2008年08月08日(金) 経済・社会小説の第1位は
『ハゲタカ(上) (講談社文庫)』!
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カスタマーレビュー数:37
【くちコミ情報】
面白い!これは買いです。
私は最初にNHKのドラマを見て、テーマが面白く、原作を 手にとりました。 ドラマとは違うストーリー・価値観があり、別のものとして 面白く楽しめます。 経済小説なのですが、純粋なフィクションとして楽しめます し、肩肘張らずに読めます。 ストーリーテラーとしての作者の腕前は確かなものと、偉そ うではありますが感服しています。 ご一読をお勧めします。 但し、実際のファンドや会社(多くは問題会社なのですが、 多かれ少なかれ、どの会社にも内在する問題意識です)とは 当然違うものなのだ、ということを踏まえて、楽しんでほし いと思います。
展開が速い
どうでもいい感想だが、全編通して登場キャラのリン・ハットフォードが鬱陶しい。 このキャラを読者に好かせようと思ったのか嫌わせようと思ったのか 著者の意図がどちらにあるのかはわからないが、前者だとすると思いっきり外していると思う。 あと経済小説なので仕方が無いのかもしれないが、キャラの心理描写(文章表現)が弱いと感じた。 自分の金融についての知識が乏しいせいか、ところどころ会話の流れが理解しにくいところがあった。 展開が速いので読み始めれば一気に読めるタイプの小説だと思う。
経済小説として気軽にはまれます
スリリングな展開と、まさにハゲタカのようなテンポの速さで、あっという間に読み終えてしまいました。 最初は「上」だけ購入しましたが、すぐに「下」も購入しました。 著者の”記者”としての経験からか、失われた10年とはこういう世界だったのか、とその世界に入り込んだように感じられます。 ただ、主人公鷲津のあまりにも人の心を読んだ行動に、最後は違和感のほうが大きくなった気も。 経済小説として、電車の通勤時に気軽に読むことができました。
「サムライ」魂を感じたい人にお勧め
○読み始めたきっかけ 以前、NHKのドラマ放映を見ました。全部は見れなかったのですが、久しぶりに 「面白い!」と思い、次回が気になる内容でした。他のレビュアーの方も指摘して いる様に、ドラマの方が原作に比べると重いテイストに仕上がっています。 ○心に残る言葉 p.401 弱肉強食の国際金融の世界で生き抜く最大の武器は、情報収集力です。 一つの情報は、時に数億ドルのカネを凌駕するほどの力を持っています。 →これからは、「おカネ」や「資産」が優位性を持った時代ではなく、「情報」 や「付加価値」が重要だと思った。おカネやモノは、必要に応じてレンタル・アウ トソーシングできる。しかし、重要な情報・付加価値だけは自分で探さなければな らない。検索サイトのグーグルにしても、そのような情報を付加価値をつけて提供 しているに過ぎない。 自分も何か他者とは違う「情報」をもっていなければ価値がない。 p.457 アメリカの金融機関の良くないところの一つは、自社の名は世界中どこで も尊敬と畏敬の念で崇められると勘違いしていることだ。(中略)。目的がビジネ スの成功にあるなら、敷居を低くして、客を集めやすい環境に気を配ることが必要 じゃないか。 →なかなか欧米の小売業(ウォールマート、カルフールなど)が日本で成功しな いのは、日本独特の商慣行だけでなく、このような要素もあるのではないかと思い ました(業種は全然違いますが)。現在、スウェーデンの家具屋「IKEYA」がヒット しています。前回、進出した時は失敗し一度撤退しています。北欧家具の「イメージ 戦略」と「低価格戦略」がうまく、日本市場にマッチしたのでしょう。 中国でも大変な売れ行きです。決して品質は良くありませんが、マス市場である、 中の上レベルの若年層消費者から支持されています。デザインがちょっとお洒落で 手が出せる価格というのがポイントです。 ○どんな人に読んでもらいたいか。 大企業で働いていると、このような組織の壁には誰もが悩まされる問題だと思った。 その中で自己の正義感や信念に沿って行動する「サムライ」魂を感じたい人にはお勧め。 経済合理主義、責任感、けじめがキーワードです。 経済やバブル期について、興味のある人は楽に読み進められると思います。
