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【くちコミ情報】
偶然と記憶
「デジタル時計が11:11となる瞬間を見た。すげぇ偶然。」とか言う人がいるが、それ以外の時刻になる瞬間も記憶していないだけで何度となく見ているはずだから、奇妙な偶然として記憶に残るかどうかはその人の価値基準に負うところもあるのだろう。 本書を「嘘のような本当の話」として楽しみつつ、オースターがどういった事柄を強く記憶し物語としてどう受け止める作家なのか考えながら読んだ。今度オースターの小説を読む時に本人の顔が浮かんできそうだけれど、きっと読み始めたら物語にどっぷりはまって、彼のその日暮しのことなんて忘れてしまうに違いない。
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【くちコミ情報】
ただカフカ的なだけじゃない
「ファンショー」を「フィクション」に読み替えて、 オースターがフィクションの創作に関して何かを掴むまでのプロセスの 最終段階の物語としても読めます。特に後半、特に第8節の途中以降は 著者が書く際、「フィクションは……」などと書いて後から 「フィクション」を「ファンショー」に一括変換 したのでは?と思うぐらい(笑)そのように読むと いろいろおもしろいことを言っているので是非試してみてください。
人間の危さや脆さを描く傑作
本書はThe New Yo k T ilogyの最終話だ。 この3部作は何れもある人物に関わる謎を探ることを目的とする推理小説のような体裁を取っているが、読み進めるにつれて実は謎を追い求める主人公の内面の変化がテーマになっていることに気がつく。 主人公は最初は職務としてターゲットとなる人物を尾行したり、過去を調べたりするのだが、次第にターゲットと自己との境目が曖昧になり、謎を探る行為は職務ではなくそれ自体が自己の存在意義と化していく。 外面からは安定しているように見える人間の心に潜む危さや脆さが見事に描き出されており、楽しく読める作品ではない。だが最近のポール・オースターの円熟した作品とは異なる実験的な要素がちりばめられた初期の傑作だと思う。
傑出したラストのリアリズム。
オースターの初期作品の中で、頭ひとつ抜け出ている印象の本書。 書き出しからラストまで、どこをとっても好きなのは、ちょっと贔屓のしすぎかもしれませんが。。 オースターのストーリーの書き方は偶然に拠り過ぎているって話がありますが、私はそれよりも、幸福はいつまでも続かない、ハッピーエンドでは終われない物語のリアリズム性の方に、オースターらしさを感じます。 この作品のラストは、そういう意味でものすごく印象に残っています。 曖昧な結末の映画を見たのに、考えさせられるのではなく、理屈ではなく、胸がうずくと言えばいいのか。 数あるオースター作品の中でも、この作品のラストは群を抜いているように思えます。 未読のオースター好きの方には是非読んでいただきたいです。
ノック、ノック
実に小説らしい小説だと思う。 もしくは物語らしい物語。 サスペンスフルでスリリングでどことなくカフカチックで、読んでいて引き込まれる楽しみがある。 この人の小説はこのあたりから物語小説としての魅力を増し、「ムーンパレス」、「リヴァイアサン」、「偶然の音楽」、「ミスターヴァーティゴ」あたりの完成度の高い作品に結実していく。 作品として決して完成度が高いとは言えないまでも、それは筆者がその後さらにすばらしい作品を生みだしたという事実をすでに知っていることから来る相対的な評価でしかなく一つの作品としては十分に楽しめる。 私は読後、村上春樹の「羊をめぐる冒険」を思い出した。 二つの物語が探求したものは果たして同一のものだったろうか、と考えたのだ。 この「鍵のかかった部屋」、もちろん村上ファンのかたにもお薦めです。
ある日突然
親友のファンショーがいなくなったことを知らされた「僕」は、彼の残した小説を出版するが、「僕」の生活は一変してしまう。「僕」がファンショーの名で小説を書いていたという噂が流れ始めてから「僕」の中の何かがおかしくなる。「僕」は親友を愛していたのと同じくらい憎んでもいたのだ。彼は本当に現実世界にいたのだろうか、もしかしてファンショーは「僕」ではないのだろうかと現実と幻想の境界線が曖昧になってくる不思議な作品。「われわれは自分自身のために存在しているのだろうし、ときには自分が誰なのか、一瞬垣間見えることさえある。だが結局のところ何ひとつ確信できはしない。人生が進んでゆくにつれて、われわれは自分自身にとってますます不透明になっていく。」この「僕」の言葉の中にファンショー(=オースター)の心の叫びが聞こえてくるような気がした。
