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【Amazon.co.jp】
添えられた副題から、ウェーバーの『職業としての政治』や『職業としての学問』を思い起こす人がどのくらいいるのだろう。多くの人は、無邪気かつ直截(ちょくせつ)に、よく見かける「~になるための本」のたぐいを想像し、本書を実用情報を扱った、単なるガイドブックとみなしてしまうような気がする。 ただし、この見方も当たっている部分がないわけではない。ウェーバーの本にも、政治が現実的な力学の所産だという大切な前提があるし、本書にしても第4章「翻訳の市場」以降では、翻訳家をめぐる現実環境の分析と、かなり詳細な職業情報とが紹介されているからである。 しかし、ウェーバーが政治はあくまで政治であり、倫理ではないからこそかえって政治家特有の実益を超えた倫理が必要なのだと主張したように、翻訳の第一線で活躍中の著者もまた、翻訳家の実務環境をたどったうえで、自身のなりわいに職業的な倫理のやすりをかけようとしたように見える。 では、その職業倫理とは何か。本書に倣って強引に要約すれば、それは、「訳文に対する“結果責任”をまっとうすること」なのではあるまいか。実例を交えた翻訳の考察、歴史上の翻訳者たちの足跡紹介、翻訳技術論…。本書を貫く記述のすべてが、この基本の延長線上にあると思えるのだ。 翻訳家を志す人、翻訳とその文化的背景に興味をもつ人、本書はそんな人にすすめたい、今どき貴重な真の参考書である。(今野哲男)
【くちコミ情報】
副題通り
副題「職業としての翻訳」が示す通り、これは翻訳で身を立てるということの意味、難しさ、醍醐味などを論じた本である。そしてその議論は非常に深い。職業としての翻訳に真剣に取り組んでいる者であれば、我が意を得たりと頷ける箇所あり、そんな視点があったのかと膝を叩く所あり、技術的なことよりも一段深い部分で自分を高めてゆく為のヒントありと非常に有意義な一冊である。特に面白かったのはヘーゲルの『精神現象学』の金子武蔵訳と長谷川宏訳を比較検討した1章で、金子の翻訳の淵源が中世以前の漢文にあったという指摘にはなるほどと思わされた。また「終わりに」で為されている主張も、切ないながらも力強い言葉であり、本物のプロの翻訳家ならば大いに勇気づけられるであろう。
翻訳を志すもの、必読の書
翻訳を志すもの、また、翻訳に既に従事しているものにとっても必読の書です。 翻訳市場や、技術、歴史、辞書、翻訳者、その予備軍などについて様々述べていますが、その根底にある考え方は一本です。「翻訳とは執筆」です。筆者の言うように、翻訳は他言語を日本語に置き換える作業そのものではなく(この作業も重要な役割を持っているのですが)、著者の意図を著者が想定している読者に如何に効率的に届けるかという作業だと思います。筆者の専門と異なる産業翻訳にも同じようなことを強く感じます。「裏の裏のまた裏」を読み取り、村田蔵六が蘭書の内容を具体的にイメージしたように「著す」ことが翻訳だと思います。 明快な筆舌ですが、少し書く姿勢に癖があると感じるかもしれません。それでも、翻訳について様々な観点から論じたこの本は、翻訳を真剣に志す人には、色々なことを深く考える手がかりを与えてくれる本だと思います。
仰る通り
確かに、何様のつもりなんだという読後感が残ります。結局のところ、世に翻訳家を名乗る人間は、初志貫徹できず、紆余曲折の末、翻訳業なる裏方の職業にたどりついたという経歴の持ち主だからでしょう。裏方であることに我慢がならず、一言二言吼えてみたくなるという、一種の屈折した心理が感じられます。
辞書が物凄いスピードで陳腐化していく時代
