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【くちコミ情報】
中村うさぎの最高傑作(現時点で)
中村うさぎの著書は、殆ど読破済みだが、本当にそう思う。 某賞を受賞したからとか、“体当たり取材をしたから”ーという意味ではない。「もう若くはない女の悲哀」が、ここまで描かれてるエッセイはないからだ。 うさぎさんがデリヘルをやるきっかけになった出来事ー女なら、誰でも心が痛む。………しかしだからと言って、「もう恋は止めよう」と思わず、とことん追求するところが彼女の真価なのだ。 何故文壇は、彼女をもっと評価しないのだろう?最新作の『狂人失格』は微妙だったけど、うさぎさんこそ、得がたい作家だと思う。
女であることが中村うさぎの悲劇であり喜劇である。
以前、中村うさぎは両性具有ではないかと思っていたが、この本を読んでやはり一人の女性なのだと思った。 それが中村うさぎの悲劇の始まりであり、喜劇でもある。 東電OL事件と照らし合わせて語っているところも多いので、東電OL殺人事件と併せて読んでみるといいだろう。 しかし、この本を読んでいて、ずーっとある本が頭の中から思い出された。 「できそこないの男たち」福岡伸一 (著) 中村うさぎの言ってる事は、できそこないの男たちに向けられたのであり、できそこないの男達はこう反論するだろう。 「できそこないだから、しょうがないだろう」っと。 永遠に「女」と「男」の悲劇と喜劇は繰り返されるだろう。
女である事が中村うさぎの悲劇であり喜劇である。
以前、中村うさぎは両性具有ではないかと思っていたが、この本を読んでやはり一人の女性なのだと思った。 それが中村うさぎの悲劇の始まりであり、喜劇でもある。 東電OL事件と照らし合わせて語っているところも多いので、東電OL殺人事件と併せて読んでみるといいだろう。 しかし、この本を読んでいて、ずーっとある本が頭の中から思い出された。 「できそこないの男たち」福岡伸一 (著) 中村うさぎの言ってる事は、できそこないの男たちに向けられたのであり、できそこないの男達はこう反論するだろう。 「できそこないだから、しょうがないだろう」っと。 永遠に「女」と「男」の悲劇と喜劇は繰り返されるだろう。
女心を考察する
老いと戦うアラフォー以上の女性心理を理解するためにはとても有益な一冊。 僅か数日であるが自分をお金で買う男性がいるか(自分には価値があるか)という点を試すために新宿歌舞伎町の熟女ヘルスで実際に働いた著者の現場主義には脱帽ものであるが、こうした興味深い話は前半のみ。 中盤から後半にかけてはやや退屈な内容のため、1 3読めば満足する内容。 でもこの部分だけでも十分楽しめるのは間違いない。
興味本位で読んだが・・・
興味本位で読んだが、興味本位な部分は満足、プラスして他の部分も結構良かった。 さすがに47歳(当時)作家の風俗体験レポートなので筆力がそんじょそこらの 10代、20代風俗嬢ブログとは格が違う (しかし伝えたい内容は19歳フードルと、ほとんど同じだったりする。) 依存症(ギャンブル、過食、拒食)の方や自傷してしまう人、そのような方が知り合いにいる人も読む価値あり。 最終章の東電OLのプロファイル妄想は、ちょっと死者に対する冒涜のような気がして 軽く引いた。 性の問題なんて個人の問題だし一般化するのもどうかと思われる。 -------- 今の時代は著者が若い頃から経験してきた、著者が言うところの眠れる乙女とそれを監視する魔女のような二者択一的な (働く)女性に対する社会から(また内からの)役割分担がそれほど強迫される事もないので 広く共感を得ることも少ないと思われる。 が、今の50歳前後の女の人が当初仕事するにあたり経験してきた、いわゆるギョーカイなり企業での慰安旅行かなんかで セクハラされても泣き寝入りという境遇を考えれば致し方ないのかもしれない。 (約20年前に出版された課長島耕作という漫画の描写は、その時代の恐ろしさを教えてくれる) それらを含めて著者が書き記す「性の主体性」の概念は、ネット等で性の主客が溶解している現在に は逆に新鮮に感じられた。
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【くちコミ情報】
潜水艦乗組員の実像がリアルに分かる迫真の名著
