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おすすめ度
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カスタマーレビュー数:5
【Amazon.co.jp】
1967年、カナダ。 生後8か月の男の子が包茎手術の失敗からペニスを焼き焦がされてしまう。人工性器を形成するしか手立てがないと診断された両親は、バルチモアの名だたるジョンズ・ホプキンス病院を訪れ、性科学の権威、ジョン・マネー博士のアドバイスにしたがい、息子に性転換手術を受けさせることに同意する。しかし実情は、「性は生物学的に決まるものではなく、環境によって作られるものである」というマネーの理論を裏付けるための格好のモルモットとして、利用されたにすぎなかった。 本書は社会の偏見や持論に憑かれた性科学者の肉体的、精神的拷問に打ち勝ち、14歳で生まれながらにしてもった性を取り戻した青年の魂の記録である。著者のジョン・コラピントは数々の雑誌に寄稿するジャーナリストであるが、医学畑の家族に囲まれていることもあり、このケースに関する調査は徹底していて、性科学の読み物としても参考になる。だが、特筆すべきは、著者が序文で述べているように、この青年の物語に流れる「奇妙なまでに詩的な響き」だ。青年やその家族への100時間以上におよぶインタビューを通して、著者は鋭い洞察力で2つの性を生きた青年の心の叫びを静かに、しかし、力強く描ききっている。読み終えた後、ルソーの告白から引用された原書のタイトル『As Nature Made Him』(自然がつくったままの姿で)が心に残る。 本書の原作となったローリング・ストーン誌掲載の著者によるコラムは、全米雑誌賞を受賞している。ドリームワークスによる映画化も検討されていて、本書がどのように映像化されるのかとても興味深い。(野澤敦子)
【くちコミ情報】
きっと“正解”はひとつじゃない…
この本は家族の再生の物語であるとともに、 ジョン・マレーという医学界に絶大な影響力と権威を持って君臨して いたカリスマ博士を告発する書としても読むことができます。 p 半陰陽や性器に問題を抱えて生まれた場合、いったい どういう対処をしたらよいのか…? その“正解”は、きっとひとつではない。 p この本を読むと、地位や権威によってひとつことに傾いていくことの 恐ろしさを、心底かんじます。そしてそれは医学だけでなく、政治や教育 や他のたくさんの場で、弱者はそういう人間たちの犠牲にされている。 そのことに大きな怒りともどかしさ、悔しさを感じました。
男は男、女は女
ブレンダと呼ばれた少年は、男に生まれたのに女性として育てられた。詩人のリルケも幼少期に同じ経験をしている。人間の人格形成上、由々しきことなのだが、この実験を進めた性医学者ジョン・マネーは、ブレンダが思春期に男性に復帰したことを隠し、「女の子として社会的に養育すれば女性として育つ」と主張した。この考えが、ジェンダー・フリーという考えのもとになっている。マネーのインチキをバラした本だが、マネーの本はいまだ女性学の基本文献となっている。本誌が復刊され、多くの人に読まれることを願っている。
「性」を奪われた少年
未だに日本では、非科学的なフェミニズムイデオロギーの大合唱が喧しい。「性別・性差は生得的に決まっていない。社会的に作られる」と。社会的な影響もあるのは確かだ。だが、当然のように「100%社会的につくられる」わけではない。 あとにフェミニズムのイデオロギーに合致したため絶賛されるジョンマネーの「頭の中で作った」理論。その実験台になった少年。ペニスを失ってしまったことで、自分の意志とは関係なく「女」とされ、マネーの言うとおり両親も「女」として育てる。しかし……。 p この本を読了した数日後、ブレンダ少年が自殺した、というニュースを知った。性を取り戻し、結婚もしたが、やはり心のどこかには過去の闇が残っていたのだろう。ご冥福をお祈りしたい。 本書はセックス・ジェンダーを考える上での、基本文献に違いない。彼のこの不幸な体験に目を瞑るわけにはいかない。また、個人的な意見だが、『ヒューマンユニバーサルズ』『子育ての大誤解』『人間の本性を考える』もお薦めしておきたい。
正常な「男子」の性器を切除し、女として育てた恐ろしい話
「生まれながらのDNA」が「男」なのに、事故でペニスを失っただけで「もう男じゃない」とまわりが勝手に決めていいのか。睾丸を切除し、女性ホルモンを投与して、「女」として生きることを強いていいのか。本人の同意もなしに?あなたが男ならそうしてほしいですか。生後7ヶ月でペニスを失い、(自分が男だという意識もないまま)2歳になるのを待たずに睾丸を切除された男の子。その子に女の子の服を着せ、本人にもまわり(友だちや学校の先生)にも「女の子」と信じ込ませて育てる。思春期になったら女性ホルモンを投与して見た目にもはっきりと「女」にし、そのあと膣形成手術を行って、「幸せな結婚生活」が送れるようにする。こういうプランがあなたの知らないところで進行していたら?自分が女だということに何の疑問も抱かず、子供時代、思春期、青年・壮年・老年期と「大過なく」すごし、結婚生活もまっとうして墓場まで行ける?体は正常な「男」のDNAでできているのに?相当に無理のある筋書きにみえるが、これはアメリカでほんとにあった話だ。結局、筋書きどおりに事は運ばず、「ブレンダ」は長年にわたり、わけのわからない「体と心の不一致」に苦しんだ。まさに地獄の苦しみ。そして、ついに真実を知る。子供時代から片ときも頭を離れなかった「なにか違う」思い。その謎が一瞬にして解けた。膣形成手術を迫られていた時期だ。「ブレンダ」は決意する。男に戻ろう。ペニス形成手術を受け、結婚し、妻の連れ子をわが子として育てる毎日。これは「ブレンダ」が、人間としての尊厳をわが手に取り戻すまでの、孤独で壮絶な闘いの記録だ。これはまた、誰が、何のために、平然と「ブレンダの苦しみ」を作り出したのか、を鋭く暴く告発の書でもある。
ジョンマネーーに鉄槌を
ひとのgende identityの決定はnatu eかnu tu eか。 育て方で決るというマネーにより広められた現代の迷信のうそをこの本は見事に暴いている。ジェンダー学を学ぶものだけでなく、インターセックスに野蛮な治療を行う小児科医も必読すべき本である。 なおt ansvestiteの訳語を服装倒錯としてたのが残念。異性装と訳していたら文句無しの五つ星だったのに。 p この本を読まれた方は、橋本秀雄による「インターセクシュアルの叫び」なども読んで欲しい。
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