2008年07月07日(月) Current Eventsの第1位は
『Rivals: How the Power Struggle Between China, India, and Japan Will Shape Our Next Decade』!
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カスタマーレビュー数:2
【くちコミ情報】
さすがにそれはない
なにげなくのぞいたら「評論家ふたりの合作」とか書いてる人がいてびっくり エコノミスト誌の元編集長ビル・エモット氏単独の著作のはずですが あと基本的にエコノミスト誌に「署名入り記事」はありません ついでにThe Post-Ame ican Wo ldを書いたザカリアはコラムニストじゃなくて国際版の編集長です エモット氏は直接取材にもとづいて本書を書き上げていることも読めばわかります もちろん読んでいなければわかりませんね 巻末には参考文献が豊富に挙げられており、いんちきレビューより信用できると思われます
日本で売れるか
いくつか同じようなものが、同時にでている。その一冊。 ☆ ほかに、The Post-Ame ican Wo ldというタイトルの近未来ものも よく売れているらしい。 イスラエルものとかアラブものと並んで、定番のテーマ。 アメリカに拮抗する勢力の出現を予言するが、ほんとにそう思っているのかな。 8年ごとに経済規模を二倍にしてきた中国と、この5年ぐらい10%レベルの 経済成長をしている、インドへの注目。 ☆日本を加えて、この三国の動向が、アメリカに匹敵する重要性を持つとするが、 もう一冊同時に読んでいて、似たような著者とのコラボかと思ったぐらい、 類書と似ているし、アイデアが陳腐。 筆者は、アナリストとして寄稿するタイプのジャーナリスト。 ジムロジャーズのように、アジアにのめりこむ態度はないが、 イギリスとアメリカの高級紙、会員制のNLに、署名入りの記事を見たことがある。 船員ビルの外人記者クラブタイプの論評とでもいうべきかな。 個人的にも話してみたい。日本の商社の情報網のレベルが落ちてきているのかなとも 思わせる話がいくつか書いてあるし。 日経好みのテーマと論調。 翻訳もでるだろう。 史上はじめて、アジア全体をひとつの国ではなく、インド、中国、日本の三国が 「支配」する時代が来ると述べているので、出張先までもって行って、読んだ。 ジャーナリスティクな時事的面白さがある。 地勢的にも、日印中三極構造に向かうし、この地域の経済発展がほかの「世界」の地域に 大きな影響を与えるとするが、まあ平凡といえば平凡かも。 ☆ 南米や、ロシアについては、情報がないからではなく、わざと書かないのだ とみるべき。 ☆ 足で取材していないようで、”抽象化した具体例”や伝聞になっている。 参考文献リストはあるにはあるが、既存のデータを示されても意味がない。 中国については、この本よりも、最近出た実証的ルポ、 The China P ice のほうが優れている。チャイナプライスは、中国の労働者の インタビューと、企業経営の実証的動向について語っている。賃金上昇と近代経営への模索 の行き詰まりが強調されている。 インドについては、ちょっとクビをかしげたくなるようなところもある。 ジェネリック医薬品が発展途上国から先進国を席巻しているし、私の会社も取り引きを 始めているが、中国よりも技術力が高い。 もっとも、インドに最後に行ったのは、昨年の9月だから、それ以後変わったのかもしれな いが。 日本については、とくにイギリス人からの、過小評価が、常に存在する。この 本も例外じゃないようにおもう。金融の目だけでテクノロジーをみるためじゃないか。 アメリカに、アダムスミスというふざけた名前の経済評論家がいて、よくテレビで日本や アジアのことをめちゃくちゃ言っていたが、この本を読んでいて、あのパターンを思いだ した。
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カスタマーレビュー数:5
【Book Description】
世界でもっとも貧しい市民たちを極貧状態から救い出す道を探る画期的な本、ついに刊行。この本に書かれた繁栄と貧困の探求は、「タイム」による世界でもっとも影響力の大きな100人に選ばれた経済学者サックスのライフワークのエッセンスだ。サックスのねらいはいかに社会を貧困から救えるかについて、大きな視点から論じることに他ならない。ボリビア、ロシア、インド、中国、アフリカに関する自らの著作を論じて自分の足跡をたどりながら、複雑に絡み合った経済、政治、環境、それに社会の問題を解決するための総合的な方法を示している。読者を引き込む語りと厳密な分析、実際的であると同時に真摯に倫理的なビジョンを兼ね備えた「The End of Poverty」は必読の書だ。
【くちコミ情報】
開発経済学の醍醐味、魅力