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【くちコミ情報】
「言葉」と「アイデンティティ」に関するミステリー
オースターを一躍有名にしたニューヨーク三部作の一作目。一応はミステリー仕立てになっているがポストモダン世代の作家らしく、凝りに凝ったメタ小説となっている。 例えば、主人公が複数の名前を使い分ける詩人、作家、探偵、そして偽ポール・オースター(!)であるように、様々な「名前」が入り混じり、「主体」のペルソナと人格が曖昧になるような仕掛けをされた登場人物達の設定。(最後の方で話者=主体がさりげなく入れ替わるストーリー展開は中々である。)また、日本のポストモダン文学作家である高橋源一郎と共通する、セルバンテス「ドンキホーテ」への愛。「言葉」を巡る聖書への考察。(当然、そこでは「バベルの塔」への言及も行われる。)このような要素が有機的に構成されつつも、彼独特の陰鬱で奇想的なストーリーが展開する。 言葉と主体の問題をきちんと掘り下げつつミステリーに仕立ててみせた作者の知識と技量が味わえる作品。それにしても、オースターが大変優れた作家であるのは明白なんだけど、こんな陰鬱な作品世界を描く作家が日本でも広く読まれているのはなぜなんでしょう。(いや、僕も好きなんですけどね。)
お値段に難あり。
The New Yo k T ilogyのうちの最初の本作品は、三部作の中で一番長い作品であることを差し引いても、このお値段は高いです。 オースターの(正確に言えばP.Auste 名義での)処女小説にあたるこの作品は、最後の最後(それこそ最後のページで。未読の方は読むとわかります)で物語をある意味で投げてしまったところで、本一冊としてまとめるには、ちょっと無責任にすぎるのではないかと思います。 そこを考えると、Ghosts, The Locked Roomと続いて、初めてこの作品は一つのものとして完成すると考えるのが妥当でしょう。 そうじゃなくてはGhostsは短すぎますし。 その点からすれば、City of Glass単品での製品化はただのバラ売り以外の何でもないんじゃないかと、どうしても気になってしまうのです。 作品のできについて言えば、オースター好きにはもちろんお勧めです。 また、英語学習という観点から言えば、文章自体は平易だけれど、ここそこに難しい単語(英検一級レベルから、果てはGRE教本に載ってるような単語まで)が混ぜられていて、なかなか読みごたえがあります。 コロンビア出、文学の修士課程も「経験」しているオースターの英語はとても勉強になります。 結論としては星2つ。 お値段がこれで600円を切っていたら、4は間違いないのに。。
人間の脆さを感じる
ニューヨーク3部作の第1作で、舞台は勿論ニューヨーク。 主人公は妻と子供に死に別れた中年の推理小説作家。真夜中にかかってきた一本の電話をきっかけに、不思議な事件に巻き込まれる。 探偵小説のように始まるが、事件の解明よりは心理描写に重点をおいて描かれており、主人公が依頼を引き受けてある人物を尾行してニューヨークを彷徨っている間に、知らぬ間に自分も心のバランスを失っていくところが少し怖い。fallという言葉が頻繁に使用されているが、平和な生活を送っている人であってもふとしたことで、そこから転落する危さ、脆さを常に抱えているような気がした。 ポール・オースターらしく無駄がなくきびきびした文体で、物語が次から次へ思いがけない展開をみせるのは実にうまいし、「言葉」や「ドン・キホーテ」に関する考察などのちょっとしたサイド・ストーリーも面白く、色々な観点で楽しめる作品だ。短編だが物語の構造は結構複雑で、再読すると新たな発見がありそうだ。
すごすぎる
幽霊たちを先に読んでしまったのだけれど、こっちもすごい。 人間のアイデンティティについて、探偵小説という形式を利用してぐりぐりと書く、まさに名作だと思う。 ニューヨーク三部作、これと幽霊たちと鍵のかかった部屋、あとのふたつは翻訳界の現人神とすら言われた柴田さんが訳してくれていて本当に素晴らしいんですけど、これだけ違う人で、それが残念。権利関係があるんだけれど、柴田さんの訳で再販してくれることを強く望む。 まぁ、それをのぞいても十分に面白い小説であることは間違いない。
オースターのとりこです(^0^)!
