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   吉田 秋生 の売れ筋最新ランキング   [2010年03月12日 20時39分]
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カスタマーレビュー数:10

くちコミ情報
誰の心の中にもある風景
 人間、子供であるうちは否応なしに親に引き摺られる。 大人になってからも、親の影響下から抜け出すのは結構困難だ。 仕事や恋愛観、結婚観や子育てにも、知らず知らず親への反発や従属が表れる。  完璧な人間なんていない。完全に独立して生きられる人間もいない。 一番大人っぽい四姉妹の長女も、心の拠り所を必要としている。 だからこそ、完璧でなかった親を葛藤の末に赦せる心境に、一番近い気がする。 比べて、親の記憶が一番少ない三女は、なんだかのびのび生きてる。  子供としてはどうしても、親に期待するものがある筈だ。 だけど親だって、その辺の大人と変わらず、完全無欠という訳にはいかない。 自分が成人しても、親になっても、そんな大人になれる訳でもない。 その時に、「ああ親って、大人って、大変なんだなぁ…」としみじみ思うような気がする。  四女の想い人の片足の喪失。挫折は、乗り越えさえすれば、人を強くするものだと思う。 同じように、親の影響を乗り越えてこそ、子供の人生も開けるものだと思う。 親のクローンみたいに育ったら、若しくは親への反抗の為だけに生きてたら、 人類の発展なんてないんじゃないのかなぁ。  「30過ぎたら自分の人生。親のせいにするもんじゃない」という言葉を何かで読んだ。 最近は親が子供を手放す年齢が、どんどん遅くなってるような気もするけど…  読んでいるうちに、モンゴメリの「丘の家のジェーン」を思い出した。 子供を悩ませる親も、そのまた親に悩まされたりしてるんだよね。  「ラヴァーズ・キス」もひと夏の物語だったけど、吉田氏の描く夏は…かけがえのない季節だなぁ。
しっとり、ほっこり
吉田秋生さん、アンテナの感度の良い方なんだろうなと思います。1巻の父親の葬式をめぐっての姉妹の心の動きが鮮やかに捉えられているのに感心して以来はまっています。鈍感さに唖然とする同僚たち(これが自分では教育者とか研究者とか名乗っている!)に囲まれているせいか、なおさら心に沁みます。まだ発売されて数日なのにこのレビューの数。みんなに愛されている作家なのですね。
割り切れない気持ち
母親の男関係に一番嫌悪感を持っていた長女が、いわゆる不倫をする。 義母の男関係に憤りながらも、異母姉の不倫には……。 すずのさわやかな初恋と同時に語られる大人の恋(なのか?)。 なんかやりきれないです。 大人になっていろいろ経験すると、簡単に人を批判できなくなる。 すずのストレートな感情をかわいいなと思い、 幸にも深く共感する。 人の気持ちはいろいろ絡み合って、許すも許さないも、受け入れるも受け入れないも、 ただ、その中でやりすごしていくしかないんだな。 でも、ちょっと狭い相関図の中で物語が進みすぎ。 みんな身内で知り合い?(笑)
味わい深い小説を読んだような気持ちをくれる。
レビューを書くのは久しぶりです。 最近は図書館で本を読みあさり、欲しいものは中古で買うスタイルになっています。 でも、この本は出てすぐに(大雨の日で、体調が悪くても笑)買いに行ってきました。 上手く言えないです。 暗くなく、軽くもなく。ありきたりでもなく、ひねって受けようというのでもない。 誰でも共感できます、と責任は持てないけれど、 この本を読んで涙ぐんだり笑ったりする人となら友達になりたい。 そんな、心の大切な部分を刺激される本です。 また何ヶ月も新刊を待つのは、辛くもあり楽しみでもあります。 生きているけど、理解し合えないもう会えない血の繋がった家族。 新しく出来た、心が繋がっている家族(猫たち含む)。 自分にそういう2カ所があるから、余計に思い入れてしまう本です。 家族って、信頼関係があるからこそだと思います。 血だけでは、世界で一番遠かったりする、そういうこともあるんです。 実体験を含むので、強く言わせていただきました。 脱線しましたが、何回でも読みたい本です。 今読んでいる漫画はこれだけです。
