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【くちコミ情報】
読み応え十分
格調高い文章でありながら、ドラマチックな展開であきさせません。 読みきるにはかなり根気がいりますが、和訳では物足りないというかたはぜひ挑戦してみてください。 語学の学習用としてもいいです。
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Jane
ジェインはとっても筋の通った女性。 この時代の女性としてはかなり型破りだったのではないかと思いますが、自分は自分であるという強い信念を持っている人というのは周囲の人を、或いは読者を強く惹きつけます。彼女の情深いpassionと常に冷静であろうと自問する姿勢に、自分を照らし合わせて読んでみるのも面白いかもしれません。 p 彼女の生きた時代も今この時代も筋の通った自分らしさを失わないでいるというのは大変なことだと感じます。 自分も愛する人も大切にするとは、当時の社会とは、などなど色々考えることのできる作品です。また、作者シャーロットの考えについても様々な表現を通して知ることが出来ると思います。
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エロティック文学のイメージをよそに、『Lolita』(邦題『ロリータ』)にはエロティックな点だけでなく知的な意味での魅力もある。この小説は、思わずほおがゆるんでしまう場面も眉をひそめたくなるような場面もあるラブストーリーなのだ。 ヨーロッパからアメリカに流れてきたインテリのハンバート・ハンバートは、少年時代の失恋相手がいまだに忘れられない。12歳のドロレス・ヘイズという理想のニンフェットに出会った彼は、彼女を誘惑しようと手の込んだ策を練るが、当面の問題は彼女の母親をどうするかということだった。そんな悪巧みもなんのその、ハンバートの病的な夢想よりも現実は厳しく、ロリータはハンバートの理想とする完璧な恋人になることを拒む。 内容と同様に、言葉遊びや隠喩による謎かけがなされるなど、表現技法でも常道からの逸脱を試みているこの小説は、ナボコフが1955年に発表したもので、母国語ではない言語に対するロシア生まれの作家の歓喜を表した「賛美の歌」といえるだろう。実際、言葉の端々に見られる隠喩を完全に読み解きたいと思えば、注釈版を参照する必要がある。たしかに『Lolita』は大胆なまでにエロティックであるが、それは、「淡い蜂蜜(はちみつ)色の肩…しなやかな絹の背中」の少女より、ハンバートが自らの禁じられた欲望を語る、過剰なまでに華麗な文章に起因する部分が大きい。 音楽のような、甘酸っぱい林檎のような声。…ローラ。大人になりきっていない女の子。太古からの果実をむさぼり、果汁を口に含んだまま歌う…彼女の動作のひとつひとつが、ほんのわずかな動きが、野獣と美女の間の、抑圧されて爆発寸前の野獣と、純白の綿のワンピースをまとった、体にくぼみのある美しい少女の間の、秘められた触れ合いを隠蔽し、秘めごとをさらにいっそう謎めいたものにしてくれる。 『Lolita』が豊かなメタファーに満ちているのは、小説の核をなす「愛」がそれだけ難解であるが故であろう。ハンバートは形式や歴史を重んじるヨーロッパという旧世界の象徴であり、ロリータは、みごとに成熟しながらも度を越すことはなく、素朴なところも残しているアメリカの象徴である。ナボコフは両者の間にあって、文化の探求に喜びを見いだしている。戦前のアメリカの郊外や小さなショッピングセンターやモーテルに関するハンバートの記述には、心をひかれながらもどこかで嫌悪感を覚えているナボコフの姿がある。 しかし、この小説のシンボリズムがいかに魅力的なものであるにせよ、最大の魅力と悦楽はハンバート・ハンバート自身にある。本人が語っているように、ハンバートは人目を忍んでこそこそするようないかがわしい人物でもなければ、無垢なものを踏みにじるようなゆがんだ心の持ち主でもない。むしろ、ナボコフの代弁者として名高いハンバートは、地に落ちた状態にあってもウィットと分別を忘れない。彼にとって言葉遊びは、抑圧された性的衝動を満足させることと等しく重要なのである。
【くちコミ情報】
文学作品としては傑作
文学作品としてはとても優れた作品だと思います。 だだし、題名がロリータである以上、その方向に傾倒した作品です。 端的に言って、ロリコンの人が読むにはあまりお奨めは出来ない作品です。 感情移入が普通ではなく、主人公と同化してしまうほど心を取られてしまい、主人が子供を見て身もだえる描写など、心を締め付けるほど苦しくさせられます。 優れた作品である反面、ロリコンの人には辛く重い気持ちにさせられてしまい、まるで自分が現在進行形で悩んでいるような錯覚にとらわれます。 読後、立ち直れないくらい鬱な気分になるかもしれません。 その気のある人は要注意。
ナボコフ研究者としての覚書
大久保康雄氏のものと並べながら読んだ。若島氏の翻訳の動機からいって、そうした読み方が要求されているからだ。 本書はロリータを読むための本というよりは、若島氏のナボコフの文章を研究するための作品であり、氏がどうしても書き残しておきたかったものと思われる。ナボコフ研究者としてという立場が強いので、一般向け読者サービスはほとんどない。少ないながらの注釈は自分のノートということ。 「不味いポテトチップス」(大久保訳)を「おいしいポテトチップス」と直訳する確信犯。また、「ツインベッドに架かっている画は一卵性双生児だった」(若島訳)とは大久保訳では「ツインベッドにはそれぞれ同じ画が架かっていた」となる。 同氏のガイド誌「乱視読者の新冒険」で新翻訳の強烈な予告編を見せられ、読み始めた。文句があるなら英文で読めって?いや、ご勘弁。
『檻の中の猿が描いた絵』その意味とは?