伊56号潜水艦乗組の海軍軍医中尉の著書です。 昭和18年の伊56号潜水間着任から沖縄線直前までの1年半の戦記です。 書いたのは終戦後8年を経た昭和28年です。 潜水艦乗組員の実像がリアルに分かる迫真の名著です。 著者が伊56号に初めて乗艦した時からその日の就寝までの出来事を読んだだけで、潜水艦 の狭さ、プライバシーの欠如、設備の汚れ、空気の悪さや匂いなどをリアルに感じること ができます。自分がその空気を吸い、匂いを嗅いだような感じがしてきます。 あまりにリアルなので、潜水艦の狭くて劣悪な環境を実体験したような気持ちになってし まい、狭さ、息苦しさを感じクラクラしました。 潜水艦に乗務することがどういうことかよくわかります。 乗組員が暮らす潜水艦の間取りや構造もさりげなく、しっかり書かれています。 2本の潜望鏡、電探用アンテナ、機銃側と望遠鏡、内海を浮上中だけ使用する甲板のトイ レ、魚雷発射室に魚雷を入れるために傾斜した隔壁、発射管の間に飾り付けられているお 神酒、隔壁ハッチ大きさ、主計室、調音室、艦長室や広さ、士官のベットのサイズ、士官 室のテーブル配置や席順、食堂の小さな茶碗、海図入れの場所や大きさ、トイレの配置、 人事考課保管場所、艦内神社など、潜水艦に関することであれば、私物入れの引き出しの 中のねずみの糞まで書いてあります。 しかも、服やハッチのハンドルの色、人事考課表の赤い文字の色、電球と蛍光灯の照明の 色の違いなども含めフルカラーです。 これらが、説明や解説風ではなく、さりげなく背景画のように書かれているので、とても 読みやすくなっています。 目に見えるものだけでなく、空気の温度や匂い、ベットを区切るベニア板の感触やカタパ ルトのヒンヤリした鉄の感触、浮上直後にハッチを開けた時の嵐のような空気の流れから 扇風機の起こす微風、魚雷発射後に艦内に逆流してくるの圧縮空気など、五感に感じるも のはすべて書き込まれています。 乗組員生活も同様に丁寧に書かれています。 暑い艦内を避け外殻と甲板の間やカタパルトで寝る様子、停泊中に海で泳いだり、ポンプ で組み上げた海水で体を洗う様子、甲板に出て玉ねぎの皮むきをしている様子、艦内での 服装や靴など、潜水艦生活の詳細が実にさりげなく、しかし丁寧に書かれているので実に リアルです。 緻密な背景を上手に書き込んだアニメのようであり、背景が主題を邪魔することは有りま せんが、見ようとすれば驚くほど細部まで書き込まれています。 戦闘の様子もリアルです。真上を通過する駆逐艦のスクリュー音、爆雷が近距離で爆発し たときの激しい衝撃、船尾下部で爆発した爆雷に吹き上げら水上に露出した潜水艦のスク リューが空を切る音、駆逐艦に体当たりされ潜水艦の艦橋と船尾を結ぶチェーンが駆逐艦 の船底で切れる音、50時間におよぶ長時間潜航で、汚れた空気に喘ぐ兵士たちの呼吸音な ど、音だけでラジオドラマができそうなほどリアルです。 耳だけなく、カメラのような筆者の目には、気絶するまで操舵を続ける乗組員はもちろん、 乗組員が決戦に際して鉢巻の下に忍ばせた艦内神社の榊の葉や、高熱と高濃度のCO2のた めに吐いてしまった乗組員のゲロの中から出てきた寄生虫までもが写っています。軍医と して測定した二酸化炭素濃度を測定の数値や上昇した艦内の気圧値のようなデータも記載 されています。 兵器の性能は語っていませんが、筆者の緻密な描写から、兵器のこともよくわかります。 長時間無音潜航中の極限状況の厳しさは衝撃です。 潜水艦の汚さは想像以上です 逸話にも事欠きません 回天搭乗員の様子も筆者の目はしっかりとらえています ぜひ読んでみてください。 なお、本書はあくまでも筆者の体験に準拠しています。 魚雷発射後に爆発音が聞こえ、調音機が沈没音を捉えたら、撃沈を確信します。 耳だけが頼りの潜水艦で確認した戦果は、実際の戦果とは違います。 筆者はその違いを問題にしていません。 筆者が伊56号の中で見たもの聞いたものが筆者や乗組員にとっての真実だからです。 誇張もごまかしもない、乗組員全員にとって命がけの真実だからです。
潜水艦戦を現代に伝える最良の書
慶応大学医学部を卒業して、数ヶ月の「研修」を終えた新米の軍医中尉として伊号56潜水艦に乗組み、軍医長 (ただし、部下は看護兵曹一名。乗員のメンタル面のサポートが主任務) として、レイテ沖海戦、アドミラルティー泊地への回天特攻を生き抜いた筆者の手記。筆者と隣組であったという、随筆家の 幸田文 女史が序文を寄せているが、軍医=お医者さんが書いた本書は実に見事な文章で、文学としても一級品。 冒頭で、「軍港内の海面で、夜間に内火艇から潜水艦に乗り移ることすら、新米軍医には命がけ。歴戦の潜水艦乗員には大したことではない」であることが語られる。以後、潜水艦の中では陸での常識は一切通用しないことが詳しく説明される。まるで自分が筆者=新米軍医になったかのような錯覚を味わう。 軍医という「素人」の立場で、潜水艦に乗っていることそのものが如何に辛いことか、一人の乗員の失敗が潜水艦を沈めてしまうという一人一人の乗員の責任の重さが良く説明されている。 潜水艦乗員が「鼠も一連托生です。潜水艦が沈めば鼠たちも死んでしまうんです。だから殺さないで下さい」と頼むシーン、米軍の徹底的な丸一日を超える制圧を潜り抜け、艦内の空気が人間の生存ギリギリの所まで汚れた所でようやく浮上できた時に、乗員たちと並んで四匹の鼠が新鮮な空気を吸っている描写が印象的。 (潜水艦内の衛生管理、鼠の駆除は軍医長の職務) 潜水艦長などを務めた兵科将校の手記とは全く違った視点で「潜水艦で戦うこと」の実態を良く教えてくれる貴重な文献として推薦します。
サイダー!
