2008年07月24日(木) 選書・叢書の第1位は
『格差社会と教育改革 (岩波ブックレット NO. 726)』!
|
|
|
| 
【関連のオススメ商品】
| 格差社会と教育改革 (岩波ブックレット NO. 726)
¥ 504(税込)
通常24時間以内に発送
ジャンル内ランキング:2,863位
|
|
|
| 
【関連のオススメ商品】
| 「死体」が語る中国文化 (新潮選書)
¥ 1,050(税込)
通常24時間以内に発送
ジャンル内ランキング:17,001位
|
|
|
| 
おすすめ度
【関連のオススメ商品】
| 易―中国古典選〈10〉 (朝日選書)
¥ 2,447(税込)
通常24時間以内に発送
ジャンル内ランキング:4,197位
カスタマーレビュー数:6
【くちコミ情報】
「易経」とワンセットで
岩波文庫の「易経」だけでは、何がなんだかちんぷんかんぷんだった時に、本書に出会いました。その結果、今まで疑問だったところが一気に晴れ、一つ一つの卦が風景を伴って理解出来ました。 易経を単なる占いの本とせず、道を解き明かす書として扱っている点にも好感を持ちました。 「易経」の解説書として、「易経」とワンセットで買うことをお勧めします。
実用にも使える
哲学書として読む方と(晩年の孔子が本を綴じたひもが三回擦り切れるくらい熟読したという伝説がある)、占いの書として実用的に使おうとする方とあるだろう。本書はその両方の目的に堪える。 簡単に占いについて書いておこう。洋の東西を問わず、占いは二種類に分けられる。星占術と偶然性を利用したもののふたつである。例えばカバラなどは前者に、タロットは後者に分類される。もちろんおみくじは後者だ。易は、東洋占術の中で代表的な後者に属するものだ。じゃらじゃら(メドギという植物を使う)でもコインでも占い可能である。 注目すべきは易の特異な思想だ。通常、占いは「変更不可能」を特徴とする。実際、始皇帝が、自分の満足のゆく結果がでるまで占いを続けさせ、それならば占いなどする必要などない、と言ったエピソードは有名だが、本書にも「二度占ってはならない。占いが穢れるからだ。穢れると真実は告げられない」とはっきり書いてある。 では、不幸にも「凶」の暗示が出たらどうすればよいのだろうか。ここに「易」の特徴がある。易の思想は、災難をあらかじめ知り、その被害を少なくするために未来を予知する、ということにある。つまり、人為的な努力によって未来は変更可能だと考えるのだ。ここに未来は固定されたものとみなす西洋占術との大きな違いがある。 あとは原文に当たっていただきたく思う。何か一つでも西洋の占いに親しんでおいたほうが、易の特質に対する理解は深まるかもしれない。
中国には二千五百年前にコンピュータ演算理論があった!
