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ボブ・ウッドワード
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カスタマーレビュー数:4
【くちコミ情報】
オーラルヒストリーの極み
当事者たちへの徹底的なインタビュー、取材と聞き書きによる現代史。その迫真性に圧倒される。従来の公文書中心の歴史ではなくこうした記述手法はオーラルヒストリーといって政治史として確立しつつあるという。それは、個人が迷走し暴走するというのが歴史の真実なのだと教えてくれる。だから本書は、膨大な数のしかも互いに矛盾するような言い分や発言をありのままに記述していく。ただ、われわれ日本の読者はアメリカ人読者と違ってTV等のマスメディアに日常的に接したわけではなかっただけに膨大な数の登場人物やその時々の状況を消化しきれない。この本を読みこなすには、人物ごとに写真やエピソードなどを調べてメモを作った方がよい。できれば、翻訳出版社側に人物索引をつけるなどの配慮が欲しかった。それで星ひとつ減点する。
正義を謳う国の正体は「否認」の国だった
原書タイトルを直訳すると「否認の国」になります。 イラクで起きている現実を「認めない」米国政府(特に本書の場合は ホワイトハウス)に対する皮肉なのでしょう。 著者がそういうタイトルを付けた理由を読者は1ページ1ページ 読み進めることによって理解していきます。 日本の縦割り社会も散々な非難の的になっていますが、此処で 描かれる米国政府(ホワイトハウス)のそれも本当に酷い。 特になわばりを主張する割には何もしないラムズフェルド国防長官 (尚、07年9月現在では前国防長官)と、それがネックになっているにも 拘わらず改善も解任もしない大統領。 そして縦割り故にイラクをどうするか?ということを国務省も国防総省も そして現地司令部それぞれが考える。無駄な仕事をしているのです。 そこで得た結論が活かされるのであればまだ良いのでしょう。 が、此処で得られた結論は(詳細は下巻で述べられています)侵攻から3年 権限委譲から2年経っても活かされることがありませんでした。 開戦、そして戦後処理に政権内部がどう取り組み、何を成し何を成さなかった のか(少なからず本書を読む限りでは成したものはない)知ることが出来ます。 又、我が国も米国政府に対イラク戦争では協力しています。 協力をする以上は相手の内情を知っておくべきだと思うのです。 そういう点でも一読に値すると思う次第です。
歴史は密室で決まる
前2作がブッシュにすり寄り過ぎたと批判されたこともあり、名誉挽回とばかり現政権を突き放し、食らい突いた気迫はうかがえる。まず、この年でこれだけしつこく取材をし、緻密な検証と構成のうえに大部なドキュメンタリーを書き上げるそのエネルギーに敬服する。ウッドワードか船橋洋一かといったところだ。 ブッシュ政権がなぜイラク戦争を始めたか。その意思決定の深奥を探るために著者は徹底して米政治権力の中枢に迫っていく。取材の舞台は初めから終わりまでアメリカ国内(ほとんどがワシントンDC)であり、著者は米軍に従軍したわけでもなければ、イラクの地を踏んでもいない。 それでいいのだ。記者の原点は足で稼ぐ、だが、どこへどう足を運ぶかは頭が決める。政治報道は決して体当たりの肉体労働ではない。派手で手っ取り早い従軍報道が今となってはいかに空疎なもので、権力の深奥に迫る作業がいかに地道で、高度な知的能力を要求するかがよく分かる。 ただし、イラク戦争の実相を知りたい読者は合わせて『イラク占領』(パトリック・コバーン)や、『イラク戦争の深淵』(国末憲人)も読むべきだろう。まるで異なった視点をクロスさせることで立体的な像が結ぶに違いない。 それにしてもコンドリーザ・ライスの無能ぶりをここまで書いて大丈夫なのだろうか…。
この本で描かれているラムズフェルドはまるでダース・ベイダーのよう
ブッシュ政権に関するウッドワードの本は『ブッシュの戦争』『攻撃計画』に続く3冊目。原著のタイトルも"State of Denial: Bush at Wa , Pa t III"。著者が言いたいことは、占領政策で1)脱バース党化を広範囲に実行しすぎたため、官僚たちすべて反米になってしまったこと2)イラク軍を買収するのではなく解体してしまったことで治安維持に使える手駒がなくなってしまったこと3)イラクの有力者会議を無視して指導層を取り込めなかったことーという3つのあやまちで泥沼化してしまった、ということか。前作ではブッシュ・ジュニアのリーダーシップに対するさりげない賛辞も見受けらたが、イラク占領が泥沼化した現在、米軍という武器を扱うには、あまりにも慎重さと経験に欠けた人物という感じで描いている。