爺むさい事をできれば言いたくないが。と、前置きして、 「本書に記述されし極劣悪な環境で、己に課された作業に殉じる若人らを見習えっ!」
精神力に脱帽
私も漁船に乗船していたことがある。かつて赤道直下でエアコンが壊れたことがある。当時「昔の船乗りは偉いものだ」という感想を覚えたが、本書はその比ではなかった。暑さとの戦いだけではなく、文字通り"命"がかかっている。 いよいよ限界というときに、船長と酒を酌み交わす場面が圧巻である。とてもではないが私には真似できない。想像を絶するプレッシャーの中で平常心を保つ精神力に脱帽である。人間はこうまで強くなれるものであろうか。ものすごいリーダーシップである。見習いたいものであるが、簡単にできることではない。 偽りがはびこる世の中ではあるが、いつの時代でも尊敬される人間像は変らない。人間の理想像の一端が示されている良書である。自分の日々の行動を反省するのみである。
読むべし 感情論ではないのでお薦め
第二次世界大戦中に、潜水艦に同乗した軍医の話。 潜水艦って逃げ場がなくて怖いなぁ、と思って読んでいたのですが、数時間潜ったら浮上して空気を入れたり充電したりするらしい。さらに、潜りっぱなしだと、空気は薄くなり、かつ艦内の気温は50度近くまで上がるとか。 読んでて一緒に息苦しくなりました。 浮上してハッチを開けたシーンでは、一緒に深呼吸。 人間魚雷と同乗した時の艦内の雰囲気なども、迫るものあり。 この本、日活や東映で映画化されたようですが、ビデオは残ってないようで。。。観てみたいな。
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歴史に学び日本人のルーツに戻れ!と西洋化(?)に反対する本
明治維新以降、近代化・西洋化をひた走ってきた日本。 第二次世界大戦以降は、占領政策によって歴史と伝統を喪失し、 行き着いた先が、市場原理主義・グローバル資本主義によって 一体感を失った現代日本の社会だという。 今こそ、歴史に学び、「自虐史観」から脱却して日本人のルーツに 立ち戻れ! そうすれば日本人が本来持っている力によって 難局を乗り切ることができる! と励ましているのが、この本である。 リーマンショック以降、当面の間、主流になると思われる考え方を 見事に示している。しかし、市場原理主義の対極にある東洋思想 ・・・多神教的であり、また仏教を基軸とし「足るを知る」思想・・・ を提唱しているが、気鋭の経済学者のイメージから大きく はみ出した展開には、違和感も残る。 ルーツを大事にすることには大いに賛成するが、日本だけが特別だとか、 日本人は優秀な民族だ、とか言い始めると、それはかなり危険な兆候だと思う。
全体の主張はよいですが、個々の主張の根拠が空虚では。。。
全体では「そうですよね」という内容にまとまっていると思います。しかし、結局のところ、これまで様々な本で語られているところの表層部の羅列と言った感が拭えません。即席仕立ての歴史を語られても説得力を持ち得ません。 気になったのは、文中に何度か内田樹氏の『日本辺境論』が出てきましたが、中谷氏はこの内容の結論を中途半端に語り、自分の意見の様に内田氏の主張の一部を展開している様に読めたことです(適当に内田氏の視点を褒めたりしているのが興ざめです)。 また、丸山真男について「西洋が先進国で、日本が後進国といった史観を論理的にサポートした急先鋒」として表現されていますが、これに至っては、中谷氏の論点への理解力を疑わざるを得ないと考えます。でなければ、恣意的に内容を歪めいるのではないでしょうか。因みに、姜尚中による著書によれば、「超国家主義の論理と心理」のメッセージとは、天皇制国家は、国家によって内面の世界まで簒奪される国家で近代国家とは言えない異常なものだということ。今でもその宿題があるとしている。例えば靖国問題にしても、人の感性の問題と政教分離の原則が混ざってしまっているところに問題を見出している。これに対し、中谷氏は「天皇を戴く戦前の体制そのものがもつ『前近代性』に全ての責任があると言う論陣を張った」と、論点を巧みに包括してすり替え、異なる印象を与えています。引用にはこの手の問題が付きまといますが、学者でもある氏がこんな引用をして良いものでしょうかね。万事がこの調子かと思うと、折角、方向性は頷けるのに残念です。
そして日本の政治経済はこうなる
日本の風土歴史にねざした価値観で経済の立案運営をすべきだという説には異論はないが、グローバルな世界の潮流の中で、具体的にはどんな政治経済の形をとりうるのであろうか、著者の考えをうかがいたい。
本当の復元力に期待!
マッカーサーによって骨抜きにされた日本の精神、共産主義などがその好例だろうが、しかしながら日本には外からのものを受け入れて、独自にアレンジして生かすという国民性がある。アメリカと中国に圧されている感はあるが、両国をつないでいくのは日本人にしかできない。 これから本物の日本の復元力を次世代の青年達に受け止めていただけるよう期待したい。だからこそ教育に新風を入れる時期なのではないか?
ごもっともですが・・・
正直説得力に欠けます。 現在の日本経済、日本企業の問題点や閉塞感などは、中谷氏に今さら指摘されるまでもないことでしょう。 中谷氏がかつて、痛快経済学等である意味単純明快に、日本企業や日本経済のダメさを指摘してたころから 言われてたことです。 それを懺悔の書でいとも簡単に覆し、かつての日本企業の良さを賛美し始める。 中谷さんの説が説得力を持つには、なぜ転向したのかをもう少し詳細に書かないとダメではないか? アメリカ式のグローバリズムが日本に合わないという説は別にリーマンショックで初めて健在化してことでも ないし、共同体が失われてるとか、中流、庶民階級の節度他界意識こそが日本を支えてるなんて指摘は この本で指摘されるまでもないことです。 書かれてることは、日本の風土などを歴史から検証し、そこからこれからの経済を立て直しましょう という内容で、確かに御説ごもっともなんですが、なぜ以前の説を変えたのかその中谷さんの転向経過を 検証しないと、説得力がありません。 本人の書いてる内容にしても、それこそ人生経験に裏打ちされたからこそ厚みがあるわけですし、それこそ歴史 があるわけです。 今後、中谷さんには、もう少し考えを変えたいきさつをまとめて書籍にしてから、経済を論じていただきたい。
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さまざまな関係性
扱うテーマが幅広いせいか、内容的によく理解できない部分も多かったのだが、最も基本的でわかりやすかったのは、橋爪大三郎氏の「思想の言葉と社会学の知」。 人間、言葉、社会を鍵語に、さまざまな「関係性」が論じられており、社会というものを知るには最適の文章だろう。 人間は単独では生きていけない。(中略)人間は、関係として存在しているからである。人間の行為や挙動も、その集合態である社会の秩序や性質も、この関係としてのあり方を踏まえるとき、はじめてその実相をあらわす。(抜粋) 人間は言語に住まわれている。(中略)言語によってコミュニケーションをする存在である。(抜粋) 言葉ははじめて、人間的な空間をつくり出す。人びとはそれによって、この世界をまさに生きるに価するものと考える。世界は、価値(大事なこと)や意味(そのわけ)に満ちている。この世界に存在するさまざまな対象や人びとの行為のあり方に個別に割り当てられたものが意味、そして価値である。(中略)価値は、それゆえ社会は、言語とともに営まれる。(抜粋) すべては単独で存在するのではなく、関係性(縁)の中で存在しているという仏教的発想が感じられ、興味深いです。「関係性」こそが、世界を読み解く鍵語になると思います。
やや力つきたか?
