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【くちコミ情報】
美術史を勉強したいなら
美術史という学問は元来ドイツで生まれ、日本に輸入された比較的新しい学問であるがゆえに漠然としか理解出来てない人が多い。しかし、それをはっきりと理解させてくれるのがこの本である。著者が実際に英国の大学で美術史の教鞭を取っている人物なので非常に説得力がある。また、学生の手引きという要素が強いので美術史家を育てようという意図があり、作品に対するスタンスなどがよく分かり、教育的内容だ。美術史をこれから勉強しようと思うならこの本はお薦めである。
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写真は衝撃的なまでに清清しい
砂漠の風景が、不毛であるからだろうか。美しい。著者が書いているように、創造的な気分にさせる。そしてその清清しさに横たわる無残な動物、家畜の屍の山。見事な対象。恐怖を真に迫らせる。 しかし、文章の一文が、どうしても気にかかる。書かざるを得ない。「二発の原爆の投下がなければ、戦争は長引いただろうが」…「地上戦は避けられなかった」と言う文。 日本は原爆投下前に、戦争終結させようとしていたのですよ。ソ連を仲介として、停戦交渉さえしていた。しかし、ソ連(そんな国今は無いですけど)は、ヤルタ会談を、たてに裏切り、樺太、満州、朝鮮に攻め込んだ。そして、シベリア抑留者が大量に発生したのです。 日本は原爆という悪魔の兵器が無くとも、自ら戦争を終焉することが出来たのです。 かくした、消極的原爆肯定論に、私は、激しく反駁する。 左翼は、また左翼系”反核団体”は何もどうしていはないのか?
現代アメリカの負の記録
レイ・チャ-ルズにス-ザン・ソンタグという組み合わせに開いた写真集。原爆開発の実験が行われた辺境の地/突然死した家畜の廃棄場所/射撃練習に使われたPB誌のペ-ジという三篇からなる軍国主義と文化の暴力に絞った写真の数々。常に敵を想定せねば前進できないアメリカという国の一面、銃と共存している生活について考えさせられた。
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【くちコミ情報】
正札のついた買い物しか、できない
超一流の画商と、名画を買いあさる大富豪たちとの、やりとりがおもしろかったですね。売り手も買い手も、つねに相手のハラを探りながら、商談をすすめていくなんて、想像もしませんでした。オークションのように、はい落札!と、事務的に決まるものかと思ったらおおまちがい。デュヴィーンは、ひとくせもふたくせもある大富豪たちを、絶妙なセールストークで落としていきます。大富豪といえ、金を出せば、どんな絵でも手に入れられるわけではありません。稀代の画商は、顧客たちを教育し、コレクションをすすめます。正札のついた買い物しかしない(できない)私たちには、とてもついていけませんけど。
華麗なるかな、そのビジネス。
日本における実質的な古美術商(但し、茶道具は又べつの話である)の歴史は明治に始まる。明治の元勲や財閥の当主たちは、その財力に物を言わせて、さまざまな古美術品の収集に血眼になり、売立てで二つとない名品が出たときには彼らの間ですさまじい競り合いが何度となく繰り返されたと聞く。 p この本はちょうど日本のその時期に活躍したデュヴィーンという画商についての伝記である。但し彼が活躍したのはアジアではない。美術品については金に糸目をつけない米国の新興資本家へヨーロッパからの名画購入の仲介を行ったのである。彼が扱った名画のリストを見ると驚かされる。ラファエロ・レンブラント・ゴヤ等々の名が延々と続き、その絵のかなりの部分は、今、アメリカのナショナル・ギャラリーに寄付されて展示されている。 p デュヴィーンと顧客との間のさまざまな名画についてのエピソードがこの本の中心部分だが、ナショナル・ギャラリーを飾る名品の裏にこのようなエピソードがあったということについて興味深く読ませてもらった。 p 但し、読んでいくにつれやるせない部分もあったのも事実である。確かにデュヴィーンの扱ったのは誰がみても名画といえるものだが、それを買ったアメリカの「成金」達はその絵の価値を本当にわかって買っていたのか疑問に思うような買い方をしているし、暗に著者もそれを揶揄するような記述をしている。デュヴィーンには同時代の日本の古美術商のように顧客を「目利き」に仕立てるというサービスが無かった用に思う。
大コレクターが輩出した時代に活躍した大画商
美術品の移動は権力と金力の移動でもある。この本に書かれているヨーロッパからアメリカへの美術品の移動は、現在のアメリカ各地の美術館への寄贈品として、鑑賞するわれわれにも影響を与えつづけている。こうした大コレクターが活躍する時代はもう来ないかもしれないが、デュヴィーンの様な画商とベレンソンの様なオーソリティーの時代も共に去ったのだろう。 p 美術品を継承し続けて来た王侯貴族の系譜に連なる最後の一族である大資本家とその時代 美術品とコレクター ベレンソンという大ジレッタントの美術史家、いずれに興味がある向きにも面白く読めると思う。
