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   International の売れ筋最新ランキング   [2008年09月07日 21時47分]
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ベルリンの壁や共産主義が崩壊して久しいが、現状では発展途上国やポスト共産主義の国々で資本主義が隆盛であるとは言いがたい。西側先進国の学者がこれまで指摘したのは、魅力ある資産の不足から起業的とはいえない「思考様式」の国民性まで、その国のあらゆる要因が悪いということだった。著者エルナンド・デ・ソトはペルーの著名な経済学者で歴代大統領・首相の顧問を勤めてきた人物だが、これらの国々に資本主義が根づかないことには別の理由がある、と主張する。貧しいポスト共産主義国で資本主義が健全に機能しないのは、資産に魅力がないためではない。デ・ソトの挙げた例は、エジプトで貧しい人々によって蓄積された富は、スエズ運河とアスワンダム建設費用を含めた現在までの直接外国投資総額の55倍にも達するというものだった。

これらの国々では資産を「眠る」資本から流動資産に転換するための、細かい法律の制定とその標準化の遅れが、むしろ根本的な問題と言える。西洋先進国には標準的な法律があるから、たとえば家を抵当に借り入れをして投機的事業をすることができるし、企業資産を多くの公開株式に分割することも、近隣や町や地域で合意のとれた規則を適用して財産を管理し査定することもできる。西側先進国ではあたりまえの(アメリカではたかだか100年の歴史しかないものの)、目立たない「資産管理」面での社会基盤の不備が、資本主義がうまく機能しない要因である、というのが著者の論点である。その環境を整えるためにはもちろん法整備が不可欠だが、著者によれば、それを社会の標準とするのは「態度」の変革を要する、きわめて政治的な問題なのである。

デ・ソトは自らの主張を裏づけるため、研究者グループと共に、経済苦境にあえぐ世界の国々から詳しい証拠を探し出した。その結果が、多くの国々において健全な自由経済市場の発展を妨げている1つの条件に関する、非常に実証的で興味をそそる本考察にまとまったのである。


くちコミ情報
お勧め
発展途上国や旧共産圏経済の経済開発についてきわめて重要なことを、わかりやすく主張している。資本主義における不動産登記制度の不備が途上国の経済発展を阻害しているとかかれているが、これは近年の日本でも他人事ではない。 経済に興味を持つ人すべてにお勧めの一冊。



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1999年の11月、シアトルで開かれたWTOの会議に5万人の市民・活動家が集結し、激しい抗議行動を繰り広げた。テレビには、マクドナルドの店舗を襲う一部の人々の姿も映しだされた。なぜ5万もの人が集まり、そしてなぜ攻撃対象がマクドナルドなのか――。本書はその背景にある、いま欧米で盛んな反企業・反ブランド運動に迫ったドキュメントである。

標的はナイキ、シェル、ギャップ、スターバックスといった世界的に有名な多国籍企業のブランドばかり。本書はこうした企業が攻撃されるにいたった理由を3つの点から論じている。1つ目は、ブランド拡大戦略を掲げる企業のマーケティングに、文化や教育が取り込まれた、というもの。都市空間、メディア、音楽、スポーツのほか、学校や政治的表現の場も企業の進出によって歪められたと指摘する。2つ目は、企業が進める合併やシナジーにより選択肢が奪われた、というもの。意に添わないものを排除する企業検閲の存在も伝えている。3つ目は、外部委託、パート労働などの雇用形態にシフトする企業により仕事が奪われた、というもの。企業がアジアにもつ「搾取工場」の実態もここで暴かれている。

「そして反撃は始まった」とし、さまざまな形の反企業運動を取り上げている。なかでも著者は、インターネットを駆使する若い世代の活動家に注目。企業のマーケティングを逆手にとるような、彼らの洗練された方法を積極的に描いていく。シアトルでの抗議行動は氷山の一角、企業のグローバル化とともに反抗勢力も世界的にネットワークを広げている…。こうした世界規模の新しい現実が、見事に活写されている。

著者は1970年生まれのジャーナリスト。本書では自身の活動家としての側面も隠していない。独自に取材・調査したという箇所の説得力はやや弱く感じられるが、一方で、大企業のマーケティングを読み解く鮮やかさが印象に残る。世界的な反企業運動の全貌を初めてとらえたという点で、価値ある1冊であることは間違いない。(棚上 勉)