まさにディスカッション小説の神髄です☆オースターはニューヨーク三部作を通してアイデンティティーについて書いていますが、話の結論が大事なのではなく、読んでいく過程で自分で考え、オースターの投げかけている問を考えてみることが、この小説の面白さだと思います。英訳を読んでからでもいいので、原作をぜひ読んで見てください。オースターの文章は完璧で無駄がなく、意味の無い文章や言葉が全くないので一行一行大事に読んで欲しいです!!
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【Amazon.co.jp】
本書は、ポール・オースターが、「犬の視点」を通してアメリカのホームレスを描いた作品。一見奇妙な設定だが、ジョン・バージャーの『King』同様、感情に流されない厳しい犬の目を通してホームレス生活を描くことで、メロドラマ的なセンチメンタリズムに歯止めをかけた。バージャーが数人の登場人物をかわるがわる描いたのに対し、オースターはたった2人の主人公をじっくりと追っていく。まず「これといった血統も特徴もない雑種犬」のミスター・ボーンズ、そしてその飼い主であり、4年前の母親の死をきっかけにホームレス生活を始めた精神分裂症の中年患者ウィリー・G・クリスマスだ。 物語は、ウィリーとミスター・ボーンズが人探しのためボルチモアの街をさまよう場面から始まる。相手はウィリーに作家になるようすすめてくれた高校時代の英語教師。死期迫るウィリーは、飼い犬と、グレイハウンドバスのターミナルに隠してある自分の大量の原稿の引き取り手を必死の思いで探していたのだ。「とうとうウィリーはこれまで書いたことのない最後の1文を書き終えた。残された時間はもうわずかしかない。あのロッカーにある原稿の一語一語、それは彼がこの世に存在したあかしのようなもの。もしその1語でも欠けてしまったら、彼の存在自体を否定されたも同然なのだ」 ポール・オースターは、考えさせることで読者の感情を揺さぶるタイプの知性派作家である。死ぬ瞬間、ウィリーはあふれんばかりの言葉の海に向かって漕ぎ出していく。一方、残されたミスター・ボーンズはきわめて哲学的なことを考えだす。それはかつてウィリーが「ティンブクトゥ」と称した「あの世」のことだった。 ペットとしての生活が許されなくなったらどうなるだろう。いや、そんなことはありえない。だがミスター・ボーンズはだてに長生きしているわけじゃない。ちゃんと知っているのだ。この世の中、ありえそうにないことがいつだって起きる、なんでもありの世界だということを。だぶんこれもそのうちの1つなんだろう。でもこの「たぶん」ってやつの先には、ものすごい恐怖と苦痛がぶらさがっている。それを考えるたびに彼は言い知れぬ恐怖に襲われるのだった。 ウィリーの死後、1人ぼっちになったミスター・ボーンズをとりまく環境はどんどん悪化。飼い主のいない犬は数々の裏切り、拒絶、そして失望を経験することになる。犬の心の内側に入り込んだ独特の世界観を通し、オースターは人間のもつ残酷さ、めったにお目にかかれない優しさを巧みに描き出す。だが読者は思い知らされるだろう。「ティンブクトゥ」の世界が荒涼としていること、そしてときおり感じる神の恵みの瞬間さえ、長くは続かないことを。(Alix Wilber, Amazon.com)
【くちコミ情報】
期待通りの温かな作品
オースター氏の作品で、柴田さんの訳であれば、間違いないとは思いましたが、3時間程で一気読みしてしまい、後に温かな気持ちになりました。 本っていいなぁ、小説って素晴らしいなぁ、この作品に出会えて良かったと思いました。 小汚い犬に路上生活者の男、という社会の外れ者をこれほど温かく書けるのはオースターならでは。 語り手の設定や、ストーリーの展開も意外さがあって新鮮。 最後は、M .ボーンの幸せを強く願いながら本を閉じましたが、励まされるのは読者の方なんですね。 これから寒くなると、路上以外に住む所のない人や犬には辛い季節だなぁと哀しくなりました。