同じく、前作でさんざん描かれていたラムズフェルド国防長官とパウエル国務長官の確執はいよいよ深刻さを増し、二人が大統領を挟んでブリーフィングを行なう場合でも互いに口はきかず、ブッシュが議論の上での結論を得るということができなくなっていたという。 ウッドワードは湾岸戦争についても『司令官たち』を書いているが、大量破壊兵器がないと思ってシニアはイラクに攻め入って、実はフセインが粗製の核爆弾で実験する寸前だったと知ってチェイニー国防長官がすさまじい衝撃を受けたと書いています(p.327)。今回、大量破壊兵器はあると思ってジュニアは攻め入り、それを探したのですが見つからなかったというのは、マルクスではありませんが「歴史は二度繰り返す、最初は悲劇として、二度目は喜劇として」とつぶやきたくなりますね。
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続編として読むことをお勧めする
パトリックロビンソンの著作の和訳は数編出ており、作品中における米/中/露の首脳部はほぼ一貫して同一の登場人物である。そのため、作品中に頻出する首脳部同士の探り合いや、やり取りを堪能するには、潜水艦ものを著作年順に読むのが流れとしてはベストであろう。しかしながら、そうすると「シミタール」まで到達するのに時間がかかりすぎるかもしれない。ただ、この作品はどう考えても「原潜バラクーダ奇襲」の続編として書かれているので、本書の内容を堪能するには(どこがかはネタバレなので割愛するが)最低でも「原潜・・・・」を読んでおいたほうがよいと思われる。
伏見威蕃氏の訳が帰ってきました!
「ニミッツ・クラス」「キロ・クラス (海外ベストセラー・シリーズ)」で快調だったこのシリーズも、 一時期、「H.M.S. Unseen」「最新鋭原潜シーウルフ奪還〈上〉 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)」「原潜シャークの叛乱 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)」はややトーンダウン... それでも前作「原潜バラクーダ奇襲 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)」から盛り返してきました。 今作も非常に面白いです! やはり訳者は伏見威蕃氏の方が、この著者とは相性が良いのかもしれませんね。 「シミタール」の表記に???と思う超鋭い方は巻末の訳者後書きを見て下さい。 次回作は「Ghost Fo ce」。 まだ未訳の「H.M.S. Unseen」と併せて、早く和訳されないかしら...
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インタビューとネットを使ったアンケート調査の膨大な 調査資料から導き出された、「グローバル世界2.0」での マネジメントの課題と挑戦と実態を描き出します。 グローバル標準なルールで生き残っていくための必須の書です。 ネットと人材のグローバル化が当たり前になった「平たい」世界への 世界的な移行が始まった現在、組織と人材、資源のマネジメントには、 現実的にどんな問題があり、各企業は、どうやって克服しているのか?を 話題の中心におきながら、同時に個人の働き方、キャリア、必要な スキルセットを明らかにする。 2つのネットワーク。1つは、インターネットで結合されたICTの世界。 もう一方は、人間のネットワーク。本書は、世界中に平たく分散した組織を マネジメントしていく速度は、ICTのネット世界と比べて、 亀の速度ともいえるほど、手間と時間と智慧が必要な、後者の 人間ネットワークのさまざまな側面を、地理的に分散した組織、多言語、 他民族、多様な価値観をもったグローバルな会社組織で、 いかに人材を採用し、方向性をもたせ、組織の能力を最大に引き出していくか、 を、膨大なインタビューとさまざまなテーマに関して企業のケーススタディ を盛り込みながら、丹念に描いています。 各章の始めには、「キーポイント」、章の最後には、「まとめ」が 掲載されていて、ちゃんと確認しながら読み進めていけます。 本書の最後には、10の戦略として全体の要点をわかりやすく整理しています。 「フラット化した世界で生活するのは、頭はオーブン、足は冷蔵庫に入れる ようなものだ」(ウイプロ社幹部)という言葉が印象的です。
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あんなに真剣に英語に取り組んだ日々はなかった......
