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   歴史・地理 の売れ筋最新ランキング   [2008年05月17日 13時33分]
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¥ 620(税込)
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ジャンル内ランキング:1,200位  
カスタマーレビュー数:12

くちコミ情報
日本人論
司馬は、戦争遂行における日本人の行動を見つめながら、ロシア人と日本人の違いをなんども語っている。それはひとつの日本人論の姿となっている。
人災の、滑稽混じりの恐ろしさ。
日露戦争の一つの山場である旅順開城が主に描写されている。 その司令部(乃木希典・伊地知幸介)の無能をフィクションらしく極大化し、それがドミノ式に起こしていく旅順における人災の怖さというものを見事に描き出したという点では、司馬遼太郎の文芸作品の真骨頂であると言えるだろう。 何しろ冗談のように人命が浪費されていく描写の中で、その浪費の責任者達の責任感・緊張感・現実感覚のなさを(フィクション内の事実として)くどいほど書き連ねるのである。 最初はホラー映画も真っ青の戦慄を覚えるのだが、そのうち頬が笑いながらひきつる感覚を覚えた。 能力の劣る上司を戴くという人災の、滑稽混じりの恐ろしさというのは、強烈だった。 そうそう忘れられそうにない。
児玉源太郎物語
3巻あたりから登場の児玉源太郎。 今の主人公は、彼であるといっていい。 書き進むうちに、この輝く人物をほうってはおけなくなったのだろう。 遼陽に戦い、二○三高地を落とし、旅順を攻略。 苦労しながら辛くも勝ち進む日本と同時に バルチック艦隊の長く苦しく足並みの悪い旅路が描かれる。 多くのエピソードが示唆を与えるこの戦争は、作者も 物語を選りすぐるのに苦労したのではないか。 そう感じる5巻でした。
これは戦記
第5巻は、バルチック艦隊の滑稽な航海の様子を挟みつつ、主題は203高地攻略から旅順陥落までを描きます。 第1巻から読み進めてようやく実感しましたが、この小説は他の司馬作品とは趣きを大きく異にしています。 序盤こそ主人公の秋山兄弟や正岡子規の描写が中心で、他の司馬作品同様、かなり感情移入できたのですが、中盤(第4巻あたりから)以降はまさに日露戦争の「戦記」といえる内容であり、読者にとっては好き嫌いが分かれるのではないでしょうか。(私は好きですが) 日露双方の登場人物はそれぞれキャラがたって表現されているのですが、それ以上に、凄まじい戦闘の様子がこれでもかと記述されています。小説ですので多少フィクション的要素もあると思いますが、著者もたびたび記しているとおり史実に対する「余談」が多く挿入されており、一般的に知識が乏しい時期である明治時代後半の日本や世界の情勢、日露戦争の様子が幾層にもわたってイメージを構成できる記述になっています。 データ、エピソードの豊富さは、参考文献一覧を記載して欲しいほどです。
旅順陥落とその多大な犠牲
 旅順は陥落したが、それに払った多大な犠牲を思うときに、戦争指揮官の責任とはなにかということを深く考えねばならない。  この戦争における犠牲者に対して責任所在の有無は重要なことではないのか・・・


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くちコミ情報
日露戦争に勝ったことで日本が残った。
○読み始めたきっかけ  司馬遼太郎の歴史モノが好きで、その中でも経営者を中心に愛読者の多い、 「坂の上の雲」を読んでみました。 ○心に残る言葉  日本の砲弾は、敵艦船の装甲を打ち破るのではなく、甲板で炸裂し火災を起こさ せ砲台を無力化することを目的としている。兵力の少ない日本海軍にとって、最も 効率的に戦闘する手段の一つ。  日露戦争当時では、一軍の統率は司令官がその人格力をもってやる、作戦の方は 参謀長が受け持つ。基本的にすべて参謀長に任せる。二者択一を迫られた時か、戦 況が紛糾した時のみ司令官が決を下す。 p.184 農業社会=有能無能の価値基準はなく、自然の摂理に従って、きまじめさと 精励さ嵩が美徳。  狩猟社会=それぞれの能力によって部署に配置され、全体の一目標のために機能 する。その中では指揮者が必要。この社会では人間の有能無能が問われる。世界史 的にみて、狩猟民族は軍隊を作ることに熟達している。 p.256 敵よりも大いなる兵力をもって敵を圧倒撃滅するというのは、常勝将軍と いわれるものが確立し実行してきた鉄則。  日露戦争に勝ったことにより、日本がロシアの植民地にならずにすんだ。しかし、 その成功体験が太平戦争での軍部の過信を生んだ。 ○どんな人に読んでもらいたいか。  過去の日本人の行動や歴史を知ることで、将来の日本の問題について考えるきっか けとなる。できるだけ、多くの日本人に読んでもらいたい。