我々世代の全世界的な課題として貧困の撲滅を提起する。世銀、IMF等の国際機関に興味ある者にとっては、開発経済学や国際機関の現実、可能性、魅力をリアルに教えてくれる必読書。ボリビア、ポーランド、ロシア、中国、インドでの実践経験を通した方法論を臨床経済学として提示。その過程は開発経済学の醍醐味、魅力を存分に紹介してくれる。最貧国の構造問題「貧困の罠」を解決するには、最貧国の人的、ビジネス、インフラ、自然、社会制度、知識の6つの資本、全ての要素がバランス良く持続成長可能なレベルに達するまで、豊かな国からの支援が不可欠であること。支援を効率的行うためには国毎のニーズにあった処方箋が不可欠であることを力説。後半はアフリカの貧困について。アフリカ支援が、横行する不正、低いモラル、文化の違いから上手く行かないという俗説を否定。気候、農地や交易地としての適性、疫病、天然資源、生態系などの地理学的なハードルの高さから経済成長が遅れているが、先進国の立ち上げ支援があれば自立成長が可能と主張。MDGに織り込まれ先進国によって約束された国民総生産0.7%相当の寄付の実現を訴える。貧困の終焉を奴隷制廃止、植民地政策の転換、公民権運動と準え、現在不可能に思えても実現可能である課題であると訴える。経済学者らしく論理的な展開は説得力に富むが、著者も指摘するように経済問題は複雑。動的複雑系の問題の解決策として、著者の提案する施策は一歩前進とは言え、実現までの道のりは長いように思われる。地理学的に恵まれない地域で紛争、飢饉などから貧困に苦しむ人々への救済措置として有効と思われる移住政策、先進国の閉鎖的な移民政策への言及なく、個人的には著者の意見が聞きたいところ。日本人としては、住友化成が生産する防蚊ネット普及率がマラリア危険地域住民の1%に過ぎず、アフリカでの医療政策の失敗例として連発されることが悲しい。
It's time to exert our responsibilities for the poorest of the poor
In a wo ld of plenty, we tend to igno e those in ext eme pove y. Jeff ey D. Sachs, as Bono disc i es him an ene getic, g eatest economist, howeve , diagnoses those who a e spi aling in a pove y t ap th ough his comp ehensive and c inical app oach. Now, we have to exe t ou esponsi ilities to heal the wo ld with hunge , disease,and ext eme pove y, and close the gap etween the ich and the poo ,says P ofesso Sachs. I'm ve y much moved y his and his sidekick, Bono's devoted activities.
理想主義と言われるでしょうが
読後に残る清清しさはどこから来るのでしょうか。経験と実例を巧みに織り込んだ説明は読むものに感嘆を与えずにはおれません。とくにボリビア等の政権の経済アドバイザーとしての働きはドキメンタリーとしての価値もあります。また自国であるアメリカの貧困対策に対する直接投資の低さ、並びに自国民の意識の低さに対する批判も非常にフェアなものに感じられます。 ただエコノミストにありがちな数字を駆使してしまう点、つまり0.7%と少数点以下の割合を強調することは、わが国における防衛費GDP1%論と同じくそれ以下のレベルの現状並びにそこからの離脱という困難なプロセスへの議論に欠けてしまうという点が残念でした。
provocative but no new insights
P ofesso Sachs w ites on pove ty vs development in the poo nations. It is a good ead, ut somewhat weak in insights. Instead, he applies a fixed set of concepts to aim to unde stand things. Fo a fa mo e insightful ook: ead: China's glo al each: ma kets, multinationals, and glo alization y Chinese jou nalist Geo ge Zhi in Gu, which offe s sweeping views a out cu ent China and glo al affai s.
Can we do it?