”Welcome to ou pa ty..”会場入り口、長身で魅力的なその女性は、微笑みながら私の手をソフトに握った。正面スリーンには、祝辞をよせるレーガン大統領のビデオが大きく映し出され、やがてSPを数名引き連れた中曽根首相が大股で会場に入ってきた。所はホテルオークラ大宴会場、Newsweek日本語版発刊祝賀パーティはたけなわを迎えていた。 この女性こそ、ニクソン政権の圧力に抗し若いウッドワードとバーンスタイン記者を支えたポストの社主キャサリン・グラハム女史だった。 当時新聞は連日のように、大統領再選委員会から5人の侵入者にわたった金の流れやホワイトハウス側のもみ消し工作を報じていた。けれども周りの誰もが、これが大統領弾劾と辞任に至るとは考えもしなかった。再選を果たし、ホールドマン、アーリクマンといった有力な側近に守られたホワイトハウスはこの上なく強固に見えた。やがて上院聴問が始まりこれら雲上の大統領側近達が次々と証人台に立った。帰宅するやTVに釘付けとなった。弁護士、美人の妻に見守られ、時には涙をみせ証言する姿は最高のドラマだった。 翌朝、聞き取れなかった英語を確かめるため、懸命にNYタイムスを読んだ。All the P esident’s Men, Blind Am ition(J.Dean), ホールドマンやマグルーダーの告白書を買い求め読みふけった。あの頃ほど真剣に英語を読んだ時期はない。 それから30余年、ウッドワードは本著で遂に”Deep Th oat”の正体を明かす。もとFBI No.2と知り合ったなれそめも興味深かったが、衝撃的だったのはこの元高官の老いだった。レーガンでさえ、自分が大統領だった記憶が定かでなくなっている。ジャーナリストにとって、守秘義務は生命線であるけれども、一方で機が熟せば公表したいという欲求・周囲からの圧力に身をさいなまれる。しかし公表には健全なる精神状態にある相手が、自由意思で合意することが何よりの前提だ。老いて記憶を失いかけた情報提供者と、かって交わした守秘の約束はどうあるべきか、これが本著のテーマである。
ジャーナリストを使って大統領を葬った男
ウォーター・ゲート事件が明るみに出たのは、義憤に駆られたFBI副長官が危険を 顧みずワシントン・ポストの記者に謀略を匿名でカミング・アウトしたという単純な 図式ではないことが分かりました。他のレビューではウッドワードのヒューマニズムを 賛美するものが多いのですが、アメリカの権力とマスコミの関係は911直後の大本 営報道にも見られるように密接な繋がりがあります。 本書にも触れられているのですが、事件発覚前に当時FBI長官のフーヴァーの 急死がありました。本来であれば副長官であるフェルトが臨時であったとしても 長官につくのが(フェルトにとっては)筋というものでした。しかし当時の大統領 ニクソンはFBI外部のパトリック・グレイをフーヴァーの死後26時間10分後長官代理に 任命しました。グレイはニクソンの永年の忠臣でした。FBIの業務については習熟 しているとはいえず、フェルトのさまざまな提案にも耳をかさず、勝手に決めたことを 局内の満場一致で承認したとウソの発表をしたりしていました。さらに司法省から 若い部下を呼び寄せて自分を蔑ろにされていると感じたのでしょう。 事件発覚の背景にはフェルトのニクソンに対する私怨があり、動向をつぶさに ウォッチしていた謀略をリークしたという図式のほうがむしろ自然です。もし、 フェルトが首尾よくFBI長官に繰り上げ就任していれば、むしろ事件をもみ消すほ うに回っていたかもしれません。ウッドワードはワシントンのパワー・ゲームに 踊らされたと読み方もできるのではないでしょうか。その部分はウッドワードも 分かっているのでしょうがそこは物書き、晩年のフェルトとの触れあいなどはあ る意味秀逸です。アメリカのマスコミが他国に比べて反権力で質が高いといった 偏見についてはもう少し考察する必要があるのではないでしょうか。
30年以上前の事件がなぜ今もアメリカそしてジャーナリズムにとって重要なのか