企業内翻訳者として金融経済の翻訳に携わっている者からすると、この本に書いてあることは頷けることばかり。ビジネス・経済・産業の分野で唯一ある程度使える辞書(それすら十分ではない)の監修をしておられるのが山岡氏で、現場の人間からすれば辞書の間違いを見抜けるぐらい出なければ仕事にならないというのが本音だ。我々は、明治時代の小説家が新しい口語日本語を創造したのとはまた違う意味で、日々新たな概念と商品が生まれる時代を生きており、伝達可能な日本語の文章を作り出さなければならない。 p 英語がもてはやされる時代、翻訳学校ビジネスが大繁盛しているというくだりは非常に面白かった。専門知識・英語力・日本語力のうち最低でも1:1:1ぐらいでなければ翻訳という仕事は出来ない。強いて言えば3つのうち最初の2つの比重が8割を超えるかもしれない。 p ある雑誌が行ったアンケートで翻訳者の報酬が少なすぎると指摘されていたが、これは副業として翻訳をしている人が一定数いる以上、正業としている人と同列に比較しても意味がないと思った。上記のような事情から需給のギャップも生じているかもしれない。しかし安かろう悪かろうな世界なのだ。
一読の価値はあるが・・・
翻訳はそれなりに手掛けてきたつもりだが、あくまでも副業であり、翻訳業界のマクロ的な状況に関心を持つことはなかった。そのため、本書を読んでなるほどね・・・と得心する箇所もいくつかあった。しかし、本文中の「辞書の訳語はすべて死語なのだ」といった物言いは、不遜であり、一翻訳家に過ぎない著者の分を超えている。そもそも辞書は、職業的翻訳のための手引書ではない。翻訳家としてこれまで辞書から受けたであろう莫大な恩恵を肝に銘じ、辞書編纂者の献身に対して素直に頭を垂れるべきである。
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【くちコミ情報】
続編もぜひ
薄い本ですが、中身は非常に充実しています。よく見かける単語の中で、誤解されていることが多いものを取り上げて、検証しています。実務で英語を使用している人だけでなく、学習者もぜひ購入して熟読して欲しいと思います。続編も出版して欲しいです。 p ただ、"contents"に関して一言。P.38,39の記述を見て、複数形の"contents"は「目次」という意味にしか使えないと誤解する人が現れるのではないかと心配です。実際は、「情報内容」、「データ」という意味で複数形も使われています。たとえば、"Mic osoft Compute Dictiona y Fifth Edition"で"Lock"という見出し語は以下のように説明されています。 p "A mechanical device on some emova le sto age medium (fo example, the w ite-p otect notch on a floppy disk) that p events the contents f om eing ove w itten." p 第4版でも複数形の"contents"でしたから、誤植ではないと思われます。
英語を使っている人なら誰でもわかる内容
「p ovide」は「提供する」だろうか? 「include」は「含む」だろうか? 誰でもやりがちな「辞書の先頭訳」を使った、条件反射的翻訳。この本は、そのようなパブロフの犬的翻訳に警鐘を鳴らす。 どの国の言語のどの単語も、日本語の単語とぴったり重なることは決してない。この本は、そのことを思い出させてくれる。 p 翻訳にたずさわる人はもちろん、関心のある人、勉強中の人、仕事で英語を使う人、英語が好きな人、どんな人が読んでもおもしろくて役に立つ。 技術翻訳のチェック作業に携わる私は、この本をいつも手元に置いて置き換え的翻訳にならないよう注意しながら仕事をしています。