多くの易の解説書の中でも、この本の分かりやすさは群を抜いています。易をおいて解説を読んでもその精度にいつも感服してしまいます。哲学書としても、人生の指南書としても、易占の書としても、繰り返し一生使えます。たとえば何年もかかる宇宙旅行に出かけることになり、百万冊の本の中からどれか一冊だけ宇宙船に持ち込むことが許されるとしたなら、躊躇することなくこの書を選ぶでしょう。そのくらい価値のある本だと思います。
活字が大きく読みやすい「易」の本
陰陽道や風水などの基礎に陰陽五行説がある。この考えには三つの柱がある。宇宙は陰と陽の二つの様相から成り立っているという『易経』の説く陰陽説、万物は水、火、土、金、水の要素の相克ないし相生から成っている五行説、そして星占いから派生した十干十二支の考え方である。これらが組み合わさって複雑な陰陽五行説は成り立っている。さて陰陽説であるが、まず宇宙が混沌とした状態、始源としての「大極」が措定される。そして万物すべての状態の基本型として陰と陽の二つの様態があるとする。さらに陰陽が組み合わさり太陰、少陽、少陰、太陽の四象、さらに乾、坤、震、巽、坎、離、艮、兌の八卦を生み、さらに八卦を組合せて六十四卦を生む。本書は活字が大きく読みやすい。
易を読むならこれがベスト
これ以上の本を知りません。かれこれウン十年のあいだ、さまざまな易経の本とつきあってきましたが、結局この本以外はみな手放してしまいました。内容が格段に上質で、学問として易に触れる方も占いに使いたい方も、これ以上の教科書はないと思います。 ~~ あえて欠点をあげるとしたら(ほんとうは欠点なんて無いけど)解説がとても丁寧で長いことと(笑)かなり大部なこと(笑)。手っ取り早く占いに使いたいひとは読むのに時間がかかってイライラするかもしれませんし、なにしろページ数が多いので持ち運ぶのに苦労します。そういう意味でも、文庫版をぜひ復活させてほしいです。~
|
|
|
| 
おすすめ度
【関連のオススメ商品】
| 秘伝 中学入試国語読解法 (新潮選書)
¥ 1,575(税込)
通常24時間以内に発送
ジャンル内ランキング:13,463位
カスタマーレビュー数:20
【Amazon.co.jp】
漱石研究の第一人者である大学助教授・石原千秋が、中学受験に“はまった”異色の1冊。もっとも、著者が受験したわけではない。彼の息子が、である。本書は、中学入試に挑んだ一家の顛末(てんまつ)を赤裸々に描いた体験編「僕たちの中学受験」と、国語の入試問題の説き方を手ほどきした国語問題読解編「入試国語を考える」の2部で構成される。 体験編ではまず、中学受験に乗り気でなかった父親が、なぜ受験を是とするようになったのかが語られる。その心変わりを追っていくと、現在の教育制度や公立学校が抱える欠陥が垣間見えてくる。だが、中学受験は生易しいものではない。模擬試験の偏差値に一喜一憂し、志望校選びに翻弄(ほんろう)される日々。それらは冷静な筆致でつづられているものの、「『中学受験は親の受験』という言葉が身にしみた」とのひと言に、著者の本音がのぞく。 一転、国語問題読解編では、著者が文学研究者としての本領を発揮し、有名中学校の入試国語の「過去問」を徹底分析。読解のルール、ノウハウを指南する。ロラン・バルトの「物語は一つの文である」との考えをベースに、問題文の把握の仕方、設問の意味などを克明に解説する。この法則さえ会得すれば“入試国語恐れるに足りず”、というわけだが、果たしてうまくいくかどうか…。 400ページとボリュームはあるが、一気に読ませる。子どもの中学受験を考えている親はもとより、中学受験に無縁な人にも一読を強くおすすめしたい。(清水英孝)
【くちコミ情報】
文学研究者の感想文
論理性に欠ける記述は文学研究者としての資質からでしょうか。単純化した理論の展開と結局は国語力でという解説になっているので、受験には役に立たないでしょう。単純化に惹かれる人は多いのでしょうが・・・。この程度のことは進学塾で論理的に教えてくれます。家庭学習にしても、他の参考書をやったほうがよいと思います。この手の本は10冊以上読みましたが、受験に役立つものはありませんでした。盲目的でない人が国語教育を考える意味で読むにはいいかもしれませんが。
鋭いけれど、、、
