魅力が存分に発揮されている
「ソングス」な本ですが、メロディよりも「詩」に重点がおかれています。 もちろんCDがついているわけではないので、必然的にそうなっていくわけですが、 村上さんが大好きな曲からのセレクトで、構成されているので、読者にとって、 また一般的に知られているかどうかはもちろん意識されているわけではありません。 このため、先入観無く英語の歌詞を見て、そして村上さんの訳である日本語の詩を 読んで、その世界に入っていくことができます。 彼の1曲1曲に対する愛情のエッセイも秀逸です。 和田さんのイラストも世界観を表していて素敵です。 曲が聞こえなくても、知らなくても、もちろん知っていても、シンガーのことを 良く知らなくても、知っていても、共感できる作品。 意外な発見と喜びを感じさせてくれました。 でも、もちろんこれから聞いてみます♪


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くちコミ情報
懐かしい旅ルポ
 ああ、懐かしい、この感覚。もう二十年以上前だろか、椎名誠が日本、世界のあちこちを旅して回った、いわゆる旅ルポが流行った。よく読んだ。東ケト会、東日本何でも蹴飛ばす会だったかな? シーナと彼の取り巻き連がどこへでも思いつきで出かけて行って、面白可笑しくルポをするというもの。『日本細末端真実紀行』、懐かしい。そういうテイストがこの本に受け継がれている。のかどうか知らないが、そんなノリである。面白いと思う人には面白いだろうけれど、どこが面白いのかわからないという人には、分からない。ハマるかどうかだな。基本的には旅ルポは好きなので、読むほうだ。やはり出色は「名古屋」「熱海」「ハワイ」か。村上氏、吉本氏、都築氏三氏の視点が食べ物のなんじゃこりゃトリヴィアルからうらぶれた温泉地の再開発的なデザイン提案にまで及ぶところはなかなかの観光論にもなっている。2002年から2004年の雑誌の連載なので2008年の今どうなのかはわからない。こういうものは旬があるから仕方がない。うむ、うむ、ふふ、ふふ、あーそうか、時々笑いを入れながら読む。でも最後の「サハリン」「清里」あたりになるとだんだんテンション下がり気味なのはちょっと長すぎるせいか?全524頁。写真、三氏の対談付き。
苦笑
ユニークな三人組が、ちょっと外した場所へ行くという企画。 私は愛知県出身なので、名古屋の章は「なるほど、外の人からみるとそう見えるのか。」と思いました。 愛知を離れてすでに短くない年月が経っているのですが、やはりここまで突き放してみることはできず、深いんだか外しているんだか微妙な考察になかなか複雑な苦笑を浮かべながらの読書となりました。 熱海や清里だと、素直に「そうそう」と思うのですが、地元の人々には、これらの章も複雑な思いかも知れませんね。 行ったことのないホノルルやサハリンの章は、無責任に楽しめました。 でもこれを読んで「行きたいなぁ」とは思わない(いや、ホノルルはちょっと思ったかも・・・)です。
人生、楽しんだもん勝ち
「幸せの敷居を低くするのが、人生をハッピーに生きるコツなのかも」…あとがきにある都筑さんのことばです。まさにその通りだと思います。 魔都・名古屋の章がいちばん楽しめました。名古屋という土地の持つ魅力はもちろん、お三方の「楽しんでやる!」という熱量がハンパなかったような気がして。 「一緒に旅行に行って楽しめる人かどうか」は、冒頭の都筑氏の提言(?)に賛同できるか、実践できるかどうかで分かれてくるのかも。


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