自分は1回読んだきりでは、この物語を消化しきっていない。かなりボリュームのある小説であり、かつ言葉遊びが散りばめられている。フランス語に精通していないとわかりにくいし、もしかしたらラテン語やキリスト文学の素養も必要なのかもしれない。 しかし、まだ消化しきっていない状態のまま心突き動かされるものがあった。それは、ロリータの語りがほぼゼロに近い事。時に腹立たしいまで大げさな美しい形容を重ねる主人公、ハンバートの語りと対照的に自分の少女期を奪われてしまう『ドロレス』の感情、希望、期待、と言うものは彼女本人の口からは語られない。 そして40代の責任あるべき義父ハンバートは、彼女の語りを完全にさえぎっていうように感じられた。 これは、『テヘランでロリータを読む』を読まなくとも気がついていたことと思う。そして作者のあとがきにはっきりとこう記されている。この物語のヒントを得たのは、訓練された猿に絵を描かせたところ、それは自分のいれられている檻であった、という新聞記事であると。 未消化の現段階でできあがった自分の、この小説に対するイメージとは、少女期を奪われた少女の悲劇である。(けしてハンバートの悲劇ではない)その悲劇性はハンバートが描写するロリータへの愛情と賞賛が凝った文章になればなるほど、ロリータの自分を語る術が失われているように思える。ハンバートが作り上げたロマンスや美しさというものは、この悲劇には見当たらなかった。これから先、2回、3回と読み進めて言葉遊びを自分が誤解していたと、詳細部に関わる誤読を見つけたとしても、このイメージは変わらないだろう。 現在使用されているロリータという言葉が、この小説から生まれたものであり、且つ全く意味合いが違うのはよく言われているので、ここには詳しく書かないが、もし人にすすめるならこういう風にするだろう。ナボコフという作者がロシアの貴族階級出身であり彼自身が祖国を追われ、ヨーロッパを転々とした末にアメリカに行き着いた事。彼の奪われた人生、それを前提に読んでいってほしい。
叶いすぎた夢は悲劇に終わる
作者のナボコフ自身はこの作品を「悲劇」だと言ったらしいです。 悲劇と言えば確かにそうで、作中の人物はほぼ全員、最後に悲惨な運命を辿ります。 皆それぞれ幸福を求めていたはずなのに、気付けば破滅への道をまっしぐら。 端から見れば、こいつらアホじゃないかと思ったりもしますが、往々にして人のやっている事ってそんなもんなのかもしれませんね…。 タイトルだけで何だかマイナスイメージがある「ロリータ」ですが、本書は文学作品としても実に質の高いものだと思います。 ハンバートとロリータが放浪する旅先の描写なんかもすごく綺麗。 目まぐるしく変わる風景の語り口は、さながらアメリカを丸ごと放り込んだ万華鏡でも見ているかのようで、何度読んでもうっとりします。 初めて読む方は、先入観を全部捨てて読んだ方が良いです。
いくつもの顔を持つ作品
「ロリータ・コンプレックス」の言葉の起源となった作品と言うことで有名ですが、読んで見ると、そんな薄っぺらな作品ではないことがすぐに解ります。 確かに、ハンバートは12才のロリータに触れることによる興奮を強く感じます。そのためにその母親と結婚さえします。 でも、この母親がハンバートのその心を理解した時、交通事故で死んでしまいます。二人になったハンバートは、睡眠薬で眠らせてロリータに触れようとしますが、ロリータに誘われるまま関係を結んでしまいます。 この後に続くのは、二人でアメリカの各地を巡り歩くことでした。このあたりから、ハンバートの行動は滑稽に見えてきます。ロリータに完全に振り回されてしまうからです。主導権を握ったロリータは、やがて秘密をつくるようになり、ハンバートから離れる機会を窺います。 ロリータを失ってから再会する期間に、彼はロリータへの「愛情」をしっかり認識するようになります。 ですから、ある意味でハンバートの成長の物語と言えるのかも知れません。彼の「愛情」の確からしさは、この記録を本にするのですが、その公表はロリータの死後という遺言を残します。それは、二人の「愛情」を本の中に永遠に閉じ込めるためだったのでしょう。 この作品は、いろんな読み方が出来るでしょうし、読む時のその人の心境や年代に大きく影響され、感じ方が大きく変わってくるように思います。読み手の経験に伝わる内容が変貌する、そんないくつもの顔を持つ作品だと思います。ですから、何度でも読むに耐えられる作品だと思います。
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