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安藤 忠雄(著)
¥ 2,520(税込)
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カスタマーレビュー数:15
【くちコミ情報】
自分は建築系でもなく若くも無いけれど
自分の職業生活も毎日コンペに晒されている。職場でのポジションが上がるほど、負けたときの心理的ダメージは大きいのだが、数年前の好調はどこへやら、最近では文字通り連戦連敗である。先日自分でも自信満々でプレゼンしたコンペで次点に終わり、自分はもう社会からチョイスされない、この業界での商品価値がない人間なのだとぷっつり心の糸が切れた。会社をサボって本屋をさまよっている時に、この本に出会った。 「コンペで勝てなくてもアイディアは残る。実際、コンペのときに発見した新たなコンセプトが、その後に別なかたちで立ち上がることもある。」 私はクリエイターではない。だがコンペの時の努力が数年後に役に立つ経験は過去にもあったことを思い出す。たとえ今は負け続けていても、心身ともにボロボロであっても、明日はまた挑戦するために立ち上がろうという気力を、ゆるやかに満たしてくれる本だと思う。 そういえば以前、竣工間もない自らの建築物の中で、若い建築家の卵たちに講義する安藤先生をみた。燃え尽きることのない、熱の塊のようだった。
ただのひと
非常に人気のある建築家だが、あまりにもひどい建築作品を多く見すぎて、この作家の真髄に疑問を抱いている。 たとえば兵庫県立美術館や京都陶板画美術館など、どれもこれも似たようなコンセプトで設計され、見物客のことを二の次、三の次にした不便な建物は、外観も内観もいやになるほど陳腐である。 たくさんの作品を設計しすぎたという言い逃れもできまい。ひとつひとつの建築を丁寧に設計してこその建築家なのだから。 20年前は良い仕事をしていたような気もするが、今日の安藤はただの人である。 もはや彼の神通力はなくなった。 というか、もともと他の建築家(たとえば隈研吾や原広司にくらべて、それほど突出してすぐれた作家ではなかったということが冷静になった現在、見えてきた。
安藤忠雄とプラグマティズム
安藤先生の精神には合理性と不屈のファイティングスピリッツがある。まるで日本人にはない欧米的精神だ。建築には関係してない人にもこの本を読んでほしい。グローバルな時代に生きながらも、日本人精神を保つ生き方が安藤先生には備わっている。プラグマティズムと日本の美感を大切にしている生き方は希有なものだ。マスコミに露出し過ぎているとも思える人だが、それで彼の本質を見失ってはもったいない。読んだ後にじわじわ効いてくる他にない本です。
負けは勝ちに繋がるばかりではない
安藤忠雄の人生訓のような内容です。 あとがきにある、 「どれだけ力を尽くしたところで、大抵の場合は報われない。だが、挑戦は決して無駄ではなかったと思っている。(中略)モノをつくる、新たな価値を構築するという行為の大前提が、この戦い、挑戦し続ける精神にあるように思う。」 「大抵の人間は、この苦難のときを耐え切れずに終わってしまう。しかし、ル・コルビュジエもカーンも、決して諦めなかった。妥協して生きるのではなく、戦って自らの思想を世に問うていく道を選んだ。与えられるのを待つのではなく、自ら仕事を作り出していこうとする、その勇気と行動力こそ、彼等が巨匠といわれる所以なのである。」 Exactly!
