【くちコミ情報】 なに?この作品は…
最初に思ったのはこの言葉です。読み終えた時、愛や正義をモチーフにした天才の手塚治虫がこんな作品を作り挙げたことにある意味での喜びや感動に胸が震えました。一つの計画を自らを犠牲にしてまで成功させる、警察までも欺く青年。このような作品は近年出され社会現象を生みましたが、その原型がこの作品のように感じます。 滅びるのは悪か、それとも…。
完結。 結城と賀来の運命を狂わせたMWという毒ガス兵器。 MWに侵され余命の少ない結城の目的は、そのMWを使用し、全人類を道連れにすることだった!? 賀来は結城の目的を阻止しようと動き出す。だが、とうとう結城はMWを手に入れた!! p 軍や警察が入り乱れ、全人類の命を守るため、結城からMWを奪おうと画策する。そして、最後の切り札として、結城の兄・歌舞伎俳優の河本玉乃丞が呼ばれた。結城に瓜二つな彼は…そして賀来は、結城を止め、そして人類を救うことができるのか!? p かなり非道な性格の主人公・結城ですが、何故か嫌いにはなれません。この世界のどこかに、きっとMWのような毒ガスがあるんだろうな、と思うと背筋が寒くなります。近い未来の一場面を見ているようでした。 ラストのブラックな感じがまた、イイカンジ。手塚さん、やるぅ!! 手塚と読者の真剣勝負
10年以上も前に初めて読んだときには、その物語展開に慄然としたことを強く記憶しています。当時はまだ「ブラック・ジャック」や「火の鳥」といった、正義を判りやすい形で提示してくれる作品領域を越えた手塚マンガに接していなかったために、この「MW」は手塚マンガの掟をやぶった堕天使の物語として、脳天を打ち砕かれるような衝撃を受けたのです。男色、殺戮、涜神、そして読者をあざ笑うエンディング。登場人物のほとんどが「限りなく利己的」で「果てしなく退廃的」です。以来このおぞましい物語の記憶が頭を離れず、今日まで再度手にすることに恐れを感じてきた作品です。 p 手塚は必ずしも正義をストレートに描くマンガ家ではないことを、この15年で私も徐々に理解してきました。勇気をふりしぼって今回再読したのですが、これは正真正銘の手塚マンガでした。 p そしてこの「MW」はラストをすでに知った上で読み返すと、強い憤りを持った反戦への祈りという、実にわかりやすい、手塚の繰り返し描いてきたストレートなメッセージが全編を貫いていることに気づくのです。 p 「MW」のエンディングが多くの読者が期待したとおりのものであったならば、一読には値しても再読を強く勧める作品にはならなかったと私は感じるのです。妥協を許さぬエンディングを用意することによって、読者にある種の覚悟を手塚は要求したのではないでしょうか。これだけの重いテーマを扱う上で、手塚は作家として読者に真剣勝負を挑んだに違いありません。 だからこそ、この作品に手を出す前に読者は自らに問い掛ける必要があります。今、手塚と徹底的に切り結ぶだけの覚悟が自分にあるのか、と。 p 強く勧めると同時に、多くの読者に注意を呼びかけたい秀作長編です。 悪の魅力。
「MW」を手に入れる為に殺人を繰り返していく美知夫。それに惹かれる女達。神父の葛藤。 最後の飛行機でのシーンは中々のものです。人間の持っている「恐怖」の側面を見せつけるようなこの作品。ぜひご覧になってください。
【くちコミ情報】 猫との共同生活。
漫画家の大島弓子さんと愛猫サバとの日々を描いた漫画エッセイ。 p この本の中では出てくる動物全てが擬人化されているのですが、あまり違和感を感じないで読めました。たぶん人間の都合よく擬人化されているわけではないからではないでしょうか?猫とは対等に暮らしていて、同居人という感じです。サバは猫以上のことはしない、他のカラスや渡り鳥や野良猫たちもその動物のする行動以上のことはしない、多分こう言っているのでは?という大島さんの解釈のもとちょっとは言葉はしゃべるけど。人間のかっこうをしていてもやっぱり猫だ。動物を飼っていると、ある程度会話のようなものができるようになってくる(頭のおかしい人じゃありませんよ)動物の気持ちもわかってくるし、動物の方もこっちの気持ちをかなりわかってくれてるなと感じるようになる。そういう事がペットと暮らすことの喜びであり、この本を読むとそのことが自然と伝わってきました。ただ淡々と猫との生活を描いていて、よく猫のことも観察しているなあ。なんだかサバとはあったことがないのに顔見知りの猫みたい。続きの「サバの夏が来た」もおすすめです。 p 大島さんの漫画エッセイに「グーグーだって猫である」というのがある、こっちはサバの後に来たグーグーとビーという猫たちが出てくるのだが、彼らは擬人化されていない。サバは大島さんが初めてちゃんと飼った猫なのだそうだけど、やっぱり特別な思い入れがあったんでしょうね。 ゆったりと楽しんで読めます。癒し系、、、かな。
サバという名のネコと著者のおはなし。この本ではネコを擬人化しているので、特に動物が好きではないという人でもすんなり入れそうです。飼い猫自慢でもなく、日々の何気ない行動が、愛情と常識を込めて描かれています。何度も読めるし結構“癒し系”の部類に入るかも。読んでみると分かりますが、著者にはお笑いのセンスもあるようです。