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欠点だらけの編著本
執筆陣の水準が論考対象トリシャに比べて、おそるべき低さ。論考がみんな短すぎてトリシャのすばらしさを描写しきれてない。水増しというか水で薄めたというか、とにかく水ぽい本に仕上がっていて残念。ダンサーの本なら、それらしくダンス批評家のがっちりした文章を読ませてほしかった。本書にあるのは、おざなりの解説とオマージュにすぎん。本が薄すぎるのだ。 ちなみに「在庫切れ」というのもガセネタ。俺は本屋に注文して1週間前ゲットした。3倍から4倍の値段で古本屋が出品してるが、あこぎなものだよなあ。 第一、こんな本が品切れになるほど売れるわけがないではないか。 いくら版元が少数販売を専門にしているとはいえ。
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| アンディ・ウォーホル全版画―カタログ・レゾネ 1962‐1987
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複製のための固有名
固有名は社会的に伝達=伝承されるものだ、という説がある。ウォーホルはその媒体、即ちメディアである。しかし、未開民族における口伝などは情報があふれる昨今において一向に役立たとうとせず、ウォーホルは途方にくれる。そこで彼は自らを匿名の場におくことで解決を図る。彼の結論、それは誰でもが描き得、また作者さえを全く必要としない絵を描くことであった。これにより白髪鬘の奇天烈画伯の誕生が決まる。自らを商品として奉げることを義務付けられた資本主義社会に、匿名へ追い込まれざるを得なかったように振舞う者は商品としての固有名が散在する社会の状況を曝け出す。ウォーホルのカムフラージュを見るがいい。空恐ろしさの外なにものでもない。唯なる無辜のメディアが包隠さず見たままの社会を描くとこうなるのである。このカタログはすばらしい。自己撞着を繰り返すメディアとしてのウォーホルがたどった不幸な成長の軌道をなによりも克明に描いている。
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ジャーナリスティックな視点が良
~友人の薦めで購入一気読み。ニューヨークタイムズに連載されていた、マイケル・キメルマンによるアーティストへのインタビューを纏めた本だ。13人(原著は18人である)の著名な美術家たちが美術館の作品を観ながら美術史を中心とした語り行っていく。キメルマンはジャーナリストらしい的確さで詳述していく。この本の面白さはこのジャーナリスティックな~~視点によるところが大きい。事実確認の正確さや状況描写の精密さなどはたの美術書には見られない部分である。だが、プライヴェートなエピソードやアーティストの思考に触れる部分もあるが、それらを深く掘り下げることはしないのもまた、この視点のゆえであろう。アーティストとして(あるいはアートの信奉者として)読めば、物足りない部分もあるが読み物と~~しては滞りなく読める。~
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この世に残したのはわずか35作品だが、オランダ人画家ヨハネス・フェルメールは17世紀芸術を代表する、いまだに謎の多い人物の1人だ。わずかに残る法的書類からでは、その人生を十分にうかがい知ることはできない。しかし、光と質感を巧みに操り日常生活を描いた数々の名作で、フェルメールはオランダ芸術の黄金時代を象徴する画家となった。特に、無名の少女を描いた肖像画「真珠の首飾りの少女」は、何世紀にもわたり、見る者を魅了し続けてきた。そしてこの人を引きつけてやまない名画が、トレイシー・シュヴァリエの2作目となる同名小説のモチーフとなっている。 『Girl With a Pearl Earring』(邦題『真珠の耳飾りの少女』)の舞台は1660年代。オランダ西部の都市デルフトに暮らす裕福なフェルメール一家の様子が中心に描かれていく。この一家の召し使いとして、グリートという控えめだが頭のいい本書のヒロインが雇われたことで、さまざまな波紋がフェルメール家に生じていく。このわずか16歳のヒロインが主人フェルメールと急速に親しくなっていったのがはじまりだった。やがてフェルメールは彼女を助手として取り立て、ついにはモデルに起用することとなる。嫉妬深い画家、絶えず妊娠しているその妻やむっつりした義母などを軸に、一家に漂うなんとも複雑な緊張感をシュヴァリエは見事に再現している。「召し使いとその主人」という関係がやや時代遅れに思えるくだりもあるが、『Girl With a Pearl Earring』には、最終的にうまいと思わせる工夫が凝らしてあるのだ。 シュヴァリエは終始一貫して、明快かつ綿密で鋭い観察力に基づいた見事な筆さばきを披露する。シュヴァリエが画家フェルメールへ捧げるオマージュが、そのきめ細やかな文章から読者にも伝わってくる。毎日グリートがこなす一番単調な仕事の様子でさえ、シュヴァリエの手にかかると控えめな輝きを放ち、幸福感に満ちた光景となる。 御主人様が薬屋からお持ち帰りになった象牙や鉛白、セイヨウアカネ、一酸化鉛。そういった材料を混ぜ合わせて絵の具を作るお仕事がだんだん好きになってきた。