よくありがちなテクニックに終始した書と異なり、入試国語の一側面を鋭くついている点はさすがである。一方で、専門家特有のシニカルな部分も多々あり(やむをえないだろうが)、子供が読むか、親が読んで咀嚼してから解説するか、は子供の精神年齢によるだろう。 第一部の体験談は面白く読めるが、中学校についてのコメントはかなり主観的。筆者の好みに合わない学校については「悪口」に近い記載があり、後味が悪い。また、国立大附属の設立の経緯、使命を私立のそれと誤認されている。第二部の入試国語論が秀逸なだけに残念だ。「学校案内」ではないので、主観的でも構わないのだが、説得力があるだけに「真に受ける読者がいるのでは」と危惧して、第一部は星1つ。第二部は星5つ。平均して星3つ。
中学受験にハマル親御さんたち
受験を控えた小学6年生当人よりも、スポンサーである親御さん達の方が ピリピリし始める季節になりました。本書がそのスポンサー達のマイナー トランキライザーであることはいまさら申すまでもありません。 その大きな理由は、大多数の親御さんと著者とが年代的にも環境的にも 似通っていること、そして、誰もが共通して感じている受験制度の矛盾を著者 が代弁している、というガス抜き感にあることは否定できません。 しかし、本書が類書をしのぐロングセラー足りえた秘訣は別のところにあります。 それは著作を単なる「親子受験格闘日記」に仕立てなかったことで、ややもすると 干渉過多になりがちなこの時期の親子関係をうまく希釈できたことでありましょう。 即ち後半の国語設問研究の部、がその希釈剤、緩衝剤であるわけです。 内容はタイトルとかけ離れたもので、読解法でも秘伝でもない意味不明の代物であります。 学者さんの独り言といっても良いと思います。それでも読者を惹きつけて止まないのは、 その真剣さ、肩の力の入れよう、であります。 合格発表が済めば、あっけなく、ほんとにウソのようにあっけなく崩壊するこれらの コダワリは滑稽ですらあります。日本人のみならずアジア人が走りやすい受験信仰の 根源が科挙による既得権益獲得、にあるとしても、中学をどうするかなんてあまり 意味のないことなんですがね・・・。 私はこの本を7−8回通読し、中学受験を控えた5年生を持つ知人に贈与しました。 もちろん国語参考書としてでなく、自嘲も含めた親バカ小説としてであります。
解説の丁寧な問題集として今なおおすすめ
前半は中学受験体験記、後半は入試問題集といった構成になっています。並みの小学生が解釈論を十分理解できるかどうか(御三家クラスなら独力で読み切れるでしょう)は別として、単純に解説の丁寧な受験問題集と考えてもきわめて良質です。著者の基本的主張はごくシンプルで、以下のようなものです。 「物語は一つの文に要約される」 「どういうことが道徳的に価値があるとされているのか」「その価値観がどのような物語の型や評論の型を作り出しているか早く覚えてしまうこと」 これらの視点が読解・解答プロセスにおいてどのように働くかは、問題篇を実際にお読みになってみてください。
受験体験記として極めて有用です
活字が大きめなので極めて読みやすい本です。 具体的に中学受験を目指す人に、塾や学校の選択にも有用です。 受験国語のことを批判的に書いていますが、 真実をついてはいます。 国語は道徳教育という表現には納得しました。 残念ながら女子御三家などを狙う人には、 多少物足りない感がありました。 私立大学附属中学の意見は貴重な意見と思いました。 駒場東邦、桐朋中学受験の方には必読な本でしょうか。
|
|
|
| 
おすすめ度
【関連のオススメ商品】
| 競争しても学力行き止まり イギリス教育の失敗とフィンランドの成功 [朝日選書831] (朝日選書 831) (朝日選書 831)
¥ 1,260(税込)
通常24時間以内に発送
ジャンル内ランキング:5,030位
カスタマーレビュー数:3
【くちコミ情報】
ひとりひとりが勝者であるべき、教育
