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【くちコミ情報】
魔術的リファレンス本
表題の通りクロウリーのLi e 777(=777の書、目次では"LIBER777")とそのほか2点のカバラに関する文献の合本です。また、amazonの表記では本書の著者は(クロウリーの秘書を勤めておられたことがある)リガルディーとなっています。ですが正確には、リガルディーは本書の序文を著述し、クロウリーの3点のカバラ関連文献を合本した編者という位置づけのようです。 内容はまずメインコンテンツの"777"が、第2の文献として全文(序章27頁、本文155頁)掲載されています。777に関心をお持ちの方には解説は不要でしょうが、この文献はクロウリー制作の万物照応表に関する文書です。 第1の文献はA.A.の機関誌Equinox(=春秋分点)Vol.1,No5初出の"Gemato ia"です。分量としては50頁で、ゲマトリアのエッセンスに関する小論文でしょうか。 第3の文献は同じくEquinoxのVol.1,No.8初出の"Sephe Sephi oth"です。これはクロウリーとアラン・ベネットの共著で、英単語とそれに対応するヘブライ語の単語、そしてその単語に対応する数価を、数の昇順に並べて記述した"辞書"です。 総じてこの本はカバラの哲学(と数論)を実践的に運用するための「魔術的リファレンス本」と位置づけられるでしょうか。実践的カバラに関心がある方には必携の良書ですが、当方は初学者ゆえに今後何年か掛けて味読したいと愚考しております。Amen!
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「無限」とは、読んで字のごとく、限りがないということだ。「永遠に続く」「大きい」「果てしない」など、それぞれに抽象的なイメージを持って、違和感なく使っている言葉の1つであろう。この言葉に明確な定義をもたらしたのが、ゲオルク・カントールという数学者である。本書はカントールの生涯を中軸に、「無限」が数学の概念として認められるまでの波瀾を描いた作品である。 無限という概念は紀元前6世紀から5世紀の間に、ギリシャで発見された。ギリシャ人が無限の概念に出あったのは、ゼノンのパラドックスを通してだったと見て間違いない、とここでは記されている。では、数学になる前の無限は何だったのであろうか。それは神である。ユダヤ神秘主義において神を表すヘブライ語「エン・ソフ」は「無限なるもの」を意味する。そして、アルファベットの最初の文字であるアレフで始まる。神を意味するヘブライ語エロヒムもまたアレフで始まる。アレフという文字は神にそなわる無限という属性なのである。 カントールは、無限とは「部分と全体が1対1に対応すること」であると定義した。そればかりか、無限は1つではなく「無限に」たくさんあるというのだ。そもそも部分と全体が等しいとはどういうことか。この無限の集合論の帰結にカントール自身が、興奮しつつも途方に暮れていたようで、友人の数学者デデキントにフランス語で「我見るも、我信ぜず」という手紙を送っている。 この発見は19世紀の数学界からは、猛反発をくらった。特にベルリン大学時代の師であるクロネッカーは、執拗なまでにカントールの研究成果の発表を妨害した。そして、研究への行き詰まりもあいまって、彼は心はしだいに病んでいくのである。彼の病気についてわかっていることは、抑うつ状態になる直前、彼が決まって「連続体仮説」について考えていたということだ。精神病院への入退院を繰り返し、カントールは失意のままに亡くなるが、彼の意思を受け継ぐ数学者がいた。クルト・フリードリッヒ・ゲーデルである。ゲーデルもまた、無限にかかわる20世紀最大の難問「連続体仮説」の証明に取り組み、精神をむしばまれていった。 このように本書は、「無限」に魅入られ、そして闘った数学者たちの物語である。「数学の本質は、その自由にある」と述べたカントールをはじめ、無限を求める数学者たちの執念と苦悩が伝わってくるようだ。決して容易に読破できる内容ではないが、現代数学の発展に寄与した数学者たちの壮絶なドラマを、彼らと共に難問に挑みながら、読み進めるのもおもしろい。(冴木なお)
【くちコミ情報】
入門によい
カントールという奇才に迫ったドキュメント。数式記述が乏しいのは致し方ないが、残念であり点を欠いた。ユダヤ教の無限論を下敷にするカントール解釈は蛇足にも感じられるが、しかしそれが本書の奥行きでもある。
魅力溢れる男達