M&Aについて知りたいと思った時に読むと、非常に勉強になる本
NHKドラマを1話しかみれなかったので読んだ ドラマとは全然内容が違うが非常に面白い キャラクターがたっており物語に引き込まれる ハゲタカファンドとして一昔騒がれた事がどういう事だったかがわかる。 日本独特の仕組み ビジネス理論だけではなく・人間関係・政治家の影響力が非常に大きい M&Aについて知りたいと思った時に読むと、非常に勉強になる本
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アジアでも屈指のオフショア金融センターである香港と日本を舞台に繰り広げられる国際金融情報小説。この小説の特徴は、通常の金融サスペンスと比較してその状況設定、描写がリアルな点にある。著者の橘玲は、「ゴミ投資家」シリーズで知られる「海外投資を楽しむ会」創設メンバーの1人であり、自ら相当の金融現場を経験していると思われる。 小説の主人公である工藤秋生は、34歳で香港在住のFA(ファイナンシャル・アドバイザー)。都市銀行、ニューヨークの投資銀行、ヘッジファンド運用会社を経て、現在は香港で日本人を相手にオフショア関連のアドバイザーをやっている。その工藤のもとに日本から若林麗子と名乗るゴージャスな美人が現れる。日本での複雑な事情も知らぬまま、工藤はその美人に香港でオフショア会社、オフショア銀行、私書箱サービスを利用したスキームを提案。 しかし、その数か月後、日本から黒木という男が工藤のもとにやってきたとき、工藤は自分がとんでもない深みにはまっていくことを知る。麗子は黒木が関係する50億円を日本から送金し、そのまま行方をくらましているという。黒木はオフショア事情に精通している工藤に助けを求めたのだった。 その後、工藤は日本に飛び、話の全容を知ることになる。50億円のありかを求めて再び香港に戻り、さらに日本に戻る工藤。話はいよいよ複雑に絡んだ結末へと向かう。美人麗子の運命は? 麗子が絡んだ50億円の行方はいかに? 本書の内容はあくまでフィクションであるが、端々に出てくる情景や設定、金融実務の話はリアルな現実である。香港での金融実務の現実を知ることができる、貴重な内容といえるだろう。(木村昭二)
【くちコミ情報】
金融ビジネスの危うさ
小説という形ではあるが、そこには 筆者の金融の豊富な知識がちりばめられており、勉強にもなったし、面白かった。 金融ビジネスにはモノとカネのやりとりではない、一種不思議な商取引の 危うさ、難しさ、そして魅力があります。 近々始まるであろうCO2排出権ビジネスもそうですが、実態のないものの 取引に翻弄される人間のあさましさを感じました。 小説としてちょっと物足りなかったのは麗子の人物描写がタンパクで、 ただ美しいとしか書いてないのでうまくイメージできませんでした。
傑作!の一言に尽きる
序盤のストーリーにはグダグダ感があるが、中盤からスリリングで一気に読破できる。 秋生の知的さと人間くささには魅かれる部分がある。 経済小説とゆーより若干サスペンス。 とりあえず面白かった。
マネーロンダリングについて知りたいときに読むといい本
香港でのマネーロンダリングを題材として、現実の法律の抜け道や矛盾点を上手く描いている 今まで知らなかった世界《マネーロンダリング》について知るきっかけになった。どちらにしろ大きな金を得るためには危険を冒さなければならない。 印象に残った言葉 「上手い資産運用は→資産運用をしないこと・税金を払わないこと」 マネーロンダリングについて知りたいときに読むといい本
金の恐ろしさ…
お金の持つ、魔力について非常に考えさせられました。 お金によって、人生が変わってしまう人間の脆さなど、人間なんて所詮、そんな小さな存在なんだよって思わされます。 個人的にこの作品で、一番、印象に残ったセリフが、主人公・工藤秋生が、ヒロイン・若林麗子に言ったセリフ。 “君には幸福(しあわせ)になる権利がある” です!! いつまでも、語り継がれる作品です!!