この本では、テストがないのに国際学力テスト1位のフィンランドと、 最近の日本の「全国学力テスト」とその結果による学校ランキングという 教育改革のモデルとなったイギリスの教育を比較することで 現在の日本で本当に必要とされる教育モデルを探っています。 当たり前かもしれませんが、どこの国でもよりよい教育を 子どもに与えようと研究、努力はしています。 日本での全国学力テストの再開も、その一端ではあると思います。 けれど初年度の結果は、教員などによるテストの不正が行われるなど テストの結果を重視するあまり、本質を損なっていると思われます。 フィンランドでは、少人数クラスで個々の生徒にあった授業を行います。 これは、お金もかかり、手間もかかります。 テストのように成果も見えづらいです。 支える人々の覚悟がいる方針だと思います。 けれど教育は、ひとりひとりの子どもがそれぞれの人生を 切り開く礎とするためになされる、重要なことであるはず。 「敗者があってはならない」という著者の言葉を 胸にとめておきたいと思いました。
アングロサクソンモデルとフィンランドモデル
海外で行われている教育というものは日本の教育の反面教師であったりする。 特に、この本は「競争したからといって学力」がつくものでもないという「イギリスのサンプル」を例証をあげて見せてもらえる。 これをアングロサクソンモデルとして本書では図解してもいる。 競争は人間の心理に圧力をかけて、学力を上げる仕組みだから、心が負けるといろいろ病理が噴出す仕組みでもあるのも当然のはずだ。 日本の目から見れば、壮大な競争原理の負の面を見せ付けてもらえる実験をしてもらったと思うが、はたして、教訓を生かしているといえるだろうか。今、日本は過去に戻ろうとしている。 この本には、もう一つ、フィンランドモデルがある。 短く書くとすれば、新自由主義を上手く消化し、新保守主義を上手くかわしたため、業者委託の金銭腐敗的なテスト会社競争原理主義(?)や、教師への圧力と上に媚びへつらう成果主義が生まれずに、現場に自由と責任をあたえ、やる気をもたらしたようである。これも心理的な問題で、やる気が学力にどう影響するかを、教育現場という括りで示していると思う。 日本の教育は、興味関心、学習への動機とか生徒の心理的な面もそうだが、教師の心理も軽視しすぎているのではなかろうかと思われた。
面白い内容でした
教育というのも、その国の経済状態やどのくらいまで成熟された社会であるかと言うのも総合的に見えるのでしょうかね、当然社会的な哲学も非常に関係しているというのもわかりました。 若干、ひっかかる点を見ると、どうしてもイギリスの教育はリーダーを育成するための教育を進めている感じがしました。全体的な教育レベルではないのですが非常に優秀な人材を輩出しているのも確か。 でも、社会の反映と教育は密接な関係を持たせているので、一概にフィンランドがすばらしいから日本に紹介したところで日本の教育自体が変わるのか?若干疑問に思いますが、少なくとも進んだ教育を少し触れて勉強になりました。
|
|
|
| 
おすすめ度
【関連のオススメ商品】
| 近代日本の右翼思想 (講談社選書メチエ)
¥ 1,575(税込)
通常24時間以内に発送
ジャンル内ランキング:19,447位
カスタマーレビュー数:6
【くちコミ情報】
ウヨ曲折の「ギガヲタ」本
いろいろ新しい発見はあろう。ウヨクがサヨク同様にだらしない現代ニッポンにおいては、それもまたさもありなん。葦津珍彦とか、福田恒存とか、下っては赤尾敏、野村秋介も鬼籍に入ってしまった今となっては。行動も理念もダメになったのだろう。ウヨクには現在見るべき思想的展開など皆無である。面白いと思えるものさえない。 したがって、ウヨク思想にアクチュアルだとかそんな聞いた風な語呂合わせをしてみても仕方ない。ウヨクはアクチュアルでないことがその存立基盤であり、絶対条件である。ことに戦後日本のウヨクにおいては。 だから、最後に自らの身体をのみ感じることになる。これをマッチョと言う。身体の不確かさを問うてみても、ご本人はアクチュアルだというのだからウヨクの御仁とは平行線を辿るだけだ。身体的修練が絶対視される。それが精神だとも言う。 デカルト主義でも学んだほうがよかろう。ウヨク的身体論には、自己所有の概念とか、自己決定権の論理は全く通用しないのである。 だから、著者はウヨクが「好き」などとのたまうのである。これを反知性と言う。社会性を欠くといってもほぼ同義だ。「僕はサヨクが好き」などという気持ち悪い物言いは、少なくともポーズだけであったとしても、サヨクは決して言うまい。間違っていても理念を問うだろう。 