負けつづけてもなお挑戦する姿勢に感動。
安藤忠雄氏の東京大学大学院での講義をまとめた本。 華々しく建築コンペ(設計競技)を勝ち取っているかに 思えるあの安藤忠雄が、実はたくさんのコンペに参加し、 とても沢山負け続けていると知り、大変に驚きました。 公明正大と思い込んでいた建築コンペも実は妥協の 塊で必ずしも、最も優れたデザインが勝つわけでは ないこと。安藤氏のような優れた能力の方であっても 勝つためには周到な準備が重要であることを知り、 違う業界に住んでる人間としても、学ぶべきことが 沢山あり、とても有意義な本。 建築を志す人は必読でしょうし、またそうでなくても 人生の様々な局面で挫折しかかった時に読めば、 勇気が湧いてくるような素敵な良い本です。
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カスタマーレビュー数:5
【くちコミ情報】
直島編集本としては5つ
アート性の強い本はほんとに多い。訪問した際購入したが、 アーティスト自身の本はあっても、直島全体が素敵に見える本はなかなかない。 この本はそれがわかりやすく、しかも直島の雰囲気を見事に表している。 偏っていないので、各アーティスト達に思い入れがない方には調度良いです。 地中美術館の本も買ったけど、こちらの方が空間的にも作品的にも 写真がわかりやすくて良いです。 個人的意見ですが、でもこういった解説本は現地土産がよいかなと。 丁寧に書かれているので、知ってから観るのと、知らないで観る、感激は分かれると 思います。人それぞれだとはおもいますが。
現代アートになじみのない私には良かったです。
美術館は好きでよく行くのですが、彫刻や現代アートは、 行く度、よくわからず、首をかしげる事が多かったので せっかくの、直島旅行が首をかしげるだけで、終わるのはもったいないと この本を購入しました。 おかげで、知らなかったアーティストや作品を行く前に 少しでも知れて、予約のいる『きんざ』や『文化大混浴』もいけましたし、 ベネッセハウスの建物、家プロジェクトも楽しめました。
今日の安藤はただの人である
非常に人気のある建築家だが、あまりにもひどい建築作品を多く見すぎて、この作家の真髄に疑問を抱いている。 たとえば兵庫県立美術館や京都陶板画美術館や直島の美術館など、どれもこれも似たようなコンセプトで設計され、見物客のことを二の次、三の次にした不便な建物は、外観も内観もいやになるほど陳腐である。 たくさんの作品を設計しすぎたという言い逃れもできまい。ひとつひとつの建築を丁寧に設計してこその建築家なのだから。 20年前は良い仕事をしていたような気もするが、今日の安藤はただの人である。 もはや彼の神通力はなくなった。 というか、もともと他の建築家(たとえば隈研吾や原広司にくらべて、それほど突出してすぐれた作家ではなかったということが冷静になった現在、見えてきた。
瀬戸内の島に点る文化芸術の灯
精錬所の島、直島は同県に住んでいても魅力を感じなかったが、最近の芸術文化施設によって、イメージアップしたようだ。その見どころを紹介・説明したのものである。実際に行って見ることに越したことはないが、本書に掲載された写真でもその片鱗を垣間見ることができる。 安藤忠雄の地中美術館がいい。敷地は丘陵の南斜面。かつて塩田だった場所だ。環境に埋没する建築、風景の継承、これらの主題をさらに推し進め、すべてを地中に埋め込んだ。地中という闇の中で、空間を浮かび上がらせるのは「光」だ。光を便りにして、クロード・モネ、ウォルター・デ・マリア、ジェームズ・タレルの絵画作品との出会いを楽しむことができる。 その他、ベネッセハウスのミュージアム、スイートルームまで完備したホテルまである。家プロジェクトでは古い家を活用・改修して、現代美術に変えてしまっている。このような試みが島の活性化となり、多くの観光客が訪れるようになり、過疎化になる一方の島に灯りが点った感じである。瀬戸に浮かぶ島の多くはどの島も過疎化に悩んでいる。直島をお手本にどの島にもこのような工夫がなされ、「楽園」と名付けられる島が甦ることを願わざるをえない。
今の直島のすべてを網羅
3度目の直島再訪でこの本に出会いました。「ベネッセアートサイト直島」はベネッセの展開する文化事業の一環ですが、企業とアーティストと住民の融合が、自然の中のモダンアートというコンセプトと合致して、違和感なく相乗効果を生み出しています。 監修は建築家の安藤忠雄氏で、2つのミュージアムと宿泊棟は安藤氏の建築ですが、才気あふれるアーティストたちが民家を再生させる「家プロジェクト」など見所は満載です。 現在「直島スタンダード2」というイベントの真っ最中ですが、そこには今後「家プロジェクト」に加えられパーマネントとなる作品もあります。 この本は今回のイベント内容も加えられて、どんどん進化する直島の「現在」が詰まったガイドです。
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【くちコミ情報】
ただのひと
非常に人気のある建築家だが、あまりにもひどい建築作品を多く見すぎて、この作家の真髄に疑問を抱いている。 たとえば兵庫県立美術館や京都陶板画美術館など、どれもこれも似たようなコンセプトで設計され、見物客のことを二の次、三の次にした不便な建物は、外観も内観もいやになるほど陳腐である。 たくさんの作品を設計しすぎたという言い逃れもできまい。ひとつひとつの建築を丁寧に設計してこその建築家なのだから。 20年前は良い仕事をしていたような気もするが、今日の安藤はただの人である。 もはや彼の神通力はなくなった。 というか、もともと他の建築家(たとえば隈研吾や原広司にくらべて、それほど突出してすぐれた作家ではなかったということが冷静になった現在、見えてきた。
現代建築の名著!!