ちょっとした記述が妙に面白い。
良さについては沢山のレビュアー様がおっしゃっている通り。 個人的には北進軍の中の黒木部隊の記述「まるで別の人種の部隊に率いられていたかのような強さ」というところで思わず吹き出しました。 司馬遼太郎、時々面白い表現しますよね。。
リーダーの資質が組織の運命を決める
第4巻は遼陽の会戦から旅順攻防まで。 リーダーの資質が、特に戦争といういわば極めて緊迫した状態において、いかに重要かということを思い知らされます。 旅順攻略軍における乃木・伊地知コンビ、バルチック艦隊におけるロシア司令長官について、著者は「無能」を連発し酷評しています。当然、ここでいう「無能」とは、全人格を否定する意味での無能ではなく、あくまでもそのとき置かれた状況下において能力を発揮できなかった(もしくは持っている能力が状況に適応できなかった)という意味でしょう。ただ、リーダーたるもの、ある面で優れているだけでは(例えば乃木がもつ会う人を魅了してやまない包容力など)務まらないどころか、組織全体に対して悪影響を及ぼすという事例ともいえ、企業経営などに置き換えると考えさせられるものがあります。 なお、乃木・伊地知が攻撃の失敗から反省することなく、無謀な攻撃をただ繰り返すさまは、日本陸軍がもともともつDNAなのか、後の太平洋戦争を暗示しているようで、名著「失敗の本質」が思い出されてしまいました。
「学ばざる軍隊」のルーツ
第4巻では日露戦争の様子が行きつ戻りつ、詳細に記されており、1〜3巻までの秋山兄弟と正岡子規を中心とした「青春歴史小説」から「戦争歴史小説」の匂いが濃くなる。 黄海会戦、遼陽会戦、バルチック艦隊の間抜けな様子、旅順要塞の攻防戦など、丹念に調べた作者には頭が下がる。 驚くべきは後に神格化された乃木将軍とその参謀の無能ぶりである。 ロシア軍の砲撃の前に屍の山を作っても、正面からの白兵戦を繰り返す様は、約40年後の太平洋戦争で、米軍の圧倒的な火力の前に銃剣で突撃して玉砕して行った日本陸軍の姿がだぶる。 大国ロシアに「勝った」事で、驕りが出た日本は、自己過信に陥り、器は大きいが無能の乃木を英雄に祭りたて、その「失敗」を語る事がタブー化されたのであろうか? 彼らは少なくとも、失敗から学ばなかった。 ガダルカナル、ニューギニア、インパール、ビルマなどで繰り返された、無能な突撃、玉砕は、旅順攻撃の多大な犠牲を反省し、その作戦を失敗と認めて検証していれば、避けられたのではないだろうか?歴史に「たら」「れば」は無用と言うが、太平洋戦争の正当性の判断はは別として、日本陸軍に旅順での失敗を直視して、そこから学ぶ姿勢があれば、何10万人もの若き兵隊を失うことなく戦えたのではないか?と考えざるには得ない。 「学ばざる軍隊」のルーツはここにあったのだ。
日露戦争もたけなわ。
徐々に、主人公の役割が、小さくなっていく印象。 秋山兄弟に関する記述は、本当に少なく、乃木・伊地知、児玉など の記述や事実の記述が多くなる。 日露戦争は、まさに正念場。 戦争の事実に関する話は、俄然面白くなってきた。 それに反して、 物語は往きつ戻りつ、ゆっくり進行し 「〜については、すでに(前に)述べた。」 という表現も多くなる。 同じことを何度も記している印象が残ってしまう。 ちょっと、読みにくい以外は、次が楽しみな展開。


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日本人としての誇り