最初の座談会で野中広務がでてきたのには少し驚きましたが、姜、森、北田の切込みに対し、言いにくいところはのらりくらりと外しながら、自分の主張点はきっちり主張していくところに百戦錬磨の政治家らしさを感じました。学者は批判はできるが、(遠慮もあるのか?)少し線が細い。 その他、興味深かったのは北田論文「社会の批評」が興味深かったです。社会学というと鳥瞰的な解説が難しい学問領域と思いますが、主に近年の論点を批判的に解説しながらうまくまとめていると思います。ブックレヴューも参考になります。 その他の論文も楽しく読めたのですが、「楽しく」ということは「気楽に」につながり「刺激が少ない」につながっているように思えます。 第二期に期待します。
特集は「社会の批評」。かなり刺激的。
このシリーズもこれで5冊目。今回は正面から社会の批評に取り組んだ記事が多く刺激的な1冊だ。 北田 暁大氏のイントロダクションも私の知識ではなかなかついていけないところが多かったけど、現在の社会批評が置かれた状況がよく分かる。 その他、の執筆陣の中では、比較的馴染みのある橋爪大三郎氏、永井均氏も良かったが、初めて読む東園子氏、瓜生吉則氏のサブカルを扱った批評も非常におもしろかった。 東京の政治学 社会学という橋本健二氏+原武史氏・北田 暁大氏の座談会も興味深い。同じ23区とひとくくりにされる東京もこんなに格差があるなんて。驚きというよりも23区を同列で扱う意味さえも疑わしくなった。 そして何よりも、冒頭の野中広務氏を中心とした討論会が刺激的。政治かとしての野中氏をそれほど支持していたわけではないが、このような政治家がいたことは日本にとって救いだったのだろう。面白い討論会だった。
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本のフレーズで自身の思考をめぐらすことができる幸せ
著者は、「第三の波」で世界的ベストセラーとなった米国国防大学の教授である。工業社会から知識社会へ移行する中で、「富(Wealth)の体制」が今後どのように革命的に変わっていくのかを論述したものである。ここでいう富とは、金と同一ではない。むしろ金で買えないものも含めた経済学でいう「効用」である。つまり、なんらかの形の満足を与えるものすべてを示している。 米国の金融資本主義に対する感情的批判や、地球温暖化対策を標榜する環境原理主義が根強く社会に存在する現代において、富は悪評を受け続けている。まるで、富の獲得や富の源泉である欲求としての生活の質の向上が、無条件に悪といった世の中の風潮は、個人的には大嫌いである。こうした点で、本書の非常に奥が深い論述が個人的にフィットした。 「その昔、老人が尊敬されていたのは、過去を知っていたからではない。社会がそれほど変化しなかったため、過去とほとんど変わらない未来を知っていたからだ」は、素敵なフレーズだ。過去の知識や経験は、既に現在にあまり役の立たない「死知識」であり、その歴史は重要であるとしても、過去の経験そのものは未来に対し尊敬に値しないからである。 ただ、この書物も前半2/3程度までは、結構退屈な文章である。本書の本当の価値は、後半1/3からの記述である。家事や趣味の活動、健康増進や自宅介護医療、ボランティア、あるいは街中でのサービス企業に代って消費者がセルフで行っている行動(セルフ給油、銀行ATM、レストランのセルフサービス)等の経済規模は、金銭換算すると既に金銭が動いたときに生み出される経済活動に匹敵する規模であるらしい。すなわち、革命的富は、金銭だけではないということも意味している。 そしてこの、専門家や企業に任せない素人が自ら行う生産消費活動は、今後も知識社会の中で拡大し、特にハイテク型生産消費は急拡大していくはすだ、それが富の未来であるとしている。この論点は、すごく考えさせられる。こういった、読書の最中にちょっとの間、静かに本を閉じ、本から刺激を受けたフレーズで自身の思考をめぐらすことができることは本当に幸せだと思う。
社会という生態系