発刊から5年ですでに建築の古典とまで言われる『安藤忠雄 建築を語る』。 東京大学大学院での講義を編集したものですが、何が良いかと一言で言うと、安藤さんの建築に対する情熱がほとばしっている。 大学院での講義ということもあり、安藤さんが20代の時に何を考え、何を学んできたか、それが今どういった形で活きているかが語られています。 建築の世界を目指す若者だけでなく、芸術に触れている全ての人に読んでもらいたい本!! 「命を感じる箱」づくりを目指す安藤さんの、芸術と商業の間で起こる葛藤も見事に語られています。
安藤氏の建築に込められた生き方が刺激を与える本です
98年、東大大学院で行われた5回の講義をまとめたものです。題名や安藤氏が建築家ということを考えると、建築本と思いますが、実際の内容は、「いかに生きるか、その結果として、どのような建築が生まれるか」といったものになっています。これは、本書の最後が「何より、今、真剣に生きることを考えて欲しい」という言葉で結ばれていることからも伺えると思います。 実際、本書は、著者が旅を通し、建築家や建築物に触れ、触発されると共に、建築家になることを考えた20代から、その後も、イサムノグチら、様々な芸術家、阪神大震災といった様々な出来事が、著者の建築にいかに反映されているかといったことまでが綴られています。一方、写真、図版の方も、数は多くありませんが、著者自身の本であるだけに、文章にリンクした的を得たものが掲載されており、建築本としても、欲求不満に陥ることはありません。 自分を顧みても、仕事上の瑣末な出来事に一喜一憂するだけでなく、著者のような大地に根を張った生き方を通し、仕事をしていかないとと、反省させられた本です。
熱い思いが伝わってくる。
1998年、秋。東京大学大学院での全5回の講義をまとめた本。 10〜20代の若者に対し、勉強をし続けよ、真剣に生きよと伝 える熱い内容となっている。お勧めします。
安藤の心が見える
小難しい理論じゃなくて、建築をどういう風にとらえればいいのか?そのきっかけを与えてくれる本。建築に携わりたい学生は必読。
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カスタマーレビュー数:3
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さまざまな立場で建築と関わる専門家14人による建築への誘いである。建築家、建築史家、構造や構法、あるいはシックハウスの専門家など、それぞれ自分が関わる切り口から建築へ近づく糸口をエッセイ風につづっている。 「教科書」と題してはいるが、勉強をするためのテキストブックという堅さはない。ファッショナブルなデザインに目を奪われがちな建築が、むしろヒトの生活においてとても基本的な存在であり、その安全を支えるものであることがていねいに解説され、そしてまた日々の生活に潤いをもたらし、時にはかけがえのない喜びをもたらす建築の魅力が語られる。あるいは読者によっては読後に地味な印象を受けるかもしれない。しかしその「地味さ」には建築のある本質が潜んでいるのである。 とりわけこの本において貴重だと思われるのは、決して建築の複雑さ、難しさを隠していない点である。入門書というものは対象をわかりやすく説明することに苦心するあまり、無理な単純化によりその魅力をかえって色あせさせてしまうものが少なくない。しかしこの本は平易な言葉で語りながら、建築へのストレートな情熱も、ほとんど愛憎相半ばするといったふうな複雑な心境も、著者のそれぞれが日々格闘する姿を通してバランス良く取り入れることで、建築の実像を立体的に浮かび上がらせようとしている。それは雑誌の誌面やドラマの背景に登場するようなスタイリッシュでどこか表面的な建築のイメージとはすこし違うはずである。ここに描かれる、建築それ自体が抱える難しさは、建築に携わる者にとってそのまま建築の魅力でもあるのだ。 「建築学」の専門家を志す者のための本というよりも、むしろ建築に興味を持つあらゆる人が建築の多様な側面に触れるための良質のガイドマップである。この本を読めば建築のすべてがわかるというわけではもちろんない。むしろその難しさに触れることで建築のリアルな姿へと接近していく端緒となる、そういう本である。(日埜直彦)