たった一人のEconomist(もちろん彼一人だけの力ではないでしょうが)がこれほど世界の経済に影響を与えたとは信じがたいことです。国連の掲げる"The Millenium Development Goals"の実現に向けて先進国(もちろん日本も)が一丸とならなければならないといけません。発展途上国(特にアフリカ)の不幸に対して無関心でいることはそれ自体が私たちにとっては罪なのです。まずはこの本を読んで考えましょう。
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【Book Description】
世界を代表する著名な開発経済学者が、いわゆる「発展途上国」を向上させようという西洋の思い上がりを激しく糾弾する。 前作『The Elusive Quest for Growth』(邦題『エコノミスト 南の貧困と戦う』)のなかで、西洋の組織は世界の貧困を解消するうえではまったくの役立たずだと批判したウィリアム・イースタリーは、当時の勤め先だった世界銀行から即刻解雇された。『The White Man's Burden』は、おおいに期待されていたイースタリーの反撃――世界の貧困に対する西洋の経済政策に叩きつけた、華々しくも激しい告発状だ。ときに怒り、ときに無礼になり、だが常に明敏で厳しいイースタリーは、みずからの愚かさの歴史と向き合い、正しい結論を導き出すことが西洋人には必要だと説いている。とりわけ、西洋の組織を途上国に導入する能力への疑念が膨らみ、我々の直面するもっとも切迫した問題となっている現状では、その必要性は高い。
【くちコミ情報】
An inspiring book to rethink about the poverty problem
This is wo th eading as it gives good analysis a out how the fo eign aids y the planne s don't wo k, and challengs the ideas in 'the end of Pove ty' y Jeff ey Sachs with clea facts and logical app oaches. The statistics with wise expansion of idea a e inspi ing to eview and ethink a out fo m and means of effo t ca ied out now to heal the pove ty p o lem. It ought me to question why the p o lem is neve ending and t y to ainsto m a out the effectiveness of the p esent system, and the possi ility of othe solutions like mentioned in the ook. It also gives a good pictu e of the elationship and histo y of the White man nations' and the Rest, which is wo th to think a out how the developed and developing nations could wo k togethe fo the goodness of all. Finally, ways of futu e of Weste n aid a e suggested, howeve , it leaves mo e oom fo the eade s to think of what can e done, and the management of these actions a e still questiona le.
世界の貧困の救い方
世界の貧困の救い方について考えさせられる本です。世界銀行のリサーチ・アナリストでニューヨーク大学の教授となった筆者は自身と世界銀行が行ってきた支援の効果がいかに無かったか、またその原因についての考察を行っている。特に、現地を知らないアナリストやエコノミストが成果に対する説明性やフィードバック無しに施策を行うことの愚かさを主張の中心に置いて、その対極としてのSea che の存在の必要性を挙げている。 もうひとつは自立促進的なアメリカ・モデルと異なる援助の成功例の提示である。アメリカ型の援助が成功を収めない一方で成功例として挙げられているが第二次世界大戦後の東アジアの成功である。日本の成功の理由についての記述もあるが、少し飛躍しすぎているようにも思えるが、アメリカ型の援助を見直させたいとの筆者の強い思いの表れであるとすれば許される範囲であろう。 援助問題の今昔を事例と共に学びたい輩には必読の一冊であろう。