そういえば、三島由紀夫は森田必勝に「本など読むな」と言ったそうではないか。中村彰彦の森田を描いたノンフィクションにそうあった。 素朴、単純、イノセントに嫌韓流や嫌中国を叫ぶ人のなかには、ウヨクっぽいのが好きでそんなことを言う人が多いようにも思われる。 著者片山の音楽評論は随分と評判が高いが、評者には吉田秀和長老が絶賛するほどよいものとは思えない。特にその第2弾は、著者のマッチョな体質が全開していて、吉田がこれをも褒めることはないだろう。しかも、これは評者の偏見だが、ウヨクの癖に慎みがないのが、さすが新人類と呼ばれた世代だけのことはある(評者も同世代である)。 ウヨクを標榜する佐藤優は随分と戦略的だが、片山は戦略なんぞ歯牙にもかけていない。 何せ好きなんだから。論理もクソもないし、彼自身のオタッキーな興味の赴くままウヨクも音楽も批評してますってところだろう。評者は別にウヨクとオタクに親和性があるといっているのではない。 ☆2つにしたのは、「よく調べました」と労に報いる気持ちの分だ。
右翼のジレンマ、ねじれ、その根幹としての「天皇」
「あとがき」の「右が好きだった私としては、もちろん右翼の魅力を語りたい気持ちも強い」っていう言葉に対しては、「その思い、愛はちゃんと伝わってるよー」と返したい。いやぁ、とても刺戟的な本だった。 「ものの考えかたに全体の構造としてうまくゆかないところがあり、その中で堂々巡りをしているうちに、奇妙な想念にどんどん流れてしまう」っていう近代右翼思想の潮流がとってもうまく整理されていて、ほんとうに面白かった。「未来にぶらさがって現在を攻撃する左翼に対し、過去や現在に足場を置くのが右翼」とか、「反動は過去に反り返って動く。保守は現在を大事にする。左翼は未来に期待する」とか、そういった素人語りって「講談社選書メチエ」という一般書とは言え、なかなか扱いがイデオロギーだと、学者は言い切れないもんだと思うんだよね。全編を通じて、著者の潔さ、キレの良さを感じる。 「どうせうまく変えられないならば、自分で変えようとは思わないようにする」安岡正篤の存在にフォーカスしてページを割いているのが新鮮。理想の右翼と現実の右翼のジレンマっていうか。 いずれにしても、そのジレンマっていうかねじれの根幹に「天皇」があるっていうね。 本書は一応、1945年の敗戦に至る近代右翼思想について書かれている訳だけど、昨今の、よしりんとか、新しい歴史教科書をつくる会とか、「Will」とか、ネット右翼とか(十把一絡げにする訳じゃないけど...)の心情ってのも、決して戦前と切れている訳じゃないっていうか、右翼の根本問題はいまだ解決されていないっていうか。 それにしても、石原莞爾「世界最終戦論」の「今から三十年内外で人類の最後の決戦の時期に入り、五十年以内に世界が一つになる」なんて世界観は、経済に舞台を変えた今のグローバリズムってやつと寸分変わらない気がするな。
安岡など右翼という規定の仕方の範囲が狭い
日本が大東亜戦争と名づけて敗北し、米軍の占領下におかれてから以後の、右翼思想分析は、GHQが暗黙のうちに推奨し奨励した丸山真男などの見方とそのエピゴーネンに共通しているものがある。国際性に満ちたとする左翼と異なり右翼はアプリオリに内向き思想との臆断である。そこから解析に無理が生じてくる。 この本は最近やたらと書きまくる佐藤優が文藝春秋11月号の書評欄で取上げていたので、興味をもった。そして、松本健一などと同系統に結局は属するとがっかりした。安岡が戦前にボースや朱経古との交遊、戦後、主権回復後の中国系の知識人との交遊の可能であった背景は、この著を読んでもわからない。東洋世界との一体感である。 次に、佐藤も取上げている安岡の本意についての片山の推測(天皇の師)は、あまりに皮相である。それは、安岡が楠の一統に連なるところから来る敬虔な姿勢に少し感情移入すればわかるところだ。そこから、終戦の詔勅への刪修の仕方も出てくるが、こうした見地は片山にも佐藤にもわからないであろう。 だが、片山のこれまでの偏見を捨ててわがこととして追求する態度には共感した。
目次に全てが集約されている