【くちコミ情報】
もっと早く読んでいたかった
高校生か学部1年生、あるいは一般の人むけに書かれた建築学入門。わかりやすくておもしろい。 こまかい話とか、普通の教科書的な話ではなくて、ざっくりと、建築学にたいしてどう臨めばいいのか、なにを考えればいいのか、といったことに集中している。 建築学の先生たちはみな、文章がうまい。イメージする力というか訓練をいっぱいしているせいなのかな。 いろんな人がいろんなことを書いているので、建築になんらかの関心を抱きはじめた人ならば、自分の関心とぴったりマッチする文章を見つけられる可能性が高いと思う。 なかでも、松山巌の文章が自分にとっては壷にはまった。自分が気持ちよいと感じる空間ってなんだ?というところから建築は始まるのだ。 高校生とか、もっと若い頃にこういう本を読みたかったなあ。建築家をめざさない人だって、いつかは施主になったり、仕事場やら、なんらかの空間をデザインする役割にかかわったりすることってあるのだ。 実は建築学って誰にも必須の一般教養だったのかも、と思わせてくれる一冊。
編集方針がよくわかる
建築のもつ広がりが全体を通じて感じられます。 編集方針の問題ではなく、いかに読者が読み取るかに 本書のよさはあるのだと思います。 オムニバスだけど、それなりに著者の思いが伝わっていて、 地味ではあるけど楽しめました。
編集方針がよくわからない
14人の著者が、構造、修復、建築史、素材の問題などさまざまな角度から建築を語っている。執筆者によって文のクオリティはピンキリで、テーマ設定自体が抽象的すぎるために書き手が困って「やっつけ仕事」になっている章も多い。 本全体としては「建築エッセイ集」と「建築概論」の間で、中途半端なものになっている。編集(特に執筆者への依頼の仕方)がルーズなのだと思う。
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世界の建築家から、働くことへの元気がもらえる本
仕事について深く考えもせず新卒以来働いてきて、27歳になって改めてこれからの人生やキャリアを考えたときに、読んだ本です。 p 「ポンピドー・センター」を設計したレンゾ・ピアノや「ルーブル美術館」のガラスピラミッドをつくったペイといった世界の建築家たちが、どんな青年時代を過ごしたのかが、インタビュー形式で書かれていて、とても読みやすく共感がもてます。 p ただ、複数の世界的建築家のインタビューを一冊で読めるという手軽さの反面、一人一人を深く掘り下げたものを読みたい方には不向きだと思います。 p この本を手にして1年後、転職を果たしましたが、仕事の実践に役立つ本というよりも、心の栄養となる本です。
知りたい事。
(私は建築学生です。) p 今、私が送っている学生生活に足りない物を取り入れたく、 『私の好きな建築家達は私と同じ学生時代などをどのように送ってきたのだろう?』 とこの本を開けた。 p 建築家の経験談からは、"どの様に人生が進むのか"などという事がつかめた。 既に建築界で経験を積み重ねてきた先人たちのアンサーは、 迷える私にとって、とても参考になった。 p 知らない建築家もいたので、建築の勉強にもなった。