本書の素晴らしさは、
欧米諸国の誤りを率直に認めていることと、日本など東アジア諸国の自発的な発展を大変高く評価していることです。 欧米諸国は、植民地時代から現在に至るまで、社会学的な知識はあっても現地の実情に疎い人物を送り込み、途上国の文化、社会、地理と整合しない発展の仕方を押し付けてきました。そうした途上国は経済発展のために必要な資源やインフラを適切に入手することができません。歴史的経緯により、当たり前のことができない国が、世界には溢れています。 本書コラムに登場するような、現地の実情を理解したスタッフや組織、あるいは自国を良くしたいという熱意に燃える憂国の士(本書ではまとめてSea che と言っています。)に恵まれない限り、援助は貧しい人達に届かないのです。 第十章に寄れば、日本は、Sea che に恵まれていました。地租改正で所有権を確立し、学制で国民全員に初等教育を施したように、「和魂洋才」を合言葉に、西洋の技術や制度を自分達が必要とする形にアレンジして導入し、自発的発展に成功しました。武士の世から明治へ、敗戦から世界第二位の経済大国へと、発展を遂げた日本。ここは感動モノです。忘れていた何かを思い出させてくれます。 是非日本語訳して、発展を成功させるために必要なものに皆が気づいて欲しいと思いました。
provocative idea
題はキップリングの有名な詩をもじっています。中身はかなりp ovocativeな作品です。つまるところ、開発途上国への援助はほとんど途上国の役には立っておらず、むしろ援助とその国の貧困からの脱出は,逆相関の関係にあるという主張がなされています。著者は、自分の世銀での経験も踏まえて、IMFや世銀によるsocial enginee ingはutopian d eamという間違った前提に基づいていると強く批判します。著者は、市場メカニズムの作用を高く評価しますが、市場なり制度を外部からのデザインに基づいて人為的に作ろうとする作業については非常に批判的です。著者は、援助なるものは、グランド・デザインに基づいてなされるものではなく、むしろ途上国での細かい日常の問題に対するpiecemealな対応の積み重ねこそが、援助の目的である貧困の除去に効果的に貢献すると主張します。その事例として、西欧の植民地になったことがない国の成功例を取り上げています。しかしこの成功例に含まれる国には、日本の”植民地”だった台湾や韓国が含まれる点についての掘り下げた分析はなされていません。最後の章では、いくつかの現在思考中のアイディアが呈示されますが、著者の言うとおり、それ自体は、当たり前のことです。
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新自由主義からの離脱
筆者のナオミ・クラインは、60年代後半から80年代ぐらいまで、ハーバード学派に対立していたMフリードマン流の自由主義経済学の、そのマイナス面を盛んに強調する通俗的な経済ものを書いている女流の著作者。 タイトルの”天災(災害)資本主義”というのは、戦争や自然災害が起こるたびに、地殻変動的に経済構造が変革してきたという主張のキャッチ。実例としては、ブッシュ大統領は911の災害が起こると同時に、フセイン支配下のイラク地域へ送る軍隊を全部外注する作業にとりかかったとか、南インドネシアを襲った津波のあと、災害で壊滅した海岸線が、プライベートビーチとして国際シンジケートに売却されたとか、いろんな実例を引いて、伝統的な新古典派→厚生経済の流れの中から生まれた、規制か自由かについてのバランス論が、主に公的な資源配分において、大きくバランスを失い、平衡状態が瓦解していることを指摘する。 ノーベル経済学賞を受賞したスティグラーの頃は、古典的なミクロ分析による最適配分が素朴に信じられていたと思うし、実際、見えざる手としての資本主義の自律運動は、ハーバード ビジネススクールの主流の思想的基盤だったと思う。それにマネタリズムの方面から異論を唱えて、一部のエリートビジネスマンをつかんだのがフリードマン一派だった。かれらシカゴ派の行きすぎが問題だと、クラインはいうわけである。 クラインの主張の行き着くところは、コミュニティの小さな公園さえもプライベイト化(私有化)されるということになると思うのだが、このロジックを、われわれの公的な医療制度、健康保険制度、介護保険制度に当てはめると、想像を絶する格差社会の出現ということになる。 後期高齢者医療制度などを見るとそれが明らかで、日本の行く末を暗示する側面もある。 その昔、シュンペーターが、イノベーションと戦争との深い関連性を指摘していることは誰でも知っていると思うが、そのシュンペーターの主張は、実は東部ハーバード、MITあたりの主流派経済学でもあった。 ところが、異端であったシカゴ学派流の自由主義をいっそう極限まで推し進めた新自由主義者が、いまのアメリカの企業経営の中核にいることを指摘して、その彼らの推し進める経営が社会全体の一層の不安定化を招いているというのがナオミクラインの主張である。これは、2005年の小泉改革の負の遺産に苦しんでいるいまの日本と重なり合う側面が大きい。 いまの日常が、一種の戦争常在という状況であることを考え合わせると、読み物以上の含意をもつのではないか。残念ながらデータが少ないのが致命的ではあるが、通俗的なNHK現代の映像 タイプよりはるかに啓蒙的。
