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ドン・ファンとしての九鬼周造
恋愛は哲学者の不得意分野といわれる。ゲーテ、ピカソといった芸術家たちに比して、恋多き哲学者という話はまず聞かれない。ニーチェの痛ましい片思いもさることながら、スピノザがラテン語を一少女に教えていたことが詮索されたり、ハイデガーとアーレントの恋が騒がれるのも、いかにも地味なこの業界ならではのことだ。だが、ヴィーナスよりはミネルヴァの使徒である哲学者たちにも例外はある。わが九鬼周造がそれである。名著『いきの構造』の核心は恋愛論であり、九鬼は「<いき>は恋の束縛に超越した自由な浮気心でなければならぬ」(p48)と断言して、結婚という制度的束縛を嘲笑する。 p このたび、詳細な注と解説を付した文庫版が出版された。九鬼は西洋哲学や文学・芸術だけでなく、江戸時代の風俗や衣装、文学などを縦横に引用するので、言葉の注釈や図版が豊富なのは本当に助かる。これによって「いき」のイメージが生き生きと甦る。何よりもまず美的であることを重んじた九鬼周造その人の魅力と、芸の広さにあらためて感服。
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【くちコミ情報】
ついに手に入れました。絶対に手放しません。
何年も前から欲しかった本です。遂に手に入れました。 なにしろ384ページの大型ハードカバーですから、なかなか読み進められませんが、 作品だけでなくたくさんの文章、スケッチ、ケルムスコット・プレスの活字や、 チョーサー作品集の装丁用押し型等、貴重な写真ばかりです。 ロセッティ、ラスキン、ウィリアム・ベルの三人を、ロセッティの家の庭で撮影した写真もあります。 モリスは奇行さえなければ紳士なのだが、と友人が言ったそうですが、 そんなことどうでもいいんです。作品が好きなのですから。 近くの美術館で「イギリスの美しい本展」を見ました。モリスの作品他、 当時の本たちを生で見て、感動のあまり泣いてしまいました。
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【くちコミ情報】
2回目がおもしろい。
美術史を勉強してなくても食べ物という観点から話を始めていてとてもおもしろいです。宮下先生が他の美術史本で使ってる難しい専門用語とかもあえて取り除いて分かりやすくしてくださっているようで美術史初心者の私にはとてもおもしろかったです。次はもうちょっと難しめの美術史の話を聞きたいなと思いました。 また、この本は2回目がおもしろいっ!! 1回目を途中で諦めた人もいるようですが、自分には合わないと思っても最後まで読んでみてください。そしてもう一回気になる章だけでも再読してみてください。 1回読んだだけでは分からなかったことも「あぁそうかっ!!」って理解できてすごくいいですよ。
知的満腹感が得られる!
「最後の晩餐」をキーワードに西洋美術の豊富な世界に導かれます。 「西洋美術は実際にあったものを再現するのものではなく、形に象徴や寓意を付与して、宗教的・教訓的なメッセージを発する」ということがよくわかり、食を通して美術を見るという新しくて意外な視点を身につけることができました。美術館に行きたくなりましたし、読んでる間は、食欲が刺激されました。読み応えのある本です。最後まで読むと、おいしい食事を味わったようにほどよい満腹感が残りました。安易なワクワク感を期待して読むような人には、この知的な満足感は得られないでしょう。
僕はダメでした
前書きに期待して読み始めましたが、僕には全く面白くなかったです。個別の絵の食に関するウンチクや考察を述べるのですが、たんたんと進み、ワクワク感はなく、耐えられなくて途中で本を置きました、極めて個人的な感想です。本文最初をある程度読んでからの購入をお勧めします。
感動的な美術史
西洋美術はなぜ繰り返し食事の情景を描いてきたのか、という観点から、西洋美術の歴史を振り返る本。あまり美術の知識のない人でもおもしろく読めて、楽しみながら食文化やキリスト教についての知識も得られます。新書にしてはカラーも多く、内容もつまっていて、とてもお得感があります。食・美術・宗教が一直線につながるのがわかって感動しました。
このような講義が聴ける神戸大学の学生は恵まれていますね。