イチオシ
だいぶ前に読んだ本ですが、たくさんの建築書を読んできたなかでも5本の指に入る面白さです。建築の巨匠といわれている人たちの人生観や、建築とは何かということが講話形式で語られています。 特に面白いのがレンゾ・ピアノとフランク・O・ゲーリーの談話で、気取らない語り口や、建築を学ぶ学生に夢を与えてくれるようなアドバイスが書かれています。 この本を読んで面白いと感じ方には、安藤忠雄の「連戦連敗」もお勧めします。同じ東京大学からの出版ですが、入門書として読めるスターター向けの本です。
建築を目指す者 建築で悩んでる若者へ
この本は建築を目指している若者や建築で迷っている若者に大きなメッセージを送られているのが特徴です。実際、私も建築を志している者の一人で根本的な事で悩むことが良くあります。そのときこの本に出会い大きく救われた気がしました。他にもこの本で元気になった学生は友人を皮切りに沢山いると思います。他にも雑誌でピアノ、ゲリー等沢山作品と一緒に若き日の頃の話を取り上げていますが、断然この本のほうが人間性溢れる話がこの本でしかつり扱っている気がします。また、彼らのエネルギーが素直に若い学生たちとの対談で読み取れるのがとても新鮮に感じました。彼ら有名建築家が新しい価値と可能性を見つけ自己と社会戦い続けているところが本当に勉強なるところであり建築の良き先輩であると感じます。自分の興味のあることに突っ走れ!というような応援を何度も話してくれています。絶対、元気になること請け合い。
勇気づけられるはず
いわずと知れた建築の巨匠たち。対話形式による本書は、それら注釈もきめ細やかで 建築が専門ではない私にとってもとてもわかりやすいものでした。 その語りは読書ながら臨場感さえ感じられるようですばらしい。 もはや建築というカテゴリーを超え、 ものをつくることへの大きな勇気になるものと感じます。
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建築家安藤忠雄の代表作の1つに、大阪府茨木市の日本基督教団茨木春日丘教会がある。コンクリート打ち放し。直方体の箱のようなシンプルな教会堂。十字架の形をした窓が正面の壁いっぱいにくりぬかれ、そこから太陽の光が内部に差し込む。明るい光とほの暗い室内のつくり出すドラマチックな対照。「光の教会」とよばれるゆえんである。 本書はこのユニークな教会堂がどのようにして構想され、設計、施工されたかを丹念にたどったノンフィクションだ。大学院で建築構造学を学び、構造設計事務所で実務を経験した著者の筆により、読者は建築の現場で何が行われているのかを実感することができる。コンクリートの軟らかさが少し違うだけで、どれだけ工程に影響するのか。なぜ建築家はその違いにこだわるのかといったことが、誰にもわかりやすく語られる。また、安藤のラフなアイデアがスタッフの手によって設計図にまとめられ、それを施工業者が工事現場で実際につくっていく過程が臨場感たっぷりに描かれる。 とはいえ、本書が建築の技術面に偏っているかといえばそうではない。1つの建物ができあがるまでには、何人もの人々がさまざまな立場からかかわるのであり、そこには人間くさいドラマが生まれる。安藤と彼のスタッフ、牧師と主だった教会員からなる建築委員会、そして施工業者が互いにどのような会話を交わし、何を考えていたかについての著述も十分な量を与えられている。ストレートにものを言い、次々に大胆なアイデアを発想する安藤という魅力的な人物なしにこの本は考えられないが、周囲の人物もそれぞれ重要な役割を演じている。第32回大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。(松本泰樹)