ゆっくり深く
30年ほど前に「カリフォルニア物語」を読んで以来、子どもが子ども時代を子どもらしく過ごせなかったことから生じる困難を、この作者が丁寧に繊細に描いていることに驚きつつ、注目してきました。 「カリフォルニア物語」では、それを問題提起として痛烈に描いていたのに対し、「海街Dai y」では、その問題をどのように乗り越えていくかを描こうとしているように感じます。 この作品での幸とすずは、ともに親の問題を一番まともに受け止めるポジションですが、それゆえに、幸がすずの気持ちを一番よく理解し、さらに理解しようとしている姿にじんとさせられます。年齢的立場的に、幸がすずを救っているように見えますが、同時に幸も救われているのではと感じます。 3巻目の今作では、この2人を含めて姉妹の生きていく道筋がゆっくりと拓けていき、希望を感じます。 心が温かく満たされる作品だと思います。


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くちコミ情報
物語の断片にして、完成した一冊の書籍
「向田邦子さんの世界のよう」とのタイトルの方がいらっしゃいますが、 まさにそのとおり! 読んでいるときには気が付きませんでしたが、 わたしは向田さんのファンであり、同じ要素を、吉田さんの作品からも 読み取っているのだと気付かされました。 コミックスの第二巻であり、その意味では、この一冊は大きな物語の 一片でしかないのですが、同書を構成する4つのエピソードがそれぞれ 「血縁」や「他人を想う気持ち」といった命題で通底しており、 一つの良質な群像劇として見事に完結してもいる。特に、最初のエピソード 「下底蛇」と、掉尾を飾る「真昼の月」は、祖母という存在を介して 対を成す関係にあり、物語としては閉じた最後ではないのですが、 読後は、えも言われぬ充足感に満たされます。 吉田さんは、人の心の機微を見抜く眼力と、それを作品に落とし込む 技巧に長けた方であり、その筆致で描かれる人間の本質は時に グロテスクな顔をしていたのですが、今回の作品全体に感じられるのは、 生への讃歌とでも言うような、前向きさと優しさ。 刺激が足りない、キレイごとすぎる、と思われる方も居るでしょうが、 様々な物語を描いた後に吉田さんが、このような作品に至ったことを 何かとても嬉しく思います。
『誰かに傷つけられたと思っても、いつの間にか別の誰かを傷つけている』
『蝉時雨のやむ頃』に続くシリーズ2作目です。 鎌倉を舞台に“普通の人々”が悩み・ぶつかりそれでも生きていくことをテーマにした作品です。 前作・そして『ラバーズ・キス』からの布石が生かされた内容に、さすがだな〜と思ってしまいました。心にじんわりと来るストーリーは思わず何度も読み返してしまいます。 『誰かに傷つけられたと思っても、いつの間にか別の誰かを傷つけている』 自分は被害者だと大手を振って言えるのは子供のうちなのかもしれない。 このセリフを読んで、ドキッとしてしまったのは自分が良くも悪くも大人になってしまったからでしょうかね。 鎌倉という舞台がよりいっそう物語に深みを与えています。 鎌倉や稲村ガ崎・鎌倉高校前駅・極楽寺駅など、鎌倉・江ノ電の風景がさりげなく取り入れられています。 ちょっぴり向田邦子の小説にも似た雰囲気です。 もしかしたらそのうち映画化されてしまうかもしれません。。。 私は映像化を良しとはしませんが・・・。
吉田秋生ワールドの完成形