読もう読みたいとずっと思っていたのですが、ウォーターゲート事件が起きたのが1970年台、それに「大統領の陰謀」は映画にもなっていますし、ウッドワードの本も読んでいましたので、「慌てて読む必要もないかな」と思い、どうしても読み始めるのが後回しになっていました。そして今更ながら読みました。 しかし読んでみるとやはり良書でした。そしてこの30年以上前の事件がなぜ今もアメリカそしてジャーナリズムにとって重要なのかと言うのを再認識しました。今まではディープスロートという匿名でしか書けなかったことが、今回初めて名前もあげられることによって、ウッドワードにとって、なぜこの情報を得ることが出来て、そしてディープスロート(マーク・フェルト)との間の意見のすれ違い、立場の違いなどが克明に書かれています。一時はウッドワードはディープスロートの名前を出してしまおうかとも思い、それをフェルトに激怒されたことなど、包み隠さず書いています。その後これだけの長い年月その名前を隠し通したことによりウッドワードは信頼されるジャーナリストとなり、内通者から信用されるようになり、より一層彼がジャーナリストとしての立場を築けたました。だから今日までジャーナリストの礎となった事件でもあるので、これだけの年月が経っても語り継がれるのでしょう。しかしその秘匿したことにより、彼は親しい同じジャーナリストと仲違いしたり、今まで親のような存在で接していたフェルトとも会うことがなくなったのですから、彼の苦悩は想像に絶するかと思います。 またTVや映画でよく見る、内通者と地下の駐車場で会うシーン、内通者との連絡方法(これが本当に映画のような話です)、本当にスリリングな展開で、そんじょそこらに有るような中途半端な推理・サスペンス小説よりもはるかに内容で凌駕していました。(それも完全懲悪で、世界一の権力者を倒すことになるわけですから、小説は現実に勝てません) 他の方も書いているのは、次々とニクソン政権の高官の名前などが出ますが、本書の最初に当時の役職が書いてありますが、誰が誰だか分からなくなることもあるのと、いかんせん時代が古いの若い方には特に手を出しにくいと言う点だけが難点です。
気になっていたことが解決
ウォーターゲート事件は、日本でも毎日報道されていたから興味を持っていた。当時『大統領の陰謀』も読まなかったし、映画も見なかったけど、それも話題になっていた。ヴァニティフェアの記事は、ダウロードして読んだ。本書を読んで、当時の様子がよく分かり、調査報道の概要もわかった。本とは、もっとつらかったのだと思う。また、痴呆が進むフェルトとの関係や心遣いなども心に残った。 たまたま,去年の夏にDCに行ったら、当然、原著は積まれていた。何気なく観光バスに乗ったら、ウォーターゲートビルは観光スポットだった。FBI本部や司法省の前は、何度か歩いた。『大統領の陰謀』を読みたくなった。映画もちゃんと見なきゃ。
ジャーナリストとしての著者の矜持に触れる一書
ボブ・ウッドワードは、時のアメリカ大統領ニクソンを辞任に追い込んだいきさつを書いた『大統領の陰謀』の著者として有名です。 当時ワシントン・ポスト紙の新米記者だったボブは、同僚カール・バーンスタインと共に精力的な取材をこなし、スクープを連発しました。ボブに情報をもたらした匿名の政府高官は「ディープ・スロート」と呼ばれ、長いこと正体が明かされることはありませんでした。 本人が死亡するまでは公表しない覚悟をしていたウッドワードですが、「ディープ・スロート」が情報を提供してくれた動機を探求するために、もう10年も前からFBIに通い、機密解除された資料をコツコツと掘り起していました。 突然の正体公表から間髪を入れず出版された本書は、ウッドワードが「ディープ・スロート」の動機を探求した中間報告としてまとめられたものです。 事件から30年近く経過してやっと会えたフェルト氏は、ただの老人になっており、もう昔の記憶が失われているようでした。 フェルト氏は「重大な情報を提供してくれた人」ではなく、もはや著者の人生にかけがえのない人になっています。それなのに、単に「昔知り合いだったらしい人」という立場で交わすフェルト氏との会話は切ないものでした。 「言葉に詰まった。感激した。大声で泣きたかった」 と著者は述懐しています。 しかし、著者は、無理やり記憶の扉をこじ開けるような行為はつつしみました。 思い出したのは、記憶を失っていくレーガン元大統領の言葉です。 「なんというか、自分が大統領だったという気がしない」 「自分がディープ・スロートだったという気がしない」といいたくなるまでフェルトを追い込みたくはない。 それが、ジャーナリストとしての著者の矜持でした。 歴史的疑獄事件の真相を探る、というより、著者のジャーナリストとしての原点に触れる一書でした。
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【くちコミ情報】