本書については、まず目次を見て欲しいと思う。著者の「近代日本における右翼」の見通し、パースペクティブがここに集約されている。 第1章 右翼と革命 世の中を変えてみようとする、だがうまくゆかない 第2章 右翼と教養主義 どうせうまく変えられないならば、自分で変えようと思わないようにする 第3章 右翼と時間 変えることを諦めれば、現在のあるがままを受け入れたくなってくる 第4章 右翼と身体 すべてを受け入れ頭で考えることがなくなれば、からだだけが残る その後、まず本書の「まえがき」と「あとがき」を読んで欲しい。 「教義」が体系化され、「教典」を持っている左翼思想の一部としてのマルクス主義に比較し、右翼思想というのは、体系的な思想として見えてこないきらいがある。いわば、右翼には、行動主義と情念はあっても、思想はないということだ。近代日本の右翼思想の源流に日本流の陽明学を措定した小島毅氏の「近代日本の陽明学」にも、同じよう視点があるようにも見受けられる。 しかし、本書の視点からは、少なくとも近代日本における右翼思想は、どうしても思想として一本貫くことのできない宿命のようなものがあり、その結果、鵺のような存在になってしまったのだということがよく分かる。この視点からすれば、右翼思想を思想として存在感のあるものとして、改めて批判的に見ることができるようになる気がする。 なお、本書の「まえがき」における、左翼、保守、右翼の内包の整理は、大鉈過ぎるとも言えるが、これ位の整理からはじめて、更なる精緻化を議論するのが良いと思う。この点も、本書を繙いた成果であった。
右翼思想の全体像へ
近代日本右翼思想史構築への第一歩。すこぶるおもしろい本である。自己のオリジナルな論説をリズミカルにたたみかけてくるような気のきいた文章もすばらしい。 気に入らない現在を変革するために、悠久の天皇のいる過去を鑑として現在に向き合うが、その現在にもしかし天皇はいるので、抜本的な世界革命はおこせず、どん詰まりになり、けれどそのどん詰まりぶりが多種多様な思想に結実する、という右翼思想の魅力(?)を、著者はごくごく明解に示していく。しかも、本書では北一輝や大川周明といったような有名どころよりも、よりマイナーな、というかその言い分が低レベルとみなされバカにされがちな右翼思想家や日本精神主義者、あるいは意外な作家や哲学者などが主に取り上げられる。 全体を通して非常に興味ぶかいが、私的に特に関心をひかれた所が三点ほど。第一に、政治家や企業経営者たちの導師として著名な安岡正篤を、大正教養主義とりわけ阿部次郎の思想の右翼化として位置づける説明。第二に、西田幾多郎の哲学からある種の葛藤が抜け落ちその論理だけが「今」を絶対視するファッショ的思念に転化していった過程の確認。それから、日本人の正しい姿勢や身体技法を涵養することの大切さを主張することが、やがて国家を文字通り死守する国民を育む思想に帰結してしまった、という今日でも(でこそ)妙にリアルに感じられる言説を展開した、佐藤通次という哲学者の身体論の再発見、である。こういう系譜があったか!とか、こんなこと考えていた人物がいたのか!!という思想史的な驚きに満ちているのである。 著者も述べているように、これは「ささやかな第一歩」の書物である。今後、著者本人、あるいは本書に触発された論者による、さらなる右翼思想史の探求がこころみられる予定なわけだ。どんな新しい見方がありいかなる思想家がいまだ埋もれているのだろう?とわくわくしてしまうではないか。
|
|
|
| 
おすすめ度
【関連のオススメ商品】
| 処女の文化史 (新潮選書)
夏目 幸子(翻訳)
¥ 1,470(税込)
通常24時間以内に発送
ジャンル内ランキング:28,469位
カスタマーレビュー数:1
【くちコミ情報】
欧米人は処女をどう扱ってきたか
西洋社会において「処女(性)」はいかに認識されてきたか、その実際を過去から現在まで大局的に見渡しながら、色々と興味深い指摘を行っていく好著である。「処女膜復元」手術がひそかに人気を呼び若者の「純潔教育」が熱心に実施される現状を意識しつつ、歴史の中の様々な処女イメージが明らかにされていく。 処女(性)は、時代時代の権力や共同体によって常にコントロールされるべき独特の意味や価値を持っているものであった。医学は一貫して女性が処女であり続けることの不健全さを示唆し、セックスを行い体液のバランスを調整することで女性の身体は健康になるとした。