歴史好きと謳いつつも、実は日本史には触れた事無かった 自分でしたが、あるきっかけで読むことになりました。 感想は大満足。全8冊(文庫本)。 日本史に惹かれたのもそうですが、 やはり司馬遼太郎さんの文章力と探求力に脱帽ですね。 「坂本竜馬」の魅力と、幕末に生きた武士たちの日本を想う気持ちは、私達の忘れている何かを奮い起こしてくれると想います。 日本人としての誇りをもちつつ、そして自分の信義を貫きながら生きる人。また、信義を貫くために死を選ぶ人。 さまざまな局面でさまざまな登場人物が、さまざまな人生を歩んでいきながらも、「日本を想う」という想いは敵味方に分かれても変わらないものでした。 日本人同士が「志は同じ」ながらも、敵味方に分かれて戦うことになってしまった幕末という時代の悲劇を、他の世界(欧米、他アジアなど)になかった歴史だったということとも照らし合わせて、私達が同じ血を受け継いでいるということを再認識すべきだと思います。 「どれだけ気高い生を全うできるか」 ある本で読んだ事があります。「弔辞に何と言われて生を終わりたいか」。 永遠のテーマであると伴に、考えるのは極めて難しいことだと思います。 ただ、この時代の人たちは、自分たちのゆるぎない信義をもち、それに基づいて生き通しました。 その生き様を私達が知り、これからどう想いながら生きていくか。 坂本龍馬の「大政奉還」という大きな贈り物が、今の私達の何不自由ない生活の礎になったと言っても過言ではありません。 歴史が今の私達にどれだけの恩恵を与えてくれているか。 そして、 「『日本人』としての誇り」 が、今の私達にいかに薄れてきているか。 そして、それがどれだけ誇り高いものか。 気付かせてくれる。そんな本書でした。 今まで読んだことなかった自分が言うのもなんですが、絶対読むべし。
柔軟な思考と先見の明を兼ね備えた偉大な人物
幕末を描かれた話を読むと、本当に日本人 ってやつはすごいなぁ!!と誇らしくなります。 この「竜馬がゆく」は全八巻もありますが、 すらすら読めます。 幕末の志士の生き様はみな壮絶です。 死に急ぐ同士を横目に竜馬は、哀しみ、 苦しみ、なんとしても倒幕・開国へと 獅子奮迅します。 「わしは日本人じゃ」 ほとんどの志士が自分の藩のことしか考えて いなかった時代の竜馬の名言のひとつです。 十代の内に、出来れば読んで欲しい。 青年よ!これを読んで大志を抱け!!
新年に最高
尊敬する経営者の愛読書ということと、かねてから日本史、世界史にあまりにも疎すぎた自分に対して喝を入れる意味で、とうとう歴史ものに手を出す。全8巻だがあっという間に読了。坂本竜馬という人間の偉大さに初めて触れて痺れを感じる。 Think glo ally , Act locallyとは、地球環境キーワードでよく言われる(反論もされている)が、幕府によって抑圧された諸藩にあって、世界に目を向け日本国がどうあるべきかを考え、そして時代を動かした男達の想いは筆舌には尽くしがたい。 野望と志とは全く異なるものであると再度認識した。 「世に生を得るは事を成すにあり。」これに尽きる。 ビジネスに無理やり紐付ける癖はよくないが、薩長土の同盟を実現させたり、大政奉還をなしえた竜馬の交渉術は、原則立脚型の典型といえるだろう。人間関係ではなく、問題の本質を照らし、解決に向かわせることの重要性を再度学んだ。 新年にふさわしく、自身を奮い立たせるに十分な読書になる。
政治とは何か、人が生きるのは何のためなのか
人は何のために、誰のために生きるべきかを考えさせてくれる。 薩長連合の提案を自ら口に出せない桂と西郷に対し、竜馬が発した言葉は 作者も何年も考え続けたと言っているように、何度も読み返したくなる 部分である。桂と同じような立場や経験をしたことのある方なら涙が出て くるであろう。 これは小説であり歴史書ではないが、竜馬という人物を通してこの激動の 時代を司馬史観によりわかりやすく表現し、政治家によって我々の生活も 一変してしまうことを教えてくれる。 この小説で孫正義さんも人生が決まったと言っている様に、多くの人々に 勇気と感動を与えてくれる。
バイブル
詳しいことは多数のレビューがあるためあえて書かず。 座右の書としている人、多数。この本をきっかけに自分の人生が変わった人、無数。日本を代表する小説家の代表的な小説です。 「男子たるもの必ず読め!いい女になるにはいい男を理解することだ。そのためには『竜馬がゆく』を読め!」という母の言葉で、我が家のバイブルとなっております。


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明石元二郎物語
戦いのほうは、敵の退却により黒溝台での凄惨きわまりない危地を、あっさりと脱する。 この巻では、むしろ、明石元二郎が主役といってもよいくらいのサイドストーリーが展開されます。 とにかくこの人が、興味深い人物として描かれていて、印象が深いです。 革命に与えたこの人物の影響は、本当のところどの程度なのか? もう少し勉強したい気持ちになりました。
日露戦争のサイドストーリー
