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【くちコミ情報】
戦争を理解できる最高峰
戦争取材をしている人の本は多いが、この本ほど戦場そのもの、戦闘そのものに肉薄した本は珍しい。ここまで戦場に身を投じた人の語る言葉は説得力が強い。本文中やグラビアで200枚近い写真があることも、現場を見てきた人の本という重みがある。こういう本があるのを知ってしまうと、現場へ行かずに評論している人の軽さを思い知らされる。 p また、著者が70回以上に及ぶ戦場通いを続けるうちに、戦争に対する疲れが出てくる様子も正直に表現しているところからも、本当の戦争は、こういうものかということが伝わってくる。「戦争に反対する者は、好んで戦争を求めてる人の本音を理解したほうが平和活動に役立つ」という言葉にも、納得させられる。この本からは「好きこのんで戦場へ行く者の本音が理解できる。
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【くちコミ情報】
心の癒しと和解の実例いっぱい
第二次世界大戦中日本軍の捕虜収容所で、心身ともに傷を受けた連合軍捕虜達、及びその家族らが、いまだに嫌悪し憎んでいた日本へ来るまでの経緯、そしてその驚くべき結果。戦争を扱ったものは大体、右派と左派に二分されるが、これに関しては政治的無色透明さを感じる。イデオロギーではなく、一人一人の人間に焦点が当てられているヒューマンドキュメンタリー。イギリス人捕虜から始まり、オランダ人民間抑留者、慰安婦とされた女性そして東南アジアの戦地となった住民にいたるまで、それぞれの証言が記述されている。しかし彼らの言葉は憎しみに裏付けられているのではなく、日本人に対する愛と、赦しに満ちている。己を知り、相手を知る。真の国際理解はここから始まる。
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【くちコミ情報】
それにしても、ただアルトーだけが……。
過度の悲しみは、死に触れる。「死」は一種の奈落で、そこにまで落ちゆく恐怖をひとは想像できる。地球上には悲しみの過程がより多く実在するのだから、〈人間の救済〉は不可能であるだろう。その不可能ゆえに、人間世界はひとつの情念体制、すなわち恐怖によって支配権をにぎられるだろう。それが「人間存在とは何か」の答えだった。それは豚のように汚なかった。 第一節、残酷が概念化される。それは本質の変形以外の何ものでもない。第二節で身体と精神の分身論が提起される。身体を死に等価なもの、〈死のモデル〉とするためである。第三節、比例=〈自我〉に死が与えられる。恐怖はなにより人称に帰属する情動だからだ。第四節、ヘテロリズム宣言。「自己の本質を連続変形のもとに曝け出す」。第五章、〈子供に−なること〉の離接性、すなわち〈幼児期の身体〉の〈無際限で−有限な〉様態。第六章、強度の二度目の死について。〈アルトー問題〉の核心である。 本書の主要なテーマの一つ、〈死の経験〉は〈アルトー問題〉を含んでいる。アルトーの「無能力」が示している能動性をいかに表現するかの問題である。それは一方では様態としての自己原因の問題――「いかにして自分で生まれ、いかにして自分のなかから死の生成を引き起こすのか」を引き起こし、他方で「破壊と「同時の」生産」を切り離されないものとしてもつ分裂綜合的思考を、さらに「逆向きの自殺」と「燃え上がる身体になる」の二者択一の実践の選択を、それぞれ問題として構成させている。 それにしても、アルトーの音調的な〈語−能動〉の群生化がなければ、残酷俳優の絶対的事例がスピノザの哲学の大地を震わせることがなければ、本書の強靭な構成はこれほど〈叫ん〉だろうか。稀な書物だ。〈書物〉になるものは稀であるという意味で。
哲学の「力」を信じぬく渾身の「無能力」論
本書が言う「無能力」とは、この世界の運行を潤滑に遂行する能力の欠落、 マジョリティとして「世間」を支持する能力の不在、という意味である。 この世界において生存する力能(それを江川氏は「可能性」とも呼ぶ)を 欠くがゆえに、そうした無能な人々は、この世界から不要と見なされ、(見) 殺されていく。そして、そのような無能を抹消する体制が、今日、限りなく、 強化されている。無能力の人々が、この体制によって、今日も殺されてゆく。 それに対する抵抗は、みずからの無能力において「死」を構成すること、人間の本質を「歪める」実践として方法化される。人間は、生きるために生きるのではなく、不死(永遠なる真理としての人間の本質の解体的解放)を目指して、みずからをいったんこの体制においては「死」なしめ、新たな生へと復活させることもあるのだ、と。だから本書の言う「死」は、再生を配備する死である。この素晴らしい哲学書が、世界中の「無能」として抹殺されつつある人々の手にとられ、読まれることを願って止まない。
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副読本に最適
原典の翻訳がほぼ網羅的に掲載されており、大学の哲学、倫理の授業の副読本(そのために作られたのだろう)に最適である。 古書ではかなり安くなっており、中公や岩波等の哲学史を読みながら、適時参照するにはかなりリーズナブルであろう。 中世や、現代もフォーローしているので、類書よりも充実感がある。 控えめな解説も得意分野を各執筆者が担当しているので的確だと思う。
読者対象がわからない
内容はタイトル通り。主要な学派について章立てし、担当者の概説と必要に応じて、その学派の主要論文の原典(訳)を引用するアンソロジー。全体で見れば、コンパクトで質の高い論文が多いけれど、以下の理由で定価3000円強は少々高いと思う。各著者の解説と知見が追加された形で文庫版が出たら嬉しいな。 【良いと思う点】 フランクフルト学派、新カント派など、幾分マイナーな学派についての解説がわかりやすく、流れの中で的確な引用だったのでとても参考になった。 【悪いと思う点】 アンソロジーにしばしばある通り論文の出来が玉石混淆。また、そもそも原点引用という形式を全ての学派に対して行い紹介しようとするのも些か無理があると思う。特に現象学や実存主義などは、いきなり難解な引用がなされていて、しかも引用部分の解説は少ないなど、章によってはかなり読み進めづらい。現象学や実存主義は「人気」の学派なのでネット上でもリソースが豊富で、むしろそういう分野こそ、ネットに負けぬよう解説と引用の絡みが大切だと思う。 それとやはり原典が必要な人びとは多少とも専門家かそれに類する人びとであろうと思うけれど、専門家なら原典を読むだろうし、一般の人びとであれば、もっと平易な内容のものを求めると思う。その意味で(自分で手に入れておいて何ですが)、読者対象がピンと来ない。
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