ミステリーとしても最高
「永遠の旅行者」を読んで面白かったので、こっちも読んでみました。こっちの方が小説としてはワンランク上です。ミステリーとして上級の部類に入ります。この小説に出てくる若林麗子は、東野圭吾の「白夜行」や「幻夜」の女主人公に通じるものがあり、深く重い過去を背負っています。橘玲さんのことは、お金持ちになる方法、投資の方法などハウツーものというイメージがあったんですが、この小説を書いているのも、この橘玲さんなんですよね。別人かと思いました。香港を舞台に、日本からの不正送金、詐欺、マネーロンダリング、愛と欲望が絡み合って、いい味が出ています。一気に読めました。著者は投資の専門家なんでしょうか?小説家として、食べていけると思います。
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【くちコミ情報】
ドラマと違って鷲津に感情移入できませんでした
先日テレビドラマの再放送を見た後、本作を読みましたが、 あまりにも設定が違いすぎるので、衝撃を受けました。 ドラマでは以前、三葉銀行に勤めていたときに 「 事件 」 が起きたという 鷲津の過去があるため、彼に感情移入できましたが、 本作の鷲津には、特に感じるものがありませんでした。 また、貴子という女性の父親が娘が退陣しろと言っても承服しないのに、 彼が敬服している元首相の前だと舞い上がってしまうというのは、 このような親子関係など、読んでいて鬱になるものでした。 この世界に生きている人たちの仕事に対する思いというのが私には全く理解できないので、 作品世界に入っていきにくかったです。 元々、本作のような世界にあまり関心がないという理由もありますが ( 実在の人物が出てくる 「 小説 東急王国 」 や 「 小説 小林一三 」 は大変面白かったのですが ) 、 個人的には、それほどの引きは感じませんでした。 企業再生という題材は 「 お勉強 」 にはなりますが、 あまりにもドラマチックな作りだったドラマと比べると、 「 普通 」 の作品という認識しか持てませんでしたね。
続編を前提にして書いているのではないか
企業再生ファンドを基にした経済小説 解りやすい文書で一気に引きずり込まれるように読みました. 下巻は,上巻よりも金融の知識が少なくなり経済小説を楽しむというよりも 経済を基にしたミステリーという色合いが濃くなっています. 評価が5でないのは経済の色合いが薄れたためであり,感情などの 小説的な内容を楽しむ人にはとても楽しい本ではないかと考えます. 元々が新聞記者であった作者の性格か,丹念に調査し 調査からのイメージを基に作品を作っているところが随所に 感じられ,とてもすばらしいと思います. 脇を固める登場人物も丹念に書かれている本作品を映像に するのは中々難しい,それほど良い作品だと思います.
上下一気によめます。
メガバンクの不良債権問題も複雑に絡まってる問題で、 これまで現実では分かりにくい事も多かったが、 実は単なるお金の戦いだけでなく、人対人である部分も多く、 またどこと手を組むかで結果が大きく変わる。 大半が現実社会で起きていることだけに恐ろしい感じもした。
「ファンド」は、何を目指し、どういう役割を果たしているのか
実際に日本で起こっている企業の「再生」「合併」「買収」など、きれい事ではすまないドライな経済競争・経済戦争が、自分のような素人にもピリピリしたせめぎ合いを実感できるほどに、丁寧に描かれています。 特に、現実社会でも「ハゲタカ」として忌み嫌われている感のある「ファンド」が、何を目指し、どういう役割を果たしているのかが分かります。 それを象徴する鷲津という存在が、下巻の途中以降、さまざまな思いや背景が明らかになる中で、浮き彫りになってくる課程が、読者の「ファンド」に対する理解と重なるのは当然でしょう。
下巻も当然ドラマと別物!