吉田秋生は、もう何も飛び道具的設定を必要としない成熟した漫画家になったのだな、と思わず感動させられた。「BANANA FISH」、「YASHA」、「イブの眠り」と続いたハードボイルドアクション大作も文句なく素晴らしいのだが、「ラヴァーズ・キス」の系譜に連なるこの作品は、もう完全に一つの文学である。 辻仁成が直木賞作家から芥川賞作家に大きく成長したように、吉田秋生の作品も一作ごとに玄人好みする芸術作品として完成されてきた。いや、もう既にこれを完成形と言っていいのだろう。 すずと同じ東北の田舎町の生まれで、鎌倉の近くに住む自分にとって、この舞台設定と世界観は素直に嬉しい。海風が香るような、胸に沁みこむ珠玉の物語をありがとう。
テーマは「月」
海街dia y待望の第2巻。 日本語の綺麗さを再認識させられる各章のタイトル、 人物ではなく鎌倉の美しさと季節感を前面に出したカバー(タイトル扉)イラスト とても素敵です。 今回は鎌倉の土地そのものよりも4姉妹の心情がテーマになっているので 科白のひとつひとつに重みがあります。「真昼の月」など特に。 前巻から1年たった異母妹のすずやサッカー仲間たちの成長に、 ほかにある中学生主人公目線の少女漫画と違って、「この先どうなるんだろう?」と思わせる。 また、「ラバーズ・キス」の朋章が小笠原へ行く決心をしたところなど (それじゃ里伽子と佳乃は二股だったのか?!)色々な伏線があって ヒューマンドラマなのにサスペンスでもあります。 おそらくこのドラマの重要な鍵は「月」なのではないかと。 そして実母と長姉・幸の葛藤、母〜娘と流れていく「血」のリンク、 私は有吉佐和子の「香華」や「紀ノ川」を思い出しました。 平成も20年たった世の中、有形無形いろいろなものを大切にするこころを 再認識する「大人が読む漫画」として次作も楽しみにしています。
吉田秋生も一皮向けた感じがします。
海街dia yの第二巻である。 「ラヴァーズ・キス」とリンクしており、 またしても「同じ時間を別な視点で」描いている作品。 非常に面白かったです。 「BANANA FHISH」→「夜叉」→「イヴの眠り」 の流れはあんまり面白いと思わなかったけど 「ラヴァーズ・キス」⇔「海街dia y」の流れは 気持ちいい感じがします。 (矢印の違いがそう感じさせるところなんだと思います。) 一応「四姉妹」が主人公なんでしょうが、 やはり中心は「すず」ですね。 中学生にして、色々と複雑な環境を経験し、 今も立ち位地が定まってはいるのだけど そこでの役割が正しいのかどうか悩む姿がけなげです。 今のところわたしは「すず」の恋愛物語として見ています。 もともとの「三姉妹」と母親の話は 必要なんだろうけど、 すずが無意味に自分を責めるのが 読んでいてつらいです。 1巻の「蝉時雨のやむ頃」が文化庁メディア芸術祭で マンガ部門の優秀賞を受賞した本作品。 吉田秋生も一皮向けた感じがします。


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くちコミ情報
男がむせび泣きだぜ!
おう、オレだロッキーだ。 こいつはまいったぜ。 女の子達の日常の話だってえのに その描写にどっぷりはまって ヘビー級の身体のオレが堪えきれずにむせび泣いちまったぜ。 特に最初の話はいいぜ! オレも言いたいことは上手く言えねえほうだからなぁ。 すずちゃんの気持ちは痛えほどわかるってもんだぜ。 そんなわけで 手に取るのは恥ずかしいかもしれねえが 大の男でも是非読んでみてくれ!
人間ドラマが素晴らしい。
吉田先生、お待ちしていました・・・・。前作2作がシビアで血なまぐさいドラマだったのに対し、このシリーズは鎌倉を舞台にしていて本当にほっとできる作品。しかし、ただほのぼのした内容ではない。他の女と不倫の上再婚して亡くなった父親、同じく娘達をおいて出て行って再婚した母親、腹違いの妹すずとの同居、長女シャチ姉の不倫(父親を許せないまま父親と同じことをしているという葛藤を抱きながら)・・・・。すずのサッカー仲間裕也の右脚切断・・・。人間ドラマがしっかりと展開されているからこそ、読み応えがある。それと、表紙のフルカラーは素晴らしい。いつか画集にして欲しいです。
なにもかもが渋い!
