2008年07月05日(土) Middle Eastの第1位は
『The Shock Doctrine: The Rise of Disaster Capitalism』!
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【くちコミ情報】
新自由主義からの離脱
筆者のナオミ・クラインは、60年代後半から80年代ぐらいまで、ハーバード学派に対立していたMフリードマン流の自由主義経済学の、そのマイナス面を盛んに強調する通俗的な経済ものを書いている女流の著作者。 タイトルの”天災(災害)資本主義”というのは、戦争や自然災害が起こるたびに、地殻変動的に経済構造が変革してきたという主張のキャッチ。実例としては、ブッシュ大統領は911の災害が起こると同時に、フセイン支配下のイラク地域へ送る軍隊を全部外注する作業にとりかかったとか、南インドネシアを襲った津波のあと、災害で壊滅した海岸線が、プライベートビーチとして国際シンジケートに売却されたとか、いろんな実例を引いて、伝統的な新古典派→厚生経済の流れの中から生まれた、規制か自由かについてのバランス論が、主に公的な資源配分において、大きくバランスを失い、平衡状態が瓦解していることを指摘する。 ノーベル経済学賞を受賞したスティグラーの頃は、古典的なミクロ分析による最適配分が素朴に信じられていたと思うし、実際、見えざる手としての資本主義の自律運動は、ハーバード ビジネススクールの主流の思想的基盤だったと思う。それにマネタリズムの方面から異論を唱えて、一部のエリートビジネスマンをつかんだのがフリードマン一派だった。かれらシカゴ派の行きすぎが問題だと、クラインはいうわけである。 クラインの主張の行き着くところは、コミュニティの小さな公園さえもプライベイト化(私有化)されるということになると思うのだが、このロジックを、われわれの公的な医療制度、健康保険制度、介護保険制度に当てはめると、想像を絶する格差社会の出現ということになる。 後期高齢者医療制度などを見るとそれが明らかで、日本の行く末を暗示する側面もある。 その昔、シュンペーターが、イノベーションと戦争との深い関連性を指摘していることは誰でも知っていると思うが、そのシュンペーターの主張は、実は東部ハーバード、MITあたりの主流派経済学でもあった。 ところが、異端であったシカゴ学派流の自由主義をいっそう極限まで推し進めた新自由主義者が、いまのアメリカの企業経営の中核にいることを指摘して、その彼らの推し進める経営が社会全体の一層の不安定化を招いているというのがナオミクラインの主張である。これは、2005年の小泉改革の負の遺産に苦しんでいるいまの日本と重なり合う側面が大きい。 いまの日常が、一種の戦争常在という状況であることを考え合わせると、読み物以上の含意をもつのではないか。残念ながらデータが少ないのが致命的ではあるが、通俗的なNHK現代の映像 タイプよりはるかに啓蒙的。
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【くちコミ情報】
偏見と誤解だけで構成された悪書
日本で見られる望ましくない出来事・光景・風習などを、極端に誇大表現した「反日本」。全ページにわたって日本に対する悪罵が連ねられているが、確かに悪い点はあっても、よい事も一杯あるのが事実であり、それを一切書かないのは余りに偏っている。著者は長年日本に在住しているようであるが、そんなに嫌なら母国に帰って貰いたいと感じる不快感だけが読後に残った。本当の評価は★ゼロ
Dogs and Demons: The Fall of Modern Japan
犬はそのへんに沢山いて、本物らしく描くのは難しいけれど、鬼なら奇抜だから誰でも描ける、という中国の故事から名付けられた「Dogs and Demons」。著者のKe は、日本は今まで鬼ばかり描いてきたと言っています。 購入してから2日で一気に読んでしまいました。 凄い本です。 産業発展のために天然林を伐採し、杉ばかり植林されたモノトーンな山々、砂浜の景色を台なしにする無数のテトラポット、垂れ流されるダイオキシン、地方の田園風景に突然そそり立つ風景にまったく溶け込まない金属色のコンサートホール(これこそ著者の言う「鬼」ですよね)、ごみごみして信じられない程住みにくい都会、官僚による「自動操縦」の行政、幼稚な金融システムに幼稚園レベルの若者。。。今まで一般の日本人の心の中につもりつもって、もうどうしたらいいのかさえ分からなくなっていた事をKe はこの本の中で見事に表現してくれています。そしてKe は、日本までおかしくなった理由として日本の文化や教育の影響をあげています。久しぶりに共感できる本に出会えました。この本を多くの日本の人、そして現状を理解しながらも日本に甘い期待や夢を抱いている外国の人に読んでもらいたいと思いました。外国人にはなかなか理解されない私達が感じている日本人の怒り、悲しみ、やりきれなさがKe のタフで時々ユーモラスな文章の中につまっています。