歴史学は過去の出来事を何らかの必然性や因果関係の文脈にまとめ上げる作業というが、著者はこの作業を、現代世界の人間の様々な営為を素材として試みている。そこで描き出されるものは、人間の知識や技能や活動、さらにそれを支える社会体制のありようの来し方を概観しつつ、そこから連なっていくものとしての未来を予測しうるという点で単なる歴史学を超えているし、金銭価格に換算できない価値を扱えるという点で従来の経済学を超えている。言うなれば、人間社会の生態学であり進化論なのだ。もちろんそれは陳腐な進歩史観という意味では決してなく、価値とは中立的に社会変化の様態を示している。 とりわけ新鮮だったのは、生産消費(p osumption)に関する考察だ。それが社会の中でどのように営まれ、金銭経済とどのように連動しているのか。そのありようは歴史的にどう変遷してきて、これからはどう変わりうるのか。そのダイナミックな筋書きに胸が躍る思いがした。この他にも、工業社会と知識社会の違い、時間の「非同時化効果」、グローバル化の二つの逆の動き、知識の無形的性質など、自分自身の生活も含めて世界でいま起こっていることや起こりつつあることを互いに関係付けていくのに、有益な視座と切り口を示してくれている。
富の未来 上・下巻の感想です。
アルビン・トフラーは人類の歴史を 過去500年までさかのぼり考えていることが新鮮でした。 職と賃金労働がたかだか過去3世紀のことです。 社会の速度の視点は面白いです。 企業の速度を100とすると 家族は60、労働組合は30、官僚機構は25、 教育は10、国際機関は5、議会は3、法律は1だそうです。 経済が目覚ましく進展する中 政治の変化があまりにも遅いことがよく分かります。 ソニーの創業者である盛田昭夫さんはかつてこう言っていました。 工場労働者なら朝7時に出勤して 生産的な仕事をしてくれといえる。 技術者や研究者に朝7時に 素晴らしいアイデアをだしてくれと言えるだろうか。 私に勇気を与える一言です。 真実かどうかを判断する基準のうち 自然科学への低下させる動きがある? 遺伝子工学を目指す優秀な若者の減少を懸念している? これに対しては甚だ疑問です。 通貨であるユーロやドルよりも マイクロソフトのゲイツやソニーの盛田などの電子マネーを 持っている方がいいという時代が来る? マイクロソフトやソニーのような斜陽産業と思われる企業を たとえに用いている点がセンスがない気がしました。 現在ならばグーグルだと思います。 貧富の格差の問題に対する第一の目標は 生活水準を引き上げて絶対的な貧困から抜け出せるようにおくべきで その際に貧富の格差が拡大するかどうかは無視するべきである。 現在、格差社会がマスコミで大きく騒がれるようになってきましたが この一言でおしまいです。 500年前からつい最近に至るまで絶対的な 貧困の時代が続いてきたという事実をマスコミは理解していません。 日本のサービス業が遅れている? 日本の終身雇用制度が解体されている? 日本の集団決定方式は今度衰えていく? 日本を豊かにするために移民を受け入れるべきだ? 日本は治安維持のため移民を受け入れるべきではないと思います。 サービス業は遅れていますが、巻き返しはまだまだ可能です。 日本を過小評価している印象を持ちました。 本書は過去500年から現在までの歴史を精査し 未来を予想しています。参考になる点は多いです。 首をかしげてしまう点もありますが それは個人個人が考えていけばいいと思います。
著者の知識量とネットワークに脱帽
著者の知識量と情報を取得するためのネットワークに脱帽した。 ここまで広い見聞で世の中を見ている人は、少ないのではないだろうか。 著者の頭脳の片鱗(・・・と言っても、才能ではなく、努力の賜物であると思うが) に触れるだけでも、自分の頭脳に衝撃を受けさせてくれる作品である。 ただ、ひとつ言いたいことは、 もしかしたら、著者の知識量はただの知識であって、 知恵に昇華されていないのかも知れない。 現在、インターネットで欲しい情報は簡単に手に入る。 それは知識になる。知識というものは経験を伴って始めて知恵になりうる。 本書のいたるところに出てくる、「5年間工場かどっかで働いた経験から・・・」 というのはあまり説得力がない。 よって☆4つ。
価値が激動する時代
富(Wealth)のこれまでの変遷を通して将来を考えさせる本 上巻のメインは「生産消費者」という概念で色々な現象を 説明してゆく点が私には心に残った. 上巻だけでも400ページ近い書物だが,色々な現象を元に わかりやすく構成されているので,わかりやすく納得感がある. また,上巻だけでも30章!もあるので散漫な内容かと思って いましたが,時間(第3部),空間(第4部),知識(第5部)と 主な富の要素を分析しながら,上巻のメインの生産消費者(第6部) と大きな流れになっており,ほんとうにすばらしい内容と 思っている. その大きな流れの中で 「革命的な富は金銭だけではないのだ」という 上巻の一番最後の1文がこの本の特徴を強く感じました.