第6巻は、読むペースが明らかに遅くなりました。 黒溝台の戦いでは、ようやく好古率いる騎馬隊の戦闘が描かれるのですが、残念ながらその機動力を活かした痛快な戦闘というものではなく、馬を降りて歩兵として戦うことで圧倒的な兵力をもつロシア軍に対抗するという地味なもので少し拍子抜けしました(少ない兵力で戦うにはそれしか方法がしたのですが)。日本軍最大のピンチとなったこの戦いは、ロシア軍内部の権力闘争の影響もあり日本の不思議な勝利で終わります。いわば敵失による勝利といえましょう。 後半は、これまでの苛烈な戦闘についての描写が一休み。バルチック艦隊の遠大な航海、ロシアでの革命活動を促したスパイの活躍、軍艦マーチを奏でる軍楽隊の様子など、日露戦争に関連するサイドストーリーが語られます。戦場での戦闘ばかり読んできた4〜5巻に比べ、登場人物も話題も一気に広がる印象で、読むのに苦労しました。
戦争とはおそろしい
 戦争とはおそろしい。  ちょっとした気のゆるみが多くの兵士を死に至らしめてしまう。  戦争指揮官の責任の重さはとてつもなくおおきい。
官僚組織の腐敗の凄まじさ
日露戦争は、官僚組織が硬直化しきってしまった帝政ロシアと、国家というものをはじめて持ち、生まれたばかりの国家を何とか守ろうと国民上げての防衛を図る弱小国日本の闘いである。 p 今から考えると、確かに勝ったが例えばやり直しがきくとして何度か再戦してみればそのことごとくで日本は負けたであろう。ロシアが敗戦の中に自らの腐敗ぶりに気付くことさえできれば。それほど実力の差はあった。逆に言えば、その実力の差を跳ね返してしまうほど、一致団結してまとまった国家は強いということも言えるし、官僚化して硬直しきってしまった国家というのは話にならないもろさを抱えるということが言えることもよくわかった。 p これは、戦争に限らない。社会におけるあらゆる事象にあてはめることができる教訓であると思う。それほどまでに、ロシアの官僚化が如実に描写されている。むしろ日本の勝利の原因は日本にではなく、ロシアにこそあったのだということがよくよく見にしみた。 p そこを差し引いても、あまりある旧日本男児の気概、生き様にはただただ畏敬の念を禁じえない。狂信的とも言える、信念の強さは凄まじい。この気概をもってすれば今の日本も一気に救われるものと確信する。 p 痛快なまでの古きよき日本の魂が堪能できる。
騎兵隊・スパイ・軍楽隊
秋山好古率いる騎兵隊の奮戦に始まる第6巻は、明石元二郎という新たなキャラクターが登場し、スパイ小説のような舞台設定で革命前夜のロシアが語られる。歴史の表舞台には登場しない明石と言う人物はとぼけた風貌で大仕事をやってのけ、どことなく刑事コロンボを思わせる。著者は彼の業績を称えつつも、歴史の流れのなせる技として誉めすぎることなく伝えようとしている。 p その後の章は、次のクライマックスに備える日本軍やバルチック艦隊の描写だが、軍楽隊の話や艦上の射撃訓練の様子など「余談」も盛りだくさんで、大変興味深く読んだ。


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とても面白かった
 明治期とは、封建時代の呪縛をとかれた力ある若者たちの能力が、縮みきったバネが飛び跳ねるが如くおのおのの空へと躍動していく、そんな時代であったのだろう。  そうした貧しくとも夢のある時代を生きた彼らが、その自己愛とも言うべき野心と共に併せ持った自己犠牲の精神にふれることができた。この潔さが武士道というものなのだろう。  太平洋戦争末期生まれの父を持ち、バブルの醸成期に学生時代を過ごした所謂団塊ジュニア世代の私には衝撃的な内容だった。明治の日本人の純粋さ強さ温かさ、そういった人間力の雄大さをまざまざと見せつけられた。資源のない極東の島国を今日世界第二位の経済大国にまで押上げた強さの基盤はこういった先輩方の精神と血と汗によるものなのだ。  なぜこの尊き精神が団塊以後に継承されなかったのか?戦後教育のあり方がそうさせているのか?単に豊かになったがための堕落なのか?私には答えはわからないが、考えさせられるきっかけとなった。  学生時代にこういった時代小説を読んでいれば私の怠惰な青春時代に一石を投じることができたのかもしれない。
"弱者の特権"