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安藤忠雄のすごさとやさしさ
この本のよいところは、筆者が安藤忠雄ばかりではなく、工務店、施主の側にもたったレポートをしているところである。建築家に頼むと言うことはどういうことかが、よく分かる。本の中に安藤忠雄と切り結ぶという表現が出てくる。これは、小住宅を造る場合でも同様である。工務店に頼むのとは全く違う体験である。いわば、建築家の美意識、工務店の施工の現実、何ができるか普通理解できない施主との思想、人生体験との戦いが起きるのである。更に、竣工後も建築家の思想が徐々に住み手、使い手に染み込んでくる課程も楽しむくらいでないと、やっていけない。 その点、安藤忠雄は正しい考えを、まっとうに主張してくる人であることが分かる。教会建築の肝要な点は、欧州での修道院、教会建築から学んだことを、実現することで、そのために全力をかけて施主を説得している。面白いことに、使っているうちに、安藤忠雄の建物はどうしようもないと思っていた人々が、けっこうよいものだと思い始めるのも、彼の正しさを証明している。しかし、冬でも暖房なし、雨風雪が入ってきてもよい(実際にはガラス窓をはめたが)という思想は、教会という建物の原点を追求していて、それを現在の日本で主張できる人というのは、すごいことだ。世界の安藤になれたのは、その姿勢であろう。 しかし、自己主張と同じくらい、施主や工務店への思いやりにあふれている人でもあることも分かった。植栽などを建物完成後に購入して寄付しているが、それで設計料がチャラになったという記述がある。(幸い、この建物で、安藤忠雄の名は更に上がったのだが) 読了後、その構造や、光の取り入れ方の図をみているうちに、ル・コルビュジエの後を継ぐのは彼かも知れないと思ってしまった。 気持ちのよい本であった。おすすめである。
モノづくりと商売のはざまに立つ人々
建築学の門外漢すると、建築工程に関する記述は非常に辛かった。 専門用語が散りばめられ、ときたまあるその用語の解説もまた 難解…。理解してもらおうと図が随所に盛り込まれるが、命で あるはずのキャプションがやや不親切。この点については、 著者がもともと建築雑誌に携わっていただけに、配慮に欠けた 感がある。 しかし、である。やっぱり、広く一般に読まれるべき本だ! もちろん本書の「中心」には安藤が来るのだけれど、本書に おいてその「中心」は、むやみやたらに崇められていない (つまり純粋なヨイショ本ではない)。 安藤の駄々っ子ぶりやこだわりの深さ、そしてそれに翻弄される スタッフや工務店の面々(光の教会の施主でさえも!)。それらの 息づかいが、見事に描写されている。 世はバブル期。湯水のように建築費が嵩んだ建築が多いのに、 安藤と工務店は、赤字までしょい込んで、光の教会づくりに邁進。 個人的には、安藤の「注文」にも、お金が出せない施主にも泣かされ、 金銭の面で一番わりを喰った工務店の面々には頭が下がった。そして、 経済の合理性からいえば割にあわないのに、建築への誇りと品質を 死守する現場の「モノづくり」のスピリットには、正直、ドキドキ してしまった。 建築にたずさわる者たちの顔が、「これでもか」とまでよく見える 好著です、これ。
2007年の人になりつつありますね
安藤忠雄が有名になった”光の教会”について書かれた本です. 安藤忠雄は,大学系の人でないのに,東京大学の担当教授になったり 最近では東京オリンピックのマスターアーキテクチャを担当したり なにかと話題の人になりつつあります. 安藤忠雄が書いた,建築に夢を見たなどの本は建築に興味が無いと 読むのは厳しいですが,こちらはそんな基礎知識が無くても 読みやすいのでお勧めです.
