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   全集・選書 の売れ筋最新ランキング   [2008年08月09日 03時40分]
2008年08月08日(金) 全集・選書の第1位は 『警視庁草紙〈上〉―山田風太郎明治小説全集〈1〉 (ちくま文庫)』!
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通常3~4日以内に発送
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カスタマーレビュー数:3

くちコミ情報
あっただろうな(笑)という説得力
 詳細は十分に前のお二人が書かれているので省略するが、笑った笑った。それはそうだろう、仕事の引き継ぎなんかないわけだから、二つの警察組織があった時期は絶対にあったはずで、旧の側が新の方を邪魔するのは、しごく当然であろう。  司馬遼太郎氏の「翔ぶが如く」を読んだ後、青山墓地墓参ツアーを決行し、そのときにも行ったのだが、これを読んだ後でもう一度、花見を兼ねて川路大警視の墓参りをし、墓前で一献傾けてきた。苦労したよね、この人(笑)。
夢見心
読み物として面白すぎ。幕末や明治時代の事を知らなくてもそれなりに楽しめると思うが、史実や文化、人名を知っているとさらに堪らなく面白いのだ。様々な歴史的事象と実在の人物が絶妙に絡み合い、事実と虚構が入り混じった絶品の娯楽小説となっている。有名な史実や人物は教科書で学んだりして、誰もが知っているが、人の数だけ歴史がある。物語がある。その時代に生きた人間は何も有名人やスーパーマンだけではない。数万人の人々が生きていたのだ。そういう奥行きを想像し、創作物が作れる作家としての山田風太郎の力量、夢見心に脱帽。これぞ物語だと言わんばかりだ。過ぎ去った歴史の一時期、そこに想いを馳せ自らもその時代に入り込んだかの様な珠玉の歴史創作小説。
あわれの世界
山田風太郎の「明治物」の存在は知っていたが、今まで食わず嫌いだった。しかしこれが食べて(読んで)みると結構いける。忍法帖のように奇想天外な忍法が出て来る訳ではないのだが、「意外性」があるのだ。「発見」がある、といってもいい。円朝の名作「怪談牡丹灯篭」誕生の秘密を扱った冒頭作に始まり、桜田門外の変で井伊大老を暗殺した水戸浪士の生き残りが警視庁巡査になっており、新撰組副長斎藤一も巡査になっている。それは多分史実であろうが、一方虚構として、「物語」が始まる。それが織りなすもの哀しさ。この物語「あわれ」という言葉が最もぴったりくる


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¥ 945(税込)
通常3~4日以内に発送
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カスタマーレビュー数:2

くちコミ情報
読んで損なし
上巻から通しで事件のからくりもさること乍、この下巻は特に人物のひとりひとりが男女問わず恰好いい!(まあまあ‥救いようのないような人もいるけれども) 実在の人物が多く出てくるので、誰がいつどこで死んでしまうかわかっている人などには、その恰好良さが切ないことと思います。 あと通行人のように有名人が出てくるのもニクいトコロ。 「あんたこんなところにいたのか!でも全然注目されてない!(笑)」と。 それからこれは、登場人物について調べたくなるので困ります。 調べなくてもまったく楽しめるけれど、楽しかったからこそ調べたくなってしまう。 とりあえず柴五郎は調べました! 川路大警視は論文を書こうとして断念しました… あ、私『るろうに剣心』から斎藤一が気になったクチだけど、この斎藤一も大好きです!(笑)
何度、戦慄させらるか
ふっと影のように、人物の前を横切っていく実在の者たち。 その顔が明らかになった瞬間、事件の真相がベールのようにはぎとられていく過程。何度も何度も背筋がぞっとする大傑作。 山風明治ものにはずれなしだが、そんな中でもこれは最高峰に位置するだろう。 ラストに向けての哀感も見事!