日本人は皆読んで欲しい
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『フェルマーの最終定理』に続き、世界的ベストセラーとなったサイモン・シンの話題作『The Code Book』の邦訳。 暗号は古代から重要な情報を安全に伝達する手段であったが、絶えず解読の危険性をはらんでいた。本書は、暗号とその解読にまつわる歴史上のドラマをひも解きながら、暗号の重要性と進化の歴史について語っている。 英国女王エリザベス1世暗殺に関する暗号文書が破られ、処刑されたメアリー・スチュワートの事件をはじめ、レオナルド・ディカプリオ主演の映画『仮面の男』(原作はデュマの『鉄仮面』)にも出てくるフランスの鉄仮面に関する文書、埋蔵金のありかが示されているという謎の「ビール暗号」、第1次世界大戦、第2次世界大戦の様相を変えた暗号解読者たちのテクニックなど、読者の知的好奇心をくすぐるトピックが数多く登場する。暗号が我々の歴史にいかに大きな影響を与え続けてきたのかがよくわかる。 転置式暗号、換字式暗号といった単純な暗号化の方法から、複雑なヴィジュネル暗号、エニグマ暗号、単純だが決して破られることのなかったナヴァホ暗号のほか、ヒエログリフ、線文字Bなど、数多くの難解な古代文字や表記が、暗号解読者たちの血のにじむ解析努力と併せて詳述されている。 本書では、読者がこれらの暗号を実際に作ったり、解読したりしながら読み進めていくことができるよう工夫されている。パズルや謎解きが好きな読者はもちろん、歴史の裏側をのぞいてみたい読者や考古学ファンにとっても興味深い1冊である。(土井英司)
【くちコミ情報】
面白いです。
面白いので一気に読めます。 ごみ処理の問題と同じほど難しい暗号があるのを知りました。
ロゼッタストーンから量子暗号まで・・面白くてワクワク
「フェルマーの最終定理」のサイモン・シンさん、 暗号解読の歴史というドキュメンタリーのこの素材を、 ストーリーテラーとして本当に上手く料理されてます。 冒頭に、暗号の重要さを説明する例として、 16世紀後半のスコットランド女王メアリーの悲劇を紹介・・・ 暗号が破らなければ助かるが、暗号が破られると死刑・・・という究極の状況。 副題通り、ロゼッタストーンのヒエログリフの解読から、 量子暗号の原理まで、読みごたえありました。
難解なテーマを簡単に読める楽しさ
私は、フェルマーとビッグバン宇宙論を両方読んでから、この本を読むという変な順番になりましたが、 面白さだけで単純比較するとフェルマーと肩を並べる印象でした。やはり専門的な内容にドシロートをすんなり引き込んでしまう読ませ方と、歴史と人を辿っていく手法にはホントにすばらしいと感じます。 公開鍵暗号の話のあたりは読んでいて一番盛り上がる所でした。他の作品でも、後半に一番盛り上がる部分が用意されており、エンディングへつなげるという同じ流れですが、マンネリに感じるのではなく、安心感として受け取れる。そして平易な内容なのに、知的好奇心を十分に満足させてくれます。
最高の知的興奮を得られる名著
本書の面白さはズバリ、ある時代において最強だった暗号が、いかに解読されたかを 明快に語っている点だろう。適当な例文が各時代において最強だった暗号により暗号化 されているが、どうやったらその暗号を解読できるかさっぱり想像がつかない。 それも当たり前の話で、当時最高レベルの頭脳が長い年月を費やして解読したものが 容易に分かるわけが無いのだ。そしてその解読方法は、まるで魔法のように見事であり、 一種の感動すら覚える。 本書の醍醐味は、人類数千年に及ぶ歴史の中の最高のパズルの問題と答えを同時に味わう ことができることだ。これほどの知的興奮はめったに感じることはできないだろう。 なお余談であるが、暗号といえば小説においても頻出の題材であり、財宝在り処を表す ことなどもしばしばある。その中でも江戸川乱歩の処女作である「二銭銅貨」においては 「南無阿弥陀仏」の6文字から成る特異なコードが出現する。暗号が大衆文学である推理 小説においても取り上げられた事実は、暗号が決して遠い存在でないことの実例である。 できれば、この傑作小説についても一読をお勧めする。