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経営者としての孫正義
これまで、起業家としての孫正義氏の強烈な意志と行動力に漠然と凄いなあと感じてきましたが、本書を読んで、経営の実務能力も卓越しているところにその成功の理由を見ました。孫正義氏のような巨大企業の経営者の立場にいなくとも、組織をマネージするビジネスパーソンにとって示唆に富むスト-リーが多数描かれていました。
孫正義氏の側近が書いたソフトバンク経営の実態
本書はソフトバンク元社長室長という孫正義氏の側近中の側近が書いた、 ソフトバンクの内情を刻述した貴重な書籍である。しかしながら暴露本の たぐいではなく、新聞で騒がせたさまざまなプロジェクトがいかにして 生まれ、どのようにして実現されて言ったかについて克明に記述されている。 内容は孫正義氏の考え方を解説するという側面が多く、孫氏が新聞で書か れているような突拍子な考えの持ち主ではなく、むしろ慎重で綿密な下調査・ シミュレーションと思考を積み重ねた上で必然的に引き起こした意思決定で あることが分かる。 一方で作者が孫氏の下でプロジェクトの初期推進部隊もしくは実行部隊と して活動している際の経験も深く書かれているが、その苦労は読むだけでも ひしひしと伝わり、作者の言う「孫正義の近くにいるとあまりに要求水準 の高い激務のために精神的・肉体的に限界を超える」という実態がまざまざと 見えてくる。私自身も本書に書かれたプロジェクトの一つに関わった経験が あるが、孫氏のビジョンを実現するための現場の苦労は、正に精神肉体面の 両方の限界を求められた。 本書は孫氏と仕事で関わる可能性のある人、あるいはソフトバンクに投資を 考えていて孫氏の考え方を理解しようとする人にとっては格好の解説書である。 また、孫氏に引かれ自らもIT業界の創業を考えている人にとってもプロジェクトを 実現するためにどのような点について心がけねばならないのかの現場の実務も 触れられているため、起業家にとっても一読の価値のある良書であると言える。
ビジネスマンを目指す方にはおすすめ
普段ビジネス関連は雑誌程度しか目を通さないのですが、この本は非常に面白く読ませて頂きました。小難しい言葉は無く、分かりやすいので初級ビジネスマンにも飽きる事無く読む事ができると思います。 思い過ごしかもしれませんが、業界関係者には文字の裏に隠れた複雑な心境が垣間見る事ができ、読み物としても非常に面白く感じられる事と思いました。
孫正義になるのは難しいが、学ぶべきポイントは多い
三木氏の視点と思慮の深さに感激しつつ読み終えました。 これだけの事業のPMを担当する傍ら、これだけ理解を深め、分析している人は珍しいと思います。 孫正義氏になるのは無理。ただ、裏で努力されている点等、学ぶべきことは多いように思います。 ビジネスマンは、ぜひ読むと良いですね。
懐かしくもあり、新しく知ることもあり。
著者の三木さんの部下だったことがありますが、 あの怒涛の日々の裏側や、それ以前の歴史などまで知ることができ、 改めて孫社長のすごさと、三木さんご自身のご功績に感動しました。 そして一時期でもこのソフトバンクという会社で仕事ができたことを 本当に誇りに思うと共に、活かしていかなければと気持ちも新たになりました。 アイディア会議とか、本当に懐かしい(笑)。 懐かしさと、改めて自分を振り返るきっかけとなり、 本当に久々に震える感動です。 今の社員の方にも、また、OBの方にもぜひお読みいただきたい1冊です。 ご自身がやってこられたことの棚卸しにもなると思います! それからM&Aの繰り返しで、「何だこの会社?」と思われている パートナー企業から転籍されてきた方々もこの歴史を知ると、 今、いる会社の「意思の経営」がわかると思います。 そしてその他の読者の方々も、ソフトバンクが打ち出す戦略の裏に 「こんなことがあるのか!」ということがわかるので、 非常におもしろい内容になっていると思います!
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【くちコミ情報】
難解な表現が多過ぎるのでは?
待つという事から時間を捉えて、哲学的考察をしてゆくのを興味深く読み始めた。 今、という言葉の意味にも触れ、友人から電話がかかってきた時に、「今何してる?」と聞かれて、「今、君と電話で話してる」と応えたら馬鹿にしているのか、冗談として受け取られるだろう。 なかなか、今、という言葉の定義すら考え出したら難問である。 著者が、「臨床哲学」などと言う難しい学問が専門だから、我々哲学に疎いものには、少し後半は読み進むのに苦労(退屈でもあった)してしまった。 2年にわたって、雑誌「本の旅人」に、19回連載したエッセイを、一冊の本にまとめたからかも知れないが、後半から別の本を読んでいるような気がしてしまった。
今も昔も「待つ」ことばかり
ごくありふれた「待つ」と言う言葉をこの本のお蔭でよく考えるようになりました。この本には「現代は待っていられない時代」と書かれてありましたが、確かにある面ではそうは思います。でも自分の生活を振り返れば待つことばかりです。武蔵のように相手を焦らせる位待たせることは滅多にないが、待たされることは沢山あります。特にカミさんに。私は毎日仕事がカミさんより早く終りカミさんの仕事場まで車で迎えに行っています。家からそんなに遠くはないのですが、カミさんは歩きません。カミさんの仕事が終る前に必ず迎えに行って待っているのです。この時の「待つ」は私に優位性を齎してくれています。又夫婦の繋がりをこの「待つ」が少なからず支えていると思っています。カミさんを家に速く連れて帰る事で今度は私の晩酌の時を待つのです。其の他にも私の生活には「待つ」が沢山あります。皆さんもこの本を読んで「待つ」を考えてみられてはいかがでしょう。
「待つ」ことの豊かさ
信号が黄色ならば、アクセルを踏み込んでギリで渡ってしまったり、携帯の返事がすぐ来ないことに腹を立てたり…などなど。現代は「待つ」ということが非常に困難な時代だ。その「待つ」ことについて考察した一冊。哲学者の本だけに細かいことに思考を重ねているので、正直、イライラさせられるのも事実。けど、この本を読みながらイライラしている自分がもう「待て」ていないというパラドクス。本を読んでいる自分ですら、現代の速度に飲み込まれていることに気付く。 もうひとつ瞠目したのは、期待をしないで待つ、という考え方。どうにもうまく行かない時、ただ待つ。そこに期待を求めない。春が来ると桜が咲くように、気が付くと変わっていた…急がない。かと言ってじたばたしない。今はしらっと流す。偶然が、時間が、物事を気付かぬうちに変える。 そう、スロウに気長に期待もせずに(ある程度のことは)待ってみる。そんな思考もいいんじゃないでしょうか? 長い休みでもあれば、噛みしめるように読んでみて、セカセカした生活を俯瞰しながらゆっくり考えるのもいいのでは?