下巻もドラマと全く別物の展開で、またびっくり。NHKさん…これだけテンポの良い 原作をあんなに重苦しいドラマに変えてしまうなんて…。フジテレビor日本テレビ あたりで改めて原作重視のドラマを作って欲しいくらいです。 下巻も上巻同様に面白い。この巻は東ハトをモデルにしたとおぼしき太陽製菓買収の 話と上巻の続きでミカドホテルの話…そして上巻の冒頭に大蔵省で切腹した人物と 鷲津の意外な関係までが描かれている。 テンポ良く話が進んでいく上に、最後の大どんでん返しに息を呑む。もちろん下巻も 上巻同様の臨場感が「ハゲタカ」の身上。そして続いていくバイアウト(ハゲタカ2) にも大いに期待です。
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こうして日本の金融はアメリカに負けた
一気に読みました。 『トップレフト』以来、著者の国際金融ビジネスについてのリアルな描写に、驚嘆するばかりです。 本書はバブル前から現在までの、日本と主にアメリカを取り巻く金融ビジネスが背景として描かれています。 おおよそビジネスの合理性とはかけはなれた理屈で動く邦銀と、 ビジネスに徹したアメリカの投資銀行との対比が鮮やかに描かれており、 フィクションとはいえ、日本がバブル期から今日まで金融の世界で負けまくった理由がよく分かり、 驚愕でした。
投資銀行の現場が良くわかる
ボストンで会った就職活動中の学生もこの本を読んで参考にしていました。
混乱してしまう…
話はとても面白い。 金融の知識に乏しい人でも読めるつくりであり、読後はある程度の知識も身につく良作だ。 …しかし、誰かも書いていたが、あまりに実在の組織・人物と同一又は酷似する固有名詞が多すぎる。 そのため、現実とフィクションの境界が読んでるうちに曖昧になってしまう自分を時々発見し、素人がこれを読んで実在の組織・個人に対する印象を抱いたらどうなるだろうと少し怖くなった。 佐○木○ジ氏と特定できる人物の登場のさせ方などは、ちょっとやりすぎなのでは?と思う。
買ってみて損は無い
同じ作者のトップレフトが少し駄作に思えるぐらいにすばらしい金融小説. 長い物語にありがちな無理やりな展開や,継ぎ足した様な部分が無く ぐいぐい引き込まれる内容は,実世界を丹念に調査した賜物ではないかと. 仕組み債など,少々金融の知識は理解しなければならないが, 本の中で,商品の本質など解説があるので,問題はない. 逆に,知っておいた方が良い知識である. 経済小説だと,変な女性がよく登場するがそんなエサがなくても しっかり成り立っている良い本だと思う.
日本経済の栄光と挫折の日々
バブル経済、バブル崩壊、金融危機、金融ビックバン……日本と世界の経済が劇的に転変した激動の20年を、外資系投資銀行で活躍した日本人インベストメント・バンカーたちの目を通して圧倒的なリアリティで描く経済小説。史実に基づく企業買収劇や経済犯罪事件の全容は圧巻で、金儲けのためには手段を選ばない「狩猟民族」たるインベストメント・バンカーたちの闘争心が浮かび上がる。日系以上に上司が絶対でゴマすりが横行、手柄の横取り、部門間の激しい対立など、外資系投資銀行の企業文化も垣間見えて興味深い。 ソロモンの敏腕トレーダー竜神宗一はバブル崩壊を見越して、金融工学を駆使した大規模なアービトラージ(裁定取引)を敢行、巨額の儲けを出し、ついにはソロモンの副会長にまで上り詰める。 