淡々と物語は進んでいきます。
ポールオースター待望の新作です。「ミスター・ヴァーティゴ」、 「最後の物たちの国で」、「幽霊たち 」と、彼の作品は大好きで すので、本書もとにかく買ってしまいました。 犬の視点から世界を眺めていきます。物語は淡々と進んでいきま すが、ポールオースター作 + 柴田元幸訳 の文章が心地いいです。 犬(主人公)にも段々と感情移入してきます。が、寓話的な感じ が本書にないのが残念でした。ここを一番楽しみにしていたんで すが・・・「犬がしゃべる最初から寓話」なハズですが、物語が 自然なので、犬がしゃべるのが全然不思議に感じられず、それが 逆に災いした気がします。 ちなみに、”ティンブクトゥ”の意味は、同時に読んでた「富の 未来」によれば、アメリカ人共通の”地の果て”だそうです。 「シューシャンクの空に」の”ジワタネホ”みたいに個人的な思 いで使っていると思っていましたが。 最後のシーンはジーンとしたので、星1つ足して、星3つです。
世界の隅っこでワン(one)を叫んだケモノ
飼い主に先立たれた老犬ボーンズは、その後何度かウィリーとの放浪生活からは想像もつかない「犬的に」豊かな飼い主に出会うのだが、どうしてもそこに居つくことが出来ない。常に主人としてのウィリーに思いを馳せる(ってのも極めて人間が考える犬性に拠る)。その犬的な葛藤が僕にどんどんページを捲らせる。「おいおい、どうしてオマエはそうなっちゃうんだよ?」。。。そして最後のたったの3ページで読者は驚愕の結末に口をあんぐりと開けることになる。オースター作品の中でも最も「想像のつかない」結末だ。 これは、「愛の分配性」についてのお話である。ウィリーは何一つ持たないが故にボーンズを唯一無二のシモベとし、最大の愛を注ぎ、ボーンズはそれに常に応えている。そのシンプルさは美しい。そして主人の死によって、「一般的な人間は多くのモノを所有し、それが故に愛=共に生きる時間を無意識に分配し続けている」という一般性の複雑さに老犬は気付いてしまう(同時に僕らも気付くことになる)。一般論として、豊かさは複雑さとの葛藤であり、その世界ではシンプルな愛の交換は得がたいものなのだ、と。 人間は、あるいは犬は、幸せを最大化するために生きていることが前提であるにも関わらず、豊かな食事も、一定時間的に優しい飼い主も、雨露がしのげる家さえも最大欲求=愛の非分配性をカヴァリッヂできないのだ。 けっきょくは人は他の誰にとっても周辺(f inge)なのだ。隅っこで端っこなのだ。つっか、実は全ての豊かな者は中心であると同時に隅っこなんだろう。そしてそれぞれがその隅っこで愛を叫んでいる。世界の中心で愛を叫ぶことができたのは、お互いを中心として捉えることが出来たボーンズとウィリーだけだったのだ。 その「気付き」のための物語。オースター作品で最も寂しく、哀しく、理解し難い幸福な結末の1冊である。
ダメ。ボクにはぜんぜんあわなかった
皆さんの評価とジャケ買いで読んでみたのですが ダメでした。 ボクには合わない。 眠いし、わからないし、退屈。 主人公の人物に共感も興味も持てない。 ジャンキーな詩人。 こういうの苦手。 最後に期待しようとも思ったのですが、 途中で断念。 読んでいる時間がつまらないし、もったいなく感じ 途中で本を閉じました。
shaggy dog story
声に出して読んでみるとよくわかるのですが、 日本語のリズムに無理がなくて、耳にものどにも心地よい。 柴田さんの和語のセンスのよさが感じられます。 物語は、冴えない男とそのペットの犬との まったくとりとめもない話なのだと言ってしまえばそれまでです。 でも、毒にも薬にもならないということは、 呼吸をするのと同じくらい、そこにあることが自然だということ。 すっかり自分の生活の一部になっているということ。 それは犬のみならず、何か生き物を飼ったことのあるひとなら、 わかってもらえる感覚だと思います。 生き物を愛する、愛される。 お互いにそんな関係でいられたらいいのに。 年を取るのも死ぬときも、いっしょだったらもっといいのに。