「本日天気晴朗ナレドモ波高シ」 明治日本のハイライトである。 特に7、8巻を読んでいるときはアドレナリンの分泌がとまらず、電車の中では平静を装うのに苦労した。 当時、国力・経済力などあらゆる観点から見劣りする小国日本が大国ロシアを退けたのは魔法でも奇跡でもない。 ・・弱者の側に立った日本が強者に勝つために、弱者の特権である考え抜くことを行い、さらにその考えを思いつきにせず、それをもって全艦隊を機能化した・・ この一文にそのエッセンスが表れている。 経財相の「もはや経済一流ではない。」という言葉が記憶に新しいが、もはや一流でないがゆえに努力し考え抜くという特権をじつは我々は同時に手にしている。どんな苦しい状況であっても、我々が考え抜き、実行できる人間であることをこの本の著者は教えてくれている。 もっとも重要なことではあるが、戦争のむなしさも十分に教えてくれている。
うん、叙事詩。
本書の素晴らしさについては他のレビュアー様のおっしゃるとおりなので、譲ろうと思う。 小説ではなく、史実でもなく、叙事詩だと仰る方もおられたが、実に的を得ている。 確かにこれはどんどん小説ではなくなっていくところが、他の司馬氏の諸作品とは違うように思える。 また、非常に印象的だったのが、司馬遼太郎の、小説とは何かにつての認識が、あとがきに垣間見えるところである。 「小説とは要するに、人間と人生につき、印刷するにたるだけの何事かを書くというだけのもの。」 この定義から言うと、やはり本作は小説とは言いがたいだろう。 それでも面白いのだけれど。
ほんとは、日本人ってかっこいい
日本という国も、そこに住んでいる日本人も、なんて素晴らしいんだと思わずにはいられなかった。 本当の日本人は、あごを上げ、背筋を伸ばし、自分の生きる道をまっすぐと見据えて生きることができる。 調子に乗りやすいところがたまに傷かもしれないが、それでも日本人の芯はとてもかっこいいのだと思った。 他の国と同じように主張ができ、協調性も持っている。 今は目隠しをされている状態だけど、武士道という、世界に誇れる精神も持っている。 私達は各自がもっと胸を張って生きていいし、日本人として、誇りを持って日本を動かしていけるのではないだろうか。 そんな気持ちになった。 なぜそんなふうになれるのか想像もできないが、 登場する日本人が共通して持つ「日本を守るのため」という決死の覚悟にも、心を揺さぶられる。 維新により藩制度が消え、日本人vs日本人の形が「日本」という一つの国に。 そして国vs国の現在から、今度は、地球というひとつのまとまりになるんだろうか、なんて思った。
語り継ぐべき偉大な物語
全巻を通じて語られたのは明治の人々の国を思う心でした。明治という時代は日本において初めて「国家」というものを人々が意識した時代であり真っ向から作り上げようとした熱意に溢れた時代だったと思う。とくに日本海海戦は世界に誇ってよいと思う。残念ながら今の日本は過去にこだわらない主義らしいがたかだか百数年前の出来事なのだ。


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奉天
1会戦で、両軍合わせてひとつの都市の人口に相当する兵士が 戦死した日露戦争も最終章に近づいてきた。 乾坤一擲、ぎりぎりの勝利。 日本は、人材に恵まれていたのだろう、 ロシア軍を、日本の大山のような人物がが率いていたら? 大功のみを考え、小節にかかわらないような人物が組織のトップに必要であることを 痛感します。
いよいよクライマックス
第7巻は陸戦のクライマックスともいえる奉天会戦と、日本海海戦までのバルチック艦隊と日本海軍の動向を描きます。 陸戦については、ロシア軍を率いるクロパトキンの官僚意識、軍人としての精神力の弱さにより、日本が勝利する様が描かれます。ただ、これはあくまでも局地的な勝利であり、日露戦争の勝利を意味しません。戦中でありながら児玉源太郎が帰京して終戦工作を行うなど、日本としては実力の限界まで戦ってやっとここまでの感があります。著者のいう「戦争における勝利の定義」というくだりを読んで、戦争とは終わらせるために始めるもの、ということをその国の指導者が認識していなければならないと痛感しました(始めないにこしたことはないのですが)。 途中、終戦工作に関する項では、米国やフランス、ドイツの思惑が紹介され、ヨーロッパ、米国、アジアの力関係や、他国をいい意味でも悪い意味でも道具として考える世界政策(外交政策)の様子がよく理解できる記述になっています。 また、後半は、日露戦争のクライマックスである日本海海戦に向けた日露双方の海軍の様子が描かれ、最終巻に向けて気分が盛り上がる一冊となっています。
陸戦の日本
 日露戦争の陸戦で日本は勝ったのだろうか?  戦史を詳細に検証しなかった日本陸軍の過ちはここからはじまったのではないかと思わせる事実ばかりでおどろいてしまった。
