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ベルリンの壁や共産主義が崩壊して久しいが、現状では発展途上国やポスト共産主義の国々で資本主義が隆盛であるとは言いがたい。西側先進国の学者がこれまで指摘したのは、魅力ある資産の不足から起業的とはいえない「思考様式」の国民性まで、その国のあらゆる要因が悪いということだった。著者エルナンド・デ・ソトはペルーの著名な経済学者で歴代大統領・首相の顧問を勤めてきた人物だが、これらの国々に資本主義が根づかないことには別の理由がある、と主張する。貧しいポスト共産主義国で資本主義が健全に機能しないのは、資産に魅力がないためではない。デ・ソトの挙げた例は、エジプトで貧しい人々によって蓄積された富は、スエズ運河とアスワンダム建設費用を含めた現在までの直接外国投資総額の55倍にも達するというものだった。 これらの国々では資産を「眠る」資本から流動資産に転換するための、細かい法律の制定とその標準化の遅れが、むしろ根本的な問題と言える。西洋先進国には標準的な法律があるから、たとえば家を抵当に借り入れをして投機的事業をすることができるし、企業資産を多くの公開株式に分割することも、近隣や町や地域で合意のとれた規則を適用して財産を管理し査定することもできる。西側先進国ではあたりまえの(アメリカではたかだか100年の歴史しかないものの)、目立たない「資産管理」面での社会基盤の不備が、資本主義がうまく機能しない要因である、というのが著者の論点である。その環境を整えるためにはもちろん法整備が不可欠だが、著者によれば、それを社会の標準とするのは「態度」の変革を要する、きわめて政治的な問題なのである。 デ・ソトは自らの主張を裏づけるため、研究者グループと共に、経済苦境にあえぐ世界の国々から詳しい証拠を探し出した。その結果が、多くの国々において健全な自由経済市場の発展を妨げている1つの条件に関する、非常に実証的で興味をそそる本考察にまとまったのである。
【くちコミ情報】
お勧め
発展途上国や旧共産圏経済の経済開発についてきわめて重要なことを、わかりやすく主張している。資本主義における不動産登記制度の不備が途上国の経済発展を阻害しているとかかれているが、これは近年の日本でも他人事ではない。 経済に興味を持つ人すべてにお勧めの一冊。
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【くちコミ情報】
傑作です
久々に秀作に出会いました。異文化研究者をもとより、ビジネスマンにとっても必読書と言えます。表題通り、グローバル・ビジネスに必要な多様性理解について一大指針を与えてくれる。
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グローバル化が進むなか、多言語、多文化、多国籍という新しい局面に立たされている個人や組織にとって、それらの違いを乗り越えて効果的にビジネスを行う新しい経営のフレームワークが求められているのではないか――。 組織コンサルタントとして異文化経営に携わる著者は、このような視点からグローバル経営の新しい枠組み「トランスカルチュラル・マネジメント」を提唱している。それは、アメリカ的手法へのアンチテーゼや、日米の経営を足して2で割ったようなたぐいのものではない。お互いに相手の文化を認めながらその「超克」を目指すという、哲学的な要素を感じさせる新しいモデルである。 その構成は、従来のマインドセットやコミュニケーション・スキル、マネジメント・プロセスなどの理論に、文化的な視座を加えて再構築した「5つのコンピタンシー」が柱になっていて、そこに「7つの思考の実践課題」が加わっている。さらに、グローバルマネジャーは文化的なコンテクスト(周囲の状況や関係、暗黙知)とコンテント(言葉そのもの、形式知)の2つのコミュニケーション力を高める必要があると説き、そこから相乗効果を生みだす新しいマネジメントを提案している。 これまで「異文化」の問題は、日本の外資系企業やアメリカの日系企業などの現場の個人にゆだねられがちだったが、それをマネジメントの課題に押し広げ、解決の枠組みを示した点は非常に意義深い。外資系企業や海外の日系企業のマネジャーが日々、頭を痛めている事柄への解決策が記されていて、学ぶところの多い1冊である。 本書は、1997年にアメリカで『Transcultural Management: A New Approach for Global Organizations』というタイトルで刊行されたが、日本語版である『多文化時代のグローバル戦略』では、その1割が日本人向けに書き換えられている。日系企業で働くアメリカ人の視点は興味深く、本書自体、そうした多文化の視点が混在するトランス・カルチュラルなものになっている。「人と組織のグローバル化」が遅れている日本企業にとって、格好のモデルになるだろう。(棚上 勉)
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国際的舞台のビジネスマンのバイブル
実は本書については私が3年前のMBA・修士論文の際に参考にした書物の一冊です。アカデミックな要素を取り入れてかつ、実践でもイメージができるようなわかり易い表現を駆使している書物で、国際経営関係で100冊ほど読破しましたが一番印象深く実践的な一冊で、ビジネスマンもMBA目指す方も必読の一冊です。初版は1998年だったと思いますが、まだまだ日本企業では参考になる内容です。(日本企業は本当に国際化、遅いです。。。) p *著者の船川さんは、デル(JAPAN)の現社長、浜田氏と米国の国際経営大学院(サンダーバード)でのMBA同期です。 日本の大企業と米国大企業の両方のご経験もあり、「実践で使える」と感銘しました。 また、デルではサンダーバードMBA取得者が経営層にも多いとか。。。
新しい価値観が生まれた
ビジネスとカルチャーを同じ視点で考えるというのは本質的だが、なかなかできないことであった。それを気づかせてくれた本書の効用は大きい。グローバルなマネージャーでなくとも、マネージャーは必読の書であろう。
企業のグローバル化に伴う問題点がわかりやすく書かれている
企業の国際化、多国籍化、地域化、グローバル化という国際経営の基本を抑えつつそれらに伴う問題点について言及している。また文化的な背景をベースに外資系企業、日系企業の視点からの考察があり全体としてわかりやすく書かれている。著者が数多くの企業を見てきただけあって豊かなケースがあり非常に興味深い内容であった。
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