建築の素人にも非常に興味深い
建築の素人にも非常に興味深い内容となっています。非常にお勧め。 p 製造業に関わる人には是非読んで頂きたいと思います。「予算や工期などの制約のなかで、どうやって魂を具現化するか」、という問題は、製造業一般に関連し、日本人が今一度考え直さないといけない問題のような気がします。 p いささか個人的なことで恐縮なのですが、この教会を知ったのは、大学の先輩のお子さんが亡くなったときです。普段キリスト教とはなんら関係のない生活をしていて、教会にも普段行くことがない私は、正直、「いったいなんっちゅう建物や」と思いました。そのシンプルで整理された空間と、小さな棺を今でも忘れることができません。この教会の建物がどのようにしてできあがっていったかを知ることができ、その意味でも非常に興味深かったです。
リアルに感じる。
"光の教会"といわれている、大阪茨城市にある茨木春日丘教会の再建築過程をダイジェストに書かれた一冊。 著者と安藤 安藤と教会、教会と人々、安藤と職人たち・・・ 資金を上回る建築予算の問題を抱えながら、教会を建て直すプロセスと その中で交わされる人々のやりとり・感情がリアルに感じられます。 読み進んでいくうち、現場にいるような気分になり、喜怒哀楽も共にしまう程でした。 建築用語は必然的にでてくるので、建築を学ぶ私には都合よく知識も取り入れる事ができました。 p 私は、この"光の教会"へ訪ねた後にこの本に出会いました。 読んだ後でも、読む前でも、一度訪ねる事(体感する事)をお勧めします。 (あくまで、"教会”なので勉強のみ・興味本位というのはよろしくない。)
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建築家の夢を見た
安藤忠雄さんが見る、世界の建築の中で、建築家の夢が詰まった建築物を紹介している。 もちろんただ紹介しているだけではなく、その建築物を作った背景を、建築家の文献を参考にしたり、安藤さん自身の意見を踏まえて紹介している。 いかに建築家が建築主や施行者との間で、自らの「想い」を形にしていくかという苦悩も描かれている。世界観光都市であるパリなども建築語らずして言い表せないため、様々な都市についても書かれている。 世界を建築の観点から眺めることができる本。建築に関わる方だけでなく、世界の都市や景観に興味のあるかたは必見。
建築に魂をいれるには
建築家は、世相・社会といかに調和していくかを真剣に考えることが大切であることを教えてくれた。ハコづくりだけでは、だめなのだ。
安藤忠雄の思想・創造の源泉。お勧め
今、世界が最も注目する建築家、安藤忠雄の思想・創造の源泉は、若き日に旅したヨーロッパにある。本書では、ギリシャのアクロポリスからミース、コルビュジェなどの歴史的建築、都市、住まいの数々を引用しながら、熱く建築を語る。 p 2000年にNHKで放送された人間講座「建築に夢をみた」のテキストを再編集したもの。そのせいもあって、誰にでもわかる平易な語り口で、読みやすい。建築家はとかく小難しい理屈をこねる人が多く、建築が専門でない人には敷居が高いものだが、安藤はそのような態度はとらない。 p 常に、社会や人間との関わりを重視する建築家である安藤は、頼まれもしないプロジェクトを自ら立ち上げ、世に問う。WTC跡地の計画などはその最もよい実例。この実現しなかった計画は多くの人の共感を呼んだ。 そのエネルギッシュな風貌、言動からは想像できない、謙虚で真摯な人間性が安藤の魅力を創り出している。 p 経済の逼塞状況や社会不安など、建築をめぐる状況はかつてなく難しい。このような時代だからこそ、安藤の語る夢は一筋の光明に見える。
建築入門書であり、安藤忠雄入門書でもある
これから建築の道を志す人にとって、良い入門書だと思う。 世界で活躍する筆者のこれまでの仕事、旅の経験から生まれた言葉の一つ一つから、建築に対する果てない熱意と夢が伝わってくる。 各章は近代建築、都市論、庭園まで幅広くテーマを扱っており、あえて一つのテーマを掘り下げてはいない p むしろこの本をきっかけにして自分が学びたいテーマを見つけることができれば良いのではないだろうか。 「建築の世界は広い」ということがわかるだけでも、一読する価値のある本だと思う。 安藤忠雄の建築、生き方に憧れて、私もヨーロッパへ建築を巡る旅に出たが、バックパックの中に入れて毎日ボロボロになるまで読んだ。