内容はよいが用例が不適切
英単語とその和訳との「微妙だが無視できない」違いを、実例を挙げ、統計データまでとって解説した本。ときには学習英語の常識がほとんど「誤り」であることも指摘されている。これらは沢山の英文を読んでいると何となくわかってくることではあるが、英文理解の上で大変重要な点である。著者の解説もおおむね明快。但し、この本で引用されている例文の大半が、アメリカ政府の公式文書など、政治経済関係の硬い文章である。意味のわからない専門用語がたくさん使われており、日本語訳と意味の説明をつけてもらっても、私などには興味もなければ理解も困難。どうしてふつうの英文を使ってくれなかったのか?ほとんど日本語だけを読み飛ばしたが、せっかくの好企画がこれで台無しである。
本物の語彙を身につけたいなら
すでに学校を卒業して学校英語から自由になっている人にはすんなり受け入れられることだと思いますが、外国語としての英語を学びつづける限り、本物の語彙を身に付けるためには、とにかく使われている英語の中で学びつづけるしかありません。読むこと、聞くこと、話すこと、書くこと。すべてにわたって、自分の英語力を伸ばすためには語彙が大切。そんなことはわかっているのですが、ついつい、その場しのぎに、英和辞典や英英辞典の記述をさっとよんで、それでわかったような気になってしまっているのです。 p この作者はそれではいけない。といっています。 それはなぜか。 そうやって、『同じ』ではないものを『同じ』と思い込んで覚えこむことで、 結局私たちが混乱させられているのだ。 p それがこの著者の主張です。 違うものは違うのだ。その違いをできるだけ明確に意識することで、 本物の語彙を身につけることができるのだ。 そのとき、『英語は英語で』などといわずに、きちんと、日本語からのアプローチも欠かさないところが、職業柄というか、律儀なところです。 p 自分自身、気づかないところで混乱していることを発見させられるかもしれません。ぜひ、ご一読を。
適訳はどうやって見つけるか?
Includeは「含む」でいいか?t aditionalは「伝統的な」でいいか?と著者は問う。いい場合もあるし、イマイチの場合もある、というしかない。文脈によってぴたりときまる訳語を選ぶのが翻訳者の仕事だ。わたしは翻訳を職業としているがこの本に不満なのは類書を一歩も出ていない(中村安男や飛田茂雄など)どころか発想的に退歩、あるいは勘違い、しているのではないか?ということ。たとえば、著者は統計的にある英単語がどういう和語に訳される場合が多いか?を実際にネットで調査したという。しかし、こういう統計データなど翻訳現場ではまったく役に立たない(辞書の記述順を使用頻度にするため、には有用だろうが)。そもそもの誤解は、英和辞書は、英和翻訳にとって何か?という認識が私から言わせればおかしい。英和辞書は辞書(意味の解説)を行う(べき)本であり、訳語を見つけ出すための本ではない(ほとんどのヒトが誤解しいている)。適訳は日本語シソラス(市場にない!)から見つけ出すしかないのだ。これは英訳する場合に英語シソラスが必須であることを考えれば分かる。英和辞書は、「一例としてこういう訳語もつけることができる。これ以外の適訳は各自考えて探しんさいね!」と読むべきだ。日本語シソラスの代償として、たとえばBa a a Kipfe 著のRoget's 21st Centu y Thesau usは和訳をする場合には役立つ(掲載している多彩な英語シノニムから、多彩な日本語を発想させる。。)。Roget'sを「和訳」してもかなり使えるのじゃないだろうか?