ソロモンの藤崎清治はバブルに踊り財テクにのめり込む無知な日系企業にデリバティブ(金融派生商品)を売りつけてボロ儲けしていたが、バブル崩壊後、大幅な赤字となった日系企業につけ込む損失先送りビジネスに嫌気がさして、独立する。 桂木英一は旧態依然とした日本の都市銀行にあいそをつかして退職し、ウォール街の巨大投資銀行モルガン・スペンサーに転職した。「結果が全て」である外資流のビジネスに翻弄されながらも、巨額のM&Aや証券引受で勝機をつかみ、昇進を重ねていく。やがて、その運命は日本の金融再生と劇的に絡み合い、桂木は外資での高収入を捨てて、今まで培った手腕を邦銀再生のために捧げようと決意する。実際、世界を股にかける国際派ビジネスマンは、実は愛国心が強いらしく、意外なような納得できるような。 外資系の凄まじい攻勢とは対照的に、日系企業は無知無責任で、日本人としては歯がゆいというか情けないというか。「バブル崩壊はアメリカの陰謀」という話は良く聞くが、大蔵省・日銀・日系企業の無能ぶりをここまで見せつけられると「負けるべくして負けた」としか思えない。もっとも現在は金融工学の知識が日本にも浸透したため日系企業が一方的に食い物にされることは少なくなったようで、また金融市場のルールが厳格化したことで昔のような犯罪まがいのムチャクチャな儲け方はできなくなったらしい。 ともあれ日本の金融大国化を心から願う。
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【くちコミ情報】
就職活動の学生にもお勧め
ボストンで知り合った元大手自動車メーカーの経理をしていた学生もこの本を 隅から隅まできちんと読み、登場人物のモデルをマイナーな人まで調べつくして就職活動の参考にしていた。 とても勉強になる本である。 一方、ディナーで知り合った投資銀行家はこのほんの存在を知らなかったが、得てして実務をしている人はそういうものなのであろうと納得した。
面白い。
世紀末にモルガン、ソロモンを筆頭とする投資銀行が金融工学、裁定取引を駆使して、莫大な利益を得たことはよく知られているが、内情に関してここまで突っ込んだ作品は珍しい。 最先端(当時。今はもっと複雑なのだろう)のファイナンス技術の分かりやすい解説(でも私は7割くらいしか理解できなかったが・・・)はとても興味深かった。 ただ、西武流通グループの堤清二をコンプレックスの強いワンマン経営者に描いてるのには疑問符がつく。
最高の経済小説
今まで読んだ経済小説の中では最高の面白さ、質の高さで驚いた。日系証券会社が外資の新しい商品を研究していくあたりや、外資系IBの日本人社員が外人と日本企業の間の板ばさみにあうシーンなどはリアルなため思わず笑みがこぼれてしまった。著者はもともと金融出身者だが、本当によく実態をここまで調べ抜いたと思う。外資系というとお金の亡者というイメージを持っている人たちが多いと思うが、本書に出てくる主要な登場人物は皆腹にお金以外の強い思いのある人間ばかりである。金融に直接携わっていない人でも、彼らが織り成す人間ドラマに引き込まれること請け合いである。日本のために頑張ろうと日系企業に戻る主人公、自分のやりたい仕事に専念する幸せな生活を海外で始める人等自分の将来の考え方にも少なからず影響を及ぼす内容であった。
R35 & 金融市場経験者 には5☆、それ以外の人には??