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戦争についてのQ&A集。これからアメリカ軍に入隊しようとしているアメリカ人のための予備知識集といった感じでしょうか。 内容についての信頼性は、それほど高いとは思えません。例えば「戦争の定義」についても「1000人以上の命が奪われる激しい紛争と定義されている」と…? 戦争を定義するということは、戦争とは何かということを理解することでもあるので、少なくとも、どうして1000人なのかを説明する必要があると思います。 そのほかの項目についても、きちんとデータに基づいているのか、それとも著者の主観で書かれたものかが判然としません。アメリカ人の常識に基づいて省略されているところもあるのか、日本人にはわかりにくいし誤解を招きやすいと思います。 日本人には鍛冶俊樹『戦争の常識』をお薦めします。P.W.シンガー『戦争請負会社』を併せて読むとより良いと思います。
アメリカのすべての人が・・・
ざっと3分の1は知らなくても問題がなかった。3分の1は既に知っていることで、淡々とQ&Aが続く。読む必要のある人は読むべきだが、すべての人がっていうのは言い過ぎだろう。
イデオロギーや物語を抜き取った“本当の戦争”
Q:戦争とはなんですか? で始まり、 Q:軍服はずっと持っていてもかまわないのですか? で終わる、戦争に関する437のFAQ。 p ちなみに最初の答えは、 「A:1000人以上の命が奪われる激しい紛争と定義されている。」である。 p こんな基本的な定義すら多くの人は知らないはずだ。意に反して戦争に巻き込まれた人々はともかく、自ら兵士として戦場に赴く人、テレビやインターネット越しにある種“対岸の火事”としてイラク情勢や世界各地の紛争を見聞きしている僕たちも、“本当の戦争”を知らない。 この本からは、“イデオロギー”や“物語”を抜き取った戦争のマテリアルが見えてくる。戦争の物語性を徹底的に排しているから読み物としては面白くはないが、ハンドブックとして一通り読んでおく価値は充分にある。踏み込んだ取材やデータ収集のアウトプットを、このような極力客観的な書物に仕上げた著者の意図に共鳴する。
「戦争は悲惨だ」という言葉を使わずに戦争の悲惨さを説く書
世界中の紛争を長年にわたって報道してきたピューリッツァ賞受賞記者クリス・ヘッジズによる「What Eve y Pe son Should Know A out WAR」の日本語版。437のQ&Aで戦争の真の姿を炙り出そうという著作です。 p 最初の問いは「戦争とはなんですか?」という至ってシンプルなものです。正解を読む前に私なりに答について考えを巡らせてみましたが、“国家と国家が兵器を用いて云々…”というところで詰まってしまいました。しかし本書の答は、問い同様にシンプルなものです。 「1000人以上の命が奪われる激しい紛争と定義されている。」 p 本書はことほど左様に各問いに対して上記のような百科事典風定義をはじめとして極めて冷静な説明文が続きます。 p たとえば、調査統計資料風の文章: 「体のどの部位を負傷する可能性が高いか」 →「すべての負傷の40%が爪先から太腿までの怪我」 p もしくは訓練マニュアル形式の文章: 「劣化ウラン汚染の回避方法は?」 p →「破壊された戦車の清掃や砲弾の撤去を命じられたら化学防護服を着ること」 p はてはテレビ・ゲームのルール教則本のような文章: 「攻撃目標にしてはいけない建物は?」 →「教会や学校、病院や歴史的建造物」 p 本書には拳を振り上げながら声高に戦争反対を叫ぶ文章も、軍事力増強の重要性を説く文章もありません。ひたすら淡々とした筆致で戦争というものを437の多面体として捉える作業が続くのです。 p しかし不思議なことに、戦争を「説明する」文章を通読していると私はあたかも苛烈な戦場の渦中にいるかのようなうすら寒さをおぼえたのです。いかに淡々と説明しようとも戦争というものが人間性を瞬く間に破壊してしまう狂気に満ちた行為であることは覆い隠しようもないのです。そのことに改めて気づかされる実に巧妙な構成をもった書物だといえます。
現在の戦争にまつわるQ&A集
この本に書いてあることが全て真実である保証はどこにもありませんが(どの本に書かれていることに対しても・・・ですが) しかし書かれた内容のほとんどを今現在の戦争に関するリアリティと捉えるなら 大変重要な書物と言えます。 p この本は、2002年のピューリツァー受賞記者(NYタイムズ)が15年の戦場特派員体験をふまえた p Q&A形式の、まさに知っておくべき戦争関連事柄です。 どのページから開いてもOK、という気軽に読める、しかしどのページも重要な本です。 p 観念論や理想論なんかじゃない、リアルな描写が我々日本人にとっては、ややもするとあいまいなイメージで語ってしまいがちな戦争の、 その輪郭を際立たせます。一読してみてはどうでしょうか。