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現代の寓話
素晴らしいと思います。作者の想像力には脱帽です。ただ、この作者は作家であると同時に詩人でもあるので、この物語の真の面白さ(巧みな音韻、文章のリズム)は日本語版では味わえないのかもしれません。ぜひ英語で読んでみたいと思いました。
そして終わった
オースターの作品の中でも、とりわけ読みにくくて、とりわけ悲しい物語だったような気がします。 みんなほんのちょっとの幸せが欲しいだけだったのに。 登場人物たちは、大して欲張りでも、貪欲でもないのに、ちょっと幸せになりたいだけなのに、どうしてこうなっちゃったんだろうね。 そして気がついたら、この物語が出来上がっていたという感じです。 不思議な不思議な物語です。 読む人によって、いろいろな読み方が出てくるのではないでしょうか。
一所懸命生きてゆこう
生きる事を諦めたり、生きる意味を消失したり、生きる意義を見つけた瞬間にその命をなくしたり。またあるいは、その無意味さに気付いてしまったり。 作者の描く主人公達がかつて味わったとは違う人生を、この主人公の少年は歩んだのだと思いたい。 しかもなんとなく、作者はああいう人だから、こういう言葉を望んでいるのじゃないかと勘ぐってみたりした。 『そんな少年が主人公?しかも訓練と、あるなにかの奇跡的なきっかけで?ジョーク?ひょっとして、たちの悪い比喩なんじゃないの?やりすぎよ、あなた』 なんて。 読み終えて気付いた事は、それがたとえジョークであろうがたちの悪い比喩であろうが、 この作品は、 「一所懸命生きる事」 を描いた物語だという事。 幾度死ぬような目にあっても、もはやどうしようもない局面に立っても。 主人公の少年が大人になり、それを成功と言えるものかどうかわからない所に立って、やはり死に直面しても。 生きて。 その人生に関わった人々との絆をけして忘れる事なく。 「死ぬまで生きた物語」 ラストを語る事はしません。 ただ思いました。 「一所懸命生きて行こっと」 と。
1番好き
オースターの作品の中では1番好きです。 少年の生涯が、とても悲しいです。 でも彼は幸せになれたのかな。 オースターなりの幸せの定義が見えた気がします。 そしてそれは、ひどく心を揺さぶります。
悲しい物語
なんだか、人生というものをわかったような気にさせてくれる作品です。 少年の成長があり、師匠との別れがあり、失敗も成功もありで、おなかいっぱいな内容です。 読み応えがたっぷり。 そしてラストはなんとなく悲しい終わり方です。 オースターの中では1番好きです。
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【くちコミ情報】
最高傑作ではない、、、彼がまだ生きているから
というくらい、いままでで一番、重く、なおかつ、夜どおし読んでしまうほど、おもしろい。 わけのわからない結果と原因を提示され、「なんでやねん!」とつっこみつつも、好奇心で読みつづけ、「なるほど。そいうわけか」と思った矢先、次にまた「なんでやねん!」とつっこんでは、「なるほど。そいうわけか」と…というのが連続し、どんどん物語に引き寄せられる。そして、その全体の構成がこれと同じ。 ポールオースターってだいたいいつもこんなんやけど、偶然の音楽とかムーンパレスって尻切れトンボって感じがしたのに、これには、完結した感があって、心にいつまでも「リバイアサン」の塊を持てるような気がする。本ってのは、読ませる力(オースターにはどの作品にもある)も大切やけど、残るというのが一番大事な気がする。
奇妙な
奇妙なおかしさがあり、しかし物悲しさもありの長編小説。 謎だらけで展開していきます。 ささいなことで人生は変わるんだ、と妙に納得させられてしまいました。 それはオースターの力なんでしょうか。 ずしんと重く響く作品です。