待たされない、待たされるの狭間で・・・
冒頭で著者が述べるように、確かに待たされない社会になってきた。ネットショップでも3日も待たされるとイラッとするほど。ただ、人間の生き方そのものはそれほど早くなっているわけではない。せいぜい、子供の成長が昔より早い、くらいだろうか。それ以外は依然として、以前のように待たなければわからないこともあるし、待たされるのである。時間をかけなければわからないことは確かにあるのである。この本を読んでいて、「早く答えを教えて欲しい!」と思ったのが本音だった。ただ、「待つ」ということについて、見事なほど「そうなんだよね」と肯定的に述べてくれて「参ったな」という感じである。私は待っている、と自分で思っているのだが、待ったその先に何を期待して「もう待たなくてもいいんだ」と思えるのか、実はわからない。だから「待てる」のだろうか。終わりを待っているのではない、私は始まりを待っているのである。本書は読む人が「何を待っているか」によって、読む章がかなり変わってくるのではないかと思う。逆に言えば、生涯をかけて読み直せる本という気がする。
待たないという「待つ」のありかた
あらゆるテクノロジーの発達がもたらしたシステムの合理化と均質化によって、無駄なるものが社会からつぎつぎに排除されていく。それは、「待つ」ということとて同じ。あらゆる人が、待たなくても会えるようになっていく。あらゆるものが、待たなくても手に入るようになっていく。本書は、「待つ」必要がなくなった現代であるからこそ問い直す、「待つ」ことについての19章。 毎度のことながら、未だにパソコンの起動の遅さに少なからずイラだってしまういらち(関西弁で「気が短い、せっかち」)な僕のような人間からすると、「世の中にはまだまだ『待つ』ことが遍在しているじゃないか」と思えるのであるが、本書が扱うのはそのように予め未来(ここならPCの立ち上がり)が設定された「待つ」、ある種の「期待」を内包している「待つ」ではない。というよりか、本書はそのように終わりの保障された低次の「待つ」から出発して、何かを待つ、とはまた別の仕方の「待つ」の探求だ。 本書で著者が言おうとしていることは、武道論の観点から入ったほうがわかりやすいのかも知れない。武道でいうところの「居付き」とは、緊張のあまり体がカッチカチになってしまった状態、まさに床に足がついてしまったかのような状態を言う。敵の次の動きを予測するあまり、体が雁字搦めに、動かなくなってしまうのだ。 それは相手の反応に対するもっとも悪い「待ち」だろう。そういう「待つ」ではなく、本書が問おうとしている「待つ」とは、相手がたとえどのような動きをしてもそれに柔軟に対応するために、あえて何も予測しないでおく、「予測しないという予測」のことなのだろう。 あとがきで筆者が明かすとおり、この本の執筆過程に「産みの苦しみ」があったことは、節々からうかがい知れる。それだけに読みにくくはなっているが、思考の足跡のようなものが残っているため、本として味わい深いものになっているというのも、また事実。
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読んでよかった!
この本は、びっくりするほどの良書です。会計基準を切り口にしながらも、国際志向に欠けた政治家、官僚、経済人への警鐘ともいうべき書籍です(とくに金融機関に対しては辛辣です)。現在売られているIFRS本は、基準の説明に終始し、大局を見据えていないものが、ほとんどです。それらは、書いている専門家たちも、しょせんはIFRSの追随者にすぎないと思われます。しかし、この本の著者はちがっていました。本当に読んでよかった本です。
小説として面白い
特にこれを読んでも、IFRSにほとんど詳しくなりません。 読んで面白いノンフィクションとして読んでください。 私が会計の仕事をしているからかもしれませんが、とても読みやすく土日で2周読んでしまえるものです。 そして、2周目がより面白いです。 人間ドラマ的な意味で。 面白いです。
IFRSの入門書とセットでどうぞ
IFRSに関する入門書には、コンバージェンス云々アドプション云々といった会計基準の受け入れを巡る日米欧のスタンスについてさらっと書かれていますが、この本はその背後にどういう経緯があったのかをリアルに描いています。 かつて「会計はその国の文化だ」と言って頑なに国際化の流れに抗った日本が、グローバル化の流れの中で如何にして取り残されていったのか。その後どのようにして最終的に国際会計基準を受け入れる(方向で話が進んでいるようです、いまのところ)に至ったのか。前著である『国際会計基準戦争』は1993年から2001年のASBJ設立までの話でしたが、今作ではその後のエンロン事件、欧州でのIFRS適用開始、米国の方針転換、リーマン・ショックとまさに舞台を世界へ広げての「戦争」の様相が展開されます。 IFRSの中身について詳述されているわけではないので注意が必要ですが、IFRS入門書とセットで読めば興味倍増ですし、勉強はさておいてノンフィクションとして読んでも面白いです。
ドキュメンタリーとしておもしろい
日本の中で、かつて「ガイジン」と呼ばれ孤立していた国際派会計士が台頭していく様子が、興味深かったです。 そのほか、大勢の学者、政治家、官僚が登場します。会計基準の解説はありませんが、ドキュメンタリーとして大変おもしろかったです。
国際会計基準における戦いを描いたノンフィクション
本書は国際会計基準における各国の戦いの歴史を描いたノンフィクションです。 特に日本がどのように国際会計に対応して行ったのかが詳細に書かれています。 まるで物語を読んでいるかのようで、会計本では珍しく非常に面白い本です。 ただ、国際会計の細かい内容は記載されていないので、国際会計自体を知りたい人は 別の本を読む必要があります。 会計を敬遠している人は本書を読むことで会計をみじかに感じることができると思います。 おすすめの本です。
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逆境にもめげない女の強さ
花魁というと江戸の印象が強く、花魁自身が本を書くなんて ありえないと思っていました。 が、大正時代も花魁は江戸時代みたいな状態で しかも花魁本人が日記を書いたとは…という、 いろんな意味で意外性がある一冊でした。 貧しくても学がなくても、吉原の廓で、本と日記を支えに、 これだけしっかりした自分を持てるのか。 どんな境遇でも負けない、芯を持つ大切さを教わりました。
期待はずれ
落語の廓噺で分からないことが多いので、買ってみました。花魁と抱え主などとの関係については分かりましたが、肝心の客との関係が分からない。 床の中のことは、あからさまには出来ない部分なのだろうけれど、あまりにもさっぱりしすぎてつまらなかった。伏字が多いのも興がそがれる。 文章も多分他人が花魁の話を聞いて書いたものだろう。きれいすぎて、心に残らない。 小学生が書いた『にあんちゃん』(角川)の方が、はるかに文章力がすぐれている。格段の差だと思う。
待っていました
図書館で元の本(1971年出版)を読みました。 古本を探しましたが 見付けられず。 図書館で見つけましたが もう倉庫に保存してある状態でした。 貴重な本なので 文庫化がされ、大変嬉しいです!!!! 手元に置いてゆっくり読める。
森光子さん?