ビジネスノベル(経済小説)としてもおもしろいと思いますが、バブル前後の金融市場(株式、債券、外国為替、デリバティブ等々)を実際に経験している人にはとても興味深いと思います。 ただ、金融業界の専門用語が頻発するので、巻末に用語集やスキーム図まで付いていますが、抵抗感が先に立ってスムーズに読めない方もいるのはやむを得ないでしょう。日経新聞の金融欄が抵抗なく読める位なら大丈夫かな? 3人の主人公が登場しますが、シッカリと個性が書き分けられ、キャラクターの混乱はないと思います。モデルになる実在の人物が複数いるのでしょうが、書いている作者の力量も立派だと思います。 また、この作者の特長だと思いますが、海外や国内の景色や食べ物、地元の人々がとても印象深く登場し、簡単な調査やガイドブックの請け売りではなく、作者自身の豊富な実経験に裏打ちされているように感じました。「悪役」として登場する人々もとてもリアルに書き込まれていると思います 主人公が転職直後に、慣れない海外勤務のストレスからついつい奥さんにつらく当たってしまうところなど、私自身もちょっと似たような経験があり、ずしんと重い描写でした。
バブル前−みずほ誕生時代の外資を絡めた日本の経済史・金融史
今まで断片的だった外資投資銀行やM&Aの知識、日本における大きな時事ニュース等が一本の大きな筋が通り、全ての連続した繋がりのある歴史として理解できた。 実際の史実がベースなので、作中の展開を追いながら当時の自分を振り返る作業も同時に行えた。当初思った以上の内容であったため、私にとって非常に価値のある小説となった。 私は金融業界に身を置いたことが無いため、例えば「みずほ」はいつ・どの銀行が合併してそうなったのかといった基礎事項が瞬時に思い出せない。 そのため日経新聞に時折掲載される「大手銀行の再編表」を小さくコピーし直して、しおりにして確認しながら読んだ。 要望・改善点として、上巻巻末には金融経済用語集や、あるファイナンス取引の図解があるが、できれば「銀行再編の歴史」も付け加えてほしかった。文庫化された際は、是非お願いしたい。 (作中の「東都銀行」=「第一勧業銀行」と気付いたのは下巻に入ってからだったので)。 また、小説としての手法も心憎い。最初は意味の無かったと思えたプロローグは読み終えたあとに読み返すとなるほど、と感じてしまう。 エピローグからも、日本経済が踊り場を脱却し上昇局面を迎える今の時代(2005年−)を予感させる描写があり、非常に感慨深い。 金融業界、証券業界、会計、税務に携わる全ての方々に是非読んで頂きたい本です。
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予想が当たっている?
この本が、最初に朝日新聞に掲載されたのが平成7-8年ごろです。その後、12年経って改めて読み直すと、恐ろしいほど実現しています。平成30年まであと10年、改めて読む価値があると思います。
現実は多少優しい
何もせずに平成三十年を迎えた最悪のパターンであり、現実は多少優しい。例えば石油価格の急騰によりニッポン自動車(恐らくトヨタ)が赤字になるとあるが、現実は逆で石油急騰が追い風となりホンダとトヨタは共に今年過去最高益を記録した。特にトヨタは近年世界一の生産台数になる。つまり希少資源急騰が実際にあったとしてもエコ技術、リサイクル技術が高い為に他の先進国よりは優しい結果になる。自動車業界外資化も現実は逆で富士重工(スバル)が国内組みに返り咲いた。政治も現実は無風どころか大嵐が吹いている訳だ。ただ少子化、国家財政、大増税の問題は最悪パターンに近い為その点は参考になるだろう。
未来学としては秀逸、小説としてはいまいち
官僚主導の日本の行政による閉塞感の継続をベースとして、円安や資源危機が重なると、日本経済・社会がどのように変化するかのシミュレーションとしては非常に生々しい。すべてがこの小説のとおりにはならないにしても、ひとつひとつの要素は十分に起こりうることから、もう少し我々も危機感をもって現在と将来をどう生きるかを考えるべきかも、と感じた。啓蒙的な本ではあるが、登場人物を無理やり戦国武将になぞらえていることが、読みものとしては不自然で減点ポイント。ただいろんな視点で歴史・現在の環境・今後の日本を考える機会を与えてくれる良書だと思う。