登場人物の心の描写が素晴らしい
ここでの評価や他の log等で評判がよかったので読みました。 ポールオースターの作品を初めて読んだのですが、 とても良くできた作品だと思います。 久しぶりに人に紹介できる作品にめぐり合えて本当によかったです。
著者も認めるまとまりの無さ
大仰なタイトルや冒頭で「私」の友人が事故で爆死したことと、その後の記述には必然性も脈絡もない。そもそも登場人物が十分に書き分けられていない。主人公や友人は「作家」らしいが、創作の苦しみなどなく、放蕩に身をもち崩している。登場する何人かの女性も個性的なようでやはり書き分けられていない。どうしてこんな小説がまかり通るのかというと、米国の文化そのものがローコンテクスト、つまり「ことば」に込められる意味が平板で奥行きがないためだ。それ故著者はこれでもか、これでもかというように日常的な出来事を書き連ねていかねばならなくなる。その単調さを拭うためにところどころに不倫や殺人事件を配しているが、これも何の必然性もなく進行する。全体は大きく3つくらいの部分に分けられ、別々に書いたものを無理やりつないだとも見える。どこをとっても面白くもないこの小説を何とか読みやすくしようとした訳者の努力には敬意を表する。「訳者あとがき」には訳者の苦悩のあとが窺われる。時間を持て余している人、文学を口にはするが実は感性の無い人、ことばを大事にしない人にはうってつけである。多分映画化すると脚本家の手が入ってなかなかの作品にはなるだろう。ただし、原作とはかなり違ったものになることは止むを得ない。
最高傑作!
勿論個人的な評価ですが、私はこのリバイアサンがオースターの作品の中で一番だと思います。余りにも繊細であった為に社会から姿を消し、そして爆弾魔として世間に舞い戻るしかなかった友人のことを、懸命に書き記そうとする主人公。アメリカとは何なのか、自由の女神とは何の象徴なのか、別にそんなことを考えなくても(考えた方がいいのには決まってますが)、十分に読ませてくれる作品です。オースターは実に色々なテーマに、色々なやり方でトライしている作家ですが、この作品は書きたい事とそこへのアプローチ、それに彼本来の美しい文体の全てが見事に一つにはまった、一発の特大ホームランのようなものではないでしょうか? 何度振り返っても、この主人公の友人である爆弾男のことがいとおしく思えてなりません。
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ワールド イズ ラブ
非常に面白いストーリー。 おもしろい展開だけど、おかしくないか?と言うツッコミはない。 なぜだろうか。 青春は、そして人生は、多かれ少なかれ必然の偶然がある。 それを作者が絶妙にそしてパワフルに作品に送りこんだからだと思う。 そして誰もが青春をしっているから。 雨は決して降り続けることはない。 そして点と点はつながる。
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現代日本にとっては極めて現代的な内容である(のではないだろうか)。 とくに、耽美的であり虚無的な20代の青年には、その衝撃はかなり大きいのではないだろうか。いつか読むべき本ではなく、『今』読むべき本だと思う。
絶品
この小説は初めて最後まで読めた小説だった。ポールオースターの美しい言葉や表現でドンドン見入ってしまった。やはり絶品の小説だった
卵の落下
もう読んで何年かになるが、それでも時々思い出すのが、主人公が台所で卵を落とす場面である。おそらくオースターの実話だからだろうが、困窮する生活の中で大事な卵を落とす深刻さが本当によく書けていた。ことばから何かがイメージできるなど幻想に過ぎないが、この卵の落ち方の生々しい物質性は、その幻想を信じる気に十分させる。
生きていかなきゃいけないのです