くちコミ情報
ブランドを冷静に見つめる上で欠かせない本だ。
とても難しい、でも価値ある内容です。 ただブランドというものが否定されすぎでは?という内容でもあります。 ブランドというよりは権力への怒りでしょうか。 でも已然にお金持ちはブランドで食べて、そうじゃない人は体力で食べるのが 今も昔も変えられない。でもそれぞれには(非道徳なことは別として) 世界というのもあるし複雑です。 本当の意味で選ぶ自由とはなにか?を真剣に感じる一冊です。
子供たちの血で染まった子供向けブランド
ブランドだらけの街は、発展途上国の子どもたちの血と涙で染まった商品と、その血と涙に全く気づかないほど感覚が鈍った先進国の若者たちであふれかえっている――近ごろ流行のホラー映画よりも、もっとおぞましいもの、それが僕たちの世界かもしれない。 実際(日本のメディアはほとんど報じないが)、このことに気づいた欧米の少年たち・学生たちは、ブランド企業への反撃を始めたのだ。 この本は、まず近年盛んになった企業のブランド戦略とは何かを明らかにしていく――ブランド戦略を展開する大企業のトップの発言や広告代理店のコメントという「相手陣営の発言」を裏付けに引用しながら批判するのだから実に痛快だ。一方で、大企業の「人件費削減」の実態を、長期にわたる取材で得た情報をもとに暴いていく。こうしてイメージの後ろに隠れていた「大企業の非情」を白日の下に曝し、それに対抗しゆく最近の市民運動を紹介して締めくくられる。 ブランド品に埋もれながら暮らしている人に是非読んでもらいたい一冊である。
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この書は、「反グローバリズム運動」台頭の結節点になったとされる1999年11月の米国シアトルのWTO抗議デモの直後に出版された。この闘いを経て、未知の闘争領域に踏み込むうえでの指針を求めた北米の「X世代」(団塊ジュニア以降の世代。「X」とは「よくわからない」という意味)の活動家たちから、本書は「反グローバリズムのマニュフェスト宣言書」と呼ばれ、幅広い共感をえた。著者のナオミ・クラインは七〇年生まれの「X世代」。トロント大学時代には反差別運動をにない、その後もジャーナリストとして反企業運動に関わってきた。本書では、90年代のナイキ、ディズニーといった大企業の「ブランド支配」とそれへの対抗の軌跡が、豊富な事例と著者自身の運動経験とを交えて語られていく。本書の意義は、こうした闘いの経験を伏流にすえた、新しい政治の可能性を探求しているところにあるのだ。淡々としたやわらかな叙述のなかに、反企業闘争の実践−広告批判やレイブデモ、不買運動、そして反差別闘争−に日常性と政治とをつなぐ可能性が常に秘められていること、そして、大企業の消費文化の非道と狡猾さを熟知する・・・・われわれ「X世代」こそがこの闘いを主導しなければならないこと、こうした未来に向けた力強い訴えが込められているのだ。
グローバル化は先進国も途上国を破滅させる
南北アメリカ、欧州、中近東と世界中で起きてる反グローバル化運動が、なぜ日本では起きないのだろうか。その答えの一つが本書にあるように思われる。ナオミ・クラインは、グローバル化によってひきおこされた途上国の諸問題と、先進国内部の歪みとを刺激的に結びつけることに成功しているのだ。グローバル化の問題は、カナダのような先進国の国内問題であると同時に、開発途上国の問題なのだ。これに対して日本の反グローバル運動関連の本はどうだろうか。もっぱら国際派ないしは開発途上国派の人間によってのみ執筆されているのが現状ではないか。日本内部の深刻な諸問題(経済格差の拡大、自殺大国化、失業蔓延等)とグローバル化とが全然結びついていないのである。グローバル化が途上国問題として論じられては、今の時代、生活に余裕のある人間しか引きつけることは出来ない。ナオミ・クラインを読んで、日本と世界のことをさらに考えてみることを、皆さんにお勧めする。 p なお、理論的には批判がない訳ではない。反グローバル化の理論的指導者であるWalden Belloによれば、本書は、ナイキに象徴される軽工業の大企業と、その市場支配戦略(ブランド!)にこだわりすぎているという欠点を持つ。ビル・ゲイツとジョージ・ソロスに象徴される現代資本主義の製造部門と投機部門についての考察が足りないし、IMFや世銀についての言及が少ないと言うことである。あわせて、Walden Belloの本なども読むべきだろう。
現代企業はブランド化で生き残る?
文章は冗長的ですが、搾取の上に成り立つブランドの宿命を描き出しています。 スターバックスや MTVも「ブランド」である、という視点がなかったので、非常に興味深く読みました。著者はブランドには批判的スタンスですが、それが逆に、現代企業はブランド化しか生き残る道はない、という矛盾も浮かび上がらせています。 p 例えば、ナイキやGAPの商品を買うということは、東南アジアの子どもたちの搾取につながっているということ...なんとなくは知っていましたが、本書は分かりやすく具体的に搾取の実態を暴きだしています。資本主義経済の闇の部分に光を当てた画期的作品といえるでしょう。



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