裏の世界の、そのまた裏の物語。
フェルマーを読んで面白かったから買った。 期待を裏切らない出来栄えに、大いに満足。 暗号を作る者と、それを読もうとする者達の、 抜きつ抜かれつの熾烈な争いの物語だが、 最終ゴールは見えていても、勝者はまだ居ない。 いや、居るのかもしれないが、窺い知れないのだ。 読まれてると知られずに読むのが暗号解読。 私達の情報は、全て筒抜けかもしれない。 深く遠大なテーマを、読み堪えのある本に仕上げ、 より深く知りたい人のための補遺も充実している。 技術初心者から、パズル好きまで楽しめる一冊。
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作者は米マサチューセッツ工科大学の日本研究の第一人者で、終戦からサンフランシスコ平和条約による独立までの日本を描き出したこの著作で1999年のピューリッツァー賞を受賞した。 これは単なる日本の戦後史の概説でも、アメリカの占領、統治政策の断面でもない。著者の視線はどこまでも低く、さまざまな庶民の具体的な姿を通して、混乱期の日本社会と占領政策の実相が浮き彫りにされる。引き上げ者、闇市に集まる人々、夜の女、孤児…。両親や祖父母がくぐり抜けてきた時代であり、日本人にとって個々には聞いたり読んだりして知っている民族的体験だが、これが広い脈絡の中に位置づけられることで、それまで気づかなかった政治、社会、文化的意味合いが明確になる。 たとえばパンパンと呼ばれた米兵を相手にする夜の女たち。過去の日本は、外国との文化交流は上層エリート層から垂直に浸透したが、タバコ、ストッキング、化粧品とアメリカ的消費文化を先駆的に受容したパンパンは、それまでなかった水平的な西洋化という文化交流の象徴となった、と著者は言う。また占領軍の白人至上主義も著者は見逃さない。ドイツのナチズムは、成熟した西欧社会にできたガンだが、日本社会は本来的にガン体質で、未開の野蛮なものと認識されていた。アメリカの義務はその遅れた日本人を文明化することで、そこには民族的優越意識に基づく宣教師の情熱があったと指摘する。 ある国の学者が日本の歴史書を書いても、それはまず当の国の人々に向けてであって、日本人を満足させるものは少ない。しかし本書のような優れた著作に出あうと、既定のものとしていた日本の戦後史が異なる相貌をもって立ち上がる。日本の基点となった時代を違った視点で、より相対化して見る意味からも必読の書といえよう。(西川 恵)
【くちコミ情報】
世相の混乱
上巻では、主として敗戦当時の世相が活写されている。これは手塚治虫、安岡章太郎、山田風太郎などの作品で、概ね既知のことがらが多い。しかしこれほど要領よく全体像を描いた作品も珍しい。日本人にとってインパクトがあるのは、むしろ下巻以降だ。
現代の日本人では書けなかった論点
この書を一言で表せば、 「『天皇制民主主義』の形成過程」である。 日本の研究史が「民主化」から「冷戦」を経た 「逆コース」への動きを通説とするのに対して、 本書は「逆コース」以前に形成された 「天皇制民主主義」の枠組みに至った経緯を論じている。 天皇制の危機事態を、異なる可能性があったとの視野から 相対化する、という考え方は、日本人の視点からは欠落する。 さらに、返す刀で日本の親米派の言説をも砕く。 アメリカの「傲慢で植民地主義的な」占領政策は、 理想主義的ではあったが、その達成の為に 官僚制と検閲システムを利用した。 この事が、日本人に対し「どこまでが解釈領域なのか」 を自発的に悟らせ、報道、ひいては思想的な「自主規制」に 至らしめた。 さらに、アメリカの占領政策の遂行から 天皇制を護持する必要から、 法理論上の根拠を踏みにじって遂行された東京裁判は、 『日本人自身で戦争犯罪者を裁く契機』を喪わしめ、 「侵略の加害者」から「戦争の犠牲者」への自己規定に 至らしめる契機となったとの視野も、 やはり日本人研究者から総論としては出てこないものだった。 著者は流石に第一級の研究者であり、 オーソドックスな占領期研究の蓄積をきちんとこなしていることは、 文献リスト、協力者として掲げられている研究者を見れば判る。 また、かなり左派的な観点から書かれているが、 批判の俎上に登っているのは日本ではなく、 日本の占領統治を通じたアメリカである。 エピローグのマッカーサーに対する叙述を読めば、 エスノセントリズムの観点を できるだけ中和して書こうとした意図を伺える。 天皇制支持者としては天皇の能動性に対してやや辛い印象を持つが、 日本人ではこの論述はまずタブーであり、 まして占領統治全体におけるキー概念として駆使することはできない。 第一級の海外研究者のみが為しうる俯瞰図であり、佳作である。