だが一般に共同体にとっては、女性が自由な性を享受し安易に処女喪失をしてしまうことは脅威であって(共同体に「穴」が開く!)、親がこれを管理する必要があった。とりわけ貴族は、嫡出子を獲得し財産の問題のない継承を達成するためにも、身内が結婚までは処女であることを非常に重視した。 キリスト教では、処女性は至高の価値の源泉であった。マリアは処女懐胎し、イエスもその純潔さが説かれてきたからであり、また修道士・修道女たちも「処女」として生きることで尊厳を認められてきたからである。プロテスタントはこの処女主義を批判し、結婚して家庭を築くことの意義を強調したが、されど他方で、内面的な純潔さ≒処女性は固守しようとした。18、19世紀に女性が家庭に追いやられると、このプロテスタント的な純潔観は、家庭内における女性の道徳観を拘束することになった。 また、処女性の存否において大きな論題となったのが、レイプであった。強引に性器を犯された女性は、なお「処女」でいられるのか、これが繰り返し問われてきた。心が純粋なままなら未だ「処女」だという意識は今も昔も強いが、しかし、女性の「性欲の強さ」を陰に陽に語りながら女の側の責任を主張し、もはや処女性を認めない立場も根強くあった。レイプされた女性の権利がしっかりと承認されてきたのはごく最近の話であり、ノーマルでないやり方で処女を奪われた女性の立場は昔からかなり悪かった。 その他、文学における処女性の修辞学など、各種の議論があれやこれやと集められており、ややまとまり欠けるが、全体的にはおもしろく読めた。
|
|
|
| 
おすすめ度
【関連のオススメ商品】
| 「学び」から逃走する子どもたち (岩波ブックレット)
¥ 504(税込)
通常24時間以内に発送
ジャンル内ランキング:8,432位
カスタマーレビュー数:5
【くちコミ情報】
子供たちの現状
「子供たちは勉強漬けで窒息しそうになっている」という認識が疑いようの無い事実であるかのように言われてきました。 しかし本書は、そのような子供像は20年も前のものであり、今の子供たちはむしろ勉強から逃走しており、従来の認識は正しくないことを明らかにします。 このような現状は必ずしもこれまでの「ゆとり教育」路線を否定することに直結するものではありません。 しかし、ゆとり教育が「たるみ」として推進されようとするならば、本書の示す問題意識はゆとり教育に大きな問題提起をすることになるでしょう。 ではなぜ子供たちは勉強から逃走したのか? 著者はその原因を「圧縮された近代化の終焉」というキーワードから解き明かしていきますが、あまり分かりやすい説明はなされていないように思います。 ただ、本書とあわせて同著者による『学力を問い直す』を読むと、著者のいわんとしていることは理解できます。 よって、本書は『学力を問い直す』とセットで読むことをおすすめします。
大学の授業ですすめられたが・・・
この本を大学の理科教育法ですすめられ読んで、全国の子どもたちがタイトルのように学びから逃走しているのだと思っていました。そしてそのような子どもたちをどのように学びに向き合わせるかを考えてきました。いま教育現場に立つことができました。今いる田舎の高校ではまじめで必死に勉強しています。なので私自身、少しこの本を信じすぎてしまったことに反省しています。教育は地域によってもちがいます。本の世界よりも実際に学校現場にいってみて感じることが大事だと思いました。
「勉強」から「学び」への転換
「教育」は誰にとっても無関係でないだけに社会において関心が高く、また現在教育改革が進められていることもあり、これからの教育について広く議論がなされている。そんな中、本書は教育危機の実態として子どもたちの「学び」からの逃走を取り上げ、社会に波紋を広げた。 p 著者は「学び」からの逃走という実態を、「東アジア型教育の破綻」と社会に広がる「ニヒリズム・シニシズム」といった視点から考察してゆく。また、「勉強」と「学び」の違いを丁寧に規定し、これから求められる「学び」について主張している。問題提起をするだけでなく、現在の危機的状況を乗り越えていくための方途についても言及しており、私たち一人ひとりがこの提言をどう捉えていくかが重要であると思う。 p 本書は21世紀における教育のあり方を展望していくうえで、非常に示唆的な一書である。
子供たちの抗議?