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読みますか?ペーパーになってからでもいいのでは
日本には伝わらないアメリカの一面が赤裸々に取り上げられています。それはアメリカの対中東政策を一部のすきもなく統制するイスラエル・ロビーです。そのロビーが駆使する統制の手段は幾層にもまたがっています。アメリカの選挙制度を特徴付けるp ivate moneyを通しての議員のコントロール、行政府への人材供給を通してのagenda settingの支配, そしてメディアや学会を通しての全体主義ともいうべきclimate opinionの醸成です。結果としては、米国の政策と国民の合意との間の驚くべき乖離です。この米国とイスラエルの特殊な関係を正当化するために提示されてきた戦略的なそして道義上の理由の妥当性を、著者は木っ端微塵に粉砕していきます。著者のアプローチは徹頭徹尾、現実主義に基づくものです。国家間の利害は決して永遠に一致するということはありえない、そこにあるのは、偶然の利害の一致以上のものではない。どんな悪人との間でも合意は可能であるというものです。結論として提示されるのは、「イスラエルは米国を必要とするが、米国はイスラエルを必要とはしない」という単純だけど残酷な真実です。たしかに利害の優先順位の構造からはその通りです。しかしアメリカ人の価値の優先順位の中で、この真実をアメリカ人が受け止められるかどうかはまた別の問題でしょう。そしてパレスチナ問題の解決には、二つの国家の並存以外の解決しかありえないことを指摘します。ここにはネオコンとは違うアメリカのリアリズムの論理が赤裸々に提示されています。
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筆者のナオミ・クラインは、60年代後半から80年代ぐらいまで、ハーバード学派に対立していたMフリードマン流の自由主義経済学の、そのマイナス面を盛んに強調する通俗的な経済ものを書いている女流の著作者。 タイトルの”天災(災害)資本主義”というのは、戦争や自然災害が起こるたびに、地殻変動的に経済構造が変革してきたという主張のキャッチ。実例としては、ブッシュ大統領は911の災害が起こると同時に、フセイン支配下のイラク地域へ送る軍隊を全部外注する作業にとりかかったとか、南インドネシアを襲った津波のあと、災害で壊滅した海岸線が、プライベートビーチとして国際シンジケートに売却されたとか、いろんな実例を引いて、伝統的な新古典派→厚生経済の流れの中から生まれた、規制か自由かについてのバランス論が、主に公的な資源配分において、大きくバランスを失い、平衡状態が瓦解していることを指摘する。 ノーベル経済学賞を受賞したスティグラーの頃は、古典的なミクロ分析による最適配分が素朴に信じられていたと思うし、実際、見えざる手としての資本主義の自律運動は、ハーバード ビジネススクールの主流の思想的基盤だったと思う。それにマネタリズムの方面から異論を唱えて、一部のエリートビジネスマンをつかんだのがフリードマン一派だった。かれらシカゴ派の行きすぎが問題だと、クラインはいうわけである。 クラインの主張の行き着くところは、コミュニティの小さな公園さえもプライベイト化(私有化)されるということになると思うのだが、このロジックを、われわれの公的な医療制度、健康保険制度、介護保険制度に当てはめると、想像を絶する格差社会の出現ということになる。 後期高齢者医療制度などを見るとそれが明らかで、日本の行く末を暗示する側面もある。 その昔、シュンペーターが、イノベーションと戦争との深い関連性を指摘していることは誰でも知っていると思うが、そのシュンペーターの主張は、実は東部ハーバード、MITあたりの主流派経済学でもあった。 ところが、異端であったシカゴ学派流の自由主義をいっそう極限まで推し進めた新自由主義者が、いまのアメリカの企業経営の中核にいることを指摘して、その彼らの推し進める経営が社会全体の一層の不安定化を招いているというのがナオミクラインの主張である。これは、2005年の小泉改革の負の遺産に苦しんでいるいまの日本と重なり合う側面が大きい。 いまの日常が、一種の戦争常在という状況であることを考え合わせると、読み物以上の含意をもつのではないか。残念ながらデータが少ないのが致命的ではあるが、通俗的なNHK現代の映像 タイプよりはるかに啓蒙的。
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