P217、ゲーデルがアメリカに亡命した際に夜間に外を一人でうろついていたので、 Uボートからの連絡を待っているスパイと思われた話は面白い。 中心人物はゲオルグ・カントールで、ガウス、リーマン、ラッセル、ヒルベルト、 ケンネッカー、アルキメデス、ガリレオ、ワイエルシュトラトス、コワレフスカヤ、 デデキント、ライプニッツ、アラン・チューリング、アインシュタイン... 数学本が好きな人たちならばどこかで聞いた事のある名前でしょう? 不完全性定理の凄く分かり易い比喩が在って素晴らしい。 カバラさえ出てくる。 この本、奥が深いよなぁ。
「連続体仮説」について知りたい人へ」
無限について扱っている書物は数多くあるが、本書はかなりディープな掘り下げをしている。 とにかく「無限」に特化して、無限に関する多くの話を取り上げている。 数学を学んだ人ならば最低限無限に関する知識は持っていると思うが、本書ではあまり触れること のない無限に関する知識を与えてくれる。 無限といえば解析学における級数や極限で扱うイメージが強いが、無限そのものがどれだけ数学の 土台造りの重要な研究テーマであるかを認識させられるのである。 特にカントールが精神を病んでまで取り組んだ「連続体仮説」の問題は、永遠に人類には到達できない かもしれないとの思いを抱かされた。連続体仮説とは、簡単に言えば 無限同士にもその大きさには階層があり、最も小さい無限は有理数全体の集合であるが その次の階層の無限は実数全体の集合である との仮説である。本書の味わいを損なわないよう詳述は避けるが、とにかくこの問題は未解決である。 この問題の本質を少しでも知りたいと思った方は、一度本書を手にとって見て欲しい。
預言の書
この本は預言の書である。一見華やかに発展しているようで実は公理主義・演繹主義の不毛の地を徘徊している現代の数学者たち。そして彼ら有限なる者が強引に有限に引き摺り下ろした現代の「無限観」、あたかも「人が神の存在を証明した」などとのたまう、限りなく愚かな「合理主義」。それに対し、この本の著者は、本当の世界観は先ず無限を基にし、無限からはじめることにより、合理主義や数学、更に言えば文明観が正されることを訴えている。そしてそのときに規範となるのは、従来の「猿の作った数学」ではなく、神秘主義、神智学であることをはっきりと預言している。なぜならば、神がすべてを創り給うたからだ。この本の預言が実行されたとき、人類は真の幸福に至るであろう。
「無限」は有限である人の精神を病むものか
「無限」を探求した数学者の物語で、登場人物の生涯と数学的内容が程よく織り込まれ、結果的に一般読者にも非常に読みやすいものとなっています。 p カントールの悲惨な生涯は有名ですが、他の登場人物、例えばワイエルシュトラスについては余り知りませんでした。大学教養の微積分では良い印象(?)はありませんでしたが、本書で考えを改めました! p 「連続体仮説」が真でも偽でも構わない、という結論は、本当に驚きです。同時に欲求不満です。ゲーデルの定理によるとそうなるのかもしれませんが、素人の私にはどうにも納得できません。カントールやコーエンなども、真偽の予想を自身の直感から立てていたということですから、「数学的証明」とは何なのでしょうか。
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【くちコミ情報】
問題はあるけれど、一般の読者には非常に有益な1冊
改めて紹介するまでもないが、セプタギンタ(七十人訳)とは紀元前2世紀以降、ギリシャ語圏内のユダヤ人のためにヘブライ語から訳された彼らの『聖書』のギリシャ語訳である。現在一般に入手できる『旧約聖書』の基礎となるヘブライ語写本は10世紀のものなので、その古さとまた新約諸文書の著者の多くはギリシャ語を母語とするので、その引用もこのセプタギンタによると考えられ、現存のヘブライ語本文と多くの点で異なるこのギリシャ語訳は特に新約聖書の研究には欠かせない。 p 本書は19世紀半ばの出版であり、当時未公開だったシナイ写本(4世紀)を参照していないし(アレクサンドリア写本、ヴァチカン写本が主)、少なからぬ各写本間の相違もほとんど無視されており、現在刊行中の新しい校訂本と比べると古さは否定しがたい。しかし、私のごとき素人にはこれで十分。特にギリシャ語・英訳の対訳になっているのはきわめて便利。加えてこのお値段。そもそも、本書が利用している写本も4~5世紀のもので、これより古いまとまった写本は死海写本に含まれるわずかなものと上記のシナイ写本以外には存在しないから、新約を学ぶためには、相当の専門的研究者以外には本書で十分なのであろう。初版から150年近く、何度となく版や体裁を改めながら今日まで刊行されつづけたという事実が、本書の「意義」を明確に物語っているように思われる。
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