確かに力作だろうが
虚脱をメインテーマに、戦前戦後の統治者に翻弄させる日本国民を、精神論、文化論、はたまた風俗にまで踏み込んだ、正に占領軍と髣髴とさせる圧倒的なボリュームで読者に迫ります。マッカーサーの日本人12歳以下論の真相や、マッカーサーの本意とは別に伏線としての日本人の精神論と、なかなか構成も良く考えられています。ただ、人文学的な定説が、果たして客観性のあるものなのかが、常に頭に引っかかります。日本人のマッカーサーに対する神のごとき仰ぎかた、なんぞは果たして客観的な事実なのか、理系の人間には溜息が出る箇所も散見します。各章が時代的に行ったり来たりしてますが、テーマごとの章なので、ある意味効果的ですが、読んでいるうちに混乱することもあるかもしれません。
日本文化。解剖から認識へ。
現代社会の謎解きを願う54歳です。「現代史領域」の事実認識が重要と推測しておりましたが、読後、頷けました。著者によると、自立、説明責任、生きる上でのプリンシプル、現実主義、実存主義、自由主義、そして個人主義、これらの認識とすり合わせがアングローアメリカ的には重要であると。占領統治に当たって、選民意識と儒教思想に裏打ちされた一種のカルト国家{意訳}の「再生」過程を、内部情報も駆使して論述されています。そして知り得たことは、彼らのプリンシプルと現実的な「方便」でした。現代日本が抱える病理ーほおかぶり、ミソギ、聖域、丸投げ、二枚舌、他力依存、官僚主導主義などーのなぞを解く多くのエビデンスを内蔵しており、貴重な書と評価しました。紙面をお借りして、推薦頂いた先生に感謝申し上げます。
占領統治を概観するにはもってこい
敗戦後の日本における民主主義受容の過程を、「庶民」、アメリカ 日本政府、などそれぞれの立場から、多くの文書や大衆文化の 実例を挙げながらまとめ上げた本。 p この本を読み始めたとき一番知りたかったのは、なぜ日本人がアメ リカの占領統治を簡単に受け入れ、そして民主主義の確立を待望し たのか、という点だった。 p だが、この本は、戦後の庶民、政府、アメリカ、それぞれの思いや 事情について網羅的に触れているため、その疑問に対する明確な答 えは描かれない。「民主と愛国」という、戦後の言説に焦点を絞り、 戦後思想を総括してみせた本なんかに比べると、やや不十分な印象。 p とはいえ、戦後の占領統治について概観できるような知識が欠けて p いるぼくのような人には、頭の中が整理されて有益だった。皮肉や 冗談混じりの文章もうまく織り込んであって、挿話の選択も絶妙。 小説を読むように物語を追うことが出来て心地よかった。一般向け の歴史書でこういった本があるのは、とっても大事なことかと思う。
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これでもかと思うほど続くETHNIC CLEANSING
この本がNHK教育の「視点論点」で紹介されましたので、早速取り寄せて読んでみましたイスラエルのことはTVや新聞などで頻繁に報じられていますが、イスラエルの発展はこの地に入植してきたユダヤ人たちによる、以前から住んでいたパレスチナ人たちにたいする、あくなきETHNIC CLEANSINGによることを初めて知りました。今も続く両人種の争いを知ると、数年前に両者の代表がノーベル賞をもらったかと思いますが、これはいったいなんだったのかと思います。
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非常に読みやすい中東経済についての入門書
中東の経済構造についてバランスよく記された良著。School of O iental and Af ican Studies のEconomic Development of the Middle East のコースでのリーディングリストのトップにあった本です。すみからすみまでぼろぼろになるまで読みました。
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