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ライアンの「ニック」よりも
マクナブの「ニック」はもっと人間臭い。辞めたくて仕方がない裏家業なのに金銭的事情で断れずイヤイヤ仕事に向かうものだから失敗して・・・。(このへんはなんとなく普通のサラリーマンのような感じも)今回は麻薬マネーと陰謀渦巻くパナマまで狙撃ターゲットを追いかけジャングルの奥深く潜入。工作員一家との因縁も。(これは次の「開放の日」につながる)冷戦構造の解消により、冒険・スパイ・秘密工作系の小説、映画は逆に世界の隅々まで広がりつつあり、かえって広がりを見せる。本シリーズのようなまさに地べたをはいつくばって、失敗すればいとも簡単に切捨てられる存在は、ほかの華やかな特殊部隊ものとは別の感情もわき、得がたいシリーズとなっている。
びみょう、ですねぇ(ムシ嫌いには薦めません)
「ファイアウォール」でアンディ・マクナブにはまりました。 何もかもこなすスタイリッシュなスーパーヒーローではなく、時に弱さも有り、セラピーにもかかっちゃうような 人間臭い主人公、ニック・ストーンのリアリティが、戦闘シーンや格闘シーン等々のリアリティ以上に面白く、 親しみを持ったのです。 その点今回も、泣き言言う、くたびれる、弱気になる、悩む。。。ニックは、本当に人間らしい。 ただ、リアリティさが結構きつかったなぁ。その他の部分の。 特に、ジャングルでのニックの奮闘ぶりは、なるほど熱帯ではそうなんだろうと思いながらも、あまりのリアルさで。。。 ムシ嫌いの人、ちょっと読むのきついですよ。体中がかいくなります。 清潔主義の人、ちょっと読むのきついですよ。これまた、体中がむずかゆくなります。あと、口の中が気持ちわるぅく なる(一週間も歯を磨いてない!なんてこと、読むのも嫌、なんて)。 と言う状態で、全体の3分の2くらいまで結構読み進むのに、きつかった。 ただ、その3分の2が過ぎ、全容がわかってくる頃から、がぜん読み進みスピードが速くなる。 いつもの、アンディ・マクナブや、って、先が先が読みたくなります。 ただ、そこまでがねぇ。。。ちょっときつかった。 でも読み終わったら、やっぱり次作が読みたくなる。 と言う意味で、やはり良かったのかな。
ニックよ、次回作ではプロらしく!
毎回楽しみにしている元SAS隊員、ニック・シリーズなので期待しながら読んだが…今回はハズレだ! まずニックの振る舞いがまったくプロらしくなく、拍子抜け。沈着・冷徹なプロフェッショナルの仕事を期待しているだけに残念。「どうしたの?」といいたい。 さらにストーリーが冗長で退屈、盛り上がりに欠ける。どうでもいい情景描写やディテールにこだわりすぎておもしろくもなんともない。 さらにさらに訳がダメ。冒険スパイ小説の流れがわかっていない仕事ぶり。 『リモート・コントロール』のニックは、アンディ・マクナブはどこへ行った! 次回作はたのむぞ。
いっき読みしてしまう本
待ちに待ち焦がれていた本なのに、発刊されたのに気づかず、いまごろ読んだ。今回は、主人公のニックがあまりにも悲惨な状況に陥っているので、読みはじめてしばらくすると、すごく暗い気分になる。あまりにも悲惨すぎる。でも、また密かに世界を危機から救っている。 毎回思うのだが、残りページ数が少なくなる頃から、物語がどんどん展開して、おいおいこの先どうなっちまうんだ、本当に残りのページ内で話がおわるのか?と不安になってしまう。 パナマ情勢、狙撃の知識はもちろん、またもやディティールは細かく、軽妙な語り口も健在だ。中盤はジャングル戦が主体になるので、ストーリーの起伏はやや低い。 好きな度合いは、クライシスフォア>リモートコントロール=ファイアウォール>ラストライトになるが、その割には、一気に読みきったのは今回がはじめてだ。 訳者あとがきで紹介されている、続編のLi e ation Day(2002),Da k Winte (2003),Deep Black(2004)の順次、日本語訳が待ち遠しくてたまらない。恋焦がれているといってもいいほどだ。このシリーズを読み終えるまでは、なんとしても死ねないな、と思うのだ。
「ニック・ストーン」シリーズ第4巻
今回のテーマは「狙撃」。狙撃の仕方(銃の撃ち方)だけでなく、偽装の仕方から下調べの仕方といった、マクナブお得意の濃いディテール満載。主な舞台はパナマ。よってジャングルでの戦法も詳しく書かれている。 p 日本人にとってはほとんど親しみがないパナマ。もちろん「パナマ運河」くらいは知っているだろうが、実際に白地図を見せられて「パナマはどこか?」と聞かれて正解できるのは、ごくごく僅かだろう。パナマと聞いて忘れてはならないのはアメリカのパナマ侵攻と撤退。それがパナマに、そして周辺諸国にどのような影響を及ぼしたのか詳しく書いてあり、教養を増やすことができる。 p ストーンは同業者の007のような現実離れしたスーパー・スパイではない。ミスも犯すし、銃も排出不良を起こす始末。情緒も不安定である。そんな、物凄く人間臭いストーンだからこそ、余計に親近感が湧いてしまう。そこが本シリーズの魅力だ。