将としての資質、戦争を行う国家としてのあり方は、、、
奉天の会戦がメイン。 p およそ日本がロシアに勝てる状況ではありませんでした。実際に読んでいても『本当に勝ったの?』という思いは消えません。筆者もそう考えているからです。 p この会戦における最大の要因は『敵将の無能、敵国の官僚化』だとすることができます。戦争において自己の保身、利益のみを追求する腐敗官僚主義が主導権を持つことはそのまま滅亡に繋がることがよくわかります。 p 腐敗官僚が指揮する戦争においては、ロシアほどの大国をして、武力、経済力の面で弱小といわざるを得ない日本のような小国にさえ負けさせてしまいます。驚くべき事実ですが本当のことでしょう。 p 日本男児としては痛快な快進撃を期待してしまうところですが、事実は全く違います。驚くべきとしか言いようのない臆病、保身、官僚主義が“無能”という致命的欠点となって日本を勝利に導きます。 p 人生においても学ぶべき教訓が明確に描かれています。
勝利の定義
奉天の戦いが描かれる第七巻。秋山好古率いる騎兵隊も大奮戦するが、軽快な騎兵隊の進軍イメージとは程遠いぎりぎりの戦闘が続く。結局敵将クロパトキンの、およそ総大将に適さぬ性格と能力の欠如に日本軍は救われる。彼が総司令官であったことは日本にとっては天佑というしかないが、組織の老朽化した帝政ロシアとしては必然であったに違いない。 著者は、奉天の会戦で日本は勝ったのだろうか、と何頁にもわたって考察している。勝利とはいえない側面も多々ありながら、敵の将兵らが負けたと信じて敗走する一方で日本軍が旺盛な士気を保っていたことで、どうやら勝ったと言えそうだ、と読んでいる私も一応納得する。もちろん、日露戦争の勝利は、戦争を長引かせないことに成功したから、と言うことは明白だが。 p そしていよいよバルチック艦隊が日本海に接近する。艦隊を初めに発見した沖縄の人々の挿話が収められている。本土に電信を送るために命を賭しながら、結局第一報となることを逃してしまうのだが、そんな市井の人の活躍が清々しい。


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銃と軍馬―― 16世紀にピサロ率いる168人のスペイン部隊が4万人に守られるインカ皇帝を戦闘の末に捕虜にできたのは、これらのためであった事実は知られている。なぜ、アメリカ先住民は銃という武器を発明できなかったのか?彼らが劣っていたからか?ならば、2つの人種の故郷が反対であったなら、アメリカ大陸からユーラシア大陸への侵攻というかたちになったのだろうか?
否、と著者は言う。そして、その理由を98年度ピューリッツァー賞に輝いた本書で、最後の氷河期が終わった1万3000年前からの人類史をひもときながら説明する。はるか昔、同じような条件でスタートしたはずの人間が、今では一部の人種が圧倒的優位を誇っているのはなぜか。著者の答えは、地形や動植物相を含めた「環境」だ。
たとえば、密林で狩猟・採集生活をしている人々は、そこで生きるための豊かな知恵をもっている。だが、これは外の世界では通用しない。他文明を征服できるような技術が発達する条件は定住生活にあるのだ。植物栽培や家畜の飼育で人口は増加し、余剰生産物が生まれる。その結果、役人や軍人、技術者といった専門職が発生し、情報を伝達するための文字も発達していく。つまり、ユーラシア大陸は栽培可能な植物、家畜化できる動物にもともと恵まれ、さらに、地形的にも、他文明の技術を取り入れて利用できる交易路も確保されていたというわけだ。また、家畜と接することで動物がもたらす伝染病に対する免疫力も発達していた。南北アメリカ、オーストラリア、アフリカと決定的に違っていたのは、まさにこれらの要因だった。本書のタイトルは、ヨーロッパ人が他民族と接触したときに「武器」になったものを表している。
著者は進化生物学者でカリフォルニア大学ロサンゼルス校医学部教授。ニューギニアを中心とする長年のフィールドワークでも知られている。地球上で人間の進む道がかくも異なったのはなぜか、という壮大な謎を、生物学、言語学などの豊富な知識を駆使して説き明かす本書には、ただただ圧倒される。(小林千枝子)

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壮大な知的冒険