ãç§ãã¡ããã¹ã³ãã'éã-ã¦è³ã«ããæè²ã®åé¡ã¯ãããããããå¦ç'å'©å£ããä¸ç»æ ¡ããå°'å¹'ç¯ç½ªããªã©ã»ã³ã»ã¼ã·ã§ãã«ãªãã®ãå¤ããã-ãã-è'-è...ã¯ãæãæ·±å»ãªåé¡ã¯åä¾ãã¡ã®ããå¦ã³ãããã®éèµ°ãã§ããã¨ãããçµ±è¨ã示ãåå¼·æé-"ã®è'-ã-ãä½ä¸ããæ'»å-é¢ãã®å¾å'ãã¨ã¦ã䏿°-å'³ã«æ ãã p ãè'-è...ã¯ãããããç§ãã¡ã®ãåå¼·ãã¨ããæ¦å¿µèªä½"ã«åé¡ãããã¨ã-ãè©°ãè¾¼ã¿ã»å¤§éç"ç"£åã®ãæ±ã¢ã¸ã¢åæè²ã®çµçãã'è¨'ãããæ-¥æ¬ã®æè²èªèã¯å...¨ãæä»£é...ãã«ãªã£ã¦ã-ã¾ã£ãã¨ããã®ã§ãããã"ãããã¯ããåå¼·ãã§ã¯ãªããå¦ã³ãã®çºæ³ãå¿...è¦ã§ããã¨ããã®ãæ¬æ¸ã®ãã¤ã³ãã§ããã p ãããã«è'-è...ã¯ãåä¾ãã¡ã®ãã'ãªãºã ãã·ãã·ãºã ã'屿§ãããç©äºã«é-¢å¿ããªãããå顿èãç"ã¾ããããå¦ã³ãã®å!!æ©ããªããããã¯ãããããæ-¥æ¬ã®å¦æ ¡ã§ã¯å人ã¬ãã«ã®ãåå¼·ãã主ä½"ã§ãä»-è...ã¨è©±ã-åã£ãããå"åã-ã¦ä½ãã'ä½ãä¸ã'ããå...±åçãªå¦ã³ãã'ãã¾ãçµé¨"ã§ããªãã"ã¨ã¨é-¢ä¿ããããåä¾ãã¡ã®ããå¦ã³ãããã®éèµ°ãããã'ãªãºã ã¯ãä¾ç¶ã¨ã-ã¦ãããããå¤ããæè²ã'æ¼ã-ä»ã'ã大人ãã¡ã¸ã®æ-è°ã¨æããã"ã¨ãã§ããã®ã§ã¯ãªãããã
子どもたちの真実
教育改革の必要性が、教育関係者のみならず政治家や市井の人たちの間から声高に叫ばれている。しかし、現状に対する正確な認識が欠如しているのではないか?そう疑いたくなるようなものが多い。そこで、本書は様々な調査やデータの国際比較をもとに、現在の日本の子の現状を描き出して見せている。一読した後、多くの読者が子どもたちの現状に驚かれることだろう。教育を、子どもたちのことを真剣に憂えている人にぜひ本書を読んで欲しい。
|
|
|
| 
おすすめ度
【関連のオススメ商品】
|