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客観的かつ冷静な分析
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ここに紹介するのは、企業の合併・買収(M&A)の事例、特に大型案件を詳細にレポートした上下2冊本の下巻である。上巻では、アメリカにおける合併・買収の歴史的事例の紹介と、合併・買収の戦略論が展開されたが、それに続くこの下巻では、第1に、医療産業における合併・買収の事例紹介があり、第2に、合併・買収の実務に関する立ち入った記述がなされている。著者のワッサースタインは法律家で、千件をこえるM&Aを手がけたベテランだ。M&Aの実務をレクチャーするのに、これほど適した人はいないだろう。 さて下巻ではまず医療産業の合併・買収がとりあげられている。ここで医療産業とは、病院などの医療サービス産業と、医薬品を開発・生産する製造業の2つをさす。アメリカではその両方において合併・買収が活発だ。特に、市場が急速にグローバル化するなか、大手医薬品メーカーによる大型の合併・買収案件が増えている。世界市場へ浸透しスケールメリットを実現するのがねらいだ。この部分は、上下2冊で紹介されている合計100以上のM&A事例のなかで、読んでいて最も「血わき肉おどる」部分である。 次に、合併・買収の実務を論じた部分では、合併・買収を支える弁護士、投資銀行家、会計士など多様な人々の役割、買収価格の算定、会計処理の方法、M&Aの攻撃および防衛の戦術、政府の介入、等々がとりあげられている。単なる教科書的説明でなく、事例を使った生き生きした書きっぷりなので、読む者を飽きさせない。 実務経験豊富なせいか、さすがと思わせる指摘もある。たとえば「買収価格算定の基本原則は、1にファンダメンタルズ、2にファンダメンタルズ、3にファンダメンタルズである」という指摘。産業や企業の実態に即した算定が大切だという意味である。「要は計算されたリスクをとり、ギャンブルに手を出さないことだ」という指摘も、思わずなるほどとうなずいてしまう。(榊原清則)
【くちコミ情報】
KKR、ピケンズ、ミルケン・・・
この上巻は、アメリカのM&A史ともいえる内容だが、20世紀アメリカ 産業史の栄枯盛衰について書いた本でもある。逆に言うと、いかにアメ リカの産業において、M&Aが大きな意味をもっているかが良くわかる と思う。
M&Aをその内側から楽しく理解できる!
とにかく面白くて素晴らしい本だと思います。やはり筆者が長年M&Aを手がけてきた辣腕弁護士だけあるので、この分野にまったくかかわりのない私でも、M&Aを実務&技術的な面から理解することができました。やはり、どんな名画を鑑賞するにしても、その技術的な側面がわからなければその真の意味を理解することができないのと一緒で、実務にかかわるものが現場の内側から技術的な問題&戦術を説明してくれることでM&Aをかなり深く理解できるのではないでしょうか。そのような著者が言う、「買収価格などを決めるときは、流行の金融工学の数式が大切なのではなく、あくまでも被買収企業やその業界のファンダメンタルズである」というのは非常に説得力があります。 p また、この分野には、弁護士、投資銀行、会計士、IRS、SEC、裁判所、裁定取引ファンド、年金基金の機関投資家など現在の金融界をリードしているプレイヤーたちが参加しているので、今後日本の金融界がどういった方向に向かっていくのか指標を与えてくれるのではないでしょうか。 p 最後に、この本の構成は素晴らしいと思います。上巻はおもにアメリカのさまざまな業界でのM&Aの歴史。下巻はその実務書といったところ。ただお決まりの抽象的な、読んでるうちに枕にしたくなるような実務書ではなく、個々の技術的な側面が現実の買収劇の中で反映された実例と、伝説のM&A専門弁護士達の戦術をエピソード形式で盛り込んでいるので、単純に読み物としても楽しめます。M&Aにあまり知識のない私のような読者は、下巻から読んだほうが、具体的なM&Aの戦術などを理解できるのでよいかもしれません。実際に上巻から読んだら、インターネットでM&A用語引きまくりでした。笑 また、下巻で税法について書いてある箇所は複雑なので、伊藤公哉氏の「アメリカ連邦税法」などを参考にするとよいと思います。
網羅的&実務的
M&Aの第一人者が書いただけあって、説明がとても具体的です。ただ分量が半端じゃないので読物というよりは、辞書か実務の手びきがわりに使ったらいい本です。読んで楽しいとかいった本ではありません。
ギフト券ゲットー!!