輝いてまじり気のない美しい色を出せると、本当にうれしいのだ。材料を念入りに混ぜれば混ぜるほど、色にはいっそう深みが出てくる。ざらざらとした冴えないセイヨウアカネの粒がしだいに燃えるような赤い粉へと姿を変え、そこにアマニ油を混ぜると、目の覚めるような色をした絵の具のできあがりだ。うまく混ぜ合わせれば、ほかの色も魔法のように出すことができる。 シュヴァリエによると、このように詳しく描かれた日常のささいな事柄は、サイモン・シャーマの名著『The Embarrassment of Riches』からヒントを得たらしい。本書は、ここ最近次々と発表された画家をテーマにした一連の作品、デボラ・モガッハの『Tulip Fever』 や スーザン・ブリーランドの『Girl in Hyacinth Blue』の流れをくむものだろう。それにしても、このオランダの芸術黄金時代に題材を見い出した小説はこれからも発表されるのだろうか? この疑問を説くには時間がいるが、現時点で『Girl With a Pearl Earring』は思索的な歴史フィクションであり、画家フェルメールの魅力的な新しい一面を引き出した傑作だ。
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素晴らしい恋愛小説
17世紀オランダの画家フェルメールの絵「真珠の耳飾りの少女(青いターバンの少女)」の舞台裏を描いた小説です。 この小説を読んでいると、デルフトの街を一緒に歩きフェルメールの屋敷に住んでいる気分になれるほど、臨場感溢れる描写が続きます。 そうした環境の中で、フェルメールとフリートの主人と女中と言う関係を超えた心の通い合いが見事に描かれています。 この相互の感情が、どれほどのものであり、どれほどの恋心であったかは、当時の時代背景を考慮に入れれば、相当強い恋愛感情だったのだろうと思われます。 このあたりの心理描写は素晴らしく、主人(婿養子)としてのフェルメールの感情を殺した行動と、抑えても抑えても溢れ出てしまうフリートの感情が、実に良く伝わってきます。 更に、映画と違うラストの1章が、フェルメールの押し込められていた感情が表面に打ち出されます。 フェルメールの絵画のバックにあるものを知る上でも素晴らしい作品だと思いますが、それ以上に素晴らしい恋愛小説だと思います。
異性に対する男女の感覚の違いがわかるかも
17世紀のオランダ人画家フェルメールの肖像画「真珠の首飾りの少女」(青いターバンの少女)を元に書かれた小説。舞台は1660年代のデルフト(オランダ)。父が事故で失明したために少女グリートは画家フェルメールの家に召使として働くことになる。彼女は色彩感覚豊かで、主人フェルメールの作画を手伝ううちに次第に親しくなり絆を築いていく様を当時のオランダの生活習慣や画家の生活を紹介しながら描いている。一応、恋愛小説なのかも知れないが、二人の間の感情を恋愛と呼ぶかは難しい気がする。随所に面白さが巧みに表現され、最後はきれいにまとめている。また、「真珠の耳飾の少女」以外にも「デルフト眺望」、「牛乳を注ぐ女」など数多くのフェルメールの絵画も紹介されているので美術史も楽しめる。映画化もされている。こちらは小説を少し趣を変えて上手くコンパクトにまとめてある。グリート役のスカーレット・ヨハンソンの演技が良い。
フリートの思いが切々と伝わる。
全8時間の朗読になります。イギリス英語の一人称小説です。言葉数の少ないフリートの画家に対する心の声が切々と胸に迫ります。特に難しい表現もないのでaudio ookのなかでは易しい部類に入るでしょう。少し長めですが、ラスト1時間の展開は有無を言わせず、息を呑みながら一気に聞いてしまいました。本文中、音声ではVe me eはヴァメール、G ietはクリット、Tannekeはタネカと聞こえました。邦訳ではフェルメール、フリート、タンネケとそれぞれ表記されています。オランダ語はどのような発音体系になっているのか、違った意味での興味も広がります。
とっても良かった!!
映画もとても良かったけど、小説はさらにすばらしいと思います。私は映画を見る前にこの本を読んでしまったので、映画のラストは少し物足りない気がしました。小説で描かれているラストの展開は映画向きではないということで、小説とは違った結末にしたということのようですが。画家の少女への秘めた想いはあのラストシーンを読むまで解らないような気がするのです。どちらにしても「そうだったかもしれない」という、読む人、または観る人の想像力をかきたてるすばらしい作品だと思います。
少女の肖像
名作である以上当たり前なのですが、この少女の肖像にはどこかで見たという感じがつきまとっていました。ペーパーバックの表紙にもなっており、ジャケ買いではありませんが、この少女は誰、描かれた背景は…と読み始めました。ただ、これは謎解きのミステリーではなく、この絵の誕生も含め、それにまつわる人々が織り成していく物語です。 G ietの周囲への冷静な視点がなかなか魅力的です。最後の決断も、私には彼女らしいものに思われました。映画化されているようですので、見てみたいと思います。
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