よく欧州の美術館に行くと、どこでもこの種の宗教画と静物画がかなりのスペースを占めています。専門家は別として、通常は何とはなしに、ただ通り過ぎてしまうことが多いのではないでしょうか。しかしながらこれらの作品には、西洋の絵画の基本が表されています。ただそれのバックボーンとなるキリスト教への知識が欠落している日本人には、これらの作品へのempathyが本質的に生み出されることはありません。この作品は、”食べる”という角度から、この日本人には近寄りがたい題材とその基本へのわかりやすい紹介を与えてくれます。といっても決してレベルを落とすことなく、”最後の晩餐”から話を始めることにより、しっかりとした基礎的な知識がわかりやすく得ることができるようかかれています。それは、キリスト教という宗教の特異性とそれに支えられた食への特異なアプローチです。この作品を読むことにより、やっとこれらの絵画の理解に必要な基礎的な寓意や象徴への知識を得ることができました。このような知識があってこそ、その後の西洋美術の変容も理解できるというわけです。最後のエピローグとあとがきは、この種の講義から離れて、著者の美意識の一部が開陳されることになりますが、円谷幸吉の遺書の解読の部分はすばらしい締めくくりになっています。最後にこの新書の西洋美術史シリーズはなかなか面白い物が多いです。
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【くちコミ情報】
入門書です
前半までは分かりやすかったのですが、 後半にいくにつれて説明文が不自然と長い。省略されている部分も多くなる。 (脊柱部分の解説などで顕著に現れてます) 絵の質は『やさしい美術解剖図』より整頓されて細部まで丁寧だと思います。 (上下左右方向からの図もいいと思う。)・・・が量が少ないのかデザインのせいなのか、 文章の内容も悪くはないけど、部分によっては頁をわざわざ捲って確認しないといけないとか、イメージとしては固まりづらいかもしれません。 本当に理解したいならこれ1冊では足りないと思います。
人体デッサンの上達に
骨や筋の造りや、動作をする際の変化などがよくわかります。 デッサンの上達にはそれらを理解することが必要ですが、その参考書となります。
模範的教科書
余計なものを全て切り捨てて並べあげたシンプルな教科書。文章も図もとっつきやすいとは言いにくいけれど、必要な情報は全て入っている。数学の基礎論の教科書と似て即効性は無いけれど、後からじわじわと効いてくる。もしあなたが絵筆の下に強固な骨格を迷い無しに構築してみたいなら、この本はとても力になるはず。少なくともこの本を読んだ後には、自分のデッサンのトチ狂った絵が許せなくなること間違いなし。
絵描きさん御用達?
人体の仕組みを隅々まで解説されています。 本当に細かく描かれていて、ビギナーにもわかりやすいと思います。 各部分の名前なども、特に覚えやすい方の本なのではないでしょうか。 未熟者の私でも、これならやれそうだ、と思えました。
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【くちコミ情報】
人間は、絵を描く動物である。--視覚から「人間性」を再定義する試み
かつて、アメリカの哲学者ジョン・デューイ(John Dewey:1859-1952)は、人間が持つ優れた視覚的な記憶力に注目し、人間が持つ高い視覚的な記憶力こそは、人間を他の動物の間の決定的な違いである事を指摘した。(ジョン・デューイ著『哲学の改造』岩波文庫参照)即ち、他の動物よりも、視覚的な記憶に優れた人間は、例えば、空の雲を見て、それを過去に自分が見た物の記憶と比較し、「あの雲は、人の顔に似ている」等と、考える能力を持って居る事、そして、それこそが、人間の特有の能力である高い思考能力の基礎である事を、デューイは、指摘したのだった。 デューイが、この事を指摘した20世紀前半、脳に関する科学は、まだ、黎明期と呼ぶべき段階に在った。しかし、今日の進んだ脳科学は、様々な研究によって、デューイのこうした人間観を裏付けつつあると、私は、思ふ。即ち、今日の脳科学は、「視覚的物体認識」と呼ばれる脳機能が、霊長類を特徴ずける物である事を明らかにして居るが、絵を見、描くと言ふ行為こそは、霊長類の中でも、特に人間において顕著に発達した、その「視覚的物体認識」の為す技(わざ)に他ならないのである。 本書の内容は、一口に言げば、デューイのそうした人間観を、今日の、最先端の脳科学によって裏付ける物である。