法律実務家(クラバス・スウェイン&ムーア)として企業法務を知り尽くし、そして投資銀行家(ファーストボストン、ワッサースタイン・ペレラ)として米国M&A現場でエクセキューションの数々をこなしてきたからこそ、彼の交渉ゲームとしての解説本である本書は、投資銀行においてM&Aに携わる者として手放せない一冊となっている。前半の各業界における経営戦略の本質を歴史を振り返りつつ分析しているが、彼の洞察力はすばらしい。彼が米国企業のトップのアドバイザーとして成功してきた理由は単にM&Aのエクセキューションのみにあったのではないのだと知った。なお、「野蛮な来訪者(Ba a ians at the gate)」、「マネーゲームの達人(Me chants of de t)」、「リストラのプロフェッショナル(The money machine)」、「投資銀行のビジネス戦略(Doin deals)」あたりが面白かったと思いますが、ほかに面白いものあれば、教えてください。
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すばらしい日本語
本国と植民地の関係について書いた部分。 すらすら日本語が頭に入る。 良い翻訳、良い日本語、いやすばらしい、と言ってよい。 しかるにこの価格は・・・困りました。
驚いた
現在の人が書くのであれば当たり前の事として処理されるが、200年以上の前の人が、 これだけの理論をもっていたことには正直驚いた。 商業、農業について、貿易、植民地、税金などについての考えがしっかりと記されている。 当時の植民地の状況なども詳しく記されており、歴史書としても通用する一冊だった。 (上下巻なので2冊) ただ、値段が高かったのが難点であった。もう少し購入しやすい値段であれば、 良かったのだが。
読みやすいけれど
下巻も上巻に引き続き書いてある記述が歴史的にも貴重な資料と言えますが経済学に精通する人以外には「退屈」かも知れません。 そういう人にはP.549の解説から読む方がいいし理解も早いでしょう。 国富論はあまりにも書いてある内容が広範囲なために読む章によってでも焦点がボケてしまいがちだが 解説から知れば 第1編は「ミクロ経済学」 第2編は「マクロ経済学」 第3編は「経済史」 第4編は「経済政策論」 第5編は「財政学」と要約されていてわかりやすい。 はじめに下巻末の解説から読み、次に上巻から読み進める 読み方としては問題集ドリルの答えから先にみるようで正しくはないかもしれないが こっちのほうが挫折しないで読み終えられるかもしれません。
神の見えざる手は働かない
さて、国富論は今まで中公文庫、岩波文庫から発売されていました。今回、改訳したものを出版したものです。 スミスは経済学の祖としてあまりにも有名ですが、彼の唱えたことが現実経済に於いて、本当に働いているかどうか検討すると、答は完全なノーです。見えざる手は働きませんし、働いていることを前提としている新古典派経済学は破綻しています。けど、この本から経済学が出発したことは明かです。この本を読んで、ミル、リカード、マルクスを読んでどの様にして止揚していったかを考える上でも良い本だと思います。けど、高価なのが難点。文庫を揃えた方が安くつきます。訳文はこちらの方が良いですけど、今後、引用文献として採用されるかが問題ですけど。
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市場主義経済の光と闇
現在日本が参考にし、また小泉総理が突き進めている市場経済。作者はこれを ターボ資本主義と称し、市場経済がもたらす利点と欠点を指摘している。 利点としては経済が発達すること。失業率が下がること。これはここ10年の アメリカ経済を見れば明らかである。 しかし、欠点としては市場経済の痛みは全員が分け合うのに対し、その果実は ごく一部の人しか受け取れないことである。具体的には貧富の差の拡大と その階層化である。この作者は非常に経済に通じており、役に立つ本であった。 惜しむらくはタイトルがいまいちぱっとしない事で絶版になってしまったのが 残念である。 この本が日本で出版されてから4年。日本は確実に市場主義経済に進みつつある。 同時に億万長者の増加(120万人年間3万人増)、とフリーアルバイターという 名の低所得者層の大量出現という貧富の差も広がっている。今こそ、この本が 注目されるときではなかろうか。