鎌倉で暮らす三姉妹の元に父親の訃報が届く。母との離婚で長年音信不通だった父の葬儀に参列するために訪れた地では見知らぬ女性が「妻」と名乗り、財産を放棄するように三姉妹に告げる。その女性には二人の連れ子がおり、父の実子であるすずという少女と出会う。どうやらすずは父を看取ったらしい。居場所がなさそうなすずに三姉妹が鎌倉に来るようにと勧めるが… 長女・幸、しっかり者の看護婦。気の強さから「シャチ姉」と呼ばれている。 次女・佳乃、信金に勤めるうわばみ。酒に目がなく、男関係にだらしがない。 三女・千佳、学生?芸術家?マイペースな傍観者。 古家に住む、性格がまるで異なる三姉妹。時に仕切られ、喧嘩し、反目しあいながらも折り合いをつけて暮らしている。そこに中学生のすずが加わります。それぞれ勝手に生きていますが、お互いを尊重し、最低のルールを守って暮らしている。時にハプニングが生まれ、それを超えるたびに互いの理解を深めていく。 渋い。 その一言に尽きます。昔から熱烈なファン層を持つ作家ですが、自分は読んだり読まなかったり。合わない作品も多かったものですから。この作品はわかりやすく、なんたって姉妹の喧嘩が楽しい。年4回ぐらいの連載です。 プチフラワーは隔月、季刊月の作品が多いです。雑誌として作家に無理のかからない連載をすることで生き残ってきた知恵ではないかと思います。
円熟の域
50歳を過ぎ、マンガ家としてのキャリアも30年を超え、円熟の域に達した感のある吉田秋生の技の結晶。「行間」の深い、密度の濃い作品になっています。たった1冊、3編を読んだだけで大きな充足感を得られるのはそのためでしょう。「河よりも長くゆるやかに」のころのインタビューで、美大時代に先生から「バケツを描かせたら世界一」といわれたとありましたが、その頃から(ジーンズは抜群に巧いが、スカートはなんだかゴワゴワ、みたいな)絵柄は一貫してドライで、本作品ではそのドライな絵柄を他者には真似できない「語り」の武器として駆使しています。第1話の表題作「蝉時雨のやむ頃」の終盤での転調など、そこに至るまでのシークエンスを、突き放した視点で淡々と描き重ねたことで物語の効果が幾倍にも増しています。 「鎌倉」「四姉妹」という、幾多の名作を産み、すでに使い古された感のあるモチーフに敢えて挑戦し、しっかりと「吉田秋生の作品」になっているのも素晴らしいです。一時の激情ではなく、さまざまな変転の中でも変わることなく存在する人と人の絆、周囲を取り囲む「世の中」との折り合い、生きにくさといったものを描いて抜群です(登場人物たちはみんな、年齢や経験の割に老成しているようにみえるのは致し方なし、か)。 主人公たちの住む極楽寺の谷戸のように昔ながらの竹垣を維持した家々が軒を並べる路地(この規模で維持されている路地はもうほとんど無いと思いますが)、国道134号線の稲村ヶ崎あたりの舗道、鎌倉駅西口前の小さな広場など、何気ない背景にササッと今日の鎌倉がちゃんと描かれているのも楽しめました(車の通れない路地にも電柱はしっかり立って空を狭くしているところなども含めて)。
鎌倉が舞台の「和風・若草物語」。
古都・鎌倉を舞台にして紡がれる家族・兄弟・仲間たちの物語。 3姉妹が家を出て浮気相手に走った父親の葬儀にて出会った腹違いの妹。 行き場を失くしていた少女を鎌倉の家に迎えることにして、4姉妹の同居が始まる。 ・しっかり者の看護師である長女。 ・男にすぐ騙されるチャランポランな次女。 ・ゲテモノ喰いな三女(笑)。 ・登場当初は大人しいと思わせつつ、サッカーを男の子たちと嗜む四女。 鎌倉という土地柄が醸し出す雰囲気を紙面上で再現するこの凄さ! そこに暮らす人々が抱える様々な悩みを通して家族の有り様・姉妹の絆を映し出す。 江ノ電。寺社仏閣。花。息づく歴史。そして・・・・海。 住んでみたい街ランキングでも常に上位(関東圏)という鎌倉の魅力は正に 「鎌倉版・和風若草物語」の世界である。



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カスタマーレビュー数:15

くちコミ情報
いろいろな形の愛を描く