そういう物語。 息している限り、息がある限り、私たち人間は生きているのです。 長い物語のあらすじを描くと総てが見えてしまうのはこの作者の作品の特色です。 なので作品に関しては何も言えないわ。 息があった事を、主人公に祝福。 生きていてよかったね。 命あってのものだねだ。 過去は捨てればいいものだもの。
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決して、決して
決して初めてオースターに触れる人にはお勧めしない。ニューヨーク三部作でも読んでからのほうがいいだろう。 あまりに詩的で、物語、語ることの意味を物理的、そして精神的密室の中で延々と語る姿はある種狂気じみていて、でも、だからこそ小説家が取るべきスタンスだ。 自伝ぽいけれど自伝じゃない。これは小説だ。極めて哲学的で思考的で、一文たりとも読み逃せないので、読むのに非常に時間がかかったりするのだが、その文体の端々から伝わる孤独っぷりがすごい。 天才。
無に捧げられる祈りの書
ここに描かれているのは、父親を慕う息子の哀しみといってよいもので、〝見えない父親〟は、同時に、作家自身のことであり、またこの血縁を呪う宿命的な遺伝子だといってもいいものです。息子は父親を一向に捕えることができない。父は死んでしまった。しかし、このとき皮肉にも、いつしか父親となった息子は〝見えない父親〟に肉迫している自分に気づく。 p オースターの著作は時折〝センチメンタル〟に流されすぎていると批判されますが、この処女小説は、その郷愁にまるごとどっぷりと浸ることでしか描けない、まったく稀有な作品だと僕は思います。 確かに作品は中途半端な印象が拭い難いです。引用も多く、散文詩的な形式のためか、常軌の小説や物語とは作風が異なり、いささか読みにくい。でも、この剥き出しの感情の整理のされなさこそが、この初々しい小説の魅力だと思います。 p 自分が父親の息子であるという自覚と、自分が息子の父親であるという自覚。この乖離が、時を経て円環のように死と現実の間で接続されたとき、彼らは本当の〝親子〟となり、真の「孤独」が発明され、作家ポール・オースターは誕生した。 p 感動的な作品とは、まったく不意打ちに、手垢に塗れた知識や、見慣れた美しさとは違ったところから、突如現れてくるものです。 僕にとってはとても大切な作品で、何度も読んでます。
書くことと生きること
これは書くことに目ざめた作家の告白であり、緊張に満ちたオースターの詩的な最高傑作だ。カフカの日記やブランショの批評などと並べることができるほど、ここでオースターは書くこととの意味とその謎について問い続ける。その一行一行が思索に満ちており、熟読を要請するだろう。 p 書き手は父親の死を契機に、死と自分が書くことを結びつけて考えていく。父親の記憶と、今は父親になっている自分、そして自分の子供。この書物を書くことによって、作者自身が父親の死を体験することになるのだが、そうすることによって父親は新たに生きはじめることになる。喪の作業の見事な記録となっている。 p 第二部の「記憶の書」がこの本の中心となる。なぜ記憶と書くことなのだろうか。書くことにおいてこそ、わたしたちの無限の記憶がかかわってくるからだ。過去はその全体がこの現在と共存している。その潜在的に共存している過去と特権的にかかわる仕方が書くことに他ならない。そしてそれは間違いなく、いくつもの生を同時に生きることになるだろう。文学的評論としてももっと読まれるべき作品。
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ポール・オースター(編集)
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【くちコミ情報】
朗読もある