作者は女優の森光子さんとは違うみたいです。吉原の不当就労が日記風に書かれております今後女性が騙されて吉原で働かされない様にという強い思いが感じられましたが、検閲にチェックされた行が多すぎて読みにくいと感じました。現代もお金を集められる人が凄いという考えが多いので、不当な搾取が横行しているので歴史は繰り返されている。ブラック会社告白本の吉原版です。
当事者の体験には迫力がある
源氏名というのか、春駒となった作者の、吉原に売られてからの日記である。 やむを得ず伏せ字になっている箇所も、どういう内容か想像がつくだけに、少しだけ昔の日本でこのような人権蹂躙が行われていたことに、改めて衝撃を受ける。 教育を受けることもままならなかったであろう作者の文章ではあるが、事実の持つ迫力が、多少の文章のつたなさなど覆い被せてしまうものとなっている。 昨今、江戸時代の吉原については、どちらかといえば華やかな印象だけで語られることが多いため、現代の日本人に少なからず誤解を植え付けるおそれがあると危惧していた。そんななか、この本は、近代の吉原がどれだけ残酷な場所であったか、再認識を迫るものであり、多くの人たちに知っておいてほしいものである。 自分が知りうる範囲の先祖が過ごした時代に改めて思いを馳せてみたい。
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20世紀以降の思想に詳しい
古今東西の代表的な哲学者とその思想についてコンパクトにまとめてある。 左側ページに説明、右側ページに図解という構成。 どれかに強く偏った内容ではなく、様々な思想のエッセンスをまとめた小辞典的な内容である。 また、ソクラテスやカントやニーチェはもちろん載っているが、 比較的新しい20世紀以降の哲学思想についても丁寧に書かれているのが特徴である。 古代から現代に到る様々な哲学思想や人物を、ざっと振り返る用途に好適。
よい入門書だと思う。
はじめに、著者はこのように明記している。 p2「本書は哲学や思想についての初心者に、重要で有益ないくつかの考え方をコンパクトに理解していただき、全体像を把握できるようにという目的で書かれている」 p2「西洋哲学史と東洋思想史において重要と思われる哲学者や思想家の考えを、レベルを落とすことなく、可能な限り、明快公平平易かつコンパクトにまとめたものである」 p2「紙数や字数上の制限のためそれぞれの記述が不完全なものにならざるをえなかったことは、あらかじめお断りしておかなければならない」 通読してみると、上記の通り、この書は「全体像の把握」に力点が置かれていた。 非常に分かりやすかった。 哲学をパズルに例えると、この書は先ず、パズルの「枠」を形作ってくれる。 闇雲にピースを漁ってパズルを完成させるよりも、先ず、枠を作ってからの方がパズルの完成は楽だろう。 (闇雲にピースを漁るとは、いきなり哲学者の難解な著作物にあたることを意味している) また、p273には、さらに哲学の枠を強化したい方や、ピースをお探しの方向けの「読書案内」が記されている。 これは、本書の不完全さの補完のためであると思われる。 ちなみに自分はp264・265に感動した。
学校で思想の流れを学んだが知識が時代遅れになったと気づいた人向け
この本を求めた動機は、学生時代に哲学や思想を学んだが、学んだ時期の制約から最近の(現代)思想家の説への知識不足を補う為でした。 ソシュール、レヴィ=ストロース、アルチュセール、ラカン、リオタール、フーコー、デリダ、ドゥールズなどについて大まかな知識を得ることができます。もちろん、この本ではソクラテスから解説されているので古代からの流れを把握できるようになっています。他のレビュアーの方も書かれていますが、記述の明快さは特筆できるものです。
入門書としてはかなりいい
本書は、哲学の重要事項を、初心者にわかるようにまとめた本である。 記載されている内容がやや薄いという感じもあるが、平易な文章、直感的な理解を助ける図解などによって、哲学のエントリー本としてはかなりいい線いっているんではないかと思う。 現代の哲学についての言及がお粗末だったが、その分言語学の分野が濃い内容だった。
本当は難しいことを、この本は誰でも理解できるよう翻訳しています
とても親切丁寧な本です。哲学初心者でも十分理解可能な本です。とはいえ、書いてある内容そのものが平易というわけではなく、難しいことを猿でもわかるように噛み砕いて、文章とイラストで表現されています。 難しいことを誰にでもわかるように伝えることはとても難しいことです。しかしながら、この本であれば、誰でもすんなりと入っていくことができると思います。ただし、古代アリストテレスの思想からポストモダンまで膨大な範囲をカバーしているため、内容は深くはありませんが、十分流れを俯瞰できる内容となっていって、入門書としてははとても素晴らしいと思います。お勧めです。
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