吉田秋生といえば「BANANA FISH」や、「YASHA」「吉上天女」などのサスペンスタッチのものが多いように感じますが、この作品は高校という空間の中で、いろいろな形の愛に悩む人々を描いています.同性愛、近親相姦、セシャルハラスメントなど話題は重いのですが、あっさりとしたタッチで読ませてくれます.じんわりと心に響く良作です。
トリッキーかつじわりと
「BANANA FISH」以後、作風が激変した吉田秋生。 「YASHA」「イブの眠り」と、「BANANA FISH」的な作品が多い中で、本作は"かつて"の雰囲気を持った珍しい作品(最新作「海街dia y」もその系譜に近い、原点回帰か?)。 面白いのは、若い頃の作品より若々しさがあることか。 むしろ昔が老成しすぎていたのかも・・・まるで「カリフォルニア物語」のヒースよろしく、どことなくヒネた作風ではあったし。 初見で驚いたのは、本作のトリッキーな構成。 だが、それだけの作品というわけではなく、読み返すとそれぞれのドラマがきっちり組み合わさっており、このあたりの構成力は流石だなーと。 とりたてて派手な作品ではないけど、じわりとくる深みがある作品ですね。
登場人物それぞれの「それでも好きやねん」
 鎌倉の高校と海を舞台に、人が人を好きになるどうしようもない気持ちを描いた漫画。前の話のある場面が、別の話では、別の人間の視点で再登場したりするという、話と話がつながっているんだけれど見るアングルが変化している、そういう面白味もあります。  ちょっと前に読んで、「雨あがる、てな、素敵な味わいがいいなあ」と好きになった漫画、同じ作者の『海街dia y1 蝉時雨のやむ頃』とつながっているところもありますね。鎌倉の町もさることながら、登場人物や話の雰囲気という点で。  文庫サイズのこの漫画を読みながら、時々どうしようもなく、こみ上げてくるものがありました。人が人を好きになるかけがえのなさと、その気持ちをどうすることもできない切なさ。登場人物それぞれの「好き」の気持ちが交錯するところは、「ありえねぇー」て感じで、くすりとさせられちゃうとこもありましたけれど・・・。  クラシック音楽風のタイトルをつけるとしたら、『「それでも好きやねん」の主題と変奏 北鎌倉高校篇』かな(笑) 話の中に出てきたベートーヴェンの『ピアノ・ソナタ第17番 テンペスト』の曲を聴いてみたくなりました。  1995年から1996年にかけて、「別冊少女コミック」に掲載された作品。予想していたよりも、ずっと素敵な味わいの漫画でしたね。これ、いいですね。
最も好きな漫画作品(かも)
 実に実験的な試みの本作。それは十二分に成功していると思う。  単純に言うなら、一つのストーリーを一話ずつ別の人間の視点で語り直すという試み。 一つ一つの話は完結していながら、相互に、ある時間をおりなし、一人一人の「想い」が語られる。 そして物語全編の最後には「ある時間」は完成され(未完成な時間なのではあるが) 胸をつかれる美しさである。 「でもしかたがない、あのひとに出会ってしまった」  複数のキャラクターが口にする台詞だ。 誰かを好きになるというのは本当にままならない物である。 
恋人たちそれぞれのキス
吉田氏の作品にしては比較的あっさり描かれているこの作品。どこにでもある、高校生の恋愛模様がテーマだ。 しかし、そのあっさりした作風によって、中核をなす朋章と里伽子の恋が浮き彫りになっている。また、それにおおいに貢献しているのが鷺沢の視線である(彼もまた、朋章に恋をしているので、こう言っては申し訳ないのだけれど…)。非常に鋭い審美眼を持つ彼の存在なしでは、この物語は読者に伝わらなかったものがあっただろう。 それにしても、朋章と里伽子が本当の「恋」へと発展していく過程・セリフはなんとも印象的で美しい。昨今、巷に溢れている恋愛モノの少女漫画のような陳腐なものが一切見られないのだ。 「あたしは人の顔色うかがってばっかり 自分がいやでいやでたまらない…」 「…でもそういうこと 男じゃ埋められないだろ(中略)おまえが自分で決着つけなきゃならないことなんだ。どんなにつらくても」里伽子を後ろから抱き締める朋章。「でもこうしているとどんどんぬくもってくるだろ」――。 全編にわたって様々な登場人物の思いが交錯していながら、いわゆる「荒々しさ」がない。皆がそれぞれに胸の内に想いを秘め、恋は進んで、あるいは終わっていく。 読んでいる内、某作家が著作の中で書いていた言葉を思い出した。――人を愛するのは、いつだって海の近くなのだ―― ちなみに、この作品は各章の扉絵もシンプルかつエロティックでセンスが溢れている。表紙の装丁も最高。