漫画にすればよかったのに
戦国武将になぞらえたわざとらしい配役、とってつけたような女性キャラたち…予測小説として示唆深い内容であるだけに、この妙なおちゃらけ感との相容れなさ、最後まで馴染めなくて消化不良ぎみになったことが残念。いっそ漫画にしてしまえば違和感がなかったんじゃないかなぁ。木下某の孫悟空パフォーマンスやら、千野某主人によるサイバー茶室…漫画でしょ、これ。漫画で読んだら星5だったかもね。
日本の将来を真剣に考えさせられる。
平成30年に私は44歳。この本の主人公である木下氏とほぼ同じ年代で、いわゆる団塊ジュニア世代です。それだからこそ15年後の日本の状況がどのようになっているのかに興味があります。少子高齢化という必ず訪れる現実にどのように対応していくのか?規制の緩和はどこまで進んでいるのか?など興味は尽きませんが、この本ではこれらの疑問に対する答えを漏れなく用意しています。平成30年ではなく来年にでもこれらの規制緩和を行ってほしいと切に感じました。
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頭の悪いおっさん
この人は一見まともなことを言っている様だが、とんでもなく頭が悪く、官僚時代なにをしていたのか気になる。文章をよく読むと一人善がりで調査もせず、何かの資料を基にしている。こんな人に騙されてはいけない。注意、注意。
無理に話作らないように
戦国時代の織田信長の話を近未来の予測に無理につなぎ合わせた作品。 しかもその話は自分の作品「巨いなる企て」のセルフパロディ。 (なんつっても石田三成の架空の愛人「初芽」がここでも石田課長補佐と いい仲になってまうのである) この人は官僚なので数字的予測はともかく人の生活の予測は陳腐すぎて 読むにたえない。 p (この頃の人が酒のみながら「孫悟空」やら「楊貴妃」のまねして 喜ぶとこの人は本気で思っているのか?) 特にこの人の「モノかき」としての才能を疑わせるのは以下の一文。 「女子高生にはこれがナウいのだ」 この文章を読んだときは後頭部でなにかがずれた音がしましたよ。
これさえも楽観的予測となるかも
来年からのハイパーインフレの始まりを予測する本が増えた現在となっては、平成三十年に現在の政治・官僚・経済体制が曲がりなりに続けていられる状況に?がつくのではないでしょうか。 p 戦後なみのすさまじいインフレが現実に始まれば、この小説に描かれる未来の日本は、現在の多くの人にとっての「願望の中での許容範囲」だったものとして認識されるでしょう。 私も公務員として、そこそこながら、今の生活水準をいつまで保てるか空恐ろしい思いで読ませていただきました。 p ハイパーインフレを予想する本と両方読み合わせることで、どうなるのか予想がつくような気がしました。
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【くちコミ情報】
混沌のアジア
アジア通貨危機と長銀破綻を素材に、1990年代後半の激動のアジア経済を活写した国際経済小説。 本書の主人公は、日本長期債券銀行(長債銀、長銀がモデル)に勤める真理戸潤だ。ドイモイ政策で外国からの投資に沸くベトナムに赴任した真理戸の目を通して、賄賂が横行するアジアのエマージング(新興国)の政治風土と、ディールを獲得するためには手段を選ばない米系投資銀行の企業文化がリアルに描かれる。 バリアでの巨大発電プロジェクトをめぐって繰り広げられる大手米銀ハノーバー・トラスト(バンカーズ・トラストがモデル)の香港現地法人の松本賢治ことヴー・スアン・シン(ベトナム系日本人)との死闘は手に汗握るものだが、もう1人の主人公である、香港の地場証券会社「ペレグリン(隼)」の債権部長である韓国系アメリカ人のアンドレ・サクジン・リーと真理戸との絡みが全くないのが残念(まあ実話とフィクションの組み合わせなので仕方ないのだが)。 エンロンの栄光と転落に焦点を絞った『小説エンロン』に比べると、テーマが拡散してしまった分、ペレグリン内部への切り込みがやや甘いように思えた。
「記録」としておもろいが「物語」としてはつまらない