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カスタマーレビュー数:1

くちコミ情報
これから須賀敦子を読む人は、まずこの文庫版全集から
須賀敦子の文章は癖になる。たまたま「本に読まれて」を手に取る機会があって、その文章の美しさに惚れ込んでしまった。その文業が、すでに文庫版全集になっているとは……。 デビュー作「ミラノ 霧の風景」と第二作「コルシア書店の仲間たち」が1冊になって、単行本未収録の「旅のあいまに」も入っていて、お買い得。 これから須賀敦子を買って読もうという人は、当然、この本から手にすべきです。


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カスタマーレビュー数:12

くちコミ情報
海と結ばれた栄光の都市国家千年の興亡史。ここから日本が学べることは。。。
以前に「文芸春秋」に、”有力者のえらんだ日本のわかいひとたちにおすすめの歴史書”、みたいな特集があり、トップ3にはいっていたのです。それで初めてよんだのですが。。。 日本とおなじように海洋国で、貿易により繁栄を築いた栄光の国、ヴェネツィアの興亡史。強烈におもしろく、一気に読ませていただきました。 フン族の王アッテイラの攻撃から都の形成、貿易の成功による経済大国としての繁栄、途中でレパントの海戦やコンスタンティノープルの攻防を含む十字軍の戦いのサブストーリイも魅力的で、そして政治・外交能力の低下とともに影響力が下降してついにせめ滅ぼされるまでの壮大な歴史絵巻。 ヴェネツィアの成功の歴史は実に、戦後から近年までの日本と酷似しているのです。国家の原動力は強力な経済の活気であり、そしてともに海洋国家で大海という天然の国境に守られていましたが、ともに同じ運命を歩みかねないのではないか。。。少々心配になります。 日本人の先輩たちがこのくにの未来を背負うこれからのかたがたにぜひよんでほしい、と選んだのは同感で、よくわかります。名著であり、星5つ、絶対のおすすめ歴史モノです。
ローマ人の物語シリーズが終わることを心配な方へ・その3
これまでこのレビュー・タイトルで、「神聖ローマ帝国」と「ビザンツ帝国」の本について書きましたが、ローマ人の物語シリーズが大団円を迎えた後、お薦めする作品の大本命は同じ作者による本作ということになるでしょう。残念ながら文庫本は品切れのようですが、私が持っている文庫本版で上下巻併せて千頁を超す大作。ゲルマン民族に追われ、撃退して独立を保ってから、ナポレオンに滅ぼされるまでの、ヴェネツィア共和国(いかに徹底して君主制を排除したかも丁寧に書かれています。)の悠久の千年の歴史は、必ずや読者を惹きつけてやまないでしょう。ヴェネツィアを中心に、ライヴァル国(例えば同じイタリアならジェノヴァ等の他の海洋国家、イタリア外ではビザンツ帝国やオスマン・トルコ)との抗争、他のイタリア都市国家や法王との集合離散など、イタリア千年の歴史を俯瞰するのに格好の本です。作者には「レパントの海戦」等、本書に取り上げられた1エピソードに焦点を合わせた一連の好著がありますが、まずは本書でマクロ的にヴェネツィアを中心とするイタリアの通史を抑えてから、個々のエピソードの本を読むとよいのではないでしょうか。聖地巡礼パック旅行やヴェネツィアの女たちといった章もあり、本書は当時の人々の生活に目を配ることも忘れていません。これだけ充実した内容でこの分量、一度読み始めるとまさに巻を置くこと能わず、読書の醍醐味を味わうことができるでしょう。
男勝りの筆致
塩野氏はイタリア史を描かすと右に出る者がいないほど優れていると思う。限られた文献から逞しい想像力を駆使して次々に歴史上のヒーローに命を吹き込んでいく。本書、ベネチア史についても例外ではないだろう。ただあえて心残りだったのは本書での女性の描き方だ。イスラムで奴隷として捕らわれハレムの女王になりあがり頭脳戦で宰相を陥れたチェチェリア・バッホについては肯定的だった。けれどトスカーナ大公メディチの妻は大公に愛され大公を意のままにできる立場にいながらまったくせずおしゃれに終始と作者は否定的。また1000年にわたるベネチア史上政治にかかわりあいを持った女性は二人しかいないと不満気に漏らす。塩野氏は男勝りの論理的筆致だ。でもひょっとすると歴史の中心人物の社会的成功は上手く描けても繊細な内面にはせまることのできないのではないかという気がした。そんなことを考えたりしながら読むと面白かった。
大国中国と対峙する日本の生き方に多大のヒントが!