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デッサンのチカラ
作者の2つの作品が街の景色の中でつながっていきます。鎌倉のあちらこちらの姿が写真とイラストとで示されています。絵が柔らかく美しいですね。土地とストーリーが調和しているのを久しぶりに感じます。たとえば軽井沢シンドローム(たがみよしひさ氏)などがそうでした。鎌倉モノのガイドブックが沢山出版されている今にあって、この本は出色の価値をもつと思います。
「海街diary」と「ラヴァーズ・キス」の名場面とリンク
「海街dia y」と「ラヴァーズ・キス」の名場面とリンクした、 鎌倉ガイドブックです。 名所旧跡はもちろん、 おいしそうなお店、それに猫の居る場所も♪ コミックを読んでなくても楽しめると思いますが、 コミックをじっくり楽しんで、 そのあと、この本を片手に、鎌倉散策・・・ 吉田ワールド好きにはたまらない世界ですね。 鎌倉は何度か行ったことありますが、 じっくりとは歩いてません。 いつか、ぜひこの本とともに訪れたいです。
鎌倉を歩いてみたくなる、、『海街diary』シリーズを読み返してみたくなる、一粒で二度おいしい鎌倉ガイド本です
 吉田秋生(よしだ あきみ)の『海街dia y』シリーズ。鎌倉を舞台に、四姉妹が織りなす日常を綴ってとても味わい深い漫画。その中のあのシーン、このシーンの背景と重ね合わせて、鎌倉の街を散策、紹介していくガイド本。鎌倉の四季折々の風景、風物を撮ったカラー写真の数々とともに、『海街dia y』の話を振り返ることのできる趣向がよかったです。  なかでも70頁、『海街dia y』シリーズの第1巻「蝉時雨のやむ頃」のカバー絵と、その背景のもとになった写真を上下に並べて掲載したところに、「わおっ!」 なんか、ちっと感動しちゃいました。  第3章【海街をさらに楽しむ】の中、「海街古民家探訪」とか「関西人から見た鎌倉 将志のびっくり番付!!」といったコラムも面白かったにゃ。  監修者・吉田秋生&「海街オクトパス」の取材・編集スタッフの、鎌倉への愛が詰まった一冊。鎌倉のあちらこちらを歩いてみたくなりましたー。
海街キャラと古都・鎌倉を歩こう♪
なかなか楽しい本が出ました。 吉田秋生さん監修の鎌倉ガイドブックです。 風光明媚な鎌倉の名所や景色の写真、名所への案内、おすすめグルメ&ショップの紹介など情報が満載です。 鎌倉には行った事ない地方在住の私。観光スポットといえば鶴岡八幡宮と湘南海岸しか思い浮かばないのですが 他にもたくさんの由緒ある寺院や美しい場所があるのですね。大昔、幕府があった所なのですから当然ですね。 しかし、この本の真の目的と楽しみは『海街dia y』&『ラヴァーズ・キス』キャラの生活の場や足跡を辿る事。 「海街MAP」を見れば、すず達の住まいや名所がどの辺にあるかが分かります。 また作中に登場した佐助稲荷や極楽寺駅などが、美しい写真と可愛いイラスト、漫画のシーンを添えて紹介されています。 香田家と『ラヴァーズ・キス』の鷺沢君の家が割とご近所だったとか、意外な事実が分かったりして楽しいです♪ 香田姉妹が大好きなお菓子“かまくらカスター”を売ってるお店もちゃんと紹介されてますよ。いつか是非食べてみたい。 紹介されている所を回るには長逗留しないと無理でしょうが、この1冊で鎌倉の魅力を充分堪能できました。 いつかこの本を片手に鎌倉を訪れたいです。
極楽寺駅、佐助稲荷神社、鎌倉高校前、江ノ電・・・・あぁ海街気分