アジア金融危機を舞台に、極めてディテールもしっかりした「記録」という面では 非常に優れているかもしれないが、 いろんな登場人物が時系列めちゃくちゃでどんどん出てきて、 ストーリーの核も見えないまま、いろんな話をぱらぱらと書き綴った上巻は、 小説として読んだ場合に非常に読みにくく、つまらない。 主人公を据えて1つの核となる物語を展開する、 書き方がなってないので、 記録としてすばらしくても小説としてはくずの部類。 題材がいいだけに下手な書き方で損をしている。 もったいない。
激動のアジアでの成功プロセス
ストーリーがビジネス一辺倒でなく、日頃遭遇する出来事や商社マンの会話とか「あー、あるある」と笑いを誘う日常が描かれていて、現実にこういう場面があるんだろうなぁと想像するのが楽しかったです。 主人公たちが進めるプロジェクトがアジアの情勢とどう関わっていくのか、アジアの隼と呼ばれる企業の栄光と転落の軌跡に照らしたストーリー展開は複雑な背景を理解するのに非常に役立ちました。 立場の違う当事者たちが様々な局面で絡み、後押ししたり足を引っ張ったり、欧米流とアジア流の違い、アジアのなかでも先進国と後発国のビジネス感覚の落差、など、国際金融における各国の志向が絡み合いながら、徐々にその成果が浮き彫りになります。 ベトナムのいいとこ痛いとこ織り交ぜてベトナムの姿がイキイキと描かれてました。ベトナムのあっけらかんとした明るさと生命力は、心に傷を抱えた主人公が香港からベトナムへと移り、次第に明るさを増して行く変化に表れており、アジアの底辺にあるそのパワーが国際金融のなかで大いに影響したことを示唆しています。 日本経済が悪化の一途を辿っていたときの日本人の狼狽ぶりに比して、明快な自己主張と何ごとにも動じない「ズィス・イズ・ヴェトナーム」というセリフにベトナム人のたくましい国民性が象徴されていて、苦笑してしまいます。
当時のアジア発金融危機がよくわかる
90年代のアジアの開発意欲の高まり、21世紀はアジアの世紀だ!と機運も高まったのもつかのま、アジア発金融危機で混乱する国、事業会社、金融機関、特に日債銀とペレグリンに焦点をあてているストーリーです。ベトナムのドイモイ政策の内情とそのときのベトナムの雰囲気が良く伝わってきます。アジア発金融危機の中、タイ、インドネシア、韓国、日本と相当な試練が押し寄せるも、ベトナムはその波をベトナム流で対応してきているんだな・・・、アジアでの投資銀行業務(ローン屋?ボンド屋?)のことや90年代当時のアジアの様子に興味がある方はぜひ一読を薦めます。
当事者にしか書けない? 90年代のアジアを舞台にした本格国際金融小説
90年代半ば、破綻前の長銀をモデルにした長債銀のベトナム駐在員を主人公に、ベトナムを中心にした国際金融界のストーリーが展開する。海外マネーの投資ブームにわくベトナムに一人で赴任し、支店開設、プロジェクトファイナンス、シンジケートローンの獲得を目指し、社会主義の汚職・たかり体質が多分に残るベトナム政府や並み居る欧米の金融機関相手に丁丁発止やりあう姿が描かれる。前近代的な社会を残しつつ、近代化をすすめようとしているベトナムの現状に関する記述については、一般に流布している観光ガイドレベルの表層な印象を覆す内容(これだけでもスゴイ)。 表題の「アジアの隼」とは、サイドストーリーとして描かれる香港の新興証券会社ペレグリンの通称。欧米の一流投資銀行が手掛けないアジアの企業のジャンク債クラスを扱い急成長を遂げ、アジア市場を席巻する。内部統制無視で自己資本の制限を越える投資を繰り返すやり手の債券部門部長が描かれる。 長債銀によるプロジェクトの獲得は二転三転するが、ちょうどその時、アジアを通貨危機が襲う。タイ、インドネシアの通貨暴落に始まり過大なインドネシア債権を抱えたペレグリンは資金繰りに行き詰まる。日本国内でも拓銀、山一證券の破綻にはじまる金融危機が襲い、長債銀もその渦中にたたされる・・・。 ここまでスケールが大きく真正面からの経済小説はなかなかない。国際金融を題材に詳細で骨太なストーリーを展開したことに驚嘆する。 書かれている内容は生半可なレベルではなく、実務に接していた人にしかかけないだろうといったリアルさ。小説としても、小手先の策を弄したりしていない真正面からのストーリー展開は好感がもてる。 またこの手の経済小説の多くで描かれる恋愛は、なんとも歯が浮くようなシーンになっていることが少なくないが、本作で描かれる主人公とベトナム女性との恋愛は |