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企業の合併・買収(M&A)の事例を詳細にレポートした本だ。題名が示すとおり大型案件を中心に取り上げている。上、下2冊で構成されているが、ここに紹介するのはそのうちの上巻である。 この上巻では、アメリカにおける合併・買収の歴史的事例の紹介と、合併・買収の戦略論が展開されている。それに対して下巻では、合併・買収の実務に関する立ち入った記述がなされている。著者のワッサースタインは法律家で、この分野の実務では定評あるベテランだ。千件をこえるM&Aを手がけたという。アメリカ企業の合併・買収を見渡すのに、これほど適した著者はいないだろう。 この本でとりあげられている事例は、全体で100以上に及ぶ。1800年代から90年代までの事柄を含み、産業も製造業、鉄道、石油、金融、小売商業、放送、映画と幅広い。各事例の記述は詳細で、情報量がある。著者は合併・買収を美化していない。しかし、それを頭ごなしに批判するのでもない。「M&Aはそれがよいか悪いかどちらでもないかは別にして、企業の変革に不可欠な手段であり、変化の速度は増している」(3ページ)というのが著者の立場だ。予断を持たずにM&Aをとりあげることで、経済のダイナミックな動きを伝えようとする著者の記述のスタイルは、好感が持てる。事例ごとに、関係者の履歴(プロフィール)がコラムとして挿入されているのも興味深い。 19世紀から20世紀にかけての古い事例は、とくに注目に値する。アメリカが世界の覇権を握る前、J・P・モルガンなどが活躍した時代だ。アメリカ企業社会の勃興期の動きをはつらつと伝えるこの部分からは、多くの知識を得ることができる。 アメリカの資本主義の歴史が、会社の栄枯盛衰の歴史であったこと、食うか食われる、企業間の戦いが熾烈を極めたことが本書の記述から分かる。そして、その戦いを通じて、アメリカの産業が全体として脱工業化しグローバル化していったのである。(榊原清則)
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この上巻は、アメリカのM&A史ともいえる内容だが、20世紀アメリカ 産業史の栄枯盛衰について書いた本でもある。逆に言うと、いかにアメ リカの産業において、M&Aが大きな意味をもっているかが良くわかる と思う。
M&Aをその内側から楽しく理解できる!
とにかく面白くて素晴らしい本だと思います。やはり筆者が長年M&Aを手がけてきた辣腕弁護士だけあるので、この分野にまったくかかわりのない私でも、M&Aを実務&技術的な面から理解することができました。やはり、どんな名画を鑑賞するにしても、その技術的な側面がわからなければその真の意味を理解することができないのと一緒で、実務にかかわるものが現場の内側から技術的な問題&戦術を説明してくれることでM&Aをかなり深く理解できるのではないでしょうか。そのような著者が言う、「買収価格などを決めるときは、流行の金融工学の数式が大切なのではなく、あくまでも被買収企業やその業界のファンダメンタルズである」というのは非常に説得力があります。 p また、この分野には、弁護士、投資銀行、会計士、IRS、SEC、裁判所、裁定取引ファンド、年金基金の機関投資家など現在の金融界をリードしているプレイヤーたちが参加しているので、今後日本の金融界がどういった方向に向かっていくのか指標を与えてくれるのではないでしょうか。 p 最後に、この本の構成は素晴らしいと思います。上巻はおもにアメリカのさまざまな業界でのM&Aの歴史。下巻はその実務書といったところ。ただお決まりの抽象的な、読んでるうちに枕にしたくなるような実務書ではなく、個々の技術的な側面が現実の買収劇の中で反映された実例と、伝説のM&A専門弁護士達の戦術をエピソード形式で盛り込んでいるので、単純に読み物としても楽しめます。M&Aにあまり知識のない私のような読者は、下巻から読んだほうが、具体的なM&Aの戦術などを理解できるのでよいかもしれません。実際に上巻から読んだら、インターネットでM&A用語引きまくりでした。笑 また、下巻で税法について書いてある箇所は複雑なので、伊藤公哉氏の「アメリカ連邦税法」などを参考にするとよいと思います。
網羅的&実務的
M&Aの第一人者が書いただけあって、説明がとても具体的です。ただ分量が半端じゃないので読物というよりは、辞書か実務の手びきがわりに使ったらいい本です。読んで楽しいとかいった本ではありません。
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次の節目を予兆させるような下巻
富の未来の上下巻の下巻. 上巻では今まで起こってきたことをまとめて いるが,下巻では未来への予兆を扱っている. まずは,上巻での結論のひとつである「富」が知識に基づくものへと 変遷しているとの結論を受けて,「富」自身も変わってきていること. つまり,富は文明により左右されるし,文面をも左右することが 下巻の主題のように思える. 上巻に引き続き,資本主義と貧困をふたたび取り上げ,最後に各国の 変化の予兆をまとめている. 最後に環境問題をはじめとして,色々な問題が世紀末を迎えている現在, 悲観論だけでは何も生み出さないことを述べて終わっている. 次の波は来ていることはわかるものの,何がパラダイムチェンジしているかわからない. 上巻のわかりやすさに比べて,読み手の私自身が息切れをしてしまった下巻でした.