即ち、絵を見る、絵を描くと言ふ事が、人間の脳のどの様な構造と働きによって行なはれるのかを、多くの図や、症例と共に解説した、極めてレベルの高い一書なのである。 著者の岩田誠教授は、頭痛などの権威として高名な、日本を代表する神経内科医である。この為、脳梗塞患者に見られる空間認知の変化の観察など、心理学者や生理学者とは違った視点から、脳が絵を見、描く仕組みを分析して居る点が、医学以外の分野で脳研究に携わる人々や、その他の脳に関心を持つ読者には、興味深いのではないだろうか。 日本を愛したデューイは、21世紀の日本で、この様な本が書かれた事を喜んで居るに違い無い。 p (西岡昌紀・神経内科医)
いかにも医者らしい見方だと思いました
第3章の「脳から見た絵画の進化と視覚的思考」は面白いです。視覚処理過程といくつかの絵画の手法が対応させてあり、いかにも医者らしい見方で、私にとっては新鮮でした。視覚処理過程と絵画技法がほぼ一対一に説明可能なのには驚きでした。 p 惜しむらくは、値段が高いこと、第1,2章の対象がはっきりしないことです。神経内科的知識を持っている方には少しまどろっこしすぎ、また引用文献の少なさを感じるんじゃないかと思います。神経内科的知識がないと、詳細部分が分かりづらいではないかと思います。
脳科学の基礎+独創的な美術史論
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難
次のような方に読んでもらいたいです。 p ・ゴシック建築に関する基礎知識があり、さらに知識を深めたい方。 ・中世ヨーロッパに関する基礎知識がある方。 ・哲学的な文章の読解に自信がある方。 p 以上の全ての条件に適合すれば、問題なく読み進められると思います。 私には難しすぎました。もう少し勉強してから読みたいと思います。
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目で楽しむ。
本書は題名のとおりイスラームにおける美術工芸について書かれたものである。他のリブレットシリーズと同様に、用語についての解説も充実しているため、イスラームに関心のある一般の読者でも容易に読むことができると思われる。作者の文体もやはり一般向けに読みやすく書かれている。また写真などの資料も豊富で、イスラームについてあまり関心がない読者でも見るだけで楽しむことができるのではないだろうか。そういう意味も含め、本書を一度手にとって見てみられると良いと思う。
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時空を越えて
時を越え、空間を越え、過去の人と旅をともにする。 それは、読書を愛する人だけに与えられた贅沢に違いない。 ここでは、著者は、ゲーテとの語らいを、なるべく邪魔をしないようにと 気配りしてくれる寡黙な案内人だ。 建築や絵画の写真は少々小さいが、数は多い。そこからは、想像力の出番だ。 本を読み、目をつむる。現実は遠くなり、豊かな世界が目の前にひろがってくる。 旅行カバンは無用。パスポートももちろん無用。 準備するものは、ただ、あなたの旅ごごろだけ。
写真がいい
「イタリア紀行」は、人妻への失恋の痛手を癒すため、ゲーテがやってしまったドイツ・ワイマールからイタリア全域を旅する1年10ヶ月に及ぶ有給休暇旅行、その紀行文である。その旅程を辿っていこうというなんとも贅沢な企画である。現地に住んでいる有閑階級でなければできないこと、それに便乗できるのだからこれほど幸せなことはない。 この新書のヴィジュアル版は綺麗な写真が多く載っていることでよく読んでいるが、本書も約200枚に及ぶ綺麗な写真が読者を楽しませてくれる。しかし、掲載されている写真のサイズが小さいものが多いので少し残念ではある。 また著者は多分ゲーテの歩んだ道を車で移動したものと思われるが、我々読者にとっては今後イタリアに行く際のガイドブックとして利用できるよう、現代の周辺の事情等も記載して欲しかった。 「イタリア紀行」のオリジナル文を活かしたいという趣旨から仕方のないことかもしれないが、もう少し登場人物の紹介をして欲しかった。建築家パッラーディオのエピソードとか、ゲーテ本人の息子アウグストのこととか。アウグストについては、いきなり登場して、いきなり死んでしまう。 しかし、この本は写真だけでもぺらぺらと眺めていても結構楽しい本。