ポール・オースターという、今最も油の乗っているユダヤ人作家と、これまた絶好調の翻訳家柴田元幸という組み合わせがいい。翻訳が間違っている、という指摘もあるが、ほうっておけばいい。「翻訳は意訳に限る」というのが国際人・現代人の真骨頂なのだから。気になるなら、オースター自身の朗読もある原文を読めばいいのだから。それにしても、アメリカ人にはいろんな人間がいるもんだ。特に「物」という章には、非常な経験、ありえない偶然、というのがいろいろ語られていて興味が尽きない。本当に、実話か?と思わず言ってしまいたいような事ばかりだが、ここは書いた本人を信じよう。日本人とのエピソードも何編かある。やはり、この前の戦争がらみが多いが・・・・
「アメリカ」が語るノンフィクション・ストーリーにして、「アメリカの一庶民」が語るノンフィクション短編集
それぞれのストーリーは共通のテーマに沿って分類、層立てされている。動物にまつわるものから始まり、家族、戦争、愛、そして死にまで至る内容は、それぞれのストーリーを仕上げた個人は別人ではあれ、人生において起こりうるであろう様々なイベントを追体験するかのように構成されている。 その長さは見開きで2、4ページ分くらいのものがほとんど。まれに長いものもあれば1ページだけの短いものもある。美談の類の、いわゆる「良い話」もあれば、気まずい話題、惨めな話もある。喜劇もあればエッセイもあると、非常にバリエーションに飛んでいる。 また、それはアメリカ人、その全体としての代表や政府機関としての声、精神ではなく、アメリカ人自身の声、精神としても受け取れるものなのかもしれない。そしてそれは、We 2.0的文化で解釈するならば、当人達は決してそれを意識しているわけではないのだろうけれども、アメリカ人、もしくはその精神性に対する自分探しと解釈できるのかもしれない。 1冊で2通りの楽しみ方ができる非常に稀有な本と言える。
面白かったり、そうでもなかったり・・・
すごく面白い話とそうでもなかった話と極端だった。ただ、短編集なので分厚い割にはすらすら読めたし、「次はどんな話だ?」なんて期待を持って読むことが出来た。不思議なことをよく経験する私としては、読んだ後の感想は「この世の中に絶対科学で証明できないことが存在する」という確信だった。
180編の実話を収録。事実は小説を越えたのか?
アメリカの或るラジオ番組で、A短い話Bそして本当にあった話・・・という条件に該当するものを募ったところ、たくさんの応募があった。その中から選りすぐりの180編を「動物」「夢」「家族」「戦争」「死」などにカテゴライズしたものが本書である。1ページや2ページで終わるものが大半なのだけれど、エリザベス・ギルバートやジュンパ・ラヒリの優れた短篇小説を読んだときのような至福の読後感が味わえるものが数多くあった。さりげないスケッチが微笑ましいものもある。また何度読み返しても信じられないようなすごい話が豊富で、まさに「事実は小説よりも奇なり」だ。500ページを越える大書だが、軽量の工夫がされているようで意外に重たくないのもありがたかった。
いっぺんに全てを読むのはもったいない
「どうも肌合いが違うな…これなら2chの話をまとめた『思い出に残る食事』の方が100倍出来がいい」なんて思って読んでいるうちに「戦争」の章に集められた話には魅了された。 p ストレートフラッシュ同志のポーカー勝負に勝ち仲間たちから8000ドルを巻き上げた兵士が、直後に日本軍の戦闘機に爆撃されて死んでしまうという話。志願制となった日本上陸作戦への参加をひとり部隊でとりやめた兵士が、ハワイへ帰る途中、乗っていた輸送船が機雷で撃沈されて死んでしまうという話。16歳のドイツ少年兵が「朝から何も食べていない」と泣き出してオランダ人の主婦からポテトをもらう話。「『耐え難きを耐え』というヒロヒトのフレーズの主語は私たちだったのだ」と語り始める「1945年のクリスマス」。 p ちなみに「『耐え難きを耐え』という…」の原文はHi ohito meant us when he said, "We must ea the un ea a le"。 p 少しずつ読んでいきたい。
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