購入の価値あり
非常にためになりました。 本作を書くに当たっての準備資料を想像したら気絶しそうになります。 本巻には日本、中国、韓国についての各章があり、何度も読みました。
世界情勢を統一的にとらえる-これからどうなるのか?
おもしろい。これが正直な読後感です。 下記のような多様なことを扱っており、世界情勢を考える上で、一つの視点を与えてくれます。お勧めです。 1)年金制度を取り巻く財政難、教育現場と時代要求の不一致、政治機構の硬直化、価値観の多様性と頽廃、これは、日本のマスコミに取り上げられる、日本の問題です。トフラーによれば、アメリカも、まったく同じ状況であることを見事に描いています。 2)経済活動におけるITの果たす役割とそれがもたらす大きな変革、実体貨幣からバーチャル貨幣への移行。新しい富の予感。 3)同じく、世界が、貧困社会から抜け出せる可能性を示唆し、中国、インド、Euの果たす役割の重要性や問題点を浮き彫りにしています。またこれらの国にと関わる日本を含めた先進国の状況も分析しています。 4)そして、國を越えた新しい視点として、宗教やNGOのことについても議論しています。最近のイスラム教社会とキリスト教社会の対立という視点、グリーンピースなどの行為とその反響など、改めて、その流れが実感できた気がしました。 *最後に、翻訳者に拍手*
波の向こうには?
基礎的深部の時間、空間、知識や有形、無形の富などの言葉を巧みに使い、いわゆる第三の波の向こうへの道標をトフラーは築こうとしている。 人間社会の生活はこれからもどんどん向上して行くであろう。現在問題となっているエネルギーにしても知識の向上により解決して行くであろう。 果たして、波の向こうにはどんな世界があるのか? と考えさせられる書籍であった。
なるほど
うん、面白かった。 今、中小企業を取り巻く世界に関わりながら、 こんな感じかなぁ・・・・ と漠然と感じていることを、遠くアメリカでも同じことを感じているのだな、と感慨深かった。 本の冒頭に、現代のアメリカが持つ問題点が書き記してあったのだけど、日本と似てるねぇ(^^; 先進国の間で、かなりの同時化が起きていると感じた。 全部面白かったのだけれど、ハッとさせられたのが、会計士に払う報酬は、売り上げたら回収しなければならない、取引をしたら帳簿をつけつけなければならないといった、いわば不便さによって社会が払わなければならない「隠れた税金」だと断じていたことでした。 通貨が電子化され、共通化され、形が無くなって、記帳も自動ででき、集金の手間もなくなり、税金もある程度自動的に計算できるとしたら・・・やはり会計事務所のほとんどが倒産するでしょう。 しかし、「複雑化」した社会に対応し、膨大な料の知識から真実を見つけ出し、その顧客にあった取り扱いの方法をサゼスチョンする、ナレッジ・コンシェルジュのコンセプトが生きてくると思った。
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