 6月末大学のクラスメートでアドリア海・エーゲ海のクルーズに行くことになった。そのクルーズの出港・帰港地が共にベネチアであり、クルーズ終了後更に2日間ベネチア観光の日程をとっていることから、思い立って昔読んだ塩野七生女史の「海の都の物語―ヴェネチア共和国の一千年」を読み直そうと考えた。 p  十数年前に読んだ記憶があるが、細部は殆ど忘れていて、今回のクルーズの航路がヴェネチアが地中海の女王として、活躍した通商ルートと重なり合う為、興味は尽きなかった。是非ご一読をお勧める。    歴史としても面白いし、1000年に亘って繁栄を続けた統治機構を作り上げたプロセスなど、政治機構論的にもかつての政治学徒としても勉強になった。「ヴェネチア共和国は資源に恵まれなかった国である。資源に恵まれた陸地型の国家ならば、非効率の統治が続いても、それに耐えていかれる。古代ローマ帝国、ビザンチン帝国、トルコ帝国も、悪政が続いてもそれが帝国崩壊につながるには、長い長い歳月を要した。一方、資源に恵まれないヴェネチアのような国家には、失政は許されない。それはただちに、彼らの存亡につながってくるからである」との指摘は日本と中国との関係にもそのまま通用しそうな議論で、身に詰まされる思いを懐いた。
地中海で隆盛を誇った貿易国家を描いた、警句と示唆に富んだ作品
いまではゴンドラと運河、という観光都市の印象が強いヴェネチアの都市国家としての千有余年に渡る歴史を描いた。 地中海で隆盛を誇った貿易国家の興亡の歴史を、「美術史以外、ヴェネチア史ついて書かれた書物が皆無」の日本に紹介した逸品。大部の作品だが、決して難解ではなく、著者独特の硬質の筆致に慣れると大変おもしろく読める。 p 後年の「ローマ人の物語」でも顕著だが、著者はこの国家の歴史を描くにあたって、単に歴史上の事象を追うのではなく、その背景となる文化、技術、考え方など周辺事象を含め、余さず描いていく。干潟の上につくられた都市の構造から説き起こし、船の構造や発展、銀行や為替といった商業制度とその発展、政治制度、服飾、女性史などなど。もちろん歴史としても、第四回十字軍、ラテン帝国、ジェノヴァとの制海権争い、オスマントルコ・・・と内容には事欠かない。 ヴェネチアが、キリスト教文化圏にあって、十字軍の狂信からも、宗教改革とその反動の独断からも、魔女狩り、異端裁判といった気狂い沙汰からも自由でいられたのはなぜか? p 君主制を選ばず、かといって宗教国家でもなく、それでいて強力で統治能力に優れた政体を維持できたのはなぜか? 「すべての国家は、必ず一度は全盛期を迎える。しかし全盛期を何度も持つ国家は珍しい。・・・それを何度も繰り返すのは、意識的な努力の結果だからである。」 などなど、全巻にわたって示唆に富む。


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くちコミ情報
ひとは誰でも
失敗したくないと思いながらへまをやり、 こうしてはいけないと解っていながら愚かな真似をする。 悩みのないひとはいないし、何の問題もない家庭もない。 そういう、いわばあなたの隣人の、いや、あなた自身の物語がここにある。 結局のところ他人の暮らしがじぶんとさほど変わりないことを知って、 安心したいのだ。市井の人々の物語を読みたいのは、そんな理由からだ。 CMを作るとき、登場人物の氏名・年齢はもとより、 職業・家族構成・趣味なども考えるのだと聞いたことがある。 トレヴァーが細かな人物設定をすると知り、それと同じだと思った。 ただ彼が書くのは、B面のほうなのだ。 たった三十秒ほどのフィルムから、わたしたちはどれほど多くの情報を 読み取ったり、あるいは想像していることだろう。 もちろん、作者の足元には遠く及ばないのだが。 翻訳者のアンソロジーだった『聖母の贈り物』と比較すると 皮肉っぽい文章は鳴りをひそめ、冷静な観察者としての 作者が浮かび上がってくる。こちらのほうが押し付けがましくない。 でも、じぶんの秘密には不安が残る。 トレヴァーには、もう知られているかも知れない。 
奥行きと深み