建築だけではない
建築関係の本をはじめて読んだのですが、読んでいるうちに出てくる建築物を見たくてたまらなくなり、安藤さんが設計された上野の国際子ども図書館を見学に行ってしまった。実際に行って感じてみることが大事だということがよくわかりました。建築の本ですが、著者のビジョンが建築にとどまっていないことにとても感銘を受けた。現在の日本の都市を痛烈に批判したり、不便さの豊かさ、つくりながら考えること、などいろいろと勉強になりました。日本初のリバーサイドパークであったという隅田公園にも行ってみようかと思います。
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安藤忠雄の凄さが、そして二川幸夫の凄さも
安藤忠雄の建築に掛ける情熱の強さが二川幸夫の目、問い掛けを通して伝わってきます。 この本だけで安藤忠雄を語ることはできませんが、凄さの根本は垣間見えます。 最後に掲載されている作品リストの全作品を見て廻りたい気になりました。 建築に興味のある私のような素人でも感動する内容でした。 特に写真が美しい。
現代の「建築家ミケランジェロ」
プロボクサーとしてのファイトマネーで建築関係の本を買い、フリーターとしてためたお金で世界の建築を見る旅に出られた若き日の安藤さんは、ミケランジェロに出会って建築家になると決心されたという。本書で出てくるフォートワース現代美術館の設計にまつわる話で、隣接するルイス・カーンの名作キャンベル美術館が、カーンがアクロポリスのパルティノン神殿の永遠性・普遍性への感動したことが起源なのだと知ったそうです。フォートワースの町の人たちに、教会感覚で美術館へ行って欲しいと言う想いを込め、公園のような美術館を創られた。写真で見ると、アルハンブラ宮殿のように、水面と建物の妙が美しい。 ルネッサンス期はパトロンも卓越していたと思うのですが、小さな「住吉の長屋」のクライアント、超大型の淡路夢舞台のクライアント、貝原元兵庫県知事のような、現代のパトロンたちが、安藤さんを理解し支えてきたのでしょう。 本書の最後は表参道同潤会青山アパート建て替え計画であるが、あの心温まる風景を、現代的に蘇らせようという意思と想いは、現代日本の都市開発のあり方への試金石になりそうです。本書の裏表紙は「ネバーエンディング・ストーリー」のように、未来の表参道同潤会青山アパート群などが連なっている。それはどんなものになるのでしょうか? とても楽しみです。本書は、ゆっくり味わいながら読むのが相応しい、意思と想いの本です。ものごとの根源は感動なのだと…。
美しい日本を取り戻そう
私は建築に関して全くの門外漢ですが、氏の生きる姿勢を職業人として深く尊敬しています。本書を見てまず感じるのは、写真がとても美しいこと。直島の地中美術館は思わず魅入られます。文章も対談中心なので読みやすく、編集者が安藤忠雄の考えていることを上手に引き出している。建築に少しでも興味のある全ての人に強くお勧めできます。安藤忠雄入門としては、思想・作品をバランスよくまとめているという意味で最も優れていると思います。 こういう本を読んだりすることで、美しい街を作るとか、文化度を深めるとか自分も含めて一人一人が考えるようになれば、現状とても美しいとはいえない日本の都会や田舎も少しずつ変わってくるのではないでしょうか。国民全体の支援によって安藤忠雄の建築が日本全国にもっと広まれば、と今さらながら感じます。
安藤さんの考え・想いがたっぷりわかります
安藤さんへのインタビューでほぼまとめられています。 1つの作品や1つのテーマごとに区切られていて、 それぞれにそったラフデザインと写真も掲載。 安藤さんの作品を思いつく際のプロセスや考えが、自らのことばで 語られており、完成物を見ただけでは気づかない「こだわり」や 「想い」を読んでとれます。 p 図版の点数は決して多くはないですが、インタビューから知りたい ヴィジュアルが掲載されているのでフラストレーションを 感じることも少ないです。 やむを得ないと思いますが、値段が高いのが残念です。
建築家を志すものとして
建築家を志すものとして安藤忠雄建築手法は大変興味ぶかいものであります。早く欲しいです。自分も安藤忠雄建築手法を読んで建築学について学びたいと思います。
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