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ボブ・ウッドワード
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イラク戦争を知る上で基礎となる本
イラク戦争について、実に様々な本がある中で、最初に読むべき本、もっとも基礎となる本だろう。 ボブ・ウッドワード氏の著作はブレがあり、どこまで調査のしたうえで本を書いているかについて、衝撃的な本もあれば、力の入っていない本もある。 その中で、イラク戦争についての「攻撃計画」「ブッシュの戦争」の2作を読んで、ボブ・ウッドワード氏も歳をとったな、などと感じ、この本を手に取っていない人がいればすぐに読んでみるべき本である。ボブ・ウッドワード氏の本の中では非常に力の入った本である。
ブッシュと政権を担うエリート達
著者はブッシュの戦争を追っかけ、これが三冊目。イラク戦争を扱ってきており、取材源も相当なもので、政権内部に食い込んだ事実、発言を駆使しながら、その政策およびその政策の作成過程、実行過程を、冷静に、しかもやや批判的に明らかにしてくれています。驚きは、そういうエリートたちはプライド、顕示欲、ナンバーワン思考、デリカシイのない発言・・・・でお互いが張り合っており、まとまり、連絡のないことおびただしい中で、ことが進められている様。いやはや、何の根拠もなしに戦争をおっぱじめるアメリカの政権の有様、混乱振りが良く分かります。
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下巻は2003年8月から始まります。大量破壊兵器が「見つからない」理由を 調査チームが突き止めたり、バグダッドの国連事務所がテロによって襲われた 頃からです。 相変わらず縦割り行政の弊害は続いていて連携が全くとれていません。 一向に事態が進展しないことや二期目に入ったことで人臣の入れ替え (国務長官や首席補佐官等々)も行いましたが(本書では一番のネックと されている)ラムズフェルド国防長官はそのまま留任。 誰もがラムズフェルドがネックであることや、侵攻&統治計画の失敗を 指摘するもなわばり意識や実務面から泥沼にはまっていく様を描いています。 そして重要なのは最終決断を下す筈の大統領が(本書を読む限りでは) 積極的に事態改善に動くこともなければ、何かに対しての判断すら下して ないのです。 描かれているのは国民に対して現実を否認し(実情を話さない) 「夢」や「信念」を訴えることで事態は解決する、という点ばかり。 そんなイラク戦争と米国政府(ホワイトハウス)が詰まった一冊です。 この戦争を肯定するにしろ否認するにしろ、それを始めた人たちの実情は 知るべきだと思います。それがあってこそ(立場はどうであれ)個々の意見と して成り立つわけですから。
最も優れた情報機関は中国だそうです(p.63)
1)現在のイラクはクルド人、シーア派、スンニ派の三つの勢力によるゆるやかな連合国家がゆるやかにできつつあり、ブッシュ政権の統合された国家警察という考え方はうまくいっていない 2)何万人ものイラク人たちは自分たちが属する宗派や民族の地域に移動しており、こうした足による投票(場所や組織を離れることで不満や反対を表わす行動)こそ重視されるべき 3)ブッシュ大統領は敵方の死者数にこだわって発表しているが、ベトナム戦争の時、北ベトナムの戦死者は100万人にも達していた一方、米国側は5万8000人にとどまっていたにもかかわらず敗北したということを踏まえておらず、いたずらにイラク人の敵愾心をあおっている といったあたりがまとめでしょうか(p.358-)。ブッシュ大統領のとった増派策は初期ならうまくいったかもしれませんが、もう三つに分かれてしまった現在、スンニ派だけをつぶすようなことにならないか心配ですね。 ラムズフェルド国防長官の更迭は、古くからいわれていますが、破壊者と建設者は違う、ということでしょうか。四軍が統合された小さいながらも機動的な軍事力によって、あっという間にイラクを席巻しましたが、小さな軍隊というコンセプトにこだわるあまり(永遠のライバルであったパウエル国務長官が統合参謀本部長だった時代には圧倒的な戦力を動員して湾岸戦争を戦ったのとは対照的)、戦後統治でも増員を行なわずに、その判断ミスが命取りになったわけです。