なぜユーラシア大陸の文明が栄え、アメリカ大陸(ネイティブアメリカン)の文明を滅ぼしたのか。 そのキーワードとなるのが銃・病原菌・鉄である。 ではなぜユーラシア大陸でそれらが発展し、アメリカ大陸では独自に発展しなかったのか。 本書ではその理由を大胆な仮説で爽快に示している。 その理由はいわれてみればたしかにそうだなとうなずけるものであるし、実際、なんとなく その理由を感じ取っていた人も少なくないと思う。ではなぜこの本が魅力的なのか。 著者は専門分野にとらわれない幅広い教養を持っている。その学際的な知識が絶妙に 絡み合い、人類の長い歴史を描いていく様子がとてもエキサイティングなのだ。 これからの学問は学際的な知識が必要とされていると言われている。 この本こそまさにそれであり、新しい時代を切り開く良書である。
適応の結果
民族が受けてきた環境や影響が文明を決定する。よく覚えておきたいです。どこぞの神に愛されたとか人種優劣論何かのせいにしないように気をつけたいです。   マクロ的な影響は選べないにしても、ミクロ的な影響は自分で選んでゆきたいです。
文明の進化の要因を探る
ヨーロッパ人がアメリカ先住民を征服できたのは、ヨーロッパ文明が強くアメリカ先住民文明が弱かったからです。そしてヨーロッパ文明の強さの象徴が『銃・病原菌・鉄』です。 そして本書では、何故ヨーロッパが強く、アメリカ先住民が弱かったのかを分析しています。 そのロジックはただ一つ、より適したモノが生き残り増殖するという『ダーウィンの進化論』です。 著者はユーラシアが有利で、アメリカやアフリカが不利な条件を抜き出していきます。 その理由として、 0.文明が発達するには一定以上の人口の量と密度が必要であり、それらを確保するには食物生産が必要である。 しかし 1.ユーラシアには栽培に有利な野生の食物が沢山あったが、アメリカには少なかった。 2.ユーラシアには家畜にしやすい野生の動物が居たが、アメリカには少なかった(先住民が食い尽くした)。 3.東西に伸びているユーラシアは緯度に違いが少なく、気候が同じだったので食物や文明の交流が活発だったが、アメリカは南北に伸びているので気候の変動が大きく砂漠などにさえぎられて交流が少なかった。 このためアメリカ先住民の文明はユーラシアより数千年遅れを取ったというのが、著者の主張です。 これらがどのように文明に作用したのかを事細かにシミュレーションしています。 ダーウィンの進化論は『確率論』に根ざしており極めて汎用性が高い理論なので、種の進化にも、文明の進化にも、技術の進歩にも、企業の経済活動にも、応用できます。 そして本著は、その進化論が実際どのように働くかを知ることが出来ます。
人類の歴史を解き明かす書
本書は、ユーラシア、アフリカ、アメリカ、オーストラリアと言ったそれぞれの大陸で発展してきた文化、文明に大きなレベルの差を生み出した原因を追及しようとした力作。 著者が本書を書くきっかけになったのは、ニューギニア人のヤリが著者に問いかけた、 「あなたがた白人は、たくさんのものを発達させてニューギニアに持ち込んだが、私たちニューギニア人には自分たちのものといえるものがほとんどない。それはなぜだろうか?」 という質問である。 著者はこの質問に対する解として、 ・銃 ・病原菌 ・鉄 が、現在に於いても、「発展途上国」と分類されている人たちの人類史に大きな影響を与えたと言う。 上巻ではそのうち、食料生産と農耕が、大陸によりどのように異なる歴史を持っていたのかを解明している。 ここでは、食料生産の多寡が、現代に於ける、「持てるものと、持たざるもの」を分けた大きな理由であるという事が言われているが、その食料についても、緯度の違いによる環境の差が収穫出来る食物の種類や量を、ここまで決定づけているとは、本書を読むまで全く知らなかった。
科学者の見た人類史
科学者(進化生物学者)の見た人類史です。 シャーレの中のバクテリアの増殖に向ける視線で、人類の移動や進化について書いています。 アレキサンダー、エジソンなどという固有名詞つきの英雄、天才を軽視した歴史。 歴史は必然と偶然の積み重ねで進歩してきた事実に過ぎないことを美しく書いています。 子供の頃の私は、歴史の授業が苦手でした。 教科書はまったくアカデミックでない「英雄列伝」だし、 歴史好きと称する人の多くは「英雄好き」「戦争好き」のマッチョ思想の持ち主か、 雰囲気が好きという「オシャレさん」でしょ? という偏見があったのかもしれません。 そんなものは武道や道徳や美術の時間にやっていただきたかった。 脱線しましたが、こういう科学歴史なら歓迎です。 文明国が非文明国を滅ぼすに至った要因=病原菌であること、 発明は必要の母、であることなど、 衝撃的な事実を知れたことがとても楽しく、そしてまた、 これから先の未来もどうなるかわからないなぁ、という壮大なロマンも感じられ、素敵です。