クレストブックの存在によって、マクラウドやアリス・マンロー、エリザベス・ギルバートの手による素晴らしい短編作品に触れることができました。それら一つ一つが、読んでいた時の季節や情景・実生活の記憶とともに、深い部分に残り続けていくように思います。一つの人生において、音楽や文章とのめぐり逢いは、人とのそれと同じように重要な意味をもった機会なのではないでしょうか。「ここに素晴らしい作品があります」、結局僕が伝えたいのはただそれだけです。ぜひこの短編集を手にしてみて下さい。決して派手な感動は呼び起こされなくとも、書き手のみならず素晴らしい翻訳により成立した稀有な一冊がここに在ります。
胸中に燻る激情を抑えて、ささやかな幸せを噛み締める人々の物語。
アイルランド生まれで英国デヴォン州に暮らす英文学界の重鎮トレヴァーが2004年に発表した心に深く染み入る12編を収めた円熟の短編集です。著者は1928年生れで本書は76歳の時に執筆された作品であり、その後2007年にも短編集が出ているという事で、その健筆振りには本当に驚かされます。本書に収められた12編の多くは、思うようには行かない苦い人生の中で、それでもそれが必ずしも不幸だとは限らない事に気づいた男女が、ささやかな安らぎと幸せを感じる一瞬の心模様を切り取った物語になっています。『死者とともに』では、粗暴だった夫が急に亡くなった夜偶然に訪ねて来た客に思わず生前の夫への不満を吐露して心の平安を得る老妻を、『夜の外出』では、初対面のお見合いデートで互いに相手の嫌な本性を見抜きながら、険悪にならずに割り切って潔さに感謝しつつ別れて行く男女の心の高揚感を、『ダンス教師の音楽』では、お屋敷の召使として一生を送り晩年を迎えた女性の人生に常に寄り添ってきた心に鳴り響く奇跡のような音楽の調べが描かれています。私が読んで最も心に残った2編を紹介します。『孤独』:幼い頃に母の浮気相手を誤まって殺してしまった少女の心を労わりながら、放浪の旅に出て3人で生涯を過ごした両親との人生を描きます。少女が老いて独りになった時、彼女の心中に賢い老紳士が現れ両親の抱えていた真実を教えてくれます。『密会』:不倫関係の中年男女が幾度も密会を重ねるが、やがて倦み疲れ未来に訪れるであろう不幸を恐れて別れて行く。愛は壊される事なく激情に流されず穏やかに暫し思い出を胸にとどめながら。 本書に描かれる世界は静謐且つ穏やかその物で少し古めかしい印象もあって、現代社会の息吹が感じられず動きが少ない物足りなさも多少はあります。けれど、やはり普遍的な人生の真実を数多く含んだ深い感動を味わわせてくれる小説世界は、今の世の中に於いては誠に貴重でかけがえのない物だと思います。
クレストブックスらしい、さすがトレヴァーという作品
上質で、小説の楽しみを詰め込んだ本を出すクレストブックスシリーズ。 そんなシリーズの精神にぴったりな一冊でした。 フールズオブフォーチュンなど、しっかりとした名作で知られるトレヴァーですが、今回もいい仕事をしています。 短編集で、一つ一つがネックレスのようにつながって,一本の作品になっている感じです。 どちらかというと、暗くて哀しいストーリーが多いですが、困難な人生の中で、人の強さが際立ちます。 トレヴァーの人を愛する気持ち、困難な人生を生延びて行く人たちへの暖かい想いが伝わってきて、読んだ後澄んだ気持ちになれます。 こういう、なんでもない、敗者のにおいのする人生を取り上げて丁寧に描く辺り、トレヴァーの真骨頂なのかもしれません。


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くちコミ情報
最盛期を迎えた国家が衰退に向かい滅亡するまで・・