今結構注目の鎌倉ストーリー「海街dia y」の番外(?)鎌倉ガイドブックです! コミックの新刊と同時発売とのことでしたが、こちらが先に手に入りました。 「海街dia y」の各場面、そして「海街」とキャラクターの相関でリンクし合ってる「ラヴァーズ・キス」の中の場面なども織り交ぜながら、印象に残る場所、名所旧跡、食が紹介されています。 写真がほぼカラーで、その場所が描かれてるマンガの中のコマを並べて載せているので、この一冊で「海街&ラヴァーズのあの場所巡り」なんてご勝手旅に使えますね。 いや、余程地元を詳しく知っていて、時間的余裕もないと、そこまでは無理かな・・? でも、海街&ラヴァーズの、ここは行って見てみたいっていう、自分好みのポイントは絞れるかもしれません。 閑話休題的に間に挟まれてる『海街猫写真館』も、眼と口の辺りの筋肉が緩みますね〜 猫目当ての鎌倉旅だって良いかも・・と、思えてきます。 『海街古民家探訪』での香田家のような、木造の味のある家を探し歩く旅・・なんてのも良いんじゃないか。 普通の旅行ガイドブックでも紹介されてるような所もありますが、 海街及びラヴァーズのあの場面の場所!と、気分に浸るならこのガイドブックかもしれません。 一頁に鎌金の「スーパーつみたてくん」ポスターが唐突に出てきたり、遊び心もありますな。 あ〜・・鎌倉&湘南、早く行きたいなぁ


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願わずにはいられない
当時リアルタイムで読んでいました。 最終回連載誌を手に取った時の緊張を今でも覚えています。 そして本当の意味での最終回といえる「光の庭」。 これを読んでやっと私の時間も動き出した気がしました。 本編ラストを読んでからの、苦しいのか切ないのか嬉しいのか、 自分の感情に答えが出せなかった時間が。 映し出された彼の姿はどれも自然でそのままの彼だったから。 不在の存在感。 もの凄く強く彼が「在った」ということを突きつけられる物語。 望んだわけではないその鮮烈な生き方も、 望んだからこそ手をのばせなかった共に歩む道も。 涙がとまらなかった。 だから願わずにはいられない。 どうか君は幸せに。 その生を全うするまで。 きっと誰よりも彼がそう願っているだろうから。 今でも読むたびに胸がギュっとなるけれど、 本当に本当に大好きな物語です。
本当に素晴らしい
BANANA FISHは語り尽くされている物語ですはありますが、自分がレビューをしていなかったので、あえて作成します。 本作品は本編でも十分に楽しめます。 ストーリーは美しく、登場人物の設定は深く、心に響く。 加えて、このANOTHER STORYを読めば、本当に泣けます。 他の多くの作品は「加える」ことでそれまでの感動を台無しにしてしまうのですが、本作品は「より深く」してくれますし、「納得感」も生まれます。 私は結構な歳なのですが、本作品こそ、若い人に読んで欲しい。 本当に素晴らしい作品です。
心救われた思い
本編、泣きながら読んでいました。 そしてこの「Banana fish anothe sto y」の2話目に収録されている「光の庭」。 本編終了から7年。英二とシンがアッシュの死をどのように受け止め、生きていくか。 涙なしでは読めません。 写真の中の穏やかなアッシュの表情。 この表情に救われました。
物語は続き、読者はついてゆくのみ
名作「BANANA FISH」の、「その前」と「その後」を 描いた作品を集めたこの本。 作品としては、別々の単行本に収録されていたものがあったので (それぞれ描いた時期がばらばらだったためか) こうやって、1冊にまとまってくれたことがまず、うれしい。 p この1冊を読むと、英二、アッシュ、ブランカ、伊部さん、ショーター、 それぞれが作者の中で共に生きていることがわかる。 特に「BANANA FISH」と「YASHA」、さらには「イヴの眠り」まで 実に10年以上(作中では20年以上!)の時間を、一本の線に繋ぐ キャラになっている、シン・スウ・リン。 物語は続き、その中で時間は流れ、読者はその大きな流れに ただついてゆくだけだ。リアルタイムで読むことが出来る喜びを持って。
久しぶりに漫画で泣いてしまいました!