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司馬 遼太郎(著)  
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くちコミ情報
脱藩
続く第二巻。主に故郷土佐での話が描かれています。 面白いのは、多くの人との出会いが描かれているところ。 四国行脚の旅に出て情勢を自分の目で確認する竜馬。時に剣を用いて、時に言葉を用いて人々の心を捉え、その人間の大きさに惹き付けられていく人々。有名無名関わらず、幕末に生きた多くの人々が竜馬の目を通して描かれています。 と、同時に激動の時代背景。『桜田門外の変』、『安政の大獄』といった歴史の世界が遠く土佐にいる竜馬の視点から見れます。「生涯、これほど血のわいた瞬間はない」とは桜田門外の変での竜馬の心境。 激動の時代がいよいよ始まる、そんな幕開けを感じさせる心高ぶる第二巻でした。 いよいよ竜馬も脱藩。 しかし、日本の未来を作った竜馬の脱藩の陰には悲しい犠牲があったことを知る切ない二巻の終わり。第三巻は果たしてどうなるのか、期待が高まりました。
壮大なストーリー。
幕末に活躍した主要人物が次々と頭角を現してきた第2巻。 佐幕派と攘夷派のせめぎあいの中、とうとう竜馬もその渦の中へ。ついに脱藩。 サイは投げられた。もう後戻りはできない。 竜馬がどう活躍していくのか、薩長土がどのような動きをみせるのか3巻が楽しみです。
竜馬がゆく 第二巻
 司馬遼太郎の名作『竜馬がゆく』の第二巻。この巻では、剣術修行を終え北辰一刀流小千葉の塾頭にまで成り上がった竜馬の土佐帰郷から、土佐藩脱藩に至るまでの竜馬の動向が描かれている。この巻では、比較的ゆっくりとした時の流れの中で、竜馬の気持ちの変化や世論の変化、維新志士達の変遷が繊細に描かれており、全巻で劣等感を否めなかった竜馬が藩を捨てて、いよいよ日本全国へと旅立つまでを辿っている。その間、起こった史実は数知れず、安政の大獄から桜田門外の変など、誰もが知る日本を揺るがす大事件の中で、一人揺れる竜馬の心境は多くの読者の心を動かすに違いない。 p  その歴史の中で竜馬が出逢う人物は、必ずしも維新後の明治で卓越した功績を残した者ばかりではない。寧ろ、土佐藩の厳格な身分社会にあっては、多くが尊王倒幕運動の中でその命を散らせたり、或いは佐幕派として惜しむべきその才能を失ってしまった人物も多い。そうした動乱の世の中で、結局は彼等と同じく尊い命を犠牲にしてしまう竜馬が残した数々の偉業の基盤がこの一冊に凝縮されているように思う。時は動いて、この後様々な奇跡を起こす竜馬の、真の第一歩は世を見つめ悩んだ末の脱藩がそれに等しいわけで、その脱藩に至るまでの竜馬の由無し事さえも、今後の日本を揺るがす重大な要素の1つとして描かれている。
竜馬、土佐を発つ
僕の場合、ここ2ヶ月で『新史太閤記』『梟の城』『功名が辻』『燃えよ剣』と読み進め、5冊目になります。 p 二巻では、中岡慎太郎との出会いから土佐脱藩までが描かれています。 p 黒船によって攘夷の空気が高まる土佐で、竜馬は一人、他の者とは違う考え方に至ります。 p 脱藩後に竜馬はどうするのか。 土佐改革を狙う武市半平太はどうなっていくのか。 p 先が気になる一冊です。
脱藩へ
剣術の修行を極めつつある竜馬 p 江戸では、これから時代を動かすことになっていく様々な人物との出会いがあります。武市半平太もその一人。 p 尊皇攘夷の思想に揺れ動く日本にあって、先進の薩摩、長州に遅れまいと武市は土佐勤王等を結成します。 p 一方の竜馬は、上士、郷士の意識の抜けない旧態依然とした藩では、天下の大事をなすことは不可能であると、脱藩を決意します。 p 脱藩は本人のみではなく、その血縁者にまで大きな影響を受ける行為。実行にはとんでもない大きな決断が必要となります。その決断にいたる竜馬の数々の出会い、考え、行動どれもが輝いています。 p 竜馬が見ていたのは常に、藩ではなく、日本全体でした。でもまだここではそこまでの状態にはなっていません。ただ、『こんな男が日本を動かしていくのだなあ。』という言動が随所に見られます。


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