ローマの教会とティントレットの絵、などなど。
綺麗な写真が満載で楽しい本ですね。これだけの写真を写すには、相当元手がかかっているはずです。 よく売れればよいですね。ただし、記述は正確でなければいけません。今の所、2ヶ所ほど、誤りを見つけました。再版の折にでも直して下さい。(1)143頁の教会は、サンタ・チェチリア教会ではなく、サンタ・マリア・イン・トラステーヴェレ教会です。この教会の向かい側に、有名なサバティーニ(名古屋の店は撤退したみたい)があります。(2)71頁のティントレットの絵「天国」は、フレスコ画じゃなくて、世界最大の油絵のはずですが・・・。そのほか、235頁のアラコエリ教会は、アラチェ−リ教会(須賀敦子さんが、これが正しい読み方と何度も書いておられました)。146頁の教会は、トリニタ・デイ・モンティが正解。148頁のアルゼンティーナ劇場は、アルジェンティーナ劇場が正解。以上、余計なお世話でした。
趣向をかえた(?)イタリアガイドでしょう
前々から一読せねばと思いながら出来ていない、書店で手に取ってみてはやめてきた、私にとってのそんな本の1つがゲーテの「イタリア紀行」です。文庫で3巻の分量ということも躊躇している原因。勢いでは読めませんから。かつてはイタリア旅行の必読書だったという話も聞くと余計あせったりもしています。が、この本の「まえがき」のエピソードで安心してしまいました。やはり決して読み易い本ではないようですね。 この本には「ゲーテの訪れた場所の写真がないと読むのが難しい作品」(まえがき)という著者の意図で、ゲーテの旅程を追って「イタリア紀行」を引用しながら、絵葉書的な写真が相当数配されています。でも、カバーの紹介文の「本書は文豪の「知の旅」を辿り、それを体感するものである。」は広告文とはいえちょっと過剰気味ですね。現代の観光旅行感覚でのテレビ番組を見ているような感じがします。著者はさしずめナレーター。 そのようなことで、私は、特に興味深いというものでもないと思いました。手軽だし、難しくないので一気に読めるし、読んで損はないでしょうし、よき暇つぶしにはなるでしょう。悪いというのではないが、だからどうした、のレベルでしょうか。どうせなら、著者の意に沿って、モト本を手に取らなければいけませんよね。モト本のガイド本として読むか、簡略版としてとらえるか、なのですが、さて、モト本を読む気になれるか?何だかこれで終わりにしてしまいそうです。 結局、あ〜あ、(また)イタリアへ行きたいなあ、とそんな感情を抱いているかたがかの地を思いながら読む本かなあ、と思いました。
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所有感
写真や文章のよさはもちろん、一冊の本としてのつくりのよさに感心した。白い本体の清楚でカチッとしたデザイン、一転黒を基調としたカバーのコントラストとその手触り。中身の紙質も一味違う。これらが渾然となって本という「モノ」の出来のよさが伝わり、所有する喜びも感じさせてくれる。カバー裏面に隠された写真も秀逸。
杉本氏の発想の源に触れることができます。
森美術館で開催されている回顧展で杉本氏の作品を見てこの本を買いました。作品は根源的なものへの回帰を目指し、より原始に向かう中で今を知ろうとしているかのようです。杉本氏は時を越えて時代を見つめ、本質を探ろうとしています。この本では杉本氏のモノの見方や知の深さに感銘を覚えました。杉本氏の理解だけでなく、果てしなく広がる近代社会の中で、立ち止まって考えさせてくれる本です。
知識の泉に浸った気分
杉本博司という方がいるというのは、実はこの本で初めて知りました。 どのような作品を作る方なのか、どのような文章を書く方なのかまったく知らずに紹介の文章にひかれて読んでみたのですが、視点と視線がとてもヨイです。目に映る現実の背景にある様々なモノ・コトをもっともっと知りたいとの欲望に駆られる本でした。
言葉
杉本博司氏は1974年よりニューヨークに移住し、海外で活躍しているアーティスト。 その為、日本の出版社より海外の出版社から出されたものの方が多い。洋書ではなかなか、杉本博司氏の写真に対する思いを読み取ることができずにいた。(英語だし。) そんな中、待望の評論集!(日本語で!) 杉本氏の写真も美しいが、文章も非常に美しいので是非!
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