ジェノヴァとの制海権争い、オスマントルコとの断続的な戦争を戦い抜くヴェネティアだが、時代はすでに大航海時代にはいっていた・・・。海運の衰えを工業や農業の発展で補い、18世紀にヴェネティア文化は爛熟に至った。同世紀末、ナポレオンのイタリア侵攻により同国の独立は終わりを告げる・・・。 p 「歴史家は、国の衰退はその国の国民の精神の衰微によるという。だが、なぜ衰微したかについては、われわれが納得できるような説明を与えてくれない。」 著者は、隆盛を極めたひとつの国家が終焉を迎えるまでを丹念に描いていく。こうも言う。 p 「少なくともヴェネティア史に関するかぎり、このような単に精神の衰微や堕落のみに立脚した論にどうしても賛同することができない。」 こうした視点で描かれる歴史は、前巻に増して、諫言・警句・教訓に富み、飽かせない。 「20世紀のわれわれは、君主制はすべからく悪である、という色めがねを外すことから始めなければならない。」 p 「社会の上下の流動が鈍り、貧富の差が固定化し、結局はその社会自体の持つヴァイタリティの減少につながる。こうなってはもはや、いかなる改革も、いかなる福祉対策も効果はない。」 「英雄待望論は、報われることなど期待できない犠牲を払う覚悟とは無縁な人々が、自己陶酔にひたるに役立つだけだからである。」 p 歴史に学ぶ、とは言い古された言葉だが、そうした知的好奇心を満足させてくれる名著。 「栄枯盛衰が歴史の理ならば、せめてこのヴェネティアのように、優雅に衰えたいものである。」 見事!
ヴェネツィアの興亡
ヴェネツィア共和国の誕生から成長、大発展までを描いた本。政治、文化、一般庶民の暮らしぶりまでさまざまなな側面を描いています。筆者の文章は読みやすく、その分量にもかかわらず、まったく読むスピードが落ちませんでした。歴史の紹介だけではなく、ヴェネチアに対する筆者の洞察も秀逸。数年ごとに読み返したくなります。また、この本を読んでからヴェネツィアへ旅行へ行くと旅行がとても豊かになります。
なるほど(下)
ん~~。正直言って戸惑ってしまった。この本の前半部分、これが同じ人が書いたものかと。著者がもっとも信頼していた編集者が物故したのは、みなさんご承知の通り。編集者が違うとこうも違うものかと。全編を流れる文章のリズムと「節」立てが、明らかに違うのである。しかも、文章が硬直しているのである。さすがに、150ページ過ぎたあたりからは、七生流に流れはじめるのではあるけれど。 この本は、いろいろな意味において、彼女の作家生活にとって大きな転機になっているのは、間違いない。彼女曰く「スペンシェラータ(気楽なとか、無責任なという意味)ではもはやなくなった、つまり大人になったということでしょう。」 まったく、なるほど、である。


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子供の才能を伸ばすには
マチルダは両親に期待されていない女の子です。 それにも関わらず、才能豊かでした。 ある日、両親への怒りから、物を動かす能力を身につけてしまいます。 その才能を利用して、意地悪をする校長先生とも、両親とも独立し、 校長先生からいじめられていた校長先生の姪の先生と一緒に暮らすことになります。 少し、どぎついところもあるようにも思えますが、 嫌みな感じがしないところが不思議です。 自分が子供からどんな目で見られているか、 子供の能力を伸ばさないような親ではないか、 一度考えながら読んでみると、大人でもおもしろいかもしれません。 あなたは、お子さんのどこを伸ばそうとしていますか? マチルダの両親と、学校の校長先生は、反面教師として、マチルダの才能を伸ばしました。 優しくすることだけが子供の才能を伸ばすのではないという教訓を含んでいるかもしれません。
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噛み締めるような人生の真実を描き出す静謐な短編集。
祖国中国を離れてアメリカ・カリフォルニア州で暮らし活躍する新進女流文学作家イーユン・リーの各賞を獲得し絶賛を浴びたデビュー短編集です。本書に収録された10編は、著者が故郷を離れて渡米した後に母国語ではなく英語を使って書かれています。こうした作品成立の経緯は、自由の国アメリカから眺めた祖国という視点を彼女に与え、独自の世界を構築し成功に繋がったと思います。しかし反面(勿論無理もないのですが)距離を置いた事で、抗い難い運命を容認せざるを得ない諦念が浮き彫りになる印象の物も幾つかあります。『あまりもの』では、不遇な老女の噛み締めるような人生のささやかな喜びの断片が『不滅』では、独裁者の影武者的人物がたどる運命の変転を通して、中国の連綿と続いていく終わらない悲劇が描かれています。『死を正しく語るには』は悲運に見舞われた男の姿を嘆くのではなくユーモアを持って明るく見つめ、人生の終焉に際して敬意を表します。『柿たち』は体制に怒りを感じて17人の役人を殺し死刑宣告された男の是非を皆で論じます。表題作『千年の祈り』は、中国からアメリカへ渡った娘の離婚を知った父親が、遥々訪ねて来て安否を気遣い、同時に過去の不仲を解消しようとする話です。父親には隠さねばならない秘密があり、結局娘との心の溝は埋められませんが、ふと知り合った言葉の通じないイラン人婦人と心を通わせます。この作品を読んで、テーマが見知らぬ異国の人との間でも心が通い合う奇跡にあるとは思いつつも、父娘の確執の問題で、もう一歩踏み込んでプライドを捨てて思い切って一切をさらけ出したら違った結果になっただろうにと残念で心残りを感じました。1972年生れでまだ30代半ばと若い著者ですから、そこは人間的に成長途上の段階にあると考えて、これから生み出される作品が今の境地を更に突き抜けて真の感動を与えてくれる物となる事を期待したいと思います。
新たなる才能に乾杯!
千年の祈りは、中国北京生まれの作者が、英語で書いた短編集である。 文体はコンパクトにして、つややか。なまめかしいと思えば、乾いている。女性にしか書けない、表現が多く感心した。 また、場面転換が非常にうまいとおもう。「あまりもの」での、婚約から、結婚式までの流れ。生活が一変してテレビのサイズが大きくなったら、逆に執着しなくなったという表現。始まりと終わりでのお弁当箱の使い方など、若い作家とは思えない巧みな書き方である。 天安門事件当時の中国で成長した人間にしか描けない、さりげない心理・背景描写がすばらしい。不幸を起こした相手を糾弾するのではなく、ただ受け入れざるを得ない状況を淡々と書いているところも、よけいリアルに感じる。 また、折々に不思議なユーモア感があるのも、楽しめる。 中国の庶民が時代の急激な変化の中で、どう対処してきたのか、もっと作品を発表してくれることを願いたい。 なお、このクレスト・ブックスのシリーズは装丁が丁寧で、あたかも活版印刷の時代のよい本のような造りであり、読んでいる間も本が大切な時代のことを思い出させる。ぜひ、カバーを外して見ていただきたい。
処女作とは思えない完成度の短編集
素晴らしい短編集です。これが処女作とは思えない完成度の作品です。 内容は、現代中国を舞台にした十人の主人公たちの人生の一片を切り取ったものです。しかし、その一片は、主人公の人生全体を見事に写し取った内容になっています。 十編のどの作品をとっても素晴らしいのですが、個人的には、冒頭の「あまりもの」と「市場の約束」が気に入りました。 「あまりもの」は、縁づくこともなく年老いた林ばあさんの話で、私立学校の雑役婦をしていて、その生徒に初めて淡い恋心を抱くという作品です。 「市場の約束」は、アメリカに恋人を留学させるために偽装結婚をさせてやり、いつまでも一人でいる三三の話です。恋人が離婚して帰ってきて、縁談がわきあがるのですが、三三は頑なに断ります。自分の決め事をしっかり守ること、それが「人生の約束」で、同じ考えの相手をついに見つけるところで終わります。 十編が十編とも明るい物語ではありません。でも、最後の一言で救われる、そんな物語の連続です。そんな短編集です。
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一騎に読んでしまいました。中国で生きて行くそれぞれの時代において苦しくても それを受け入れて行く 人間としての強さ 未だ若い筆者の豊かな感性に 豊かに成りながら、何かを失って行く中国の人々の心豊かな生活を祈らずには、いられない本、お隣の国の日々の暮らし、と思いを知る。良い一冊でした。