BANANAFISH最高です! 涙がずっと零れ落ちてしまいました! 久しぶりに、いい漫画を読んだって感じです。



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余韻の残る作品。
YASHA続編の文庫最終巻。3巻で終わってしまったのが惜しいが、続編としてはこのくらいが適当なのだろう。ただ、雨宮ケミカルがその後どうなったのか気になるし、本当にもう同じ事は起きないのか、そしてアリサが将来子孫を残すのかも気になる。それと、「死鬼」はどのようにして「魂がない」と言われる冷酷な存在に育ってしまったのか。感情のある存在である以上葛藤はあるわけで、そこをもう少し読みたかった気がした。このシリーズでは十市が大人になった姿が見られたのがうれしかった。


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吉田 秋生  
¥ 735(税込)
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ジャンル内ランキング:37,412位  
カスタマーレビュー数:2

くちコミ情報
とても現実!!
~吉田~~ 秋生のまた違った冷めた感覚を見ることが出来る作品。 p とても頭のいい冷たいけど心に残る他の作品とは違い、男と女が共に生きて行く様をとても現実的に描写しています。でも、やっぱりなんかほのぼのする部分があって何度でも読んでしまいました。 p 女のせこくてだらしなさとか男の情けないけど賢いところとか… 『なんだかなぁ』という部分を短編で綴~~っています。 やっぱり、うまいなぁ~~~と思いました。~
イイ感じに力が抜けています
88年から94年にかけて雑誌「HANAKO」に不定期に連載された吉田秋生のエッセイ的漫画。連載されていた当時はこれを読みたくて「HANAKO」を買っていたくらい。だが月1回程度でしか掲載されてなく(このため、“日記”ならぬ“月記”というわけです)、最新号に掲載されているかどうかで一喜一憂していた覚えがあります。単行本で出版されましたが、この文庫化にあたって単行本未収録分も収録されているようです。 p イラストレーターのハナコさん(26)とサラリーマンのイチロー君(27)の同居カップル。買い物、デート、食事のことや家事などの普段のささいなことから、誕生日・クリスマスといったイベントでのプレゼントの話、海、テニス、スキーといった遊びの話などなどを描きながら、「男ってどうしち?こうなの」片や「女ってやつは~」とお互いに思いつつ、折り合いをつけて生活している様子が明るく、時々の季節感も交えつつ描かれます。 読んでいて気持ちよいのは、ハナコさんにしてもイチロー君にしてもカラリとしたところがあり、例えば「男って・・・」という女性の立場の話を書いていても、視点はけっこう男女に公平なのでイヤミくささがないこと。それにハナコさんの絵柄がけっこうカワイイこともよい感じです。 p 吉田秋生というとどうしてもシリアスでドラマティックな作品を思い浮かべてしまいますが、ここではイイ感じに力が抜けていて、違った一面を見せています。当時”三高”と言われた理想の結婚相手の話、スキーブームの話など、バブル期真っ盛りの時代を彷彿とさせるところもまたなつかしいです。
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