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【くちコミ情報】
偏りに注意
アメリカの特殊部隊の支援部隊の歴史を聞き書きに基づく エピソード中心に辿った本。 題材となっている部隊は、特殊部隊が実際に活動するのに 必要な情報を集めることを任務としている部隊である。 本書がでるまでは、ほとんどその存在を知られていなかったとの ことだが、それは厳重に秘密にされていたからというよりは、 軍内部ですら日陰者扱いされていたからと思える。 日陰者扱いされていた存在が、サダム・フセイン捕縛 という功績をあげたために堂々と表に出てきた感じ。 なぜか、イギリス人が書いているんだが、こういう本が出てきた 背景には、多分、米軍内部での権力関係の変化がある。 まあ、そんなことはどうでもいいが、気をつけなければいけないのは、 著者が徹底して現場の視点から物を見ていること。 本書は、あの作戦もこの作戦も軍中央や政治家が、さっさと決断して 武力行使していれば、上手くいったのにという調子で書かれている。 特殊部隊の関与が検討されるような問題は、政治的問題が主、 軍事的問題が従であることが多く、武力行使で解決できることは、 そう多くない。 それは、最大の功績として描かれているサダム・フセイン捕縛後の イラクの状況を見ても明らかだろう。 ところが、この本の著者は、ジャーナリストでありながら、 そういうことは何も考えていない。 だから、読み手の方がよく考えなければならない。 この本は、批判的に読まれなければならない本だと思う。
面白いです
読み応えがあります。一度読んで、もう一回読みました。
良本だが副読本必須、というか知らないと星2.5くらいにしか……
1970年代特殊作戦で大失敗したアメリカ軍が反省してまた新たに作られた諜報組織、『情報支援隊(ISA)』のお話。 ぶっちゃけて言うとCIAみたいな諜報機関と軍の特殊部隊を足したような組織。「軍事作戦の『前』に短期集中で潜り込み、作戦の準備をする」ための部隊。 基本的にどういう作戦にかかわり、どういう働きをして、どうなったかをさらっと書いてあるだけなんだが、話が話だけにいろいろボカシているところも多い。 その上CIAが邪魔したとか情報を隠して協力しないとか、軍上層部で作戦立案したのに握りつぶされたとか、愚痴っぽい話が多い。 まぁ、所々見覚えのある名前が出てきたりするのが業界の狭さかな? ただこの本、単体で読んでもそれないに面白いが副読本があればなお面白い。 1980年 4月 イーグルクロー作戦から2003年 イラク戦までの期間、戦術情報収集にいろいろ出張ってます。いくつかの作戦の話を読んだり聞いたりしたことがあるなら別視点でのドラマというようで非常に面白い。 またSEALSやデルタフォース、SAS等の特殊部隊の話で抜けていた時期がこの本で埋められたりするのでそっちの興味がある人もお勧め。 で、アメリカ諜報組織多すぎ! CIAだのFBIだの、NSAだの微妙の守備範囲がかぶってる所では喧嘩するし、組織のために得た情報だからって別の組織に流すのを渋るし、と読み進めてユーゴ空爆やアフガン辺りで気がついた。 こいつら(ISA)すげぇ強引だ。 これは嫌われる。 考えてみれば当たり前なんだが他の組織は事件の後も残っているんだから、こいつ等みたいに「今、正確で十分な情報が取れれば後は組織が壊滅状態でもかまわない」って訳にもいかないんだな。 そこに強引に割り込めば迷惑だし、地域のスパイも動きにくいだろう。 それにもう一つ。 こいつらは有能だけど、あくまで『戦術レベルでの諜報』に特化してる。 だから戦略レベルでのインテリジェンスでミスがあると間違った情報と間違った指針で動くことになる。 だから最終章で扱われたイラク戦で「上に『大量破壊兵器』見つけて来い」といわれても見つけることができない。 無い物は探しても見つからないからな。 別の本でイラク戦の戦略レベルでのインテリジェンスや作戦の推移を知っていると、「こんなに苦労しているのにほぼ無駄手間なのか……」と感慨深い。 後この本読むと何であんなにラムズフェルド長官やブッシュ大統領がガチ保守、ネオコンだったのか判る気がしてくる。 ミスると痛いけど予防戦争でうまくいけばダメージ軽いからね。 イラクではミスったけど。 やっぱりこの本は別の本とクロスチェックや別視点での展開を